CERI ChemSafe 2012 年新年特別号 ~最新の化学物質安全性情報~ 今月号は新年特別号として、最新のトピックスのほか、CERI のグローバルな活動についてお届けします。 国内動向 ①「ナノ物質の管理に関する検討会」を設置(経済産業省) 経済産業省は、ナノ物質の使用実態やライフサイクルを考慮したリスク等を整理し、ナノ物質の適正な管理の あり方を検討するため、標記検討会を設置した。NEDO「ナノ粒子特性評価手法の研究開発」プロジェクトの成 果、最新の科学的知見等を踏まえ、使用実態やライフサイクルを考慮したナノ物質のリスク等を整理し、ナノ物 質の適正な管理のあり方を検討する。第1回検討会が、12月2日(金)に開催された。 http://www.meti.go.jp/press/2011/11/20111130004/20111130004.html ②JAMP管理対象物質リストを臨時改訂(アーティクルマネジメント推進協議会) アーティクルマネジメント推進協議会(JAMP)は、今後REACHの第6次SVHCが公表され次第、JAMP管理対 象物質を臨時改訂する。それに伴い、管理対象物質参照リストの臨時改訂、今後提供予定のMSDSplusとAIS 入力支援新ツール(Ver.4)で使用する管理対象物質検索用リストの提供を行い、同時に有償配布検索用リスト も臨時改訂する。その他、管理対象基準のEU06(POPs規則 AnnexⅠ)を追加する。検索用リストの改訂時期 は、第6次SVHCの公表後の1月上旬を予定している。 【参照リスト臨時改訂での主な変更内容】 1.EU05に第6次SVHCを追加、2.EU06(POPs規則 AnnexⅠ)の新設、3.EU04(REACH AnnexⅩⅦ)の更新 http://www.jamp-info.com/kanri_information/info_111202 海外動向 ①環境・健康・安全(EHS)に関するニュースレター第27号を発行(OECD) OECDは化学物質委員会ジョイントミーティングと化学物質・農薬・バイオテクノロ ジーのワーキングパーティの会議期間、環境・健康・安全に関するニュースを約8 か月ごとに発行している。今回のニュースレターはEHSプログラムに関連した OECDの活動についての内容となっている。なかでも注目点は以下の項目である。 1. データの相互受け入れに関する非メンバー国(ブラジル、インド、シンガポール、 南アフリカ、アルゼンチン、ブラジル、タイ、マレイシア、中国、台湾)の状況につ いて 2. 新テストガイドライン、修正テストガイドライン、その他のテストガイドラインプログラムの活動 ¾ 新テストガイドライン:234 Fish Sexual Development Test、235 Chironomus sp., Acute Immobilisation Test、 443 Extended One-Generation Reproductive Toxicity Study、456 H295R Steroidogenesis Assay、488 Transgenic Rodent Somatic and Germ Cell Gene Mutation Assays ¾ 修正テストガイドライン:201 Freshwater Alga and Cyanobacteria, Growth Inhibition Test ¾ その他のテストガイドラインプログラムの活動:遺伝毒性のいくつかのガイドラインの削除が2012年の OECD Councilで提案される。その主要な議論はTop Doseに関するものである。その他の活動についても 記載されている。 http://www.oecd.org/dataoecd/59/37/49171557.pdf ②物質の特定及び命名に関するガイダンスを公開(ECHA) ECHAは、REACH規則及びCLP規則に基づく物質の特定及び命名に関するガイダンス(Ver. 1.1)を公開した。 当ガイダンスでは、化学物質をどのように命名するか、また化学物質がREACH規則、CLP規則において同一と みなされるかどうかなどについて説明している。 http://echa.europa.eu/news/na/201111/na_11_51_corap_guidance_nutshell_en.asp ③危険化学品安全管理条例施行(中国) 中国において、危険化学品安全管理条例が 12 月 1 日に施行された。 http://www.mps.gov.cn/n16/n1282/n3493/n3778/n492894/2716336.html http://www.gov.cn/zwgk/2011-03/11/content_1822783.htm CERI の安全性評価技術研究所では、化学物質の安全性に関する最新情報や動向について日本国内のみな らず海外の情報についても常に調査を行っています。 今月号では、昨年 CERI の職員が参加した国際会議の一部についてご紹介いたします。 第 1 回 Co-operative Chemical Assessment Meeting 2011 年 10 月 10 日から 12 日にかけて、フランスの経済協力開発機構で開催された CoCAM1 に、宮地 職員が参加しました。経済協力開発機構では、化学物質の安全性評価プログラムを、加盟国間の協力に より進めています。このために開催される会議が Co-operative Chemical Assessment Meeting(CoCAM) です。今回は、記念すべき第一回目の会合となりました。会議では、加盟国政府及び工業会が提出する 安全性評価文書を、各加盟国を代表する専門家がレビューするものです。日本から提出した 4 物質の安 全性評価文書は、全て合意されました。 CERI では、このような国際会議に、政府を代表する専門家として 参加するとともに、国際動向の情報収集や、諸外国の専門家との ネットワーク構築等を常に行っています。 経済協力開発機構本部 第 5 回日中韓における化学物質管理に関する政策ダイアローグ 2011 年 8 月 31 日から 9 月 2 日(金)にかけて、韓国済州島において開催さ れた第 5 回日中韓における化学物質管理に関する政策ダイアローグ及びそ の専門家会合に、宮地職員が出席しました。この会議は、平成 18 年に開催さ れた第 8 回日中韓三カ国環境大臣会合の結論に基づいて開催されているも ので、三カ国における化学物質管理制度のハーモナイズ等を目的とするもの です。専門家会合では、日中韓における生態毒性試験ガイドラインの現状と今後の課題について情報交 換が行われるとともに、今後更なる情報共有等を行っていくことが合意されました。CERI では、この専門 家会合に、日本政府を代表する専門家として参加しています。 第 7 回残留性有機汚染物質検討委員会(POPRC7) 2011 年 10 月 10 日から 14 日にかけて、スイスのジュネーブで開催された残 留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs 条約)に基づく「第 7 回 残留性有機汚染物質検討委員会(POPRC7)」に、神園職員が参加しました。 POPRC では、新たな POPs 対象物質の追加や POPs 対象物質の削減に向け た取組みについて専門的議論が行われます。POPRC7 では、POPs 対象物質 として審議中の HBCD のリスク管理評価の検討のほか、新たに提案された 3 物質(塩素化ナフタレン、HCBD、ペンタクロロフェノールとその塩及びエステル 類)についてスクリーニング基準を満たすかどうかの検討が行われました。 POPs の検討では、環境中での分解性、生物蓄積性の評価が重要なポイント スイス,ジュネーブ となります。CERI は、この分野の豊富な研究実績を活かし、POPRC 委員会メンバーである明治大学北野 大教授のサポートを行いました。また、各国の参加者との情報交換を行い、最新国際動向の収集に役立 てています。 OECD 環境暴露評価タスクフォース 2011 年 10 月 4 日から 5 日にかけて、フランスの経済協力開発機構で開催された OECD 環境暴露評価 タスクフォースに、吉川職員が参加しました。会議では主に①排出シナリオ文書(ESD)の作成、②各種ガ イダンス文書の作成、③その他(物質の用途情報の収集と共有、暴露評価ツールの開発と共有等)が議 論されました。今回の暴露評価タスクフォースは、PRTR タスクフォースとの合同セッショ ンも組まれ、排出の推定における相違点、方法論等について今後も共同で議論して行く 方向性が示されました。CERI ではこのように暴露・リスク評価等に関する国際動向の情 報を収集しています。 謹んで新年のご挨拶を申し上げます 旧年中は CERI Chemsafe をご愛読いただき、誠にありがとうございました。2011 年 6 月より、化学物質の 最新の安全性情報をお届けするため、毎月 1 回 CERI Chemsafe を発行してまいりました。僅かでも皆様のお 役に立つことができたのであれば幸いです。また、貴重なご意見やご質問を頂戴し大変感謝しております。 今年も、皆様に最新の化学物質安全性情報をお届けできるよう努めて行く所存です。是非、引き続き皆様 のご意見をお聞かせください。 2012 年が幸多き一年になりますよう、CERI 職員一同願っております。 本年もどうぞよろしくお願いいたします。 ニュース ご案内 日化協 GPS/JIPS※セミナー(実践編)で、「ハザ ード判定」について解説しました。 ※Global Product Strategy/Japan Initiative of Product Stewardship 昨年の 11 月から 12 月にかけて開催された GPS /JIPS セミナー(東京 2 回、11/22、12/15、大阪1 回、11/25)にて、石井職員が、JIPS ガイダンス 2 版 に沿って、情報の収集方法、基準値の求め方、ト ルエンの事例など、ハザード判定について解説し ました。 CERI では、化学物質のリスク評価を効率的 に実施するために、社内整備を進めている事 業所の皆様をご支援いたします。お気軽にご 相談ください。 環境セミナー2011~最新の化学物質規制へ の対応について~((社)日本電気計測器工業会主 催)が開催されます。 化学物質規制動向、GHS、RoHS 等の講演があり、 奈良職員が GHS の概要、欧米やアジア主要国の対 応状況などについて講演します。 ● 日時 2012 年 1 月 26 日(木) 13:00~17:40 ● 会場 ヤクルトホール [東京・新橋] 詳細は、(社)日本電気計測器工業会ホームページ (http://www.jemima.or.jp/seminar/2011/cat89_2011. html)をご参照ください。 ご質問等ございましたら、以下の連絡先にお気軽にお問い合わせください。 〒112-0004 東京都文京区後楽 1-4-25 日教販ビル7F Tel: 03-5804-6135(担当者:宮地、窪田、石井(聡)) URL: http://www.cerij.or.jp Email: [email protected]
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