フェミニン・カルチャー下における 若者への有効なビールのアプローチ ~「若者のビール離れ」の原因究明と方策を提案する~ ①―――はじめに ②―――現状分析 ③―――問題意識の明確化 ④―――仮説設定 ⑤―――仮説の検証 ⑥―――实務への応用 ⑦―――おわりに 荒井 淳佑 岡部 裕 する消費者行動に着目し、我々はこれを研究のテーマ 神山 裕康 松原 昭彦 として設定することとした。 早稲田大学 守口ゼミ 松原班 2.研究目的 研究動機にも挙げたように、現在ビール業界は不況 ①―――はじめに に陥っており、その最も大きな原因の一つに若者のビ ール離れが影響しているといわれている。ビール各社 1.研究動機 は若者のビール離れを認識し、対処しようとしている ビールは日本で最も支持されるアルコール飲料とし が、原因が明確ではなく未だ有効な方策を打ち出せて て長年愛され続けてきた。しかし最近ではビール業界 いない。年々市場が縮小してきているビール業界には の売上は低下し続けている。ビール業界も発泡酒¹⁾・ 「若者のビール離れ」という現象に対する本質的な原 第三のビール²⁾と自社の商品開発をすすめ、出来るだ 因究明と方策が必要である。 け安価になるように努力し、この問題の対処法を模索 そこで我々は本研究を通じて若者のビール離れの原 している。しかし、この問題の背景にあるのは、金銭 因を究明し、それに対する有効なアプローチ方法を提 的に余裕がないから嗜好品への出費を削っているとい 案する。以降、この研究目的に沿って、調査・研究を う単純な方程式だけなのだろうか。我々は、この現状 まとめていく。 には単に値段の問題ではない別の理由が存在すると感 じた。ビール業界の不振とともに、若者自体がビール 注 を飲もうとしない、若者のビール離れが進んでいると 1)日本の酒税法で定義されている酒類の一つ。日本 いう現状も存在する。学生や若手社会人が集まる飲み の酒税法では、ビールと発泡酒は区別されており、例 会の場でもビールを頼む若年層は減尐している。そも えば定められた副原料以外を用いた場合はビールとは そも飲み会に参加する人数自体も減尐してきてさえい 認められずに発泡酒になる。詳細は定義を参照のこと。 る。 本項では、日本でビールより低税率となる節税型発泡 単に値段だけでない、若者のビール離れの裏に存在 酒を中心に解説する。 1 2)ビール、発泡酒とは別の原料、製法で作られた、 ■表―――1 ビール風味の発泡アルコール飲料の俗称。ビール、発 ビール+発泡酒+新ジャンル課税数量の推移 泡酒に続くことから、新聞社や放送局などのマスメデ (大手5社計) ィアによって作られた用語である。または第3の生と もいわれる。この種の製品を生産するビールメーカー 各社はビールとの誤認を避けるため新ジャンルと称し ている。 ②―――現状分析 1.ビール業界の現状分析 まず、テーマとして取り上げるビール業界の不況を、 日本で酒税法と公正競争規約によって定義されている 「ビール」、「発泡酒」と「新ジャンル」の課税数量の 推移のデータ(大手5社で集計)を用いて説明する。 表1よりビール市場全体が年々縮小している傾向にあ (キリン、アサヒ、サッポロ、サントリー、オリオン) るのが分かる。その中でも特に目立つのが、 「ビール」 ※2003年以前、新ジャンル实績は0.3万 kℓのため、 の数量の著しい減尐である。確かに新ジャンルの数量 グラフには表れていない が増加しているが、市場全体の売り上げを支えてきて 出所:キリン(株) 『国内酒類事業データ集』 いた「ビール」の不振を挽回するに至っていない。ビ 2.若者とビール ールそのものの不振がビール業界を危機的な不況に陥 らせている最大の要因であると言える。 ビールへの平均支出金額の推移(表2参照)からは、 また発泡酒に関しても、登場以来拡大していた商品 全年代推移は景気状況に影響されている面もあるが、 であったが、2度の酒税改正により、チューハイなど ビールの消費量が年々減尐していることが分かる。特 に比べ、割安感があまり感じられなくなってきたのが にこのグラフからは全年代の平均金額と比較して、2 实情となっていた。そしてそこに追い打ちをかけるよ 0代が大きく右肩下がりになっており、若者がビール うに新ジャンルが発売されたため、今後も市場は縮小 を飲まなくなってきていることを読み取ることができ の一途をたどることが予想される。 る。 ■表―――2 ビールへの平均支出額の推移 出所:総務省『家庭調査年報』 2 また日経産業地域研究所によると、2003年6月 また M1(20~34 歳男性)層でビール嫌いな人の の調査では自宅においてもビール類を飲まない20代 理由(表4参照)としては、 「苦いから」 、 「美味しさが は39.4%であったのに対し、2007年4月の調 分からないから」、「他にも美味しいお酒がたくさんあ 査では50.6%に増加していることがわかっている。 るから」が圧倒的に高く、ビールの味そのものを苦手 さらに表3からは若者のアルコール嗜好性の推移が としていることが読み取れる。ビールの味は現代の若 読み取れる。これは1998年の20代と2004年 者に受け入れられづらいものとなっている。 の20代との世代比較のデータになる。1998年に しかし現在ビールが好きな人でも、約6割は「初め は最も好きなお酒を「ビール」と答えた割合が43. は苦手であったが、飲むうちに好きになった」として 5%だったのに対し、2004年には28%へと6年 いる。 (表5参照) の間で大きく減尐していることがわかる。他のアルコ ール飲料に目を向けると、 「チューハイ」 、 「サワー」、 「カ ■表―――5 クテル」などの果实系や甘めの低アルコール飲料の人 ビールを好きになったタイミング 気が高まってきていることがわかる。 ■表―――3 20 代の最も好きなお酒の推移 出所:Media Shakers(2009 年) 対象:ビール好きの M1層 N=703 ■表―――4 出所:キリン「20 代のお酒の飲み方」に関する調査 N=8946(2004 年 10 月) ■表―――4 ビールが嫌いな理由 対象:M1層(20~34 歳の男性) N=182 出所:Media Shakers(2009 年) 3 このことから、ビールを美味しく感じるようになる まにまったり飲めるというイメージがある。 までには、ある程度辛抱して飲み続けることが必要と また株式会社アイシェアが調査したデータによると、 考えられる。若年層でビール離れが起こっているのは、 宅 飲 み の メ リ ッ ト を 複 数 回 答 形 式 で 聞 く と 、最 も この辛抱を経験したり、多尐の無理をしてでもビール 多 か っ た の は 性 別 、年 代 を 問 わ ず「 時 間 を 気 に し を飲もうとしたりする意識が若年層の中で薄れている な く て も よ い 」で 全 体 の 7 7 .3 % 。2 位 は「 楽 ことが一因として挙げられる。ここまでの若者とビー な服装・姿勢でくつろげる」62.5%、3 位は ルに関する複数のデータと考察より、ビールを飲まな 「 安 価 で 飲 め る 」5 9 .9 % で 、以 下「 ま わ り に い若年層が増加傾向にある、つまり近年の「若者のビ 気 を つ か わ な く て も よ い( 4 9 .3 % )」「 好 き な ール離れ」の拡大がはっきりと示された。 食 べ 物・飲 み 物 を 組 み 合 わ せ る こ と が で き る( 4 9 . 0 % )」「 終 電 を 気 に し な く て も よ い ( 3 7 . 3.若者の飲み方 2 % )」 と 続 い た 。 年 代 別 で は 、 4 0 代 は す べ て 前節では若者のビールを飲むことに対しての意識に の項目で他の年代より低く、30代は「楽な服 目を向けてきた。そこで今節では最近の若者がいかに 装・姿 勢 で く つ ろ げ る 」が 6 6 .2 % で 他 の 年 代 して酒と付き合っているか、その飲酒形態にスポット よ り 約 1 0 ポ イ ン ト 高 い 。2 0 代 は ほ と ん ど の 項 を当てる。 目 で 他 の 年 代 を 上 回 り 、特 に「 安 価 で 飲 め る 」7 最近の若者の飲み方として居酒屋ではなく自宅や友 1.1%、「まわりに気をつかわなくてもよい」 人の家で酒を飲む「宅飲み」が流行っている。その宅 6 8 .4 % が 他 の 年 代 よ り 1 3 ポ イ ン ト 以 上 高 い 飲みの中でも特徴的な飲み方として、一人で落ち着い という特徴的があった。 て飲む「一人宅飲み」やインターネットやチャット、 電話をしながら飲む「ながら飲み」をする人も多い。 注 このような宅飲みが浸透していった理由として考え 3)文化人類学者川喜田二郎(東京工業大学名誉教授) られることが2点挙げられる。まず1点目は安上がり がデータをまとめるために考案した手法。フィールド で済むということである。宅飲みでは居酒屋と違い、 ワークで多くのデータを集めた後、あるいはブレイン コンビニ等で売っている缶やペットボトルなど、自分 ストーミングにより様々なアイディア出しを行った後 の消費する酒量に合わせた買い物ができる。不況で節 の段階で、それらの雑多なデータやアイディアを統合 約志向が広まる状況でこのような購買行動は自然な流 し、新たな発想を生み出すために KJ 法が行われるの れであると考えられる。 が一般的である。データをカードに記述し、カードを そして2点目に「マイルーム型」の生活志向の高ま グループごとにまとめて、図解し、論文等にまとめて りが考えられる。これは若者文化を社会心理学の視点 ゆく。KJ とは、考案者のイニシャルに因んでいる。共 から研究する和泉昌俊准教授(首都大学)の見解であ 同での作業にもよく用いられ、「創造性開発」(または る。最近の若者の傾向として、知らない人との付き合 創造的問題解決)に効果があるとされる。 いが煩わしく、初めての場所は落ち着かない。そのよ 4.若者の「飲みニケーション」に対する意識 うな考えから自宅で親しい人と飲むのが心地いいとい った考えをもつ人が多いようである。 若者の現在の飲酒形態に関しての理解が深まったと そこで我々は宅飲みと居酒屋での飲みに対するイメ ころで次に若者が酒を介したコミュニケーションに対 ージの違いを KJ 法³⁾でまとめてみた。居酒屋での飲み してどのような見解を示しているかを、データをもと が、 「会話が弾む」 、 「交流ができる」 、 「テンションが高 に考察していく。 くて楽しい」といったエネルギッシュで外交的なイメ まず現在の若者は、自分より上の世代と飲みに行く機 ージをもつのに対して、宅飲みでは「仲のよい人だけ」、 会は、ビール好きな人に比べるとビール嫌いな人では 「静か」、「居心地がよい」といった友達と自由に気ま 極端に尐ない。(表5参照) 4 ■表―――5 ■表―――7 自分よりも上の世代と飲みに行く頻度 会社の人と飲みに行くのは苦じゃないと思う割合 出所:Media Shakers(2009 年) また、「お酒を飲みに行った人とはより深い絆ができ 出所:Media Shakers(2009 年) ると思う」とする人も、ビール好きな人に比べるとビ 以上より現状分析のまとめに入る。 ール嫌いの人では約 4 割と尐ないことがデータから読 ・ ビール業界はビールの不振で不況 み取れる。(表6参照) ・ 若者のビールを飲まない派の急増 ■表―――6 ・ 苦いビールから甘い低アルコール飲料へスイッチ お酒を飲みに行くとより深い絆ができると思う割合 ・ ビールを嫌う最大の理由は「ビールテイスト」 ・ ビールを好きになるには多尐の無理をしても飲み 続けることが必要 ・ 飲みの意識は「マイルーム志向」へ ・ ビール嫌いの若者は飲みニケーションが苦手 現状分析をまとめた結果、我々は「若者のビール離 れ」の要因として、第二節で取り上げた若者の無理を してでもビール・テイストに慣れようとしない姿勢と、 第三・四節で取り上げた飲むことに対する意識や価値 観の変化が背景に存在していると考えた。 出所:Media Shakers(2009 年) ③―――問題意識の明確化 つまりビール嫌いの人はそもそも“飲みに行くこと =コミュニケーションを深める場”とは考えておらず、 1.リサーチ・クエスチョンの設定 そこからおのずと上の世代と飲みに行く頻度も減って いくものと考えられる。更に、ビール嫌いの人で「会 現状分析より我々はリサーチクエッション(RQ) 社の人と飲みに行くことは苦じゃない」と考える人は の設定を行った。前章で若者のビール離れが、彼らの 尐ないことからも(表7参照)、若者のビール離れの 意識・価値観から影響を受けていると考えたことから、 背景として、会社の上司などとの付き合いの中でビー RQを ルを飲むうちに、次第に自分もビールの美味しさを覚 「飲むことを介したコミュニケーションへの見方や価 えていくような機会が減ってきていることも推察され 値観の変化がアルコール飲料の嗜好性にも影響する る。そしてそのような若者たちがビールの美味しさを か?」 理解することなく、やがて30代、40代になったと と設定した。最近の若者の意識・価値観の変化がビー き、同様に後輩・部下にもビールを勧めることがなく ル・アルコール飲料という嗜好品の消費行動に対して、 なり、より一層ビールに慣れ親しむ機会が減尐し、ビ いかに影響を及ぼすかを明らかにしていく。 ール離れに拍車をかける連鎖が発生すると考えられる。 5 2.先行研究 ■表―――7 そこで我々は先行研究として『力の誇示・英雄願望 マッチョ・カルチャーの主成分 (マッチョ・カルチャー)の発露としてのカラオケ』 谷岡一郎[2006]に注目した。この研究ではカラオケの プレイ頻度とマッチョ・カルチャー(男性的文化)の 構成要素である「力の誇示・英雄願望」との因果関係 を明らかにしたものである。 カラオケという行為は、閉ざされた仮想的空間にお いて、主人公、英雄となることを求めることが多い。 このことからマッチョ・カルチャーの要素の中でも特 に「力の誇示・英雄願望」との強い因果関係を指摘し、 検証の結果それが証明されている。 また重松および谷岡[2000]はマッチョ・カルチャー と、それに対立する概念であるフェミニン・カルチャ ー(女性的文化)を紹介している。この二つにはそれ ぞれ7つの要素、そして谷岡・重松[2000]はこれらマ 出所:谷岡一郎[2006] ッチョ・カルチャーの7要素を SPSS による主成分分 3.先行研究からの考察 析の結果から4つの因子に分類している。まずマッチ 我々は先行研究のマッチョ・カルチャーという意 ョ・カルチャーは 識・価値観がカラオケプレイ頻度という具体的な行動 ・ 男性的役割肯定傾向 に影響を与えることに注目した。現状分析からわかる ・ 有形力の行使肯定傾向 ように苦いビールを美味しく感じるようになるには苦 ・ VICE嗜好性 くてもある程度のみ続ける必要があり、ビールを飲む ・ 上昇志向/ギャンブル性行 動因の背景には何らかの意識・価値観が存在し、行動 ・ 危険追求型行動傾向 に影響を与えていると考えた。ビール離れを起こして ・ 性の解放肯定傾向 いる若者はこの意識・価値観が弱まってきているもの ・ 外向性の7要素 と考えられる。 そして『伝統的観念』『力の誇示/英雄願望』『性リベ マッチョ・カルチャー、またはフェミニン・カルチ ラリズム』『外向性』の4因子により構成されている。 ャーという観点から若者の飲酒状況を考察してみると これに対してフェミニン・カルチャーは 従来のエネルギッシュな飲み会や苦いビールでも飲む ・ 平等的役割分担傾向 という意識はマッチョ・カルチャー的であり、一方最 ・ 暴力否定傾向 近の若者に特徴的な内向的な飲み方や「ビールは苦い ・ VICE嫌悪性 から飲まない」や「乾杯はビールでなくても良い」と ・ 保守的傾向 いった考え方はフェミニン・カルチャー的だと捉える ・ 危険回避型行動傾向 ことができる。 ・ 性の解放否定傾向 ・ 内向性 そこで新たに仮説として浮かび上がったのは「若者 が苦いビールを飲み続ける理由はマッチョ・カルチャ の7要素で構成されている。マッチョ・カルチャーの 7 ーという価値観と深く関係しているのではないか」と 要素と4因子の関係を表7で示す。 いうことである。ビールのような苦いアルコール飲料 は大人を象徴するような嗜好品であり、このことはビ ールを飲めることがすなわち子供という弱い存在から 6 大人という強い存在であることを象徴するものと意識 仮説①: 『伝統的観念』が強い人はビールを飲む動因が できる。逆に「大人にもなってビールを飲めない」と 強い いうことはマッチョ・カルチャーの「力の誇示・英雄 仮説②: 『力の誇示・英雄願望』が強い人はビールを飲 願望」が強い人間からすると受け入れがたい状況であ む動因が強い り、このような意識・価値観からビールを飲む動因に 仮説③: 『外向性』が強い人はビールを飲む動因が強い つながるのではないかと考えられるのである。 仮説④:フェミニン・カルチャーの強い人はビールを またいわゆる「お酒の席」では暗黙の様々なルール 飲むことがフェミニン・カルチャーの価値観に合致し が存在する。例えば「乾杯はビールで合わせるのが常 ていれば飲みたくなる。 識である」といったものである。しかし最近の若者の 飲みの特徴として最初の一杯目から自由にお酒を選ぶ、 ④───仮説の検証 など従来の暗黙のルールが適用されない飲み文化も特 徴的である。このことからビール離れを起こしている 1.仮説①~③の検証方法 若者はマッチョ・カルチャーにおける「伝統的観念」 が弱まり、暗黙のルールからビールを飲むような動因 4つの仮説を検証するためにアンケート調査を实施 が減尐しているのではないかと考えられるのである。 した。 さらに若者に特徴的な「宅飲み」は自分一人、もし ・ 対象:都内大学生 224 人の男女 くは気の知れた仲の良い友人とだけ飲むことから「内 ・ 調査期間:2009 年 11 月 2 日~11 月 9 日 向性」の強い飲みであるのに対し、会社の上司や先輩 ・ 平均年齢 20.33 歳 との付き合いで居酒屋で飲むような飲みは「外向性」 まず仮説①~③を検証するために、マッチョ・カル の強い飲み会だといえる。また「ビールの好き嫌いと チャーの『伝統的観念』『力の誇示・英雄願望』『外向 年上との飲み会の選考度」を見る限りでも、外向性が 性』の3つの因子を導くために「男性的役割肯定傾向」 強い人は上司や先輩と飲む機会が増加し、結果ビール 「有形力の行使肯定傾向」 「VICE 嗜好性」 「上昇志向・ を勧められ飲む機会が増えると考えられる。 ギャンブル性向」「危険追求型行動傾向」「外向性」の このようにマッチョ・カルチャーの強い人がマッチ 6つの観測変数を測る質問項目を用意した。 ョ・カルチャーの価値観に合致したビールを飲む動因 マッチョ・カルチャーの数量化に関しては、谷岡一 に対して正の因果関係があると考えた場合、反対にフ 郎[2002]による論文『マッチョ・カルチャーと犯罪被 ェミニン・カルチャーの強い人はフェミニン・カルチ 害経験―JGSS‐2001 データによるルーティーン・ア ャーの価値観に合致したビールを飲む動因にも正の因 クティビティ・セオリーの検証:暴力、空き巣、強盗 果関係があるのではないかと考えた。現代の若者が、 の比較を兼ねて』で行った数量化を基本的に踏襲する。 マッチョ・カルチャーが弱くマッチョ・カルチャー的 仮説①~④の検証モデルを表8のようにする。 にビールを飲めないとした場合、フェミニン・カルチ ャー的にビールを飲む動因を与えることは非常に有効 ■表―――8 だと我々は考えた。 検証モデル1 「マッチョ・カルチャーとビールを飲む動因」 4.仮説設定 先行研究とビールの現状分析を踏まえ、我々はビール を飲む動因に対する4つの仮説を設定した。なおマッ チョ・カルチャーの主成分である『性リベラリズム』 についてはビールを飲む動因に影響与えると考えにく いため仮説には含まれていない。 7 3.仮説④の検証方法 またマッチョ・カルチャー的と思われるビールに関 する価値観を観測変数とし、それらからビールを飲む 仮説④「フェミニン・カルチャーの強い人はビール 動因を潜在変数として導く。 を飲むことがフェミニン・カルチャーの価値観に合致 これら観測変数と潜在変数の因果関係を調査するた していれば飲みたくなる」を検証するために我々はま め AMOS を用い共分散構造分析を行った。 ずフェミニン・カルチャーの価値観に合致したビール 2.分析結果 とは何かを考えた。そこで我々はアサヒビール株式会 共分散構造分析を行った後、表9のような結果にな 社が 2009 年 7 月に行った「おいしくビールを飲んだと った。さらにこのモデルの GFI(0.9 以上だと良い)の きに得られる気分はどんな気分ですか」というアンケ 数値が 0.910 であり有意な結果が出たので、本研究で ートに注目した。このアンケート調査で上位 10 位中に はこのモデルを採択することにする。改めてマッチ 入った「ビールを飲んで得られる気分」の中に「リラ ョ・カルチャーの3因子である『伝統的観念』 『力の誇 ックスした気分」と「癒された気分」というものがあ 示・英雄願望』 『外向性』と「ビールを飲む動因」の因 り、我々はこのような効能はマッチョ・カルチャーの 果関係を見ると、それぞれ正の相関関係があることが 『力の誇示・英雄願望』と相反するフェミニン・カル わかる。 チャーの価値観に合致すると考えた。このマッチョ・ この結果から カルチャーの『力の誇示・英雄願望』に相反する、フ 仮説①: 「伝統的観念」が強い人はビールを飲む動因が ェミニン・カルチャーの「VICE 嫌悪傾向」 「保守的傾 強い 向」 「危険回避型傾向」を構成する成分を便宜的に『安 仮説②: 「力の誇示・英雄願望」が強い人はビールを飲 心・ゆとり志向』と名前をつけて以下では話を進めて む動因が強い いく。 仮説③: 「外向性」が強い人はビールを飲む動因が強い そこで本検証ではマッチョ・カルチャーの構成因子の が立証された。 一つである『力の誇示・英雄願望』と、それに相反す ■表―――9 マッチョ・カルチャーとビールを飲む動因モデル 8 るフェミニン・カルチャーの構成因子の一つである『安 嫌悪傾向」「保守的傾向」「危険回避型傾向」を観測変 心・ゆとり志向』と、「リラックスできるビール」「癒 数として潜在変数である『安心・ゆとり志向』を導き されるビール」 、またその他の効能が得られるビールを 出す。 用意し、それぞれのビールと『力の誇示・英雄願望』、 『安心・ゆとり志向』がどのような因果関係を示すか 4.分析結果 を検証してみる。その際、現状分析ではフェミニン・ 共分散構造分析の後、表11のような結果になった。 カルチャーの人は居酒屋での飲みを好まない傾向があ 共分散構造分析のパス図をそのまま載せた状態ではわ るとしていたので「宅飲み」で飲む場合どのビールを かりにくいので『力の誇示・英雄願望』、『安心・ゆと 飲みたいかという質問に絞ることにした。仮設④にお り志向』とそれぞれのビールとの因果関係を表12に ける検証モデルは表10のように設定した。 数値が高い順に並べて比較した。 ■表―――10 ■表―――12 検証モデル2 マッチョ/フェミニン別、各ビールとの相関関係 「マッチョ/フェミニンの主成分とビールの因果関係」 マッチョ・カルチャー 力の誇示・英雄願望 フェミニン・カルチャー 安心・ゆとり志向 リラックスビール 2.865 リラックスビール 1.816 リフレッシュビール 2.627 癒しビール 1.302 爽快ビール 2.492 リフレッシュビール 0.038 開放的ビール 2.442 爽快ビール -0.601 癒しビール 2.438 ストレス解消ビール -0.783 陽気・盛り上げビール 2.391 開放的ビール -0.819 ストレス解消ビール 2.362 陽気・盛り上げビール -1.618 これらの因果関係を分析するために AMOS を用いて共 分散構造分析を行う。観測変数を「VICE 嗜好性」 「上 『力の誇示・英雄願望』は全てのビールに対し正の相 昇志向・ギャンブル性向」 「危険追求型行動傾向」とし 関関係があり、その値もほとんど変わらない。これは て潜在変数である『力の誇示・英雄願望』を導き、 「VICE 仮説②で示したように『力の誇示・英雄願望』が強い ■表―――11 マッチョ/フェミニンの主成分と各ビールの相関 9 人はビールを飲むことで得られる効能がどうと言うよ ャーに受け入れられることがわかった。前述の通りこ りもビールを飲むこと自体に価値があるためだと考え の二つの効能は实際にビールを飲んで得られる効能で られる。 もある。そこで本研究の实務的応用として、フェミニ 一方『安心・ゆとり志向』は「リラックスできるビ ン・カルチャー化する若者にどのようなアプローチを ール」と「癒される気分になるビール」には強い正の かけていけるのか「リラックス」と「癒し」に絞り提 相関関係が見られる一方、「リフレッシュできるビー 案する。 株式会社マーシュが 2006 年 8 月に行った調査による ル」にはほぼ相関がなく、それ以外のビールには全て と、 「癒し」という言葉から連想する漢字 1 文字は男女 負の相関関係があることがわかった。 この検証結果からは でそれぞれ表13のようになる。 仮説④:フェミニン・カルチャーの強い人はビール を飲むことがフェミニン・カルチャーの価値観に合致 ■表―――13 していれば飲みたくなる。 「癒し」から連想する漢字 1 文字 が立証されたといえる。 4.検証結果からの考察 まず仮説①~③が立証されたことにより、マッチ ョ・カルチャー下ではビールを飲む動因に表9のモデ ルが適用されることがわかった。若者のフェミニン化 が起きていない状況では「ビールは格好いい」や「ビ ールは大人の証」といったようなマッチョ・カルチャ ーを連想させるようなアプローチが可能であることが わかる。しかしフェミニン・カルチャー下ではビール そのものに対しての動因は尐なく、飲むことによる効 この調査からは男性の場合癒されることで得られる 能・メリットが感じられなければ飲む動因にはつなが 「心情」を表した文字が上位を占めるのに対し、女性 らない。 の場合は「癒してくれるもの」が上位を占めているこ その効能・メリットとして挙げられるのは仮説④で とがわかる。つまりビールに対し癒しのイメージを持 示したフェミニン・カルチャーの価値観に合致したも ってもらうためには癒されることによる「心情」と「癒 のである。本研究では「リラックス」 「癒し」というも してくれるもの」を組み合わせて訴求していくことが のが効果的であることがわかった。 求められる。 文字による表現に関しては、現在のビールの商品名 は「スーパードライ」 「一番搾り」 「モルツ」 「黒ラベル」 ⑤───实務的応用 「エビス」といったようにカタカナと漢字が中心であ る。そこでより「癒し」や「リラックス」を表現しや ここまでマッチョ・カルチャー下ではマッチョ・カル すいやわらかな「ひらがな」の商品名・広告表現にす チャーの価値観にあったビールの訴求が有効だが、最 ることも有効であると考えられる。 近の若者に特徴的なフェミニン・カルチャーにはフェ また色彩からも「癒し」や「リラックス」を表現で ミニン・カルチャーの価値観に合致した効能を強調す きる。色彩アナリストの堀木れい子氏によると脳にと ることが有効だと証明した。本研究では特にビールを って赤に近い色ほど刺激が強く、人は赤を見ると脳細 飲んで得られる気分的効能のうち「リラックスできる 胞の働きが活発になって、興奮状態になったり体温が ビール」と「癒されるビール」がフェミニン・カルチ 上昇したりする。逆に青や紫を見ると体内の活動が穏 10 やかになり、エネルギーを温存するために脳から落ち 参考文献 着くようにさせる指令が出るため、神経の高ぶりが抑 Bem. S. L. [1974], “The measurement of psychological 制される。また京都塗料商業協同組合によると「緑」 androgyny,” Journal of Consulting and Clinical Psychology, 系の色は疲れを癒したり、穏やかな気持ちにさせたり vol. 42. する効果があり、これらの色をパッケージや広告に用 Bem. S. L. [1981], “Gender schema theory: A cognitive いることで効果的にビールの癒しやリラックス要素を account of sex typing” Psychological Review, vol. 88. 訴求することができると考えられる。 谷岡一郎[2006]『力の誇示・英雄願望(マッチョ・カルチャ ー)の発露としてのカラオケ』 谷岡一郎[2002]『マッチョ・カルチャーと犯罪被害経験―J ⑥───おわりに GSSによるルーティーン・アクティビティ・セオリーの検 証:暴行、空き巣、強盗の比較を兼ねて―』日本版General 1.今後の課題 Social Surveys 研究論文集〔2〕 本研究ではマッチョ・カルチャーがビールを飲む動 重松洋司・谷岡一郎[2000]『男性的文化(マッチョ・カルチャ 因に強く影響していることやフェミニン・カルチャー ー)と麻雀――特に囲碁および宝くじとの比較研究を中心と 化での有効なアプローチ方法について研究してきた。 して――』 検証の結果フェミニン・カルチャーについては「癒し」 谷岡一郎[2002]『ゲーミング行動に関する理論的考察――『サ や「リラックス」という要素が効果的に訴求できると ッカーくじ』、『宝くじ』、『ナンバーズ・ミニロト』の比 いうことを明らかにした。しかしこれはビールを飲ん 較实証分析を中心として――』 で得られる気分という、ビールの効能・効果の一面し 土肥伊都子[1999] 『ジェンダーに関する自己概念の研究―― か捉えていないので、今後さらにビールのどのような 男性性・女性性の規定因とその機能―』多賀出版 機能・要素がフェミニン・カルチャーに受け入れられ キリン食生活文化研究所レポート るか研究を深めていく必要があるだろう。 アサヒビールニュースリリース Media Shakers[2009]『若者“ビール離れ”の検証』 また本研究では「若者のビール離れ」という現象に スポットを当てて研究を進めてきたが、ビール業界以 矢野経済研究所レポート 外でも若者の興味・関心・嗜好が徐々に離れてきてい 総務省『家計調査年報』 る分野は数多くある。そのような他業界でも本研究で 法政大学日本統計研究所『食生活データ総合統計年報』 示された示唆が応用できるか検討する価値は大いにあ 『消費経済レビュー』(vol.8 2008) ると考えられる。 『Marketing Researcher No.105「若者のアルコール離れ」 は本当か?』 2.結論 若者がビールを嫌う原因は、マッチョ・カルチャー 的意識の衰退が苦いビールを飲む動因を弱らせている ことに起因する。若者にビール・テイストを受け入れ てもらうにはビールの持つフェミニン・カルチャー的 な要素を強調するようなアプローチ方法が有効である。 つまり従来のようなマッチョ・カルチャー的なビー ルの入り方ではなく、フェミニン・カルチャー的な若 者が受け入れやすい入り口を設定することが今後ます ます重要になってくると考えられる。 11 補録―仮説モデルの共分散構造分析の結果 係数: (グループ番号 1 - モデル番号 1) ≪仮説モデル①≫ 標本数 = 224 モデルに含まれる変数の数: 35 ビールを飲む 観測される変数の数: 15 動因 観測されない変数の数: 20 ビールを飲む 外生変数の数: 19 内生変数の数: 16 推定 標準 検定統 確 値 誤差 計量 率 力の誇示/ <--- .384 .253 1.515 .130 .552 .172 3.205 .001 1.140 .327 3.484 *** .981 .096 10.183 *** .716 .092 7.813 *** 英雄願望 <--- 外向力 動因 ビールを飲む <--- 伝統的観念 動因 パラメータの要約 (グループ番号 1) ビールを飲 乾杯はビール <--- 1.000 む動因 係 共分 分 平均 切片 合 数 散 散 値 項 計 20 0 0 0 0 20 大勢ではビー ビールを飲 <--- ル 固定された む動因 ビールは格好 ビールを飲 <--- もの いい ラベル有り 0 0 0 0 0 0 ラベル無し 14 3 19 0 0 36 黒柱 合 計 34 3 19 0 0 56 夫は外、妻は む動因 男は一家の大 <--- 伝統的観念 1.000 <--- 伝統的観念 .862 .238 3.628 *** <--- 伝統的観念 1.362 .315 4.324 *** 武力行使容認 <--- 伝統的観念 .704 .235 2.993 .003 1.059 .276 3.832 *** .704 .243 2.895 .004 .801 .232 3.448 *** 1.038 .278 3.735 *** 1.007 .286 3.523 *** .238 4.987 *** 内 自由度の計算 (モデル番号 1) 体罰容認 独立な標本積率の数: 120 独立な推定パラメータの数: 36 力の誇示/ 喫煙肯定 <--- 1.000 英雄願望 自由度 (120 - 36): 84 力の誇示/ 夜の繁華街 <--英雄願望 結果 (モデル番号 1) 力の誇示/ 宝くじ 最小値に達しました。 <--英雄願望 カイ 2 乗 = 174.946 自由度 = 84 力の誇示/ 確率水準 = .000 クラス・席替え <--- グループ番号 1 (グループ番号 1 - モデル番号 1) スピード狂 英雄願望 力の誇示/ <--英雄願望 力の誇示/ パラメータ推定値 (グループ番号 1 - モデル番号 1) 遠泳傾向 <--英雄願望 スカラー概算 (グループ番号 1 - モデル番号 1) 最尤(ML)推定値 12 初対面大丈夫 <--- 外向力 1.000 パーティー好き <--- 外向力 1.185 標準化係数: (グループ番号 1 - モデル番号 1) 分散: (グループ番号 1 - モデル番号 1) 推定値 推定 標準誤 検定統計 確 値 差 量 率 .259 .090 2.890 .004 .391 .173 2.264 .024 ビールを飲む動因 <--- 力の誇示/英雄願望 .220 ビールを飲む動因 <--- 外向力 .372 伝統的観念 ビールを飲む動因 <--- 伝統的観念 .534 力の誇示/英雄願 乾杯はビール <--- ビールを飲む動因 .777 望 大勢ならビール <--- ビールを飲む動因 .804 外向力 .537 .147 3.649 *** ビールは格好いい <--- ビールを飲む動因 .573 e18 .402 .124 3.247 .001 男は一家の大黒柱 <--- 伝統的観念 .488 e15 .779 .116 6.693 *** 夫は外、妻は内 <--- 伝統的観念 .382 e16 .624 .104 5.998 *** 体罰容認 <--- 伝統的観念 .548 e17 1.244 .132 9.408 *** 武力行使容認 <--- 伝統的観念 .291 e2 1.126 .120 9.398 *** 喫煙肯定 <--- 力の誇示/英雄願望 .365 e1 .828 .099 8.384 *** 夜の繁華街 <--- 力の誇示/英雄願望 .535 e3 1.123 .149 7.529 *** 宝くじ <--- 力の誇示/英雄願望 .299 e4 クラス・席替え <--- 力の誇示/英雄願望 .409 e5 2.548 .262 9.715 *** スピード狂 <--- 力の誇示/英雄願望 .495 e6 1.095 .132 8.319 *** 遠泳傾向 <--- 力の誇示/英雄願望 .428 e7 1.981 .198 10.022 *** 初対面大丈夫 <--- 外向力 .600 e8 1.250 .132 9.452 *** パーティー好き <--- 外向力 .793 e9 1.297 .148 8.751 *** e10 1.766 .190 9.316 *** e13 .954 .134 7.098 *** e14 .447 .146 3.058 .002 共分散: (グループ番号 1 - モデル番号 1) 推定 標準 検定統 確 値 誤差 計量 率 1.389 .129 .052 2.496 .013 英雄願望 伝統的観念 <--> 外向力 推定値 .016 .043 .377 .707 .215 .074 2.889 .004 力の誇示/ <--> 外向力 英雄願望 相関係数: (グループ番号 1 - モデル番号 1) 推定値 伝統的観念 <--> 力の誇示/英雄願望 .405 伝統的観念 <--> 外向力 .043 力の誇示/英雄願望 <--> 外向力 .470 9.940 重相関係数の平方: (グループ番号 1 - モデル番号 1) 力の誇示/ 伝統的観念 <--> .140 13 ビールを飲む動因 .661 パーティー好き .628 初対面大丈夫 .360 遠泳傾向 .183 スピード狂 .245 クラス・席替え .167 宝くじ .089 夜の繁華街 .286 喫煙肯定傾向 .133 武力行使容認 .085 *** 最小化履歴 (モデル番号 1) 推定値 体罰容認 .300 夫は外、妻は内 .146 男は一家の大黒柱 .239 マ イ 最 ナ ビールは格好いい .328 大勢ならビール .646 乾杯はビール .603 小 反 ス 条件 NTr 固 復 直径 F 番号 率 ies 有 固 値 有 モデル適合の要約 値 -.2 CMIN 0 e 9999. 自由 NPAR 1 CMIN/DF 度 000 482 -.0 確 CMIN e 1.680 58 36 174.946 84 .000 e .702 5 .661 6 .942 1 1.125 1 1.026 1 1.069 1 1.017 1 1.008 1 1.000 1 .980 256. 2 1.037 12 2.083 20 493 -.0 2 000 381. 2 率 モデル番号 9999. 0 19 モデル 758. 9 111 1 178.9 3 e 197. 0 .928 48 飽和モデル 120 .000 710 0 202.5 4 e 179. 0 .737 94 独立モデル 15 656.136 105 .000 394 6.249 629.9 5 e 175. 0 .473 93 RMR, GFI 955 1251. 6 e 175. 0 .255 176 モデル RMR GFI AGFI PGFI モデル番号 1 .110 .910 .871 .637 飽和モデル .000 1.000 独立モデル .322 .641 .590 .561 029 1768. 7 e 174. 0 .149 860 950 1955. 8 e 174. 0 .019 921 946 2010. 9 基準モデルとの比較 e 174. 0 .001 887 NFI RFI IFI モデル番号 1 1 TLI モデル Delta1 rho1 Delta2 rho2 .733 .667 .841 .794 2011. e CFI 946 174. 0 0 .000 060 946 .835 パーシモニ(節約) - 調整測度 飽和モデル 1.000 独立モデル .000 1.000 .000 .000 1.000 .000 .000 モデル 14 PRATIO PNFI PCFI モデル番号 1 .800 .587 .668 飽和モデル .000 .000 .000 独立モデル 1.000 .000 .000 NCP 実行時間の要約 NCP LO 90 HI 90 最小化: .016 90.946 56.839 132.819 その他: .187 飽和モデル .000 .000 .000 ブートストラップ: .000 独立モデル 551.136 474.019 635.746 合計: .203 モデル モデル番号 1 FMIN ≪仮説モデル②≫ 標本数 = 224 モデル FMIN F0 LO 90 HI 90 モデル番号 1 .785 .408 .255 .596 飽和モデル .000 .000 .000 .000 独立モデル 2.942 2.471 2.126 2.851 モデルに含まれる変数の数: 36 観測される変数の数: 17 観測されない変数の数: 19 外生変数の数: 19 内生変数の数: 17 RMSEA パラメータの要約 (グループ番号 1) モデル RMSEA LO 90 HI 90 PCLOSE モデル番号 1 .070 .055 .084 .015 独立モデル .153 .142 .165 .000 係 共分 分 平均 切片 合 数 散 散 値 項 計 19 0 0 0 0 19 ラベル有り 0 0 0 0 0 0 ラベル無し 22 0 19 0 0 41 合 計 41 0 19 0 0 60 固定された AIC モデル もの AIC BCC BIC CAIC モデル番号 1 246.946 252.512 369.766 405.766 飽和モデル 240.000 258.551 649.398 769.398 独立モデル 686.136 688.455 737.311 752.311 自由度の計算 (モデル番号 1) ECVI モデル ECVI LO 90 HI 90 MECVI モデル番号 1 1.107 .954 1.295 1.132 飽和モデル 1.076 1.076 1.076 1.159 独立モデル 3.077 2.731 3.456 3.087 独立な標本積率の数: 153 独立な推定パラメータの数: 41 自由度 (153 - 41): 112 結果 (モデル番号 1) 最小値に達しました。 HOELTER カイ 2 乗 = 514.099 自由度 = 112 HOELTER HOELTER .05 .01 136 150 45 49 確率水準 = .000 モデル モデル番号 1 独立モデル グループ番号 1 (グループ番号 1 - モデル番号 1) パラメータ推定値 (グループ番号 1 - モデル番号 1) 15 スカラー概算 (グループ番号 1 - モデル番号 1) 最尤(ML)推定値 推定 標準 検定統 確 値 誤差 計量 率 ル 陽気な気分 係数: (グループ番号 1 - モデル番号 1) <--- フェミニン 1.302 .548 2.374 .018 <--- フェミニン -.601 .360 -1.670 .095 喫煙否定 <--- フェミニン 1.000 遠泳傾向 <--- .875 .397 2.202 .028 1.139 .471 2.416 .016 1.024 .432 2.369 .018 1.383 .566 2.441 .015 ビール 夜の繁華 推定 標準 検定統 確 爽快なビー 値 誤差 計量 率 ル 力誇示・英 <--- 街肯定 .979 .392 2.496 .013 雄願望 クラス・席 力誇示・英 雄願望 力誇示・英 <--- 替え 1.102 .422 2.610 .009 雄願望 夜の繁華 力誇示・英 街否定 <--- フェミニン スピード狂 <--- .789 .356 2.215 .027 雄願望 力誇示・英 喫煙肯定 <--- 1.000 雄願望 保守的傾 <--- フェミニン .127 .301 .422 .673 向 力誇示・英 宝くじ リフレッシュ 雄願望 力誇示・英 <--- <--- 2.627 .867 3.029 .002 ビール 雄願望 危険回避 リラックスビ 力誇示・英 行動 <--- フェミニン <--- 2.865 ール 雄願望 ストレス解 力誇示・英 <--雄願望 楽しい気分 力誇示・英 3.001 .003 分散: (グループ番号 1 - モデル番号 1) 2.362 消ビール .955 .786 3.004 .003 推定値 <--- 2.442 ビール 雄願望 開放的ビー 力誇示・英 <--- 2.391 ル 雄願望 陽気な気分 力誇示・英 <--- ビール .798 3.015 2.997 .003 .003 2.438 .820 2.972 .003 2.492 .823 3.029 .002 雄願望 爽快なビー 力誇示・英 <--- ル .810 雄願望 リフレッシュ <--- フェミニン .038 .321 .120 .905 <--- フェミニン 1.816 .714 2.545 .011 ビール リラックスビ ール ストレス解 <--- フェミニン -.783 .400 -1.956 楽しい気分 -.819 .408 -2.007 .045 ビール 解放的ビー <--- フェミニン -1.618 .617 -2.623 検定統計量 確率 力誇示・英雄願望 .130 .085 1.525 .127 フェミニン .116 .079 1.471 .141 e1 2.796 .266 10.516 *** e2 1.403 .134 10.477 *** e5 1.337 .128 10.450 *** e6 1.630 .155 10.513 *** e7 2.053 .195 10.514 *** e10 1.669 .158 10.555 *** e21 2.106 .204 10.335 *** e22 1.383 .137 10.110 *** e19 .496 .056 8.844 *** e18 .866 .109 7.963 *** e17 .297 .060 4.925 *** e16 .568 .064 8.892 *** e15 .650 .070 9.223 *** e14 .459 .119 3.865 *** .050 消ビール <--- フェミニン 標準誤差 .009 16 推定値 標準誤差 検定統計量 確率 マ e13 .650 .071 9.198 *** イ e23 2.029 .193 10.497 *** ナ e24 1.916 .190 10.081 *** 最 小 反 ス NT 条件 固 復 直径 F rie 率 番号 有 s 固 最小化履歴 (モデル番号 1) 値 有 マ 値 イ 1 最 ナ 小 反 ス 復 1 NT 直径 F rie 番号 有 固 9999 0 e 3 1469 27 9999 1 .000 .967 .000 5 -.0 2.08 957. 80 7 582 -.1 1.30 723. 56 6 223 4 1 e 4 e 2 2 -.0 3 e 1 .646 49 e 1 610. .591 43 e 2 1456. e e 1.13 4 e e -.0 1.40 535. 06 3 120 1 0 32800 3 514. 1.00 .000 1 2.182 099 NCP LO 90 HI 90 402.099 335.417 476.319 .628 .000 .000 .000 6 .000 1 .505 0 モデル適合の要約 1.00 6 1.06 CMIN 5 516. 1.25 1 .199 e 46317 飽和モデル 8 611 0 0 099 0 モデル番号 1 520. .742 17549 e 9.455 283 263 1 1.01 1 403 1 0 514. .023 モデル 555. .416 9751. 9 9 544. 0 135 8 099 .931 846 1872. 7 1.06 1 5 12 0 697 NCP 593. .873 09 6 1.15 6 378 -.1 5 8 514. 952 -.0 4 .975 5 .095 46495 e 7 102 0 1 643. 1.10 1 3.362 7 .597 514. 45100 e 6 .353 0 1 5 * 125 4.463 6 .315 1.19 1 34251 e 22 514. 0 1 4 .395 1.989 e 0 1.14 1 235 0 4 -1. 514. 25438 e 2 .754 2.702 1 値 522 0 3 値 有 1 11417 e 1.26 .695 .082 1 s 5 514. 0 2 率 307 64477 e 条件 固 .697 0 .939 902 515. 7 1 モデル 1.20 17 NPAR 自由 確 度 率 CMIN CMIN/DF 自由 モデル NPAR 確 CMIN モデル RMSEA LO 90 HI 90 PCLOSE モデル番号 1 .127 .116 .138 .000 独立モデル .208 .198 .218 .000 CMIN/DF 度 率 .000 モデル番 41 514.099 112 153 .000 0 4.590 号 1 AIC 飽和モデ ル モデル 独立モデ 17 1445.143 136 .000 10.626 ル RMR, GFI モデル RMR GFI AGFI PGFI モデル番号 1 .237 .813 .744 .595 飽和モデル .000 1.000 独立モデル .428 .448 .379 基準モデルとの比較 NFI RFI IFI モデル番号 1 BCC BIC CAIC モデル番号 1 596.099 603.299 735.976 776.976 飽和モデル 306.000 332.868 827.982 980.982 独立モデル 1479.143 1482.128 1537.141 1554.141 ECVI .398 TLI モデル AIC モデル ECVI LO 90 HI 90 MECVI モデル番号 1 2.673 2.374 3.006 2.705 飽和モデル 1.372 1.372 1.372 1.493 独立モデル 6.633 6.102 7.197 6.646 HOELTER CFI Delta1 rho1 Delta2 rho2 .644 .568 .698 .627 飽和モデル 1.000 独立モデル .000 1.000 .000 .000 .693 HOELTER HOELTER .05 .01 モデル番号 1 60 65 独立モデル 26 28 モデル 1.000 .000 .000 パーシモニ(節約) - 調整測度 実行時間の要約 モデル PRATIO PNFI PCFI モデル番号 1 .824 .531 .571 飽和モデル .000 .000 .000 独立モデル 1.000 .000 .000 FMIN モデル FMIN F0 LO 90 HI 90 モデル番号 1 2.305 1.803 1.504 2.136 飽和モデル .000 .000 .000 .000 独立モデル 6.480 5.871 5.340 6.435 RMSEA 18 最小化: .062 その他: .204 ブートストラップ: .000 合計: .266 補録―使用したアンケート 各質問項目について 5 段階でお答えください 15, 安い商品は品質を疑っていしまう Q,あなたの意識・行動に当てはまるか当てはまらないか教え 16, 海で泳いでいるときに沖まで泳ぎたくなる てください。 17, ポルノは社会道徳を腐敗させる 1, 男は一家の大黒柱になるべきだ 18, 人前でキスをしてもいいと思う 2, 夫は外で働き、妻は家事をするべきだ 19, 初対面の人と仲良くなれる 3, 教育のためなら体罰も時により必要である 20, パーティーや飲み会が好きだ 4, 平和のためなら武力行使をしてもよい 21, 乾杯はビールで済ますべきだ 5, たばこを吸いたくなる時がある 22, 大勢で飲むときにはビールで合わせるべきだ 6, たばこをすうことは理解できない 23, ビールを飲めないのは格好悪い 7, 夜の繁華街で遊ぶことは楽しい Q,尐人数で自宅でビールを買ってのむことになりました。そ 8, 夜の繁華街で遊びたいとは思わない の場合あなたはそれぞれのビールをどれくらい飲みたいと感 9, 宝くじにロマンを感じる じますか? 10 ,フリーターで大きな夢を追いかけることは理解できない 24, リフレッシュできるビール 11, クラス替えや席替えが好きだ 25, リラックスできるビール 12 就職するなら成長しそうなベンチャー企業よりも安定性 26, ストレス解消ができるビール のある会社だ 27, 開放的な気分になるビール 13 急いでいても駆け込み乗車はしたくない 28, 陽気に盛り上がれる気分になるビール 14 車や自転車を運転している時ついついスピードを出しす 29, 癒された気分になるビール ぎてしまう 30, 爽快な気分になるビール 19
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