地学分野に関わるいくつかの実験 講師:柴田 直人(しばた なおと)

地学分野に関わるいくつかの実験
講師:柴田
直人(しばた
なおと)
ワークショップのねらい
地学分野の観察や実験は、視覚に障害のある生徒には体験しにくいものが多い。そこで、
本ワークショップでは、視覚に障害のある生徒が地学現象のイメージを持つことができる
ように工夫した、いくつかの実験を紹介する。
Ⅰ
熱気球の実験
実験器具
アルコールランプ、マッチ、マッチストライカー、燃え殻入れ、濡れ雑巾、実験スタン
ドの支柱 4 本、ポリエチレンの袋(45 リットルのゴミ袋、厚さ 0.015mm)
方法
1 アルコールランプに火をつけ、その上に手をかざす。
2 暖かい空気が上昇していることが分かる。火を消す。
3 支柱 4 本を設置し、上からポリエチレンの袋(45 リットルのゴミ袋、厚さ 0.015mm)
をかぶせる。
(図 1、図 2)アルコールランプを袋の真下の中央に置く。
図1
図2
4 アルコールランプに火をつける。
(図 3)
図3
5 ポリエチレンの袋を外側から触って、膨らんでいく様子を確かめる。
6 少しの間待っていると、ポリエチレンの袋が浮かび上がる。(図 4)袋の内部の空気
は高温なので、気を付ける。
図4
Ⅱ
地層のでき方のモデル実験
実験器具
空の牛乳パック、泥・砂・小石の混ざった土砂、水、きり、トレイ
方法
1 泥・砂・小石をそれぞれ触り、感触や粒の大きさを確認する。
2 空の牛乳パックに土砂を入れる。入れる量は、牛乳パックの容積の 3 分の 1 程度に
する。(図 1)
3
2 の牛乳パックに水を入れる。
4
牛乳パックの上部を数回折り曲げる。土砂と水をよく混ぜるために、牛乳パックを
激しく振る。
5
4 をトレイの中央に置き、牛乳パックの側面にきりで穴を開ける。穴から水が出てく
るので、しばらく待つ。
(図 2)
6
水が抜けたら、牛乳パックの一つの側面を切り開く。泥・砂・小石がどのように堆
積したか、触って観察する。(図 3)
図1
図2
図3
Ⅲ
1
天体の大きさのイメージを持つためのモデル実験
10 億分の 1 の太陽と地球のモデル教材
実際の数値
惑星
太陽
直径
地球
2
モデル教材
太陽との距離
直径
太陽との距離
1,392,000km
(起点)
風船
131cm
(起点)
12,800km
1.5×108km
ビーズ
1.2mm
150m
100 億分の 1 の太陽系の惑星のモデル教材
実際の数値
惑星
直径
モデル教材
太陽との距離
直径
太陽との距離
1,392,000km
(起点)
14cm
(起点)
4,880km
0.6×108km
ボールペン先の球 0.5mm
6m
金星
12,100km
1.0×108km
ビーズ
1.5mm
10m
地球
12,800km
1.5×108km
ビーズ
1.5mm
15m
火星
6,800km
2.3×108km
ボールペン先の球
0.7mm
23m
143,000km
7.8×108km
手芸用ビーズ
14mm
78m
土星
121,000km
14.3×108km
手芸用ビーズ
12mm
143m
天王星
51,200km
28.8×108km
金属球
5mm
288m
海王星
49,500km
45.0×108km
金属球
5mm
450m
冥王星
2,300km
59.0×108km
0.25mm
590m
太陽
水星
木星
図 1 点字、地球、木星
図3
惑星のモデルを
プラスチック板に
固定したもの
発泡スチロール球
ボールペン先の球
図 2 点字、天王星、冥王星