VERITAS Cluster Server

VERITAS Cluster Server™ Traffic Director
製品概要
90-01387-399
2002.9
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目次
目次.................................................................................................................................................................... 2
VERITAS Cluster Server™ Traffic Director ...................................................................................................... 3
スケーラビリティによるアベイラビリティ................................................................................................................. 3
Traffic Director .................................................................................................................................................. 3
Traffic Director の仕組み ................................................................................................................................... 4
トラフィックの振り分けおよびロード バランシングの方法 ...................................................................................... 5
永続的コネクション .............................................................................................................................................. 5
Traffic Director の管理....................................................................................................................................... 6
Traffic Director 対応プラットフォームおよびプロトコル ......................................................................................... 7
©Copyright 2002 VERITAS Software Corporation. All rights reserved. VERITAS、VERITAS SOFTWARE、VERITAS ロゴ、およびその他の VERITAS 製品は、
米国および各国の VERITAS Software Corporation の商標または登録商標です。その他の会社名、製品名等は、それぞれ各社の商標または登録商標です。製品の
仕様・性能等は予告なく変更する場合がありますので、ご了承ください。Printed in USA. 2001 年 6 月
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VERITAS Cluster Server™ Traffic Director
•
VERITAS Cluster Server™ 製品ファミリー
•
スケーラビリティの高いクラスタを必要とするユーザーに対しトラフィック ロード バランシングを提供
•
Traffic Director サーバーは Sun Solaris をサポート(その他のプラットフォームに対するサポートも追加予定)
スケーラビリティによるアベイラビリティ
インターネットや E コマースの急速な普及と同様、今日のデータセンターではアプリケーションおよびサーバーに対するハ
イアベイラビリティの必要性が増大し、アプリケーションおよびサーバーのパフォーマンスに対する需要が高まっています。
ネットワーク トラフィック量の増大は、最も大型のサーバーでさえも圧迫し、全体的にサーバーが遅くなるか障害が発生す
る原因になります。Web およびサーバーがいつでも利用可能であると期待する顧客は、パフォーマンスの低下はアベイラ
ビリティの欠如と同じであると考えます。したがって、アプリケーションおよびデータにおいて常に利用可能である保証が不
可欠であるのに対し、トップ パフォーマンスの保証は、広義の “HA 環境の保証”という意味では同様に重要です。
ロード バランシングまたはトラフィックの振り分けとは、複数サーバー間に対しトラフィックを分割するためにクライアント
ネットワーク接続を分散させる手法です。管理者は、要求を処理できるサーバー数に応じてそれらのサーバー間でトラ
フィックのバランスを取ることにより、需要に応じたパフォーマンスを保証できます。Web サイトの情報あるいはアプリケー
ションのデータを要求する顧客に対して、バックエンドのトラフィック分散プロセスは完全に透過的です。
Traffic Director
VERITAS Cluster Server は、計 画 的 なダウンタイムおよび不 測 のダウンタイムを管 理 することによって、データ
やアプリケーションに対 するハイアベイラビリティを提 供 する包 括 的 でヘテロジニアスなクラスタリング ソリューショ
ンです。これまで、Cluster Server は、アプリケーション フェイルオーバによってアベイラビリティを提 供 してきまし
た。Cluster Server クラスタ内 のサーバーまたは他 のリソースに障 害 や問 題 があった場 合 、VERITAS Cluster
Server は、問 題 のあるノードで実 行 しているアプリケーションやサービスを、クラスタ内 の別 の健 全 なノードへフェ
イルオーバします。Cluster Server は、このフェイルオーバによってアプリケーションやサービスのハイアベイラビ
リティを維 持 しています。
Traffic Director は、TCP/IP や UDP/IP トラフィックを複 数 のバックエンド サーバーに分 散 することによって、
スケーラビリティとトラフィック ロード バランシングによるアベイラビリティを提 供 します。アプリケーションまたは
Web サ イ ト へ の 需 要 が 高 ま る に つ れ て 、 さ ら な る 要 求 に 対 処 す る た め に サ ー バ ー を 追 加 で き ま す ( Traffic
Director では実 質 的 に数 の制 限 はありません)。最 適 なパフォーマンスを保 証 するために、トラフィックおよびロー
ド バランシングのルートをバックエンド サーバー間 で設 定 できる複 数 のトラフィック振 り分 けポリシーがあります。
©Copyright 2002 VERITAS Software Corporation. All rights reserved. VERITAS、VERITAS SOFTWARE、VERITAS ロゴ、およびその他の VERITAS 製品は、
米国および各国の VERITAS Software Corporation の商標または登録商標です。その他の会社名、製品名等は、それぞれ各社の商標または登録商標です。製品の
仕様・性能等は予告なく変更する場合がありますので、ご了承ください。
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Traffic Director の仕組み
Traffic Director クラスタ内で、ロード バランシングまたは Traffic Director サーバーが、クライアント ネットワークの要求
をクラスタ内の複数のサーバーに分散させることで、クライアントの要求による負荷は分割されます。一組の Traffic
Director サーバーには 1 つ以上のドメインがあり、それぞれのドメインには複数の仮想 IP アドレスがあります。それぞ
れの仮想 IP アドレスは、一度に 1 つの Traffic Director サーバー上でのみ有効であり、必要に応じて別の Traffic
Director サーバーにフェイルオーバされます。TCP と UDP の要求は、Traffic Director サーバー上の仮想 IP アドレス
に渡され、トラフィック振り分けポリシーの定義に従って、対象となりうる(クライアントからの要求を満たすことができる) 1
つ以上のバックエンド サーバーに引き渡されます。バックエンド サーバーには、他のソフトウェアを追加する必要はありま
せん。Traffic Director は、HTTP、FTP、Telnet、SSL、POP3、SMTP、IMPA およびストリーミング メディアなどの複数
のプロトコルを扱うことができます。
図 1: VERITAS Cluster Server Traffic Director は、クライアントからの要求をバックエンド サーバーに振り分けます。
これにより管理者は、要求の増加に応じて、アプリケーションの規模を拡大し、パフォーマンスを確保できるようになります。
Traffic Director の設定は複数のドメインに分割されます。1 つのドメインには 1 つ以上の仮想 IP アドレスが含まれ、クラ
イアントは、Web ページやアプリケーションに情報やデータを要求するときにこの仮想 IP アドレスと通信します。1 つのドメ
インに追加できる仮想 IP アドレスやサーバーの数に制限はありません。要求が増加した場合は、その増加した要求を満
たすために、Cluster Server 対応の Traffic Director にバックエンド サーバーを簡単に追加できます。
Traffic Director 自体のハイアベイラビリティを確保するために、Traffic Director は、2 ノードのフェイルオーバ クラスタと
して構成されます。Traffic Director が稼動しているノードの一方に障害が起こった場合、もう一方のノードがバックエンド
サーバーへのトラフィックの振り分けを継続します。Traffic Director クラスタは、一方のクラスタ ノードがもう一方の待機
サーバーになっている場合はアクティブ/パッシブ モードで動作し、両方のノードがお互いの待機サーバーになっている場
合はアクティブ/アクティブ モードで動作します。
Traffic Director の特殊な機能の 1 つは、オープン コネクションをフェイルオーバできることです。Traffic Director のノー
ドでトラフィックの振り分け中に障害が発生した場合でも、この機能により、クライアント コネクションはノードの停止時に中
断した操作を再開できます。Traffic Director がこれを実現できるのは、Traffic Director のクラスタが常にお互いの状態
情報を共有しており、どちらか一方からのトラフィックの振り分け責任を、いつでも(オープン コネクションの間であっても)
もう一方へ引き継ぐことができるからです。
バックエンド サーバーに障害が発生した場合、Traffic Director は、単にそのサーバーを要求の受け付けが可能なサー
バーのリストから削除します。バックエンド サーバーが修復されてオンラインに戻った時点で、Traffic Director は、その
サーバーをサーバー グループに再登録し、要求の受け付けを再度開始できるようにします。
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トラフィックの振り分けおよびロード バランシングの方法
VERITAS Cluster Server の管理者は、Traffic Director による複数のトラフィック振り分け方法から選択できます。方法
は、次のとおりです。
•
IP パケット振り分け
こ の ル ー ル で は 、 仮 想 IP ア ド レ ス に 基 づ い て 振 り 分 け る コ ネ ク シ ョ ン を 指 定 し ま す 。 た と え ば 、
http://www.veritas.com/ の 仮 想 IP ア ド レ ス へ の 要 求 は す べ て サ ー バ ー 1 ∼ 10 に 振 り 分 け 、
http://support.veritas.com/ の仮想 IP アドレスへの要求はすべてサーバー 11 ∼ 20 に振り分けできます。
•
TCP/UDP ポート先振り分け
このルールでは、対象の TCP/UDP ポート(たとえば、ポート 80 で動作している Web サーバーやポート 23 で動
作している telnet など)に基づいてトラフィックを振り分けできます。
•
コンテンツ振り分け
このルールでは、コンテンツの種類に基づいてトラフィックを振り分けできます。たとえば、音楽の MP3 ファイル、グラ
フィックの GIF や JPEG ファイル、およびテキストベースの HTML ファイルは、別々のサーバー上およびサーバー
グループ間に振り分けられたトラフィック上にグループ化できます。
これらのポリシーにより、受 信 した要 求 をどのように扱 うかが指 定 されています。要 求 をバックエンド サーバーに
振 り分 けるために、Traffic Director では複 数 のサーバー選 択 アルゴリズムを提 供 しています。サポートされてい
るアルゴリズムは、次 のとおりです。
•
ラウンド ロビン
サーバー間でトラフィックが均等に分散されるように、グループ内のサーバーを順番に選択します。
•
重み付きラウンド ロビン
グループ内の各サーバーに、その処理能力を表す値を割り当てます。最も処理能力の高いサーバーは、処理能力の
低いサーバーよりも多くのトラフィックが振り分けられます。
•
最少コネクション
アクティブなコネクションの数が最も少ないサーバーにトラフィックを振り分けます。
永続的コネクション
インターネット サイトにおけるショッピング カートのような多くのアプリケーションでは、クライアントとバックエンド サー
バー間で一度コネクションが確立されたら、そのトランザクションが継続している間、接続を維持することが安全性および信
頼性の面から重要です。たとえば、ユーザーが Web サイトで本を購入する場合、その購入に関するすべての要求(申込
みフォーム、クレジット カード情報、出荷情報など)は同じバックエンド サーバーに振り分けられる必要があります。
Traffic Director では、永続的コネクションを実現するための複数のメカニズムを提供しています。コネクションは、IP バイ
ンディングまたはクッキーに基づいて確立できます。SSL(Secure Socket Layer)を使用して、クライアントとサーバーの間
で安全な暗号化コネクションを確立できます。
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Traffic Director の管理
Traffic Director の監視および管理(仮想 IP アドレスの追加および削除、トラフィック ポリシーの変更など)を実現するた
め、コマンド ライン インターフェイス(CLI)と Web ベースの GUI があります。CLI は、対話形式または管理作業を自動
化するスクリプト中で使用できます。Web ベースの GUI は、特別なソフトウェアを必要とせず、どこからでもアクセス可能
な使いやすいインターフェイスを提供しているため便利です。
全体的なアベイラビリティを確保する上で重要なことは、統合された単一のコンソールから、複数のクラスタやクラスタ化さ
れたアプリケーションを管理できることです。ハイアベイラビリティ環境の統合管理を提供するため、Traffic Director GUI
は、VERITAS Cluster Server Web GUI および VERITAS Global Cluster Manager™ Web GUI と統合されます。これ
により、単一のコンソールから、すべての VERITAS クラスタ(フェイルオーバ クラスタおよびスケーラブルなロード バラ
ンシングされたクラスタ)の統合管理が可能になります。
図 2: VERITAS Cluster Server Traffic Director の Web GUI により、
Traffic Director の監視および管理が容易になります。
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Traffic Director 対応プラットフォームおよびプロトコル
Traffic Director 対応プラットフォーム
•
Solaris 7、8
(32 ビットのみ)
Traffic Director 対応プロトコル
•
HTTP
•
SMTP
•
POP3
•
FTP
•
Telnet
•
SSL
•
RSTP
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ベリタスソフトウェア株式会社
〒100-0011
東京都千代田区内幸町 2 丁目 2 番 2 号 富国生命ビル
TEL.03-5532-8241 FAX.03-5532-0887
http://www.veritas.com/jp
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