法科大学院

青山学院大学
法科大学院
2016
AOYAMA GAKUIN
UNIVERSITY
LAW SCHOOL
巻頭特別対談
ロースクールから社会に貢
法律の専門家へ
山﨑 新法曹養成制度の下で法科大学院が誕生してから10年が経過しました。青山
学院大学法科大学院は、本学のスクール・モットーである「地の塩、世の光」にそって、
社会的弱者にやさしいまなざしを向け、法を媒介にして人々を救済することのできる法
律の専門家を社会に送り出したいと考え、
日々の教育を実践しています。
ここでは、我々
が次の10年に向けて、
ロースクールからどのような人材を輩出していくべきかについて
後藤昭教授とお話ししたいと思います。
後藤 まず法曹になるという進路が、希望と可能性に満ちた選択であることを法科大
学院がしっかりと発信する必要があると思います。これからの法曹は、資格があれば当
然に生活が保障されるという特権的な仕事ではありません。
しかし、社会が大きく変化し
山﨑敏彦
e
l
fi
o
Pr
■担当科目/財産法(2)、民事法特別演習A・B
(一
■主な著書/(単著)
『 抗弁権の永久性論』
粒社、1986年)
・
(共著)
『ケースブック要件事実・
(有斐閣、2005年)
・
(共著)
事実認定(第2版)』
(成文堂、2010
『新・民法学1総則[第3版補訂]』
年)
・
(単著)
『債権各論講義―要件事実論的ア
(成文堂、2013年)
プローチ』
01 AOYAMA GAKUIN UNIVERSITY LAW SCHOOL 2016
ていく中で、法律を含む専門知識を使って人を助け、社会を良くするために働くことがで
きる、大変やりがいのある仕事です。
また、
自分の意欲と工夫次第で、
いろいろな場面で
力を発揮でき、
自分の名前と責任で仕事ができる可能性と独立性にあふれた仕事だと
思います。
その意味で、司法試験合格は、通過点に過ぎません。あくまで最終的な目標は、社会
に貢献できる優れた法律の専門家になることです。そういう高い目標を目指すことが、
実は司法試験合格への早道でもあります。
山﨑 司法試験に合格するということは極めて重要なことですが、それだけではなく、
法曹を含む法務のプロフェッショナルとして備えるべき力をしっかりと蓄えることこそが
重要だと思います。
本研究科では、
「自ら、広い視野から事実・状況を冷静に正しく分析し、必要に応じて
立ち入った調査をし、深く多面的に検討し、討論し、問題を法的に適切に解決する能力」
を育んでもらうために、基礎から応用への系統的な授業展開、理論と実践の架橋を強く
意識した授業展開をしています。
さらに、社会に貢献できる善き法律の専門家を育成するという観点から、いくつかの
特徴ある科目編成をしています。プロフェッション性の中核をなす倫理観・価値観を涵養
するために、
たとえば「現代弁護士論」では、積極的に公益活動に携わっている弁護士
らをお招きし、話をしていただいています。
また、国際的センスを磨いてもらうという点か
らは、
ワシントン大学ロースクール、ハワイ大学ロースクールと協定関係があることも特
筆しておきます。理論と実務の架橋という点では、模擬裁判・エクスターンシップなどの
ほか、研究者・実務家の共同授業担当によるなどして、要件事実論・事実認定論に習熟
してもらう教育上の工夫をしています。少人数クラスなので、実質的にはどの授業も全
部ゼミのような雰囲気ですね。
後藤 履修課程上の授業だけではなく、教員の日々の指導や、先輩法曹からの学修支
援、
日常的なアドバイスなどの全体を通じて、社会に役に立つ法律家等を育てていこう
詳しくは…
5p
特徴ある
科目編成
13p 協定関係
海外の大学との
献できる
という意識は非常に高いように感じます。特に、院生、修了生と青山法曹会の実務家の
皆さんの間の縦横のつながりが非常に強く、
「社会に貢献できる法律家」という共通目
標にむけた法科大学院の求心力が強いですね。
山﨑 そうですね。学修支援の点でも、教員、卒業生、先輩実務家が共通の目標をもっ
て進められていると思います。本研究科は人数規模としては比較的小さい部類に入ると
思いますが、
それだけに相当に手厚い学修支援体制が準備できています。
教員が学生の求めに応じて開いている法律基本科目や司法試験選択科目について
の「自主ゼミ」では、
きめ細かい指導が展開されていますし、弁護士資格を有する若手教
員による個別指導を内容とする「コミットメントゼミ」では、各院生が「どのような法曹にな
りたいか」という動機を明確にしたうえで、一人ひとりの適性にあった学修計画の立案を
支援しています。
後藤 手厚い学修支援に加え、既修入学者には授業料の全額免除を含む奨学金制
後藤 昭
度があり、司法試験の既修者合格率でも着実な成果を上げてきていますが、今後は、未
修入学者の教育や、他学部社会人を含む多くの人たちに法曹を目指してもらうための
取組みにもさらに力を入れていきたいですね。
2014年度の後期から、法律家に魅力を感じているけれど本格的に法律を学んだ経
験のない方、学部学生や社会人などが、法的思考に対する適性と授業の吸収度を確か
めることができる「法科大学院お試し受講プログラム」を始めました。初学者でも、意欲
があり努力を惜しまないならば、
目標に向けた道が開けるようなしくみを発展させ、法律
家への門を広げていきたいですね。
山﨑 はい。本研究科での3年間で、法曹として活躍できるだけの基礎的な素養をしっ
かりと身に付けてもらい、
さらに卒業後においても、各々の指向する方向性に合わせた継
続学修の機会を提供することで、他学部社会人出身者であっても十分に、法曹として、
あるいは法律的素養を持った魅力的な職業人として、社会に貢献してもらえる体制を作
り上げていきます。
後藤 私たちもさらに努力を続けていかなければなりませんね。そして、本研究科に入
学してくれる学生の皆さんにも、単なる受益者という意識ではなく、教員たちと一緒によ
り良い法科大学院を作る主体になるという気持ちで、ぜひとも入学して欲しいですね。実
際に、授業の質も受講者たちの姿勢によって大きく変化しますから。
山﨑 まさに、本研究科は、私たちと共に、
「法の支配」が隅々まで行き届き合理的で
温かみをもった社会を実現しようと志す仲間を求めているのです。社会に貢献できる法
律家を目指す多くの皆さんと、
なおいろいろな点で発展の可能性を帯びた本研究科を
共に作り上げ、是非とも次の10年に向けた着実な一歩を進めていきたいと思います。
9p
手厚い学修支援
体制
17p
法科大学院
お試し受講プログラム
21p ついて
奨学金制度に
e
l
fi
o
Pr
■担当科目/刑事訴訟法、刑事訴訟法演習、
刑事法特別演習A、模擬裁判(刑事)
(岩波書
■主な著書/(単著)
『捜査法の論理』
店、2001年)
・
(共著)
『 刑事訴訟法(第5版)』
(有
斐閣Sシリーズ、2013年)
・
(共編著)
『 新・コンメン
(日本評論社、2013
タール刑事訴訟法(第2版)』
年)
・
(共編著)
『プロブレム・メソッド刑事訴訟法
(日本評論社、2014年)
30講』
AOYAMA GAKUIN UNIVERSITY LAW SCHOOL 2016
02
&
urpose
PPolicies
本研究科の目的とポリシー
本研究科の目的
本研究科は、
「プロセスとしての法曹養成教育」の中核にあるものとして、理論と実務を架橋すべく、法律基本科目、
実務基礎科目、基礎法学・隣接科目、展開・先端科目を教授し、学生の自学・自修を適切に支援することによって、
高度の職業倫理をもち法曹として必要とされる学識と能力を備えた者を養成することを目的とする。
本研究科の3つのポリシー
A アドミッションポリシー
本研究科は、法曹に必要とされる専門的知識の修得、体系的・批判的・創造的な思考力、
法的な事例分析・議論能力の涵養、法曹としての高い倫理意識の涵養を教育方針として
掲げている。とくに、キリスト教理念に基づき、
とくに社会的弱者に優しい眼差しを向け、
実践するというヒューマニティ感覚にあふれ社会的責任を果たせる法曹、国際的視野を
もった法曹の養成が大切であると考えている。よって、本研究科は、以下のような能力・意
欲等を持った者の入学を求める。
本研究科の教育を受けるに必要な能力と適性に恵まれた者。
本研究科が目標として掲げる法曹像に共感する者。
■ 必ず法曹になるのだという明確かつ強固な意思を持ち、
その実現に向けて日々真剣に継続的に学修する努力を惜しまない者。
■
■
B カリキュラムポリシー
カリキュラム体系
法曹に求められる豊かな人間性の涵養、専門的な法知識の確実な修得、体系的・批判的・
創造的な思考力と法的な事例分析・議論能力の修得、先端的な法領域についての基本的
な理解、法曹としての高い倫理意識の涵養のために、科目種別として、法律基本科目群
(公法系・民事法系・刑事法系あわせて29授業科目)
、実務基礎科目群
(12授業科目)
、基
礎法学・隣接科目群
(15授業科目)
、展開・先端科目群
(68授業科目)
を置いている。
特色
本研究科は、
「 理論と実務の架橋」
を明確に意識した法教育を実践しているが、
とくにキリ
スト教理念に基づき、社会的弱者に優しい眼差しを向け、実践するというヒューマニティ
感覚にあふれ社会的責任を果たせる法曹、国際的視野をもった法曹の養成が大切である
と考えている。そこで、つぎのような特色ある教育内容となっている。
①「要件事実論」、
「事実認定論」の重視
②「特別演習」に端的にみられる研究者教員と実務家教員の協働
③「法曹倫理」のほか「現代弁護士論」を設けるなど法曹倫理の重視
④「キリスト教学」の設置
⑤公共政策を意識した「立法学」の設置
⑥アメリカのロースクール教員、
ドイツ人教員によるものも含めた、外国法、国際法
関連授業科目の充実
C ディプロマポリシー
本研究科は、以下の要件を満たす学生に対し、
「 法務博士
(専門職)
」
を授与する。
課程における
「理論と実務の架橋」
を意識した法の学修によって、
1.法曹に求められる豊かな人間性を涵養し、法曹としての高い倫理意識を培うこ
とのできた者。
2.法曹に必要とされる専門知識、体系的・創造的・批判的な思考力、法的な分析・
議論能力を修得し、いくつかの先端的な法領域について基本的な理解ができた者。
03
AOYAMA GAKUIN UNIVERSITY LAW SCHOOL 2016
urriculum
C
教育課程
1. 学年配置
入学時において以下のとおり学年配置します。
3年標準コース
(法学未修者)
入学定員約28名 1年生
2年短縮コース
(法学既修者)
入学定員約 7名 2年生
2. 修業年限及び在学年限
● 3年標準コースの修業年限は3年とし、在学年限は休学期間を除き6年を超えることはできません。
● 2年短縮コースの修業年限は2年とし、在学年限は休学期間を除き4年を超えることはできません。
3. 修了要件
修了資格を得るためには、修得科目の単位数の合計が修了に必要な単位数
(修了必要単位)
を充たし、かつ、GPA(Grade Point Average)値が
1.2以上でなければなりません。修了必要単位については右表に示す区分に従い、合計100単位以上修得しなければなりません。
ここに示す単位数は科目の種別ごとに要求される最低の単位数であり、
これが1単位で
修了必要単位数
も不足すると修了は認められません。
2年短縮コースの者は、入学時に36単位を上限として法律基本科目群の単位認定を受
科目の種別
履修の種別
必須単位
けることができます。
公 法 16
修了要件を充たした者には、法務博士
(専門職)
の学位を授与します。
民事法 32
62
必修
4. 進級要件
3年標準コース
(法学未修者)
1年次終了時点で修得単位数が30単位未満の場合は、2年次へ進級できません。
2年次終了時点で修得単位数が64単位未満の場合は、3年次へ進級できません。
2年短縮コース
(法学既修者)
2年次終了時点で、認定単位を除いて修得単位数が28単位未満の場合は、3年次へ進
級できません。
なお、3年標準コースと2年短縮コースのいずれも、修得単位数が上記基準を上回るも
のであっても、各学年末に算出されるGPA値が1.2未満の場合は、上級年次に進級できま
せん。
5. 履修登録上限単位
各学年において、履修登録することのできる単位数の上限は右表のとおりです。
法律基本科目群
刑事法 14
選択
実務基礎科目群
基礎法学・隣接科目群
展開・先端科目群
0~4 以上
必修
6
選択必修Ⅰ
2以上
選択必修Ⅱ
4以上
選択必修
4以上
選択必修
12以上
(注)
33以上
総 計 100以上
(注)
「英語能力に優れた」
志願者の加点制度利用で受験をし、入学した者は、第3群
より、
「アメリカ法特講(1)」
または
「アメリカ法特講(2)」
を含めて、6単位選択必修。
履修登録上限単位数
学年
上限
1年生
42単位
2年生
42単位
3年生
44単位
6. カリキュラムの特色
全体の構成
2015年度入学者に対する科目配置は次頁の
「科目配置表」
のとおりです。
法律基本科目群と基礎法学・隣接科目群が1年次前期から始まり、それらと並行しながら2年次前期から実務基礎科目群の必修科
目と展開・先端科目群が導入される形で、
カリキュラムが体系的に組み上げられています。
少人数教育
法律基本科目群の演習科目の一部は、クラスを分割しますので、十数名程度のクラス編成となります。このような少人数教育へ
の努力は、本研究科が最も誇りとする特長のひとつです。
展開・先端科目
展開・先端科目群は、法律基本科目と密接に関連した第1群、司法試験選択科目を中心として先端的法分野・法実務分野をカ
バーする第2群、外国法と国際的法律問題を扱う第3群、法学研究科ビジネス法務専攻の科目からなる第4群、そして
「リサーチ・ペ
ーパー」
の第5群に分かれています。国際的視野をもつ法曹を養成するという観点から、
「 英語能力に優れた」
加点制度で入学した
者について、
「アメリカ法特講
(1)
」
または
「アメリカ法特講
(2)
」
を含めて外国法と国際的法律問題を扱う科目群である第3群から6
単位以上履修することが要求される他は、各自の目指すキャリアや問題関心に合わせてカリキュラムを組むことが可能です。
法曹のマインド
とスキル
教育内容は法理論だけではありません。法律基本科目や展開・先端科目も
「法曹養成に特化したプロフェッショナル・スクール」
と
いう位置づけにふさわしい内容と方法で提供されるうえ、法曹のマインド
(倫理観・価値観)
とスキル
(技能)
に関する科目も多数開講
されています。マインドに関するものとしては、
「法曹倫理」
「現代弁護士論」
「立法学」
「法社会学」
「法哲学」
などの科目が設置されて
おり、
スキルに関するものとしては、
「ローヤリング」
と
「模擬裁判
(民事)
・
(刑事)
」
があります。また、
「エクスターンシップ」
「官公庁イン
ターンシップ」
「公益弁護実習」
は、法理論、
マインド、
スキルが現実の弁護士活動でどのように必要とされるかを知るための機会を与
えてくれるでしょう。司法試験合格後の司法修習では、当初から実務修習が行なわれることになっているため、
これらの科目の重要
性は一層高まっています。
AOYAMA GAKUIN UNIVERSITY LAW SCHOOL 2016
04
C urriculum
教育課程
法曹への道
1年
2年
3年
必修科目
法律基本科目群/公法系(必修)
法律基本科目群/民法系(必修)
法律基本科目群/刑法系(必修)
実務基礎科目群(選択必修)
法 曹へ
法律基本科目群
(選択科目)
/法律学入門等の導入編や、民・刑の要件事実・事実認定等の応用編
司法修習
選択
科目
司法試験合格
法科大学院
実務基礎科目群(必修)
選択必修科目
基礎法学・隣接科目群
展開・先端科目群/1群
展開・先端科目群/2群
展開・先端科目群/3群
展開・先端科目群/4群
展開・先端科目群/5群
科目配置表(2015年度入学者用)
授業科目名
公法系
(16単位必修)
民事法系
(32単位必修)
法律基本科目群
(62単位必修)
刑事法系
(14単位必修)
選択(0~4単位以上)
05
AOYAMA GAKUIN UNIVERSITY LAW SCHOOL 2016
対象年次で必修
対象年次で選択必修
いずれかの年次で選択
対象年次で選択
単位数
憲法(人権)
憲法
(統治)
行政法
(1)
行政法(2)
憲法演習
行政法演習
財産法
(1)
財産法
(2)
財産法
(3)
家族法
民事訴訟法
民事訴訟法演習
民法演習
(1)
民法演習
(2)
会社法
会社法演習
民事法特別演習A
刑法(1)
刑法(2)
刑事訴訟法 刑法演習
刑事訴訟法演習
民事法特別演習B
民事訴訟法特別演習
商法総則・商行為・手形小切手法
商事法特別演習
刑事法特別演習A
刑事法特別演習B
法律学入門
いずれかの年次で選択必修
4
2
2
4
2
2
4
4
4
2
4
2
2
2
4
2
2
4
2
4
2
2
2
2
2
2
2
2
2
1年前期
1年後期
(通年)
2年前期
2年後期
3年前期
3年後期
授業科目名
必修
(6単位必修)
実務基礎科目群
(12単位以上
選択必修)
基礎法学・
隣接科目群
(4単位以上選択必修)
選択必修Ⅰ
(2単位以上選択必修)
選択必修Ⅱ
(4単位以上選択必修)
法務研究科
国際マネジメント研究科
会計プロフェッション研究科
1群
展開・先端科目群
(12単位以上
選択必修)
2群
3群
4群
5群
単位数
1年前期
1年後期
2年前期
2年後期
3年前期
3年後期
法曹倫理
2
民事実務基礎
2
刑事実務基礎
2
模擬裁判
(民事)
2
模擬裁判
(刑事)
2
民事判例論
2
要件事実論・事実認定論 2
会社法実務入門
2
ローヤリング
2
エクスターンシップ
2
官公庁インターンシップ 2
公益弁護実習
2
2
法哲学 2
法社会学
2
立法学
2
現代弁護士論
2
アメリカ法入門
国際マネジメント研究科開講科目
(該当は5科目、2.3年次で履修可能)
会計プロフェッション研究科開講科目(該当は4科目、2.3年次で履修可能)
公法特講A(土地利用と公法) 2
公法特講B
(地方自治法) 2
2
公法特講D
(憲法訴訟)
公法特講E(情報社会と公法) 2
民事法特講A(民事執行法・保全法) 2
民事法特講B
(倒産法Ⅰ) 2
民事法特講C
(倒産法Ⅱ) 2
民事法特講D(倒産法演習) 2
民事法特講E(民事司法の現代的課題) 2
刑事法特講A
(刑事政策) 2
刑事法特講B
(少年法)
2
刑事法特講C(刑事法の現代的課題) 2
刑事法特講D
(経済刑法) 2
2
ジェンダーと法
2
消費者法
2
環境法
(1)
2
環境法
(2)
2
環境法演習
2
労働法
(1)
2
労働法
(2)
2
労働法演習
2
経済法
(1)
2
経済法
(2)
2
経済法演習 2
知的財産法
(1)
2
知的財産法
(2)
2
知的財産法演習
2
租税法
(1)
2
租税法
(2)
2
租税法演習
現代法実務
(医療過誤) 2
現代法実務
(民事弁護) 2
現代法実務
(高齢者と法) 2
2
法務危機管理
2
国際私法
(1)
2
国際私法
(2)
2
国際取引法
2
国際法
(1)
2
国際法
(2)
2
国際人権法 2
国際経済法 2
国際刑事法
2
アメリカ法特講(2)
2
EU法
2
ドイツ法
法学研究科ビジネス法務専攻開講科目
(該当は15科目、2,3年次で履修可能)
2
リサーチ・ペーパー
※各科目のシラバスを本研究科オリジナルサイトから閲覧できます。 http://www.law.aoyama.ac.jp/curriculum/kamokuhaitihyou.html
AOYAMA GAKUIN UNIVERSITY LAW SCHOOL 2016
06
aculty
FMembers
教員紹介
専任教員
久保 茂樹(くぼ しげき)
教 授
後藤 昭(ごとう あきら)
教 授
嶋崎 健太郎(しまざき けんたろう)
教 授
熊谷 士郎(くまがい しろう)
教 授
佐伯 一郎(さえき いちろう)
教 授
田倉 榮美(たくら しげみ)
教 授
■担当科目/行政法(1)、行政法(2)、行政法演習、公法特講A
(土地利用
と公法)
■主な経歴/京都大学法学部卒業、同大学院法学研究科博士課程単位
取得退学、法学修士。青山学院大学法学部専任講師、同助教授、同教授
を経て、2010年より本研究科教授となる。
■担当科目/財産法(1)、民法演習(1)(2)、現代法実務(高齢者と法)、
消費者法
■主な経歴/東北大学法学部卒業、東北大学大学院法学研究科修了、
博士
(法学)
。秋田経済法科大学専任講師、同助教授、東海大学助教授、
金沢大学准教授、同教授を経て、2012年より本研究科教授となる。
■担当科目/財産法(3)、民法演習(1)(2)、要件事実論・事実認定論、模
擬裁判
(民事)
■主な経歴/京都大学法学部卒業。1995年弁護士登録。一橋大学大
学院国際企業戦略科修士課程修了、経営法修士。帝京大学法学部客員
教授
(民法・破産法等担当)
、大宮法科大学院大学教授
(民法担当)
、本学
法科大学院客員教授
(民事法特講A担当)
を経て、2007年より本研究科
教授となる。
■担当科目/刑事訴訟法、刑事訴訟法演習、刑事法特別演習A、模擬裁
判
(刑事)
■主な経歴/一橋大学法学部卒業、東京大学大学院法学政治学研究科
博士課程修了、法学博士。1976年弁護士登録。千葉大学助手、同助教
授、同教授、一橋大学法学部教授、同大学院法学研究科教授を経て、
2014年より本研究科教授となる。
■担当科目/憲法
(人権)
、憲法
(統治)
、憲法演習、公法特講D(憲法訴
訟)
■主な経歴/中央大学法学部卒業、同大学院法学研究科公法専攻博士
課程後期課程修業年限終了退学、法学修士。埼玉大学専任講師、同助教
授、同教授、新潟大学大学院実務法学研究科教授を経て、2014年より
本研究科教授となる。
助教
水上 貴央(みずかみ たかひさ)
助手
助 教
■担当科目/法律学入門
■主な経歴/早稲田大学大学院法務研究科修了、法務博
士。2007年司法試験合格。2008年弁護士登録
(第一東
京弁護士会)
。早稲田大学大学院法務研究科アカデミック
コーディネーターを経て2011年から現職。
院内兼担教員
伊藤 敬也(いとう たかや)
小澤 昌之(おざわ まさゆき)
招聘教授
助 手
■主な経歴/慶應義塾大学大学院社会学研究科博士後
期課程単位取得退学、修士
(教育学)
。静岡大学人文社会
科学部非常勤講師等を経て2013年から現職。
David M. Forman
(デイヴィッド・M・フォアマン)
■担当科目/アメリカ法特講(2)
ハワイ大学
ロースクール教授
実務家兼任教員
法学部准教授
■担当科目/国際私法
(1)
、国際私法
(2)
石井 麦生(いしい むぎお)
弁護士
すずかけ法律事務所
■担当科目/現代法実務
(医療過誤)
木山 泰嗣(きやま ひろつぐ)
法学部教授
酒井 安行(さかい やすゆき)
法学部教授
申 惠丰(しん へぼん)
法学部教授
小倉 孝之(おぐら たかゆき)
■担当科目/租税法(1)、租税法演習
■担当科目/環境法演習
桒名 仁(くわな ひとし)
■担当科目/刑法
(2)
■担当科目/国際人権法
住吉 雅美(すみよし まさみ)
法学部教授
中村 芳昭(なかむら よしあき)
法学部教授
廣瀬 久和(ひろせ ひさかず)
法学部教授
■担当科目/法哲学
■担当科目/租税法(2)
■担当科目/消費者法
07
■担当科目/民事法特別演習A、民事法特別演習B、民事判例論、模擬
裁判
(民事)
、
エクスターンシップ
■主な経歴/青山学院大学法学部卒業。1981年弁護士登録。本学法
科大学院客員教授を経て、2013年より本研究科教授となる。
AOYAMA GAKUIN UNIVERSITY LAW SCHOOL 2016
弁護士
横浜ランドマーク
法律事務所
元検察官
■担当科目/刑事法特別演習B
辻 広司(つじ ひろし)
■担当科目/模擬裁判
(民事)
弁護士 上谷 さくら(かみたに さくら)
神田お茶の水
法律事務所
■担当科目/模擬裁判(民事)
塩見 政幸(しおみ まさゆき)
元参議院常任
委員会専門員
■担当科目/立法学、公法特講B(地方自治法)
弁護士
白石綜合法律事務所
鈴木 健司(すずき けんじ)
弁護士
ホープ法律事務所
■担当科目/エクスターンシップ
■担当科目/模擬裁判
(民事)
、
エクスターンシップ
髙井 康行(たかい やすゆき)
川崎公証役場
■担当科目/模擬裁判
(刑事)
■担当科目/模擬裁判
(刑事)
白石 康広(しらいし やすひろ)
公証人 石橋 基耀(いしばし もとてる)
弁護士 東京靖和綜合
法律事務所
弁護士 アクロス法律事務所
田中 由美子(たなか ゆみこ)
■担当科目/環境法演習
永井 均(ながい ひとし)
■担当科目/エクスターンシップ
弁護士 あおばの風
法律事務所
弁護士 六法法律事務所
塚原 英治(つかはら えいじ)
教 授
浜辺 陽一郎(はまべ よういちろう)
教 授
宮澤 節生(みやざわ せつお)
教 授
教 授
宮﨑 万壽夫(みやざき ますお)
教 授
薮口 康夫(やぶぐち やすお)
教 授
Lenz, Karl Friedrich(レンツ カール・フリードリッヒ)
教 授
■担当科目/刑法演習、刑事実務基礎、模擬裁判(刑事)、刑事法特講C
(刑事法の現代的課題)
■主な経歴/中央大学法学部卒業。1979年司法試験合格。裁判官任
官
(名古屋・前橋・大阪の各地方裁判所に勤務、東京地検出向)
、弁護士登
録
(第一東京弁護士会)
、鹿児島大学客員教授、司法研修所教官、法政大
学大学院法務研究科兼任教授を経て、2011年より本研究科教授となる。
2011年3月司法試験予備試験考査委員を歴任。
■担当科目/会社法、会社法演習、商事法特別演習、会社法実務入門、
法務危機管理、国際取引法
■主な経歴/1984年司法試験合格。慶應義塾大学法学部卒業。インデ
ィアナ大学ロースクール
(ブルーミントン)
LL.M.コース修了。第二東京弁
護士会、
ニューヨーク州弁護士会に所属。早稲田大学大学院法務研究科
教授を経て、2009年より本研究科教授となる。
■担当科目/法社会学、現代弁護士論、官公庁インターンシップ、公益
弁護実習、
アメリカ法特講(2)、
リサーチ・ペーパー
■主な経歴/北海道大学法学部卒業、同大学院法学研究科修士課程修
了、
イェール大学大学院社会学科博士課程修了。Ph.D.、法学博士。北海道
大学法学部助手~助教授、神戸大学法学部・早稲田大学法学部・大宮法科
大学院大学の教授を経て、2007年より本研究科教授となる。1995年から、
ハーヴァード大学をはじめとする北米の10のロースクールで客員教授を
歴任。2013年から、
カリフォルニア大学ヘイスティングス・ロースクールの
教授を併任。
山﨑 敏彦(やまざき としひこ)
新倉 修(にいくら おさむ)
■担当科目/刑法
(1)
、刑事法特講C
(刑事法の現代的課題)
、刑事法特
講D
(経済刑法)
、国際刑事法
■主な経歴/國學院大學法学部専任講師、同助教授、同教授、本学法学
部教授を経て、2004年より本研究科教授となる。 2000年弁護士登録
(東京弁護士会)
。
■担当科目/法曹倫理、民事実務基礎、労働法(1)、労働法(2)、労働法
演習、商法総則・商行為・手形小切手法、現代法実務
(民事弁護)
■主な経歴/東京大学法学部卒業。1978年弁護士登録、第二東京弁
護士会副会長を歴任。早稲田大学大学院法務研究科客員教授、本学
法科大学院客員教授、2010年より本研究科教授となる。
■担当科目/民事訴訟法、民事訴訟法演習、民事訴訟法特別演習、民事
法特講A(民事執行法・保全法)、民事法特講E
(民事司法の現代的課題)
■主な経歴/上智大学法学部卒、同大学院法学研究科博士後期課程単
位取得退学、修士
(法学)
。岩手大学専任講師、同助教授等を経て、2012
年より本研究科教授となる。
教 授 ・ 法務研究科長
■担当科目/EU法、
ドイツ法、国際経済法
■主な経歴/ドイツ第2次司法試験合格で法曹資格
(成績gut, 上位数パ
ーセント)
。青山学院大学法学部助教授
(ドイツ法・EU法)
、同教授を経て、
2004年より本研究科教授となる。
詳しくは、k.lenz.name/j/r/rireki.htmを参照。
■担当科目/財産法(2)、民事法特別演習A、民事法特別演習B
■主な経歴/東北大学大学院法学研究科博士課程中途退学、法学博士。
福島大学講師、助教授、本学法学部教授を経て、2004年より本研究科
教授となる。2002年司法試験考査委員
(至2005年)
、2004年弁護士登
録。
兼任教員
弁護士 中村 芳彦(なかむら よしひこ)
弁護士法人
法律事務所リエゾン
■担当科目/ローヤリング、民事法特講B(倒産法 I )、 法政大学法科
民事法特講C(倒産法 II )、民事法特講D(倒産法演習) 大学院教授
堀越 渉(ほりこし しょう)
■担当科目/模擬裁判(刑事)
松田 政行(まつだ まさゆき)
■担当科目/知的財産法演習
山口 建章(やまぐち たけふみ)
■担当科目/知的財産法(1)、知的財産法演習
吉羽 真一郎(よしば しんいちろう)
■担当科目/知的財産法
(2)
弁護士 麹町セントラル
法律事務所
弁護士 森・濱田松本
法律事務所
弁護士 内田・鮫島
法律事務所
弁護士 潮見坂綜合
法律事務所
石井 光(いしい あきら)
青山学院大学
名誉教授
■担当科目/刑事法特講A
(刑事政策)
葛野 尋之(くずの ひろゆき)
■担当科目/公法特講E
(情報社会と公法)
手塚 一郎(てづか いちろう)
一橋大学
教授
小池 政行(こいけ まさゆき)
日本赤十字
看護大学教授
青山学院大学
名誉教授
谷原 修身(たにはら おさみ)
青山学院大学
名誉教授
清和大学
准教授
宮川 成雄(みやがわ しげお)
早稲田大学
教授
■担当科目/国際法(1)、国際法(2)
■担当科目/環境法(1)、環境法(2)
谷田川 知恵(やたがわ ともえ)
成城大学教授
■担当科目/家族法
■担当科目/刑事法特講B
(少年法)
芹沢 斉(せりざわ ひとし)
川 淳一(かわ じゅんいち)
■担当科目/経済法(1)、経済法(2)、
経済法演習
■担当科目/アメリカ法入門
一橋大学他
非常勤講師
■担当科目/ジェンダーと法
AOYAMA GAKUIN UNIVERSITY LAW SCHOOL 2016
08
lass
CSamples
授業紹介
授業 紹 介
「憲法(人権)」嶋崎 健太郎
■ 科目の概要
■
「 憲 法 」の
授業は、各回の授業計画に対応するテキスト(芦部信喜『憲法』
イメージは多
(第6版))の該当箇所を受講者が事前に読んできたことを前提に、
様 であるが 、
事前に配布する、私の作成したレジュメに用いて、主に講義形式で
この 授 業は、
進める。さらに、
レジュメに埋め込まれたQuestion[設問]や予習
「 近 代 的( 立
課題を用いて受講者との質疑応答も行う。
憲的)意味の
人権各論における各回の授業進行は、
まず、各人権の体系上の
憲法」の考え
位置づけを確認し、その保護内容を明確にした上で、保護内容に
方を重視して
対応した保障の限界とその判定基準を考察する。そのうえで関連
いる。近 代 的
判例の検討を行い、抽象的な憲法理論が具体的事案においてど
意味の憲法とは、
「人権」の保障を目的とし、その目的達成の手段
のように現れるのかを考える。憲法判例の検討においては、
ケース
として権力分立にもとづく
「統治機構」を定めるものであり、
日本国
ブックを用いて、2年次以降の憲法科目の学習へと繋げる。
憲法もその系譜に属する。そこで、本法科大学院1年次の「憲法」
科目は、
この近代的意味の憲法の体系にそって、前期配当の「憲
法(人権)」(4単位)と後期配当の「憲法(統治)」(2単位)の計6単
位で構成されている。
このうち、
「憲法(人権)」では、
日本国憲法全
体の体系と基本原理を確実に身につけた後、いわゆる「人権総
論」-例えば、人権の体系、人権の主体、人権の一般的限界など-
と、
「人権各論」すなわち日本国憲法の保障する個々の人権 -例
えば、法の下の平等、精神的自由権、経済的自由権、人身の自由な
ど- を扱う。
授業 紹 介
■
学 生 か ら の メ ッ セ ー ジ
【憲法】
小林
徹
本授業は単に講義中心に進むのではなく、先生のオリジナルレ
ジュメにて事前に提示されているクエスチョンへの解答を示す
事が求められます。そのため予習で自分なりの正解の準備に苦
心する事もありましたが、授業での質疑応答を通して理解が深
まり、1年次前期のみの短期間で基礎的知識修得のみならず憲
法の原理原則に基づく法的思考力も向上できたと思います。
「行政法演習」久保 茂樹
科目の概要
力、② 考え方
「行政法演習」
(2年後期配当・2単位科目)
は、具体的事例を取
の筋道をつけ
りあげて、行政法の問題を考えるゼミ形式の授業である。前期の授
る力 、③ バラ
業で学んだ知識や考え方を活用して、応用力の養成を図ることを
ンスの良い判
目的としている。
断力からなる
授業の形式
総合的な応用
■
テキストは、曽和=金子編『事例研究・行政法』
(日本評論社)
を
力 である 。こ
使っている。行政上の紛争は、教科書にあるような一般理論ではな
のような力を
く、実際には様々な個別法(食品衛生法、廃棄物処理法、都市計画
身につけるこ
法など)のフィルターを通して発現する。
このため、行政法を真に活
とによって、未
用できるようにするためには、個別法の下で展開される具体的事
知の法律問題に直面したとき、複雑な事実関係の中から問題点を
例の研究・訓練が欠かせない。この授業で事例研究を取りあげる
見つけ出し、法的論理を用いてその問題に解決の筋道をつけ、最終
のは、以上のような理由によるものである。
的にそれが適切妥当な解決であるかを判断することが可能になる。
この授業のもう1つの特色は、
ゼミ形式により進められる点にある。
議論を進めるに当たっては、前期で学んだ行政法の一般理論との
関連づけに注意を払うようにしており、
また、関連する判例があれば
できるだけ紹介するようにして、体系だった理解が得られるように心
掛けている。
幸い本学では、演習クラスの人数が15名前後に抑えられている
ので、比較的密度の濃いやりとりが可能になる。少人数教育のメリ
ットが実感できるところである。
この授業を通じて身につけてもらいたいのは、①問題を発見する
09
授業の形式
AOYAMA GAKUIN UNIVERSITY LAW SCHOOL 2016
学 生 か ら の メ ッ セ ー ジ
【行政法演習】
松本
典子
どんな学習レベルの学生にとっても、
「学ぶことが無い回が1
回も無い」
のが久保先生の授業です。たった1回の授業で、事例
や判例に対する認識が変わったことも、一度や二度ではありま
せん。行政法演習では、久保先生ならではの鋭い切り口を通し
て事例問題に取り組むことで、基本的知識を応用し、表現する力
を身に付けることができました。
授業 紹 介
「会社法演習」浜辺 陽一郎
■
科目の概要
ートしてもらい、
これに対して担当教員から質問を発して、
これを中
この科目は、
心とした討議を行うことによって進行していく。
会社法の基
そして、他の院生には全員、次のような問題意識を持って検討し
本 的な重 要
てくることが奨励されている。第1に、その裁判例の結論は、
どのよ
判例を検討す
うに事実が変わると、結論が変わる可能性があるのか。あるいは、
る演 習 方 式
どのように法律理論が他の立場に変わると結論が変わる可能性が
の授業である。
あるのか考えること。第2に、重要な判例の考え方を頭に入れること
その到達目
は必要であるが、
それは、あくまでも応用がきくように考え方を理解
標は、会社法
することが大前提であるから、それを理解せずして、単に結論だけ
に関する重要
覚えこまないように注意すること。
な判例を学習することを通じて、裁判例の読解力、分析能力を涵養
し、
これを表現する能力を培うことである。
授業の形式
■
具体的には、会社法判例百選第2版〔No.205〕別冊ジュリスト
205(有斐閣)等を使って、各自に事前に割り当てられた裁判例に
ついて、
それぞれ事案の概要、問題点、裁判の結論とその理由につ
いてレポートしてもらい、
これについて討議を行うことによって進行
する。
1回の授業で4件の裁判例をこなすため、院生各自に事前に割り
当てられた裁判例について、
それぞれ事案の概要、問題点、裁判の
結論とその理由についてのレジメを作成させ、
それに基づいてレポ
授業 紹 介
■
学 生 か ら の メ ッ セ ー ジ
【会社法演習】
及川
「法曹倫理」塚原 英治
科目の概要
析しながら、設
この授業は、弁護士倫理を軸に法曹倫理の基礎を学ぶものである。
例を検 討す
併せて、法律家の実態について、豊富なデータをもとに紹介し、学生
る。授業では、
がこれから進むことになる法律家の世界について正確な認識を持つ
教 員は 、君 な
ことを目的としている。 らど のように
「法曹倫理」は「専門職責任」とも呼ばれ、アメリカのロースクール
行 動するかを
においては必修科目であり、各州の司法試験でも必須科目とされてい
学生たちに質
る。日本においても司法改革に際し、法科大学院の必修科目とするこ
問 する。学 生
ととされた。
は自分が弁護
■
亮祐
授業では、学生が百選の発表を行い、条文解釈から個別事案
の特殊性を踏まえた射程の検討までを行います。先生からは厳
しい指摘があるため、学生は相当に準備して発表に臨みます。
当該事案の結論だけでなく、異なる学説を採用した場合の結論
や事案が変わった際に同じ規範が妥当するかなど、発展的問題
にも取組むため、法的思考が身につきます。
授業の形式
アメリカでは、法曹倫理教育においては、プロブレム・メソッドが最
士 や 検 察 官・
裁判官になったつもりで回答することが求められるのである。
も有効な方法であるとされている。この方法を取り入れ、塚原が宮
前提になっている実体法・訴訟法についても必要な学習・解説を
川光治(元最高裁判事)、宮澤節生(青山学院大学教授)
とともに編
するので、総合科目としての性質も持っている。
集した、当該分野の代表的なテキストブックである
『プロブレムブック
法曹の倫理と責任(第2版)』
( 現代人文社)
を用いた授業を行って
いる。
「倫理」というと、道徳講話とかお説教を聞かされる授業と思われ
るかも知れないが、実際の内容は、法律家が具体的な問題に直面し
たときの行動規範を、ケースの検討を通して学んでいくものである。
テキストの各節には複数の具体的な設例が設けられており、設例
毎に相当の参考資料が配列されている。学生は、法律家(主に弁護
士)が直面した問題を解決すべく、さまざまな資料・規範を調査・分
学 生 か ら の メ ッ セ ー ジ
【法曹倫理】
廣瀬
未奈美
講義では、テキストを用い、法律家が直面する問題についての具体的な
事例を検討することで、法律家としての責任を学んでいきます。先生が実
際に体験された話についても聞くことができ、また、学生に対して質問もさ
れるため、様々な資料を分析して、自身で考え解決する力を身に付けるこ
とができます。その日扱ったテーマについての参考資料として本やDVDが
紹介され、講義後、興味がある人にはそれらを貸し出しもしてくれます。
AOYAMA GAKUIN UNIVERSITY LAW SCHOOL 2016
10
ne
Week
of
OStudents
学生の一週間
法科大学院 学生の一週間
■1 日のスケジュール
法務研究科 3年
島崎 晋
本法科大学院の特徴は、学習環境の良さ
演 習 科 目 の 発 表 が あ る と き は、
資料にもう一度目を通しておき
ます。
8:30 ▶
にあります。学生数が少ないこともあり、先生、
OB弁護士の方々との距離が近く、自主的な
9:30
10:00 ▶
に受けられるシステム等、一体となった学習
11:00 ▶
また、校舎自体が新しく、自習室・ローライ
12:30 ▶
起床・準備
移動時間
▶
勉強会での指導、アドバイスを個別に定期的
自 習
授 業
支援を受けることができます。
ブラリ―等の施設も充実しています。
専用のフロアは9階にあるため、
きれ
授 業
14:50 ▶
いな夜景を見ながら勉強することも
疑問点があれば、授業後に質問
できます。履修していない授業
でも、許可があれば聴講も可能
です。
昼 食
13:20 ▶
授業期間中のほとんどの自習時
間は授業やゼミの予習・提出課
題の作成に使っています。各講
義をしっかりとこなしていくこ
とで、自然と力がつきます。
できます。
自 習
自習室は23時30分まで利用
可能です。家では怠けてし
まうので…、なるべく最後
まで残って勉強します。
19:00 ▶
夕 食
20:00 ▶
学食は19時45分まで注文可能で
す。同じ17号館の1階にあり、
近くて時間もかからないのでい
つも利用しています。
自 習
23:30 ▶
自習室
徒歩・柔軟体操
運動不足にならないように、な
るべく体を動かします。
睡眠も大切なので、とにかく寝
られるときは寝ます。
就 寝
01:30 ▶
授業時間を無駄に過ごさないた
めにも、必ず予習をして臨みま
す。先生方の話を注意深く聞き、
何が求められているのか、今後
の勉強に生かします。
■一週間の時間割(2年次)
前期
後期
1限
2限
9:00▶10:30
9:00
10:00
3限
11:00▶12:30
11:00
12:00
13:00
14:00
火曜日
会社法演習
WED
会社法
行政法(2)
(会社法演習)
行政法演習
18:00
19:00
20:00
憲法演習
民法演習(1)
会社法
刑事訴訟法
刑事訴訟法演習
民事実務基礎
刑法演習
(民事訴訟法)
土曜日
SAT
11
(民法訴訟法)
民法演習(2)
国際法(2)
金曜日
FRI
17:00
6限
18:30▶20:00
国際法(1)
水曜日
THU
16:00
5限
16:50▶18:20
行政法(2)
MON
木曜日
15:05▶16:35
15:00
月曜日
TUE
4限
13:20▶14:50
AOYAMA GAKUIN UNIVERSITY LAW SCHOOL 2016
法曹倫理
刑事実務基礎
刑事訴訟法
その他
(学生主体のゼミです)
● 2014年司法試験問題解説
(8科目)
(前期)
● 憲法過去問ゼミ
(前期)
・判例ゼミ
(通期)
● OBゼミ
(7科目)
(夏休み)
● 事例問題研究会
(7科目)
(後期)
会社法過去問ゼミ
(後期)
過去問検討会
(3科目)
(春休み)
● 民法勉強会
(春休み)
● 刑法ゼミ
(春休み)
●
●
法科大学院 学生の一週間
■1 日のスケジュール
法務研究科2年
小林 ゆりか
6:30 ▶
7:15
起床・準備
▶
移動時間
本法科大学院の優れたところは、
自習室やローライブラリー、ラウンジ
電車内で事前に予習していた部
分を再度見直します。移動時間
が長いため登下校の移動時間を
有意義に使うようにしています。
9:00 ▶
などの施設や、生徒に対する学習支援
授 業
体制が素晴らしい点です。施設は最近
10:30 ▶
11:00 ▶
く、とてもきれいなため気持ちよく勉強
12:00 ▶
12:30 ▶
多数のゼミが開催され、科目ごとに集
13:30 ▶
14:00 ▶
新設された17号館に移転したため新し
することが出来ます。また、授業外でも
中的に勉強できる他、事務所見学等によって
実際の現場に触れながら、学ぶことが出来ます。
私は、1科目の予習にとても時
間がかかってしまうため授業が
復習になるように受講していま
す。予習範囲は事前に示されて
いるため、授業レジュメや基本
書該当箇所、出てきた判例はしっ
かり確認し、疑問点はすぐ調べ、
それでもわからない場合は先生
に聞くようにしています。
小休憩
授 業
昼 食
自 習
主 に 学 生 食 堂 で と っ て い ま す。
値段もリーズナブルで、日替わ
り定食などがあってメニューも
豊富です。たまに、息抜きがて
ら表参道や渋谷でとることもあ
ります。
また、本法科大学院は少人数制のおかげ
で、先生方に質問しやすく、先輩後輩問わず
16:50 ▶
を高め合って勉強することが出来る環境だと
18:20 ▶
生徒間の仲が良いため、生徒同士でお互い
思います。
授 業
自 習
次回授業の予習や課題をしています。だらけてし
まわないように時間設定をし、その時間内でやる
べきことをこなすようにしています。必要な資料
などは、自習室のすぐ上
の階にローライブラリー
があるため、そこで調べ
ることが出来ます。
22:00 ▶
23:30 ▶
00:00 ▶
01:00 ▶
ローライブラリー
02:00 ▶
学生食堂
移動時間
移動時間が長いため、
電車内で、特にその日
の授業で苦手だった箇
所の復習をします。
夕 食
自 習
就 寝
■一週間の時間割(1年次)
前期
後期
1限
9:00
月曜日
2限
9:00▶10:30
10:00
11:00
12:00
財産法
(2)
TUE
14:00
財産法(3)
財産法(1)
憲法(人権)
行政法
家族法
15:00
16:00
5限
16:50▶18:20
17:00
18:00
6限
18:30▶20:00
19:00
20:00
法律学入門
刑事訴訟法
財産法(1)
財産法(3)
木曜日
THU
憲法(人権)
刑法(1)
憲法(統治)
刑法(2)
財産法(2)
金曜日
FRI
13:00
15:05▶16:35
民事訴訟法
火曜日
WED
4限
13:20▶14:50
刑法(1)
MON
水曜日
3限
11:00▶12:30
民事訴訟法
民事判例論
刑事訴訟法
土曜日
SAT
AOYAMA GAKUIN UNIVERSITY LAW SCHOOL 2016
12
uccessful
S Graduates’Careers
進路・就職支援
司法試験合格者の進路
司法試験合格者の推移
合格者数
2006年
2007年
2008年
2009年
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
5名
7名
15名
8名
3名
8名
8名
10名
3名
司法試験合格者の進路(2014年調べ)
弁護士
対象者数
法律事務所
社内弁護士
海外留学
56名
3名
2名
検察官
企業法務
司法修習中
1名
1名
4名
グローバルな活動を目指す人々のために
本研究科では、英語能力が高い出願者をとくに歓迎する入試制度を
宮澤節生教授が2013年8月から毎年秋学期に同ロースクールの教授
設け、
ドイツ人教授を擁し、
さらに毎年、
アメリカからの客員教授による
を併任しているため、本研究科出身者は留学直後の重要な時期に同
ることを目指しています。
しかし、実際にグローバルな法曹として活動す
すので、
この制度の利用を目指して多くの方が入学されることを期待し
「アメリカ法特講」を開講して、
グローバルな活動を行う法曹を養成す
教授のサポートを得ることもできます。修了見込み段階から応募できま
るには、
日本で法曹資格を得たうえで、
アメリカのロースクールに1年間
ています。
メリカでも法曹資格を獲得することが、
ほとんど不可欠な条件となって
カリフォルニア大学ヘイスティングス・
ロースクールの校舎
(左側)
と学生寮
(後方のタワー)
在学してLL.M.という学位を取得し、
アメリカの司法試験に合格してア
います。そこで本研究科では、
カリフォルニア州で最古・最大のロースク
ールと協定を結んで、本学出身者が授業料半額免除で留学できる制
度を作りました。カリフォルニア大学ヘイスティングス・ロースクール
(University of California Hastings College of the Law)という
ロースクールで、バークレイやUCLAと同じくカリフォルニア大学システ
ムに所属しており、
サンフランシスコ市の官庁街(Civic Center)に位置
しています(http://www.uchastings.edu/index.php)。本研究科の
就職支援
青山学院大学法科大学院は、法科大学院在学生・修了生の就職活動を積極的にサポートします。
司法試験合格者の方へ
法曹以外の進路を選択される方へ
青山学院大学法科大学院では、青山学院出身の法曹から
―株式会社ベネッセ i̶キャリアとの提携
も、さまざまな支援をいただいています。司法試験に合格
リアと提携し、法科大学院在学生・修了生に対して民間
なる青山学院法曹会の協力を得て、在学時代から修了後
した修了生の就職支援としては、青山学院法曹会が中心と
なって事務所を紹介いただいています。本学を修了した第
67期司法修習生から、当面の間、毎年1名を2年間の期限
付でアソシエイトとして採用することを決めてくださった
事務所もあり、実際に青山学院法曹会弁護士事務所に勤
務する修了生もいます。
13
ヘイスティングス・ロースクールで
学生たちと宮澤先生
AOYAMA GAKUIN UNIVERSITY LAW SCHOOL 2016
青山学院大学法科大学院では、株式会社ベネッセ i̶キャ
企業への就業も支援しています。この提携では、株式会
社ベネッセ i̶キャリアのネットワークを利用して民間企業
の求人案件をご紹介しています。なお、このサービスは
無料でご利用できます。その他にもジュリナビ等による
就職支援も行なわれています。
essages
1
M
修了生からのメッセージ
本学の学風の最大の特長は、
「面倒見の良さ」
です
「普通に勉強すれば普通に合格する」という幸運な人は少なく、全てがよくわからない完全未修
者はもちろん、
どうしても苦手な科目がある人、
(私のように)
知識はあるのに答案の点が悪い人等、
ロースクールで学ぶ人の大半が、学習上の問題を抱えています。それらを独力で解決するのはほ
ぼ不可能です。本学の「面倒見の良さ」の助けを借りることが合格への近道です。
本学で学ぶメリットは、
まず、教員へのアクセスが非常に良い点が挙げられます。授業後の質問
には丁寧に答えてもらえます。
また、研究室に押し掛けて
(?)
じっくり説明してもらうこともしばしば
ありました。
判例集や演習書を用いた自主ゼミもたくさん開かれており、
自分で新たに企画することも容易で
す。参加者が少数でも教員に指導を引き受けてもらえることが多いのも、本学の特色です。
由井 照彦
第68期司法修習生
2000年 東京大学法学部第一類
(私法コー
ス)
卒業
2014年 本研究科2年短縮コース修了
2014年 司法試験合格
現在 司法修習生
また、本学出身の合格者とのつながりが強いことも大きなメリットです。実務家教員を通じて知り
合う機会が多く、
また、
(なぜか)
よく来校しており、気軽に話しかけることができます。教員には中々
聞けない、初歩的知識や勉強の方法を聞くには便利な
(?)存在です。勉強しているのに成績が上
がらないことはよくありますが、
その原因は基礎的知識の不足と勉強方法が間違っていることにあ
ることが多いので、
どんどん利用したほうがいいと思います
教員へのアクセスの良さ・自主ゼミへの参加・合格者との交流等が、修了後も続くこともメリット
の1つです。修了後司法試験受験までは短期間とも思えますが、
この間の勉強で結果が変わるこ
ともある重要な期間です。その間に、教員に質問し、
自主ゼミに参加し、合格者にアドバイスをもら
えることは、合格のために非常に役に立ちました。
また、残念ながら不合格となっても、挑戦し続ける限り、上記のメリットを享受できます。教員や合
格者への質問等はもちろん、在校生の自主ゼミに参加することも可能です。
少人数制であらゆる人々から指導を受けられることが最大のメリット
私は、大学卒業後、社会人経験を経た後、青山学院大学法科大学院に入学しました。
青山学院を選んだ一つ目の理由は、本学が少人数制を採っていたことです。私は非法学部出身で
したので、独学に頼って合格レベルに到達するのは難しい、学校の施設や人材を利用しつくす覚
悟で臨まないと、合格は無理だと思っていました。大人数制だと、
自分の性格上、周囲に遠慮して
十分にその覚悟を実行することができないと感じていました。ですので、必然的に周囲とのコミュ
ニケーションが密になる少人数制を採用している本学を受験することにしました。
本学を選んだ二つ目の理由は、適性試験の英語加点制度があることでした。仕事をしながらで
は、適性試験対策をする時間がなかなか確保できませんでした。ですので、
自分の得意な英語に
よるこの加点制度は、社会人だった自分にとって、大変助かる制度でした。
佐竹 雅
第68期司法修習生
2001年 早稲田大学人間科学部人間健康
科学科卒業
2004年 ニューヨーク市 立 大 学ハンター
カレッジ美術史専攻卒業
2012年 本研究科3年標準コース修了
2014年 司法試験合格
現在 司法修習生
入学当初は、基本書もまともに読めない状態でしたが、千里の道も一歩からと信じて、毎日10時
間以上を目標に勉強を続けていきました。それでも、
自分の知識や事案検討能力の不足を強く感
じていたので、知識については、授業の予復習で得、事案検討能力については教授の論理的な思
考を理解するべく、卒業時まで多くの授業をとり続けました。浪人中は、教授陣、事務室の方々、同
期から有形無形の応援をもらい、
そのことに心から感謝しています。
私は3回目の受験で合格しており、特に2浪目の年は心身ともに本当に苦しかったです。ですが、
答案の添削を申し出てくれた先に合格した同期や、私を諦めずにいてくださる教授陣や事務室の
方々の存在に、物理的にも精神的にも大きく助けていただきました。本学で、法律の知識を身に付
ける以外に、周囲の方々と信頼関係を築ける環境を得られたことが、
自分の合格の大きな要因に
なったと思います。
AOYAMA GAKUIN UNIVERSITY LAW SCHOOL 2016
14
essages
2
M
本研究科は、設立当初より、法学部以外の学部の出身者や社会人の方を大切にしてきました。
法律を全く学んだことがない
(純粋未修)
の方が最終ゴールに到達するのは決して容易なことではありませんが、
それでも頑張って3年間の学習で司法試験に合格する人を輩出しています。
助教・弁護士
青山から法曹実務家へ
― 指導担当者からのメッセージ
水上 貴央
2007年 早稲田大学法科大学院修了
2007年 司法試験合格
2011年より法務研究科助教
・早稲田リーガルコモンズ法律
事務所パートナー
・行政改革推進会議歳出改革
ワーキンググループ委員
・一般社団法人グリーンファイ
ナンス推進機構出資審査委員
会委員
主要著書
(単著)『弁護士仕分け人が語る事業仕分
けの方法論』(日本評論社、2010年)
(共著)『 高校生からわかる政治のしくみ
と議員のしごと』
(トランスビュー、2013
年)
1. 社会の役に立つ法曹になることと司法試験合格
2.厳しくもやりがいに満ちた法曹の仕事に是非とも
は連動している
チャレンジして欲しい
司法試験は、法律実務家として法的な問題への
いまや法曹になったからといって自動的に人生安
具体的解決策を考え、それを論述する試験であり、
泰ということはありえません。
司法試験の準備のための学修と法曹となるための
しかし、
日本社会が多くの課題に直面している今こ
基礎的トレーニングは、その多くが重なり合っていま
そ、法律家に期待される役割はますます大きくなり、
す。本学での授業や模擬裁判、エクスターンシップ、
やりがいに満ちた仕事です。私自身、地方自治体へ
課外講座等の多様な活動は、法曹実務家としての
の条例制定の支援や、地域に貢献できる再生可能
思考訓練の場であり、同時に司法試験合格のための
エネルギー事業の開発支援など、訴訟に限らない多
近道でもあるのです。
様な業務に取り組んでいますが、変化する社会の最
本研究科での知的好奇心に満ちた多様な体験を、
前線で法律家として尽力できることは、非常に楽しく
単に司法試験のためではなく、将来社会に貢献でき
やりがいに満ちています。
る実務家となるために、思い切り楽しんでほしいと思
皆さんも、是非とも大いなる希望と野心を持って、
います。
法曹実務家を目指してほしいと思います。
弁 護士
ゼロから始めた法律学習
― 3年間の学習で司法試験に合格
吉田 可保里
1996年 北海道大学工学部卒業
2010年 本研究科3年標準コース修了
2010年 司法試験合格
2011年 弁護士登録、一級建築士
現在 T&Tパートナーズ法律事務所
主要著書
(単著)『 不動産取引のコンプライアンス
入門』(住宅新報社、2013年)
私は、大学の工学部を卒業したあと、会社員として建
そもそも新司法試験の制度は、多様な人材の確保が
築の仕事に就いておりました。それまで法律とは全く無
目的の一つに据えられ、未修者でも3年の勉強で合格
縁の世界におりましたので、会社を辞めて青学ロースク
できるという設計がなされているはずだと私は考えてい
ールに入学した時には、法律の知識は全くゼロの状態
ます。
もちろん試験は競争ですから、
「よくできた人」から
でした。法律の知識がないことに留まらず、教科書を読
順番に並べられて合否のラインが引かれるわけですが、
み、
その意味を日本語として正しく理解することさえもで
「よくできた人」との評価の判断基準は、初学者が3年
きないような状態からのスタートでしたので、私は、いつ
で習得すべき基本的なことを理解できているかどうか
になったら授業がちゃんと理解できる日が来るのだろう
に尽きるのだろうと思います。
と、
1年生の頃はとにかく不安な日々を送っていました。
と、
まるで「陳述書」のような書きぶりになってしまい
そんな私が3年間、休むことなく毎日学校に通い続け、
ましたが、
これをお読みの皆様が、青学ロースクールに
その結果、
1回で司法試験に合格できたのは、同じ目標
進学されれば、
たとえ全くの未修者であられたとしても、
に向かって互いに切磋琢磨したクラスメートと根気強く
3年の勉強で司法試験に合格され、約4年半後には現
ご指導下さった先生方のお陰です。特に、
クラスメートと
実に弁護士として「陳述書」の案を作成されるようにな
は積極的にゼミを組み、そこで授業で理解しきれなかっ
ることは十分可能です。そのために必要な道具と仲間
たことを復習したり、互いの疑問を共有して理解を深め
は、
ここに全て揃っているのですから。
たりしていました。
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AOYAMA GAKUIN UNIVERSITY LAW SCHOOL 2016
弁護士
国際的な法曹に力をいれている
青山学院ロースクール
小野 智博
1998年 慶応義塾大学環境情報学部卒
業
(環境情報学士)
2007年 本研究科3年標準コース修了
2008年 弁護士登録
現在 ユアサハラ法律特許事務所
私は青山学院大学法科大学院を卒業後、弁護士とし
術や情報の共有が加速するとともに終わりを迎え、勝利
て主に渉外企業法務と知的財産権を取り扱ってきまし
するのは、ルールを知り、使いこなし、
自らスタンダードを
た。昨年、米国カリフォルニア州の法律事務所での1年
作った企業です。自社の製品・サービスを世界標準とす
半のトレーニングを終えて帰国したところです。
るべく、
日本企業の世界市場での生き残りをかけた海外
私が青山学院ロースクールを選んだ理由の一つは、
進出が続いています。
国際的な法曹の養成に力を入れていることでした。在
このような日本企業の海外進出を現場で実感し、現地
学中には国際私法、国際公法、国際取引法、国際税法
の駐在員や日本本社の役員の方々と共に悩み、サポートし、
等の科目を履修し、現在の仕事の基礎になる勉強をす
前進していく作業は、非常にやりがいのある仕事であり、
日
ることができたと思います。
本人弁護士として日本という国の将来に貢献できている
また、青山学院ロースクールはカリフォルニア大学ヘ
実感があります。企業にとっての成功の鍵は、文化と制度
イスティングス校と協力関係にあるため、
カリフォルニア
の違いを理解し、ルールである法律を知り、会社経営に活
で仕事をしている際も、
またカリフォルニアでの生活面で
かすことです。弁護士はその大きな役割を担っています。
も、青山学院のネットワークに助けて頂くことが多々あり、
帰国後は、
このような日本企業の海外進出が私の専
大変有難く感じました。
門分野のひとつになっており、現在は定期的に海外出
日本において人口の減少とともに内需が縮小するな
張をしながら、
日本企業をサポートしています。
か、携帯電話市場に代表されるように、企業の生き残り
青山学院ロースクールで学んだ国際法務の基礎は、
は世界市場での競争力の有無にかかっています。優れ
私の弁護士業務の原点であり、今も変わらず支えてくれ
た製品を作るだけで国際市場で勝利できた時代は、技
ています。
検事
ロースクールで学ぶべきこと
髙橋 朋
2004年 慶応義塾大学法学部法律学
科卒業
2007年 本研究科3年標準コース修了
2018年 検事任官
現在 東京地方検察庁
検事に任官して6年が経ちました。
教授「そう考える理由は。」
名古屋地検、熊本地検、
さいたま地検、東京地検に勤
学生「それは、○○だからです。」
務し、
さまざまな事件の捜査・公判を行い、
さまざまな被疑
教授「そこまでは基本書に書いてあるね。それで、
者・被害者と向き合ってきました。
1人の検事が1年に担当
そう考えた理由は。」
する事件は、優に百件を超えます。それでも、被疑者・被
学生「うーん。それは、○○だからでしょうか。」
害者の名前を聞けば、
どんな事件だったのか、被疑者にど
教授「それで、
そう考えた理由は。」
んな言い分があり、被害者にどんな悲しみがあったのか、
学生「うーん。それは…。」
思い出すことができます。同じ事件はひとつとしてありま
なぜ、なぜ、なぜを繰り返す。基本書に書かれているこ
せん。基本書に載っているようなシンプルな事件もなく、
とは誰にでも分かる。更にその理由、更にその理由を自分
判例と全く同じ事件もありません。そのような中で、妥当な
の頭で考えさせる。青学ローは少人数ですので、教授は
結論に導くには、
どうしたらいいか。基本書・判例を参考に
学生の得手不得手を完全に把握しています。言い淀む学
しながらも、自分の頭で考え、自分の良心に従って判断す
生を決して逃がしてはくれません。毎日の授業が訓練その
る、
それ以外に方法はありません。
ものでした。これはかなり苦しい作業でしたが、その苦しさ
検事は、任官したその日から、検事としての仕事が始まり
が自分の頭で考え判断する力を少しずつ育ててくれたの
ます。ベテランであるか新任であるか、そんなことは被疑
だと思っています。
者・被害者には関係ありません。任官したその日から検事
司法試験は、知識だけでは突破できません。知識と、それ
として仕事をしていくためには、その前に、自分の頭で考え
を使いこなす法的思考力が必要です。自分の頭で考え判
判断する力を身につけておく必要があるのです。
断する力が身につけば、司法試験突破はもうすぐそこです。
私がその力を身につけたのは、
ほかでもない青学ローで
そして何より、青学ローで身につけたこの力は、法曹として
の日々の授業でした。
歩み出した私たち卒業生をいまでも支え続けてくれています。
AOYAMA GAKUIN UNIVERSITY LAW SCHOOL 2016
16
otal
TSupport
青山からはじまる
「法律家へのトータルサポート」
Program 1
法律家への裾野を
「法科大学院お試し受講プログラム」
広げる
憲法・民法・刑法についてそれぞれ90分の特別ポイント講義を実施。その後に関連した問題演習を
行うことで、法律を学ぶことの面白さや法律家として広がる可能性と、
自分の適性について判断材
料を提供します。
無料&夜間開講で社会人にも受講しやすいプログラムです。
「法律家になる」
という夢のリアリティ
を確かめに来ませんか。
Program 2
学部学生中から
可能性を広げる
「特別履修制度A & B」
学部学生に対して学部在学中から本研究科の授業の履修を認め、所定の試験を受けて認定された単位は、
本研究科入学後に修得単位に参入できます。これにより、
「入学前から基礎を固める」
「司法試験直前には
履修しにくい展開・先端科目を余裕がある間に履修する」
など、一人ひとりの多様な学修計画に入学前から
対応します。
Program 3
多様な人材に
「 給付奨学生特別入試」
門戸を開き支援する「3年標準コース特別選抜制度」
⇒ P18へ
3年標準コースについては社会人・他学部経験者に加え、所定の専門資格者や顕著なボランティア活動経験が
ある方など、法律家として社会に貢献して欲しい多様な人材を受入れます。
法学学修経験者を対象とする給付奨学生特別入試では、3年標準コースとして選抜を行ったうえで、2年短縮
コース入学希望者には、3年標準コースの入学資格を残したままで、既修者認定試験
(無料)
の受験を認めます。
きめ細かな少人数教育
司 法 試 験
Program 4
法曹だけでない
多様なプロフェッショナルへ「就職支援プログラム」
⇒ P13へ
Program 5
実務家として
専門性を深める「科目等履修生による実務家継続教育」
Program 6
2015年度より、法曹有資格者を対象とする継続教育として
「科目等履修生」
の制度を導入します。司法試験を控
えたロースクール在学中には受講できなかった多様な展開・先端科目や実務基礎科目を若手弁護士等が学べる
機会を提供するとともに、本研究科院生にとっても、実務家と共に学び実務家と交流することができる場として
さらに本研究科の教育を充実させます。
グローバルな活躍を
「海外ロースクール留学支援」 ⇒ P13へ
支援する
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AOYAMA GAKUIN UNIVERSITY LAW SCHOOL 2016
verview
of
OAdmissions
入試概要
入試概要(特徴)
1. 一般入試において、3つの入試日程を設けます。
第1期
(8・9月)
、第2期
(11月)
、第3期
(1月)
3年標準
(法学未修者)
コース:第1期から第3期 全てで実施 2年短縮
(法学既修者)
コース:第1期のみ実施
2. 一般入試3年標準(法学未修者)コースにおいて、特別選抜制度があります。
● 「特別選抜A」
:社会人経験者・他学部出身者を出願資格とし、特別選抜
● 「特別選抜B」
:幅広い分野において活躍されている方々が有する資格や社会経験等
(修士の学位や公的な資格・語学能力を有する方、キリスト教等の奉仕活動、
ボランティアやPTA活動など)
を出願資格とし、
特別選抜
「法科大学院全国統一適性試験」
の成績は審査対象外
(最低基準点に達していることの確認のみ)
3.「法科大学院全国統一適性試験」第4部利用の入試があります。
● 一般入試3年標準
(法学未修者)
コース第2期、第3期
「一般選抜」
で適用
4. 法学部、または法律学を主たる専攻とする学科等を卒業見込、または、
卒業3年以内の方を対象とした
「給付奨学生特別入試」
(学費等免除)
を実施しています。
● 出願時点において学部で優秀な成績を修めている方を対象に、7月に実施
● 原則として、3年標準
(法学未修者)
コース入学者選抜として、募集・選考
● 2年短縮
(法学既修者)
コースでの入学も可能
→ 3年標準コースでの入学資格を確保したまま、一般入試第1期2年短縮コースにおける所定の試験を
「既修者認定試験」
(無料)
として受験、
合格することによる
5. 2年短縮(法学既修者)コースの試験科目は3科目です。
● 3科目の内訳は、
「憲法」
「民法」
「刑法」
● 第一次審査:筆記試験
(憲法60分、民法90分、刑法60分)
第二次審査:口述審査 ※ 第一次審査合格者を対象
6.「英語能力に優れた」志願者について、
「 法科大学院全国統一適性試験」の
点数を加点して判定します。
● 3年標準
(法学未修者)
コース
「特別選抜A」
「一般選抜」
出願者を対象
● 法科大学院全国統一適性試験の点数を1.3倍に加点判定
● 「TOEFL(iBT)80点以上、
TOEIC730点以上、英検準1級以上、
ケンブリッジのメイン・スイート試験
(いわゆるケンブリッジ英語検定)
に
おいてFCE
(またはそれに相当する評価)
以上」
のいずれかに該当すること
● この制度利用による入学の場合には、国際関係科目6単位が必修
7.「転入学入試」を2回(11月、1月)実施しています。
● 3年標準
(法学未修者)
コースにおける2年次または3年次への転入
● 在学中の法科大学院におけるコースは問わない
2016年度
(2015年度実施)
入試 変更点
(概要)
1. 一般入試3年標準
(法学未修者)
コース 「特別選抜B」
第2期での実施 → 第1期および第2期での実施
2. 3年標準
(法学未修者)
コース
「英語能力に優れた」
志願者についての加点制度
過去3年間に受験した成績を対象 → 受験した年に限らず、全ての成績を対象
ケンブリッジ検定に関する要件を追加
※成績の条件は、上記6.を参照
▶詳細は、本研究科オリジナルサイトに掲載する
『入学試験要項』で必ず確認をしてください。
オリジナルサイト http://www.law.aoyama.ac.jp/selection/index.html
AOYAMA GAKUIN UNIVERSITY LAW SCHOOL 2016
18
O verview of
Admissions
入試概要
募集コースおよび募集人員
募集人員
35名程度
以下のように募集人員を配分しています。
転入学入試
給付奨学生特別入試 10名程度
3年標準
(法学未修者コース)
または
2年短縮
(法学既修者)
コース
2年次転入 10名程度 ※3年標準
(法学未修者)
コース2年次転入
3年次転入 10名程度 ※3年標準
(法学未修者)
コース3年次転入
一般入試 25名程度
3年標準
(法学未修者)
コース 第1期:18名程度 第2期:若干名(※) 第3期:若干名(※)
2年短縮
(法学既修者)
コース 7名程度
(※)
入学手続状況を見て、その都度、募集人員を本研究科オリジナルサイトで公開します。
スケジュール(入学者選考までの流れ)
3年標準(法学未修者)
コース/2年短縮(法学既修者)
コース
給付奨学生特別入試 給付奨学生特別入試
適性試験
出 願
試 験
合格発表
入学手続締切
転入学入試 出 願
適性試験管理委員会
「法科大学院全国統一適性試験」
5・6月
7月1日
(水)
~7月15日
(水)
※消印有効
7月26日
(日)青山キャンパス
【試験科目】小論文、面接
7月30日
(木)
8月5日
(水)
※消印有効
3年標準(法学未修者)
コース 2年次転入、3年次転入 A日程:11月10日
(火)
~11月18日
(水)
※消印有効
B日程: 1月12日
(火)
~ 1月20日
(水)
※消印有効
A日程:11月28日
(土)
青山キャンパス
試 験
B日程: 1月30日
(土)
青山キャンパス
【試験内容】口頭試問
2年次転入:
「憲法」
「
、民法」
「
、刑法」
3年次転入:上記3科目と
「民事訴訟法」
「
、刑事訴訟法」
合格発表
入学手続締切
19
AOYAMA GAKUIN UNIVERSITY LAW SCHOOL 2016
第1次:12月3日
(木)
第2次: 2月4日
(木)
第1次:12月11日
(金)
※消印有効
第2次: 2月12日
(金)
※消印有効
一般入試 3年標準(法学未修者)コース
第1期 : 特別選抜A
(社会人経験者選抜、他学部出身者選抜)
、特別選抜B、一般選抜
第2期 : 特別選抜B、一般選抜
第3期 : 一般選抜
適性試験
出願資格問い合わせ
出 願
適性試験管理委員会
「法科大学院全国統一適性試験」
5・6月
第1期: 7月27日
(月)
、 7月 28日
(火)
第2期:10月26日
(月)
、10月27日
(火)
第3期: 12月14日(月)、12月 15日(火)
第1期: 8月11日
(火)
~ 8月19日
(水)
※消印有効
第2期:11月10日
(火)
~11月18日
(水)
※消印有効
第3期: 1月12日
(火)
~ 1月20日
(水)
※消印有効
第1期: 8月29日
(土)
青山キャンパス
【試験科目】 特別選抜A、一般選抜:小論文、面接
特別選抜B:書類審査、面接
第2期:11月28日
(土)
青山キャンパス
試 験
【試験科目】 特別選抜B:書類審査、面接
一般選抜:小論文(* )、面接
第3期: 1月30日
(土)
青山キャンパス
【試験科目】 小論文(*)、面接
「法科大学院全国統一適性試験」
第4部利用
(*)
合格発表
入学手続締切
第1期: 9月10日
(木)
第2期:12月 3日
(木)
第3期: 2月 4日
(木)
第1期: 9月30日
(水)
※消印有効
第2期:12月11日
(金)
※消印有効 第3期: 2月12日
(金)
※消印有効
一般入試 2年短縮(法学既修者)コース 適性試験
出願資格問い合わせ
出 願
第1次審査
第1次審査
合格発表
第2次審査
適性試験管理委員会
「法科大学院全国統一適性試験」
5・6月
7月27日
(月)
、7月28日
(火)
8月11日
(火)
~8月19日
(水)
※消印有効
8月30日
(日)
青山キャンパス 【試験内容】 筆記試験 「憲法」
「
、民法」
「
、刑法」
9月10日
(木)
9月19日
(土)
青山キャンパス
※第1次審査合格者のみが受験
【試験内容】 口述審査
第2次審査
(最終審査)
合格発表
入学手続締切
10月1日
(木)
10月16日
(金)
※消印有効
AOYAMA GAKUIN UNIVERSITY LAW SCHOOL 2016
20
&
uition
TScholarships
学費・奨学金
1. 学費等
(ア)◎印の校友会費は、退学、除籍の場合には、校友会本部事務局に申請し返還を受け
ることができます。
(イ)青山学院大学卒業見込者の入学金等の金額につきましては、
専門職大学院教務課 に問い合わせてください。
☎ 03-3409-8025
(ウ)今後、経済事情に応じ、学費等の改定が行われた場合には、在学生にも新学費等を
適用することがあります。
費 目
金 額
学費
入学金
290,000円
授業料
1,000,000円
備 考
入学時のみ
毎年納入
(前期・後期分500,000円は分納可)
施設設備料
100,000円
毎年納入
教育活動料
100,000円
毎年納入
諸会費
(小計)
1,490,000円
後援会費
3,000円
◎校友会費
15,000円
学会費
(小計)
─
毎年納入
入学時のみ
(ただし本学出身者は納入不要)
5,000円
毎年納入
23,000円
─
入学時納入金合計
1,013,000円
(後期分授業料含まず)
初年度納入金合計
1,513,000円
後期分授業料500,000円含む
2. 給付奨学金
学業奨励のため、以下の奨学金制度を導入しております。
給付奨学生特別入試による入学者
入学者には、原則として3年間または2年間、学費等に相当する奨学金を給付します。
給付期間は、標準在学年限
(入学コース)
によります。
一般入試
(2年短縮コース
(法学既修者)
)
による入学者
入学者には、原則として2年間、学費等に相当する奨学金を給付します。
一般入試
(3年標準コース
(法学未修者)
)
による入学者
3年標準
(法学未修者)
コース一般入試第1期の成績優秀者
(上位2割程度※入学を条件とする。)
および第1学年、第2学年の成績優秀者
(各学
年2割程度)
に対して、それぞれ300,000円の奨学金を給付します。
3. 貸与奨学金
貸与奨学金は、以下の2種類があります。①と②の併用はできません。
①日本学生支援機構・第1種奨学金(無利子貸与)、第2種奨学金(有利子貸与)
②青山学院万代奨学金(無利子貸与) *法科大学院生は希望者全員貸与。ただし、連帯保証人と保証人が必要となります。
詳細は大学総合案内、大学HP
「学生生活・進路→学費・奨学金・教育ローン」
メニュー内を参照してください。
4. 銀行提携教育ローン
青山学院と銀行が特別に連携し、無担保・低金利・在学期間中の元金返済据置等、一般の教育ローンより有利な条件を設定したものです。
*詳細は大学総合案内を参照してください。
21
AOYAMA GAKUIN UNIVERSITY LAW SCHOOL 2016
lumni
AAssociations
同窓会
法務研究科同窓会
法科大学院を目指される皆さんは、判事、検事、弁護士が活躍する法曹界に入ることを念頭に置かれている人が多いか
と思います。法曹三者になるには、最難関の国家試験「司法試験」を乗り越える必要があり、法科大学院に入学した人すべ
てが乗り越えられるわけではありません。では、法曹三者になることが、法科外大学院を志す皆さんの最終ゴールなのでしょ
うか。皆さんの人生の目標や夢は、
その先にあるのではないでしょうか。法曹になることはあくまで入口であり手段なのでは
ないでしょうか。
私が青山学院大学法科大学院入学の際に提出したステートメントには、
「本人に帰責性のない社会的弱者の手助けをしたい」と書きました。私は現
在、国連WFP協会という国際貢献団体で飢餓と貧困の撲滅を目指し活動
しています。社会貢献の意識が根付き、国際的視野を大切にする青山学院
で学ぶことができたおかげで、
自分のゴールに真っ直ぐ向かっています。
法務研究科同窓会 会長
2014年に青山学院大学法科大学院は創立10周年の節目を迎え、同学
瀬上 倫弘
を修了し、法曹界、国・地方公共団体、民間企業、海外などの様々な世界で
2007年 本研究科3年標準コース
修了
現在 国連WFP協会に所属
に青山学院大学法科大学院(法務研究科)同窓会が創立されました。修了
活躍している同窓生の交流を図り、親睦を深めることを目的として、2013年
生は出身大学・学部も様々で、多様なバックグラウンドを持っています。現在、
本同窓会には、第1期生から第7期生までの修了生が入会しており、昨年の
創立総会には多数の同窓生が集まり旧交を温めました。
「地の塩、世の光」という理念、
また少人数教育から育まれる生涯の仲間
や恩師。青山学院大学法科大学院で学ぶことで、皆さんの人生の目標に近
づけるはずです。いつの日か皆さんと同窓会でお会いできるのを心より楽し
みにしております。
青山学院法曹会の協力
青山学院大学法科大学院では、青山学院出身の法曹からなる青山学院法曹会の協力を得て、
コミット
メントゼミを通じた相談・助言、弁護士事務所の紹介・斡旋など、小規模ロースクールのメリットを活かして、
ひとりひとりの法科大学院在学生・修了者の希望・特性に則した支援を行なっています。青山学院法曹
会の弁護士の事務所に勤務する修了生もいます。
弁護士
エクスターンシップ受け入れ弁護士からのメッセージ
彼を知りて己を知れば百戦して殆からず
実務を知ることにより更なる飛躍を
皆様は実務法曹を目指されて日々、六法をはじめとする各法を勉強し、演習やゼミに参加して法律知識,
法的思考を
深く習得されようとしていることと存じます。
条文、基本書および判例を中心とした座学が法律家の基本であり、法律知識や法的思考能力を十分に有することが
実務法曹の基礎であることは間違いありません。
しかし、皆様は法律学を研究する研究者ではなく、裁判官、検察官、弁
護士をはじめとする実務法曹を目指されています。実務法曹を目指すからには、法曹実務が実際にどのように行われて
いるかを知らなければなりません。
弁護士は事件当事者に近く、民事および刑事の双方の事件を行うことができ、契約書のチェック、交渉、一般法律相
談など幅広い分野をカバーする実務家です。青山学院大学大学院法務研究科では、実務経験が長く、多様な案件を
扱う弁護士が皆様を受け入れ、習得した法律知識などがどのように法曹実務に結びついているかを中心として皆様の
白石 康広
青山学院大学法学部卒業
1990年 司法試験合格
現在 白石綜合法律事務所
代表パートナー
指導に当たっています。
皆様が法曹実務を知り、それまでの勉強で不足していた部分を知り、実務法曹となるために司法試験が何を問うて
いるのかを考えれば、今後の勉強に資することと思います。エクスターンシップで法曹実務を知り、更なる飛躍を遂げら
れてください。
AOYAMA GAKUIN UNIVERSITY LAW SCHOOL 2016
22
Q
Q.&
A
大学院での学び・学生生活についての
知りたい
聞きたい
Q2
Q1
青山学院大学法務研究科の
他と違う点は何ですか?
A
本研究科は、渋谷・表参道という交通アクセスに至便な立地に、通常教室、模
擬法廷、ローライブラリー、固定の席と書架のある自習室やロッカー、ゼミ室
等を備え、都内有数の学習環境を完備しています。
また、少人数の法科大学院らしく、教授陣による課外ゼミや学生同士の学習会等も頻
繁に行われ、教授と院生と事務スタッフ、同級生、先輩と後輩など、多様な人的つなが
りの中で、皆で助け合い、切磋琢磨しながらより良い法律実務家を目指して努力して
います。最新の学習環境と温かみのある教育体制の両方を大切にしています。
授業内容やカリキュラムの
特長は何ですか?
A
主に、法律基本科目群と基礎法学・隣接科目群を1年次から学習し、2年次からは、演習型の基本科
目に加え、実務基礎科目群の必修科目と展開・先端科目群を履修する構成になっています。多くの
授業は10名前後の少人数クラス編成により実施され、教授や院生同士の活発な議論を通じて実践的な知
識の確実な習得を図ります。
特に、法曹のマインド
(倫理観・価値観)
とスキル
(技能)
の双方の養成に力を注いでおり、
「法曹倫理」
で所与
の成績を残したうえで法律事務所へのエクスターンシップ等に参加することが可能となり、
また
「現代弁護士
論」
では実務家のゲストスピーカーから法律家が直面する課題を直接聞く機会を持つことができます。さら
に、
「模擬裁判」
では法廷教室を使って実際の訴訟進行を自ら主体的に体得します。
Q3
未修者が3年で司法試験レベルの力を
身に付けることができるでしょうか?
A
3年間という短い期間で十分な知識を習得することは決して容易ではありません。
しかし、
これまで
本研究科で学んできた修了生の例をみると、社会人経験者や他学部出身の未修者であっても、明
確な目的意識を持ち、学修方法についても常に工夫をしながら勉強を続けた方については、修了直後の司法
試験で上位合格を果たす例が複数存在します。
本研究科の修了生や助教による学修方法のアドバイスや学修計画の進捗確認のための面談など、
きめ細か
な学修支援によって、司法試験合格者を含む多くの教育スタッフが皆さんの学修をサポートします。
Q4
奨学金制度等はありますか?
A
本学には複数の給付奨学金制度が用意されており、
「給付奨学生特別入試」
の合格者については、
授業料、施設利用料等をすべて含めた学費等を免除と
(相当額を、標準修了年限期間中、奨学金と
して給付)
なります。なお、
この入試合格者の中で2年短縮
(法学既修者)
コースでの入学を希望する者は、
3
年標準コース給付奨学生の入学資格を確保したまま、一般入試2年短縮
(法学既修者)
コースにおける筆記
試験と口述審査を
「既修者認定試験」
(無料)
として受験して合格することにより、
2年短縮
(法学既修者)
コー
スに切り替えて入学することができます。
● 本学の2年短縮
(法学既修者)
コース入学者は、
すべて学費等が免除となります。
● また、
一般入試第1期における成績上位20%程度の者に対し、入学を条件に、30万円の奨学金を給付しま
す。入学後においては、1、2年生での成績上位20%程度の者に対し、30万円の奨学金を給付します
(学費
納付者に限ります)
。
23
AOYAMA GAKUIN UNIVERSITY LAW SCHOOL 2016
Q5
海外留学やエクスターンシップなど
多様な経験を積むことはできますか?
A
本研究科では、
カリフォルニア州で最古・最大のロースクールと協定を結んで、本学出身者が授業料
半額免除で留学できる制度を作りました。カリフォルニア大学ヘイスティングス・ロースクールでは、
本研究科の宮澤節生教授が2013年8月から併任の教授となっており、毎年秋学期に同ロースクールに滞在
しているため、留学直後の重要な時期に同教授のサポートを得ることもできます。
また、法曹倫理の単位修得者について、法律事務所や官公庁などへのエクスターンシップを実施しており、将
来に向けた具体的な展望を描くために役立てていただければと思います。
Q6
修了生はどのような進路に進んでいますか?
A
修了生は、法曹三者となるのに加え、公務員や民間事業会社への就職など、多様な進路に進んでい
ます。本研究科は少人数であることもあり、修了生がその後の進路相談等に研究科を訪れることが
しばしばあり、個別面談等を通じて可能な限りの支援を行っています。
就職支援に当たっては、青山法曹会からも多くのご助言・支援をいただいており、
また、法律家となっていな
い者を含む本研究科の同窓組織である法務研究科同窓会とも連携を図っています。さらに、ベネッセi-キャリ
アとも提携し、本人とのカウンセリングを経て、属性や希望に沿う会社の求人情報をご提供いただいていま
す。入学者は全員ジュリナビに登録し、随時さまざまな情報を取得することが可能です。
Q7
もしも司法試験に不合格になった場合の
支援は受けられるのでしょうか?
A
本研究科は、院生の皆さんを、法を媒介にして人々を救済するための大切な仲間であると考えてい
ます。ですから、修了生についても、司法試験に向けた学修を継続することを望む方については、一
定の施設利用料で研修生として自習室やローライブラリーを継続して使用できる体制を整えています。また、
授業の聴講や課外勉強会への参加も積極的に推奨し、実際、多くの修了生が継続して青山学院で学んでく
れています。
Q8
法律家を目指すかどうか
迷っているのですが……
A
日本社会が大きく変化する中で、法律家に期待される役割は、訴訟の担い手というだけでなく、立
法、行政、企業における事業活動、NPO等の市民活動など、大きく広がっています。
本研究科では、法を媒介にして社会を良いものにしていくという高い志を持って、皆さん一人ひとりと共に
質の高い法律実務教育を作り上げていきたいと考えています。本研究科について、
または、法律家になると
いうことについて、何か疑問点などありましたらいつでもお問い合わせください。また、年間を通して、授業見
学も実施しています
(オリジナルサイトでご案内します。)
。外部の方も歓迎いたします。本研究科の魅力を、是
非ともご自身の目で確かめてください。
※詳細はホームページ( http://www.law.aoyama.ac.jp)をご確認ください
AOYAMA GAKUIN UNIVERSITY LAW SCHOOL 2016
24
Facilities
&
Access
都内でも高感度のエリアとして知られる青山
最高の立地と環境を備えた青山学院大学法科大学院
大学17号館の9階、
10階が法科大学院専用フロアとなっており、各自専用のデスクがある院
生自習室、ラウンジ、ロッカールーム等がワンフロアにまとめられ、非常に便利です。また、上のフ
ロアには、教員研究室、ローライブラリー
(法律の専門書がそろっている図書室)
、合同研究室等
があり、
コンパクトにまとまっているため、いつでも気軽に質問や履修相談ができます。さらに、総
研ビル
(大学14号館)
には、模擬法廷があり、民事裁判と刑事裁判のシミュレーション授業が行わ
れています。本研究科は、
こうした充実した施設と設備で、皆さんの司法試験合格に向けた学習
を最大限サポートします。
施設・設備
模擬法廷
17号館
ローライブラリー
講義教室
17号館フロアマップ
EV
教員
研究室
EV
法務研究科
合同研究室
教員
研究室
教員
研究室
教員
研究室
教員
研究室
教員
研究室
法務研究
科長室
教員
研究室
教員
研究室
法務研究科
ディスカッション
ルーム
教員
研究室
教員
研究室
応接指導
面談室
法務研究科
ローライブラリー
教員
研究室
教員
研究室
教員
研究室
教員
研究室
教員
研究室
教員
研究室
教員
研究室
教員
研究室
10F
多目的
トイレ
EV
合同研究室
法務研究科
演習室
コピー
PC室
ゼミ室⑵
ゼミ室⑴
法務研究科
資料室
法務研究科
ラウンジ
ホール
9F
法務研究科
演習室
法務研究科
院生自習室
法務研究科
ロッカールーム
EV
EV
多目的
トイレ
EV
院生自習室
演習室
演習室
演習室
演習室
演習室
演習室
演習室
マルチメディア
教室
演習室
ホール
8F
演習室
EV
EV
演習室
多目的
トイレ
EV
17号館から見る六本木
サポート
スタッフ
25
本研究科には、学生たちの学修と生活をサポートす
るために、6名のスタッフがいて、専門職 大学院 教
務課、ローライブラリー、合同研究室に分かれて勤
務しています。専門職大学院教務課は、履修関係を
はじめとする一般事務を担当し、ローライブラリー
AOYAMA GAKUIN UNIVERSITY LAW SCHOOL 2016
は図書、データベース、LAN接続などのサポートを
行い、合同研究室は授 業に直結するサービスを提
供しています。これらのサポート・スタッフが、
学生
一人一人のニーズを 把 握 して 親 切 に応対すること
も、本研究科の大きな特長です。
交通アクセス
表
参
■JR山手線、東急線、京王井の頭線
「渋谷駅」
宮益坂方面の出口より徒歩約10分
■地下鉄
「表参道駅」
B1出口より徒歩約5分
東京メトロ
表参道駅B1出口
国連大学
北門
明治通り
記念館門
正門
渋谷郵便局
宮益坂
渋谷駅
井の頭線
千代田線
銀座線
半蔵門線
表
参
道
駅
至原宿
副都心線
JR山手線・埼京線
田園都市線
道
り
通
董
通
り
東門
青山学院
西門
山
青
骨
表参道
クロスタワー
至恵比寿
東横線
六本木通り・首都高速3号線
至六本木
渋谷警察署
図書館
青山キャンパス
4号館
5号館
10
ガウチャー
記念礼拝堂
6号館
青山通り
西門
11
号館
記念館門
2号館
至表参道
17号館
7号館
北門
ガウチャー記念礼拝堂
1号館
記念館
兼
体育館
9号館
本部
3号館
号館
プール
青学会館
ウェスレー・
ホール
8号館
16号館
東門
間島記念館
間島
記念館
総研ビル
正門
至渋谷
AOYAMA GAKUIN UNIVERSITY LAW SCHOOL 2016
26
http://www.law.aoyama.ac.jp/
青山学院スクール・モットー
地の塩、世の光
The Salt of the Earth, The Light of the World
(マタイによる福音書 第5章13~16節)
青山学院教育方針
青山学院大学の教育はキリスト教信仰にもとづく教育をめざし、神の前に真実に生き真理を謙虚に追求し愛と
奉仕の精神をもってすべての人と社会とに対する責任を進んで果たす人間の形成を目的とする。
青山学院大学の理念
青山学院大学は、
「青山学院教育方針」に立脚した、神と人とに仕え社会に貢献する「地の塩、世の光」としての
教育研究共同体である。
本学は、地球規模の視野にもとづく正しい認識をもって自ら問題を発見し解決する知恵と力を持つ人材を育成する。
それは、人類への奉仕をめざす自由で幅広い学問研究を通してなされる。
本学のすべての教員、
職員、
学生は、
相互の人格を尊重し、
建学以来の伝統を重んじつつ、
おのおのの立場において、
時代の要請に応えうる大学の創出に努める。
青山学院大学法科大学院 〒150-8366 東京都渋谷区渋谷4-4-25 TEL:03-3409-8025