母の信仰と私 - カトリック金剛教会

母の信仰と私
泉北教会 篠崎 隼人
私の母は今年95歳になり、母の通う教会は大阪のカトリック関目教会です。
現在は関目教会ですが、以前は北野教会(現在のサクラファミリア教会)に在
籍していました。亡き父との結婚式もこの教会で挙式し、私たち4人の子供を
育て、信仰も育ててくれました。
母はこの教会で婦人会のお手伝いや「レジオ・マリエ」の集いにも参加出席、
私達4人が中学生から高校生になるまで毎日曜日のミサに欠かさず連れて行っ
てくれました。
4人の子供たちが成人してから大阪関目教会に籍を移しました。
この頃から平日の朝ミサに通うようになりました、時々私も日曜日のミサに
参加していました。
ある日曜日のミサに参加した時、聖体拝領は相変わらず昔通りの形で、口で竹
延神父様から拝領していました。
頑固な昔気質の信者で、母は私に常々言っている言葉に「聖体拝領をする時は
必ずマリアさまにお祈りしなさい『マリア様、私は罪びとです。私に代わって
聖体を拝領してください』と。」
母はマリアさまを大変愛しています。ルルド、サンダミアなどフランス、イタ
リアへの巡礼を行いました。
この頃の母の毎日は、ロザリオの祈りを日課としていて、毎日何連のロザリオ
の祈りを行っているのか?と思うほどです。また思い出すのは、
「いつ『三日間
の暗闇』が来るかしれないので、常に祈って準備をしておきなさい」と祝別さ
れたローソク3本を用意していました。
「悪魔が来て『明るい場所に連れて行こう』と言っても、この聖なるローソク
が有れば誘惑されない。」と言っているのを思い出します。
2年前に軽い脳梗塞を患いましたが、不自由な右手で「ロザリオ」を繰って祈
ります。その時に使う祈りの本は、昔の『公教会祈祷書』いわゆる黒い祈り本
です。
この本は昭和55年製で、黒色の硬い表紙はボロボロになっています。特に、
ロザリオの祈りのページは祈りの字が薄く消えかけており、
「新しいお祈り本を
買ってこうか?」と言葉をかけても、
「これが一番。ロザリオのお祈りも、マリ
アさまへのお祈りも、これがないと出来ない。」と言います。これが母の姿、
「神
様への信心」「マリアさまへの愛」「真の信仰」です。
私たち子供は、「まだまだ未到達」と母は言います。
「罪の償いがまだ終わっていないから、神様はまだ生きて償いなさいとおっし
ゃっている。」と。私はこの信仰心を感心しています。