Vol.30 中・高学年 『二分間の冒険』 岡田淳/作 太田大八

さとる
6年生の悟は、体育館を抜け
出したところで、不思議な黒ネ
この物語が生まれてから 年
が過ぎようとしています。しか
まります。
す、長い長い二分間の冒険が始
「いちばんたしかなもの」を探
ていきましょう。
少しずつ時間を作り、読み語っ
をもって体験し言葉にしたのだ
み語り」の魅力を、この子は身
クラスみんなで担任の声をた
よりに想像して聞いていく「読
きました。この 年間、5年生
には必ず読み語ってきました。
ので、想像しやすいこともある
す。自分たちのいる「学校」と
いう場所が冒険の始まりになる
姉のクラスで私が読み語った
ことを知った弟が、5年生にな
小学校の先生で、学校を知りつ
「姉がおもしろい本だというの
のような感想を寄せてきました。
と読み語りを催促し、あとで次
でくれるんですか?」
冥利』
のひとつだと思っています。
ちと共有できることは、
『教師
多くの「岡田淳・作」の物語
の中でも最高の作品を子どもた
の中に入っていけます。
です。子どもたちは自然に物語
くした上で物語を作っているの
で4年生の頃この本を読んだ。
「いつ『二分間の冒険』を読ん
来て、
でしょう。作者の岡田淳さんは
と思います。担任の先生はぜひ、
しいつになっても色あせること
この本がきっかけでファンタ
ジーに目覚めた子も多くいま
わくしたのはなぜでしょうか」
で聞いた方がおもしろく、わく
岡田淳/作
太田大八/絵
(偕成社)
なく子どもたちを魅了し続けて
コと出会いました。そこから、
二分間の冒険
しかし『きむ先生の読み語り』
文|木村育子(東京都江戸川区立本一色小学校) 写真|偕成社
30
ったとたん担任の私のところに
10
学習指導要領で読み聞かせがすすめられて、読み聞かせについてのた
くさんの本が出版されています。また、ブックリストもたくさん出てい
中・高学年向き
ますが、さて実際に子どもたちに読もうと思うと、どの本がいいのか、
どうやって読んであげたらいいのか、困ってしまいます。
「これなら楽
しく読み聞かせができるよ」という本と読み方を紹介しましょう。