TX テクノロジー・ショーケース イン・ツクバ 2008 防災 P-63 「e コミュニティつくば」によるコミュニティ形成 ■ はじめに 「e コミュニティつくば(以下、e コミュニティ)」 はつくば市役所と防災科学技術研究所が共同研究 の社会実験の場として運営しているウェブシステ ムで、地域で実際に活動している様々なグループが 参加しています。ウェブシステムの即時性・簡易性・ 柔軟性を生かし、地域の共通課題に対して、グルー プの参加者や関係者、そして閲覧者がそれぞれ持っ ている小さな知恵や力を、文章や画像や電子地図で 共有することにより、地域の問題解決に役立てるた めのプラットフォームとして活用されることを目 的にしています。 ■ これまでの e コミュニティ活動の推移 ●平成 18 年 7 月 運用開始:地域グループの参加 当初の主な参加動機は無償利用できるウェブシス テムを使った活動情報のパブリッシングでしたが、 つくば地域ならではの多種多様な活動グループが集 まりました。 ●平成 18 年 9 月 メーリングリスト導入:グループ間連携 連絡効率化や情報交換円滑化のために導入を求め る声が参加者の間で高まり運営を開始しました。こ れにより、グループ同士が互いの活動に参加や協力 をする横の連携が見られるようになり、違った立場 や視点からの意見交換が行われる土壌も徐々にでき 始めました。 ●平成 18 年 11 月 つくば社協参画:新たな関係成立 吾妻地区まちあるきワークショップを契機に、つく ば市社会福祉協議会(通称:つくば社協)が災害ボ ランティア育成事業として関わるようになりました。 ●平成 19 年 3 月 IRB 参加:社会的ミッション強化 県域で活動する 「茨城レスキューサポートバイク(通 称:IRB) 」が参加したことで、防災・防犯に貢献すると いう社会的ミッションが強く意識されるようになりました。 ●平成 19 年 8 月 災害ボランティアセンター設置訓練 IRB の提案から、つくば社協が自らの役割を認識 し、単独では実現困難な訓練を、他自治体社協をは 代表発表者 所 属 問合せ先 じめ「ほにゃらキッズ(障害児支援組織) 」 「 、TIVONA の会(外国人支援組織) 」 、 「RadioTsukuba(ミニ FM 放送) 」など本来防災と関係の無い e コミュニティ参 加グループの自発的な協力によって実現しました。 ここで重要なのは従来の「組織&組織」の訓練では なく「市民&組織」が平時から培った関係性が企画・ 実施の過程で発揮されたことです。さらにこのこと が、参加したグループが自ら新たな課題を発見して 持ち帰り、対処の検討を行うなど地域の潜在的防災 力向上の新たなきっかけになりました。 ●平成 19 年 9 月∼現在 様々な事業展開:安定と拡張 つくば社協と e コミュニティでは協調しながら、 地域を変えて「地域点検まちあるき」や「災害時要 援護者安否確認訓練」を行うなど、コミュニティ形 成が困難な地域での自治会や小学校 PTA などとの連 携に挑戦しています。 ■今後の展望 つくば地域外のコミュニティとの連携事業をすす めます。また、参加グループから地域メディアとし てコミュニティ FM「RadioTsukuba」が開局に向けた 一歩を踏み出すなどメディア・ミックスの土壌も醸 成されつつあることから、さらに多くの知恵や力を 共有し、地域の課題解決力や潜在的防災力の向上を 目指します。 増田 和順(ますだ かずより) ■キーワード : (1)リスクガバナンス (2)安全安心なまちづくり (3)e コミュニティ (独)防災科学技術研究所 防災システム研究センター 〒 305-0006 茨城県つくば市天王台 3-1 TEL: 029-863-7547, FAX: 029-863-7541 [email protected] – 65 –
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