133 スキャッター情報を用いた異常検体の検出 日常検査におけるセル・ポピュレーション・データの活用 ◎蓮輪 有加里 1)、田畠 歩 1)、大竹 那津美 1)、宮原 由美 1)、豆田 清美 1)、吉田 崇 1)、森分 和也 1)、山口 直子 1) 奈良県立医科大学附属病院 1) 【はじめに】現在の血液学検査は測定法の自動化に伴い、 検出率をフラグによる検出率との比較を行った。(4)異常 目視法による鏡検は装置からのフラグ情報やパニック値に 検体における CPD 項目の動向:異常検体と各 CPD 項目の より判定され、行われているケースが多い。しかし、装置 動向を症例から確認した。【結果】(1)基準範囲は、LY によるフラッギングは画一的であり、施設によるカスタマ Vol.平均値 85.6±3SD10.8、NE Vol.平均値 140.9±3SD15.9、 イズには限界があるため、正確な判定には課題が残る場合 LY Vol. SD 値 13.8±3SD3.8、NE Vol. SD 値 16.6±3SD4.4 で もあり得る。今回我々は、ユニセル DxH800(以下 あった。(2)CPD 項目を用いた検出率は 75.0%、フラグに DxH800)に搭載されたスキャッター情報を数値化したセ よる検出率は 58.3%であった。(3)CPD 項目を用いた検出 ル・ポピュレーション・データ(Cell Population Data;以下 率は 92.9%、フラグによる検出率は 64.3%であった。(4) CPD)を用いて、異常検体の検出とその活用方法について CPD 項目は、異常検体における形態異常を反映していた。 検討を行ったので報告する。尚、検討を行った CPD 項目は 【考察】CPD 項目を用いた異常検体の検出率は良好であっ リンパ球(以下 LY)と好中球(以下 NE)の細胞体積情報 た。また、血球計数情報やフラグ情報との組み合わせでさ (Volume:以下 Vol.)の平均値と SD 値を用いた。【対象 らに検出感度が向上する可能性もあり、その活用について と方法】当院検査部に提出された外来・入院患者検体なら は引き続き検討を行いたい。 び職員検診検体 EDTA-2K 加静脈血を用いた。(1)基準範 囲の算定:検診検体を用いて基準範囲を算定した。 (2)LY 異常検体の検出:LY の CPD 項目を用いて異常検 体の検出率をフラグによる検出率との比較を行った。(3) NE 異常検体の検出:NE の CPD 項目を用いて異常検体の (連絡先 0744-22-3051 内線 1220)
© Copyright 2024 Paperzz