東近江労働基準監督署 担 次 長 吉村 賢一 第 1 方面主任監督官 当 東近江労働基準監督署 平 成 26 年 6 月 10 日 発 表 倉橋 隆成 第 2 方面主任監督官 遠藤 徳 【電話 0748-22-0394】 労働災害防止、各社へ緊急要請 ~平成 25 年、製造業の災害が大幅増~ ポイント ① 東近江労働基準監督署管内(※1)における平成 25 年の休業4日以 上の死傷災害(※2)は 481 人で、このうち製造業が全体の約 43%の 206 人で、平成 24 年の 156 人から大幅に増加(32%増)した。 ② このため、昨日、平成 26 年6月9日付け、東近江労働基準監督 署(署長 本城自由)は管内の製造業のうち災害が多発する業種 の 447 事業場に対し、労働災害防止のため緊急要請を行った。 ③ 製造業では、加工用機械などに、はさまれ、巻き込まれる災害 が約 31%(平成 25 年、63 人)を占めていたことから、特に製造 業における「はさまれ・巻き込まれ災害」 (※3)の防止を強く求めて いる。 ④ 平成 26 年度、当署では過重労働による健康障害防止とともに製 造業に対する災害防止について、個別事業場への監督、指導を重 点的に実施する。 ※1 東近江労働基準監督署の管轄区域 近江八幡市、甲賀市、湖南市、東近江市、蒲生郡 ※2 労働災害発生件数 平成 25 年 1 月 1 日から 12 月 31 日までに発生した休業4日以上の 死傷災害 ※3 「はさまれ・巻き込まれ災害」 プレス機械やロール機、ベルトコンベヤなどの機械の動力部などに 挟まれたり、巻き込まれる災害 ◆管内災害発生状況の詳細等 ・ 東近江労働基準監督署管内の災害発生状況は、毎年製造業の災 害が最も多く、次いで(過去3か年平均では)運輸交通業、建設 業が災害多発業種である。 (グラフ①参照) ・ 製造業の過去3年間の死傷災害は、平成 23 年:150 人、平成 24 年:156 人、平成 25 年:206 人と増加傾向にあり、特に平成 25 年 は全体件数の増加率(454 人→481 人、5.9%増)に比べても、大 幅に増加(32.1%増)するものであった。 ・ 製造業の中でも、災害が多発している業種は金属製品製造業 (H25 年、41 人) 、化学工業(同、39 人) 、窯業土石製品製造業(同、 23 人) 、食料品製造業(同、21 人)であることから、これら 4 業 種の 449 事業場に災害防止の緊急要請を行った。(グラフ②参照) ・ 災害発生原因となった事故型別の災害発生状況では、毎年「転 倒災害」に次いで「はさまれ・巻き込まれ災害」が多く発生し、 過去 3 か年の「はさまれ・巻き込まれ災害」による死傷者数は、 平成 23 年:66 人、平成 24 年:88 人、平成 25 年:89 人と、増 加している。 ・ 中でも、製造業における「はさまれ・巻き込まれ災害」は、平 成 23 年:45 人、平成 24 年:58 人、平成 25 年:63 人と最も多発 する事故の型である。(グラフ③参照) ・ また、昨年一年間、全国の製造業で「はさまれ・巻き込まれ災 害」により 61 人の労働者が亡くなっており、県内でも平成 24 年 に2人(うち1人は当署管内発生) 、平成 23 年に1人の労働者が 亡くなる災害が発生するなど、 「はさまれ・巻き込まれ災害」は労 働者に重篤な被害をもたらす災害である。 ・ なお、上記県内の災害については、いずれの事業者も労働安全 衛生法違反により検察庁へ書類送検されている。 ・ 平成 26 年 7 月 1 日から 7 月 7 日は、全国安全週間。 平成 26 年 6 月は、安全週間の実効を上げるための準備期間。 ① 業種別災害発生状況 ② 製造業における(中分類)業種別災害 ③ 製造業における事故型別災害発生状況 最近の県内製造業における「はさまれ・巻き込まれ」による死亡災害 発生月 平成 23 年 12 月 業 種 製糸業 被災者 作業員 10 代 発 生 状 況 製紐機で組紐の製造作業に従事していた被災者 が、製紐機下部の動力を伝達するシャフトに頭髪 を巻き込まれ、頸椎骨折により死亡したもの。 薬品自動計量機内の反転装置内に不具合が生じた 平成 24 年 2 月 ゴム製品製造業 技術者 ため、被災者が整備していたところ、装置が動き 50 代 出し、装置と支柱の間に被災者がはさまれ、14 日 後に死亡したもの。 平成 24 年 3 月 その他の繊維工業 機械オペ カーペット製造装置の運転及び検査業務を行って レータ いた被災者が、当該装置の送給ロールに巻き込ま 50 代 れて倒れているところを発見されたもの。 東 近 江 基 署 発 0609 第 1 号 平 成 26 年 6 月 9 日 食料品製造業 化学工業 窯業土石製品製造業 金属製品製造業 の事業主 各位 東近江労働基準監督署長 製造業に対する労働災害防止の緊急要請について 時下、益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。 また、安全衛生行政の円滑な推進につきましては、日頃から格別のご理解、ご協力 を賜りお礼申し上げます。 さて、当署管内の平成25年の製造業における労働災害死傷者数(休業4日以上) は206人で、平成24年の156人に比べ著しく増加(50人・32.1%増)し ています。この増加率は、大津署管内の1.5%増、彦根署管内の18.6%増と比 べて特に際立っており、大変憂慮すべき事態となっています。 また、事故の型においては、 「はさまれ・巻き込まれ」が206人中63人(31%) と最も多く、次いで「転倒」が36人(17%) 、 「動作の反動・無理な動作」が24 人(12%)と行動災害が上位を占めています。 更に、起因物別においては「動力機械」が55人(26.7%)、受傷部位別では 「上肢」が95人(46.1%)と最も多くなっており、特に機械作業時に手指を負 傷することが多い“はさまれ・巻き込まれ災害の防止”が喫緊の課題となっています。 労働者の生命・身体はかけがえのないものであり、いかなる社会・経済情勢であっ ても、働くことで労働者の生命・身体が危険にさらされることはあってはならないこ とであり、当署におきましても、誰もが安心して健康に働くことができる社会を実現 すべく、『ゼロ災滋賀』を合い言葉に労働災害防止のための取組を強化しています。 つきましては、貴事業場の皆様が、労働災害による犠牲者をこれ以上出さないとい う強い決意の下、同封のリーフレットを参考に安全管理活動を今一度見直していただ き、特にはさまれ・巻き込まれ災害防止のための取組を徹底されますよう緊急に要請 します。 【東近江労働基準監督署】 当署管内では製造業の労働災害が大幅に増加しています。 中でも、各種機械の掃除、点検、修理などの非定常時の作業 で機械に「はさまれ・巻き込まれ」災害が多発しています。 200 災害多発業種の死傷者数 150 製造業 100 運輸交通業 150 62 50 建設業 53 0 製造業 156 運輸交通業 54 建設業 56 平成23年 平成23年 平成24年 平成24年 (全産業:425人) (全産業:454人) 製造業 206 運輸交通業 64 建設業 39 平成25年 平成25年 (全産業:481人) 70 60 50 40 30 20 10 0 製造業の事故型別の死傷者数 はさまれ、 巻き込まれ 45 転倒 30 動作の反動、 無理な動作 17 平成23年 はさまれ、 巻き込まれ 63 はさまれ、 巻き込まれ 58 転倒 36 転倒 23 動作の反動、 無理な動作 16 平成24年 動作の反動、 無理な動作 24 平成25年 (製造業計:150人) (製造業計:156人) (製造業計:206人) 機械(はさまれ・巻き込まれ)災害防止の大原則 危 険 箇 所 へ の 覆 い ステップ1 CHECK! □ □ □ □ □ □ 非 定 常 作 業 時 の 運 転 停 止 回転軸、歯車、プーリー、ベルトなどに覆い、囲いを設けている カバーや蓋を開けると自動停止する装置を設置している 非常停止ボタンは適正に配置している 機械の掃除、給油、修理等の作業時に運転を停止している この作業で機械の起動装置に施錠や「点検中・起動禁止」等の掲示がある 定常作業、非定常作業時の作業標準を定め、安全教育をしている ステップ2 リスクアセスメントの導入 ⇒裏面、実施事例へ リスク低減対策の実施例 黄 黄 リスクアセスメントの導入(実施支援システム)、災害事例など 詳しくは・・・ http://anzeninfo.mhlw.go.jp/index.html
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