予習シリーズ理科 5 年下第 07 回地球と太陽(2) 解説 <学習のポイント> 第 7 回の予習シリーズの解説は,よくできていると思います。そこで今回は,予習シリーズに従って 補足説明をします。説明中の数字の図番号は,予習シリーズの図番号です。 1 太陽の年周運動 (図 1)について 少しわかりにくい説明ですね。下の図を見てください。 (北極の上から見た図です。)地球が X の位 置にあるとき,太陽と同じ方向に A 座があります。もちろん,太陽と同じ方向にありますから,A 座 を見ることはできません。次に,地球が Y の位置まで公転すると,今度は太陽の方向に B 座がありま す。このように,地球が公転することによって,太陽の方向にある星座は移り変わっていきます。こ こう どう の太陽の方向と重なる星座を「黄道十二星座」といい,星占いの星座はこれを指しています。つまり, ちょうど太陽と A 座が重なるころに生まれた人は,「A 座の人」ということになります。 B座 地球 X A座 Y (1)地球の公転 地球の公転の向きは,北極の上から見て反時計回り。(自転と同じ) びゃく や 北極の地軸が太陽の方に傾いているのが北半球の夏至(北極点は 白 夜=太陽が沈まない。) 地球が 1 年をかけて公転している軌道をふくむ面を「公転面」という。 地球の地軸は,公転面に対して 66.6 度,公転面に垂直な線に対して,23.4 度傾いている。 (テスト ではどの角度を聞かれているのか注意!) (2)地球の公転によって起こる現象 特に補足はありません。 加藤理数学院 1 予習シリーズ理科 5 年下第 07 回地球と太陽(2) 2 解説 季節の変化 (1)太陽の南中高度の変化 春分・秋分の日の南中高度については,前回に学習しました。春分・秋分の日は,太陽光は赤道に 対して平行になっていて,南中高度は「90°-(その土地の緯度)」で求められます。(よくわからな い人は,第 6 回の練習問題解説を見てください。 )ここでは,夏至と冬至の南中高度について説明しま す。 夏至の日は,下の図のように,北極の地軸が 23.4°太陽の方に傾いています。すると,赤道も 23.4° 右側が下がり,また,地面を表す青色の線も 23.4°右まわりに回転することになります。したがって, 南中高度(図の X の角度)も太陽光に対して 23.4°大きくなることになります。つまり,夏至の日の 南中高度は,春分・秋分の日の南中高度より 23.4°高くなることになります。逆に冬至の日は,春分・ 秋分の日の南中高度より 23.4°低くなることになります。 Y X 夏至 冬至 春分・秋分の日の南中高度 「90°-(その土地の緯度)」←これが基本 夏至の日の南中高度 「90°-(その土地の緯度)+23.4°」 冬至の日の南中高度 「90°-(その土地の緯度)-23.4°」 (2)日かげ曲線 問題を解きながら解説します。 (3)日の出・日の入りの方位の変化 右の図は,夏至の日の日の出の状態を表したものです。北極の 地軸が太陽の方に傾いているために,日の出の方向は,真東より 北 西 も北寄りにずれていますね。 (春分・秋分の日の日の出の方向は, ちょうど真東です。)地軸の傾きは 23.4°ですが,地球は球形を しているために,平面に描いた右図よりもオレンジ色の太陽光線 東 南 と真東の方向との間の角度は,23.4°よりも少し大きくなり,約 30°北にずれます。ここで,夏至(夏)のイメージから,日の出 の方向を「南寄り」と間違わないようにしましょう。 地軸が太陽光線に対して逆に傾いている冬至の日の出の方角は,真東より約 30°南寄りとなります。 春分・秋分の日は,太陽は真東から出て,真西に沈む。 夏至の日は,太陽は真東より北寄りから出て,真西より北寄りに沈む。 冬至の日は,太陽は真東より南寄りから出て,真西より南寄りに沈む。 加藤理数学院 2 予習シリーズ理科 5 年下第 07 回地球と太陽(2) 解説 春分は 3 月,夏至は 6 月,秋分は 9 月,冬至は 12 月。 下の図は,1 年間の日の出の位置の変化を表したものです。6 月(夏至)は太陽は最も北よりから出 ます。逆に 12 月(冬至)は最も南寄りから出ます。また,春分(3 月)と秋分(9 月)はちょうど真 東から出ます。残りの月も描くと,日の出の位置が毎日少しずつ変化し,1 年経つと同じ位置にもどる ことがわかると思います。 6月 5月 4月 3月 2月 1月 7月 8月 9月 10 月 11 月 ←北 東 12 月 南→ (4)昼と夜の長さの変化 右図は夏至の日の地球の図です。 (太陽光は描いてありませんが,右か B ら太陽光が来ていることは,できている影で判断してください。)A~D A の各地点で,黒色の矢印とオレンジ色の矢印の長さの割合で,夜と昼の 長さがわかります。 図を見てわかるように,夏至では北の地点ほど昼の長さが長くなり, A 地点(北緯 66.6 度)以北では,夜がありません。つまり地球が自転し ても,太陽光のあたる昼の部分しか通らないので,太陽が沈みません。 C D 逆に D 地点(南緯 66.6 度)以南では,太陽は出てこず,一日中夜です。 冬至の日は,同じ図で影の部分を右側にして考えれば,黒色の矢印が昼の長さ,オレンジ色の矢印 が夜の長さとなり,南の地点ほど昼が長くなるのはわかると思います。 3 地温と気温の 1 年の変化 (1)太陽高度と地温・気温の 1 年の変化 (2)昼・夜の長さと地温・気温の 1 年の変化 前回,1 日の中で太陽高度の最高(12 時頃)→最高地温(13 時頃)→最高気温(14 時頃)という勉 強をしました。1 年の間でも,太陽高度の最高(6 月:夏至)→最高地温(7 月)→最高気温(8 月) というように変化します。 加藤理数学院 3 予習シリーズ理科 5 年下第 07 回地球と太陽(2) 4 解説 地球各地の太陽の動き 予習シリーズとは少し違う解釈をしてみましょう。これが理解できれば,地球上の各地点ごとに覚え るのではなく,1 つの図を元に,どの地点の太陽の動きも考えることができます。 右の図は,赤道上の地点の太陽の動きを表したものです。 ・緑の線→春分・秋分 太陽は真東から出て,南中高度は( 90 - 0 = )90°,つまり真 上を通って,真西に沈みます。 西 北 南 東 ・赤の線:夏至 太陽は真東より北寄りから出て,南中高度は, ( 90 - 0 + 23.4 = ) 113.4°→南の地面から真上を通り越して、北の地面から 66.6°北 中。そして真西より北寄りに沈みます。 ・青の線:冬至 太陽は真東より南寄りから出て,南中高度は, ( 90 - 0 - 23.4 = )66.6°,そして真西より南寄りに 沈みます。 黒色の点が日の出,紫色の点が日の入りを表しますから,黒→紫(上側)が昼間,紫→黒(下側) が夜の間の太陽の動きです。どの季節も昼と夜の長さはほぼ同じです。 次に右の図を見てください。 この図で,赤道上の地点の地面は赤色,北緯 45 度の地点の地面は緑色, 北極点 北極点の地面は青色で示してあります。赤と緑の線の角度を比べると,緑 の線は,赤の線より北の地面が 45 度下がっています。これを右上の図で, 北の地面を 45 度下げて描いたのが,下の図 A で,図 A を反時計回りに 45 度回したのが図 B です。(そうすると,地面が水平になりますね) 西 西 北 南 O 北 南 東 東 45 度下げる 図 A 加藤理数学院 図 B 4 予習シリーズ理科 5 年下第 07 回地球と太陽(2) 解説 同じように,北の地面を 90 度下げたのが図 C で,図 C を反 時計回りに 90 度回転させ,地面を水平にしたのが図 D です。 これが北極点での太陽の動きになります。 図 D を見ると、太陽は自分のまわりを左から右に向かって動 西 北 南 東 き、夏至の日から日に日にその高度は下がっていって、秋分の 日には水平線に沿って動き、その後、秋分の日まで太陽が昇っ 90 度下げる てこないことがわかります。 また、図 D には方位が書いてありませんが,北極点に立つと, どの方角も「南」です。(どちらに向かって歩いても,南極点 図 C に着くはずですね。) もうおわかりかと思いますが,南半球の太陽の動きを調べるには,今まで と逆に南の地面を下げて考えれば良いわけです。はじめは考えにくいかもし れませんが,これを理解すると,後々とても楽です。頑張ってマスターして ください。 図 D 加藤理数学院 5
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