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日経 225 ギャン・タイムサイクル分析
225Brain Weekly
MAX VALUE
NO.074-----2010/12/20
http://www.max-value.co.jp
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◇ 売買スタイルの構築---安定収益を維持するために
最近ブームになっているシステム売買には重要な論理的思考がなく、単純シ
ミュレーションにおける結果だけを追求している傾向が殆どである。高額のシ
ステムロジックを販売したり、売買サインだけを送信したり、極めつけは自分
でパラメータを設定して投資家に責任を負わせる仕組みまで構築されている。
当レポートでも何度も指摘していることではあるが、最近の相場環境は激変
しており、論理的思考のないシステム売買だけのトレードは必ず崩壊する。過
去のパターンを知り、システム売買の癖を把握し、ファンダメンタルが市場に
どのように浸透しているかを分析することが重要となる。
また、ネットの普及によって情報が机上で簡単に入手できるようになってい
るため、シンクタンク系の相場予測が同じ内容になるなど信頼性に欠ける傾向
がある。新聞やネットで流れる情報には、取材を伴うインサイダー的要素がな
く、日経平均は単なる価格変動の 1 銘柄となっている。
しかし、長期サイクルにおいてはファンダメンタルが必ず反映される。重要
なのは資金の流れとタイミングであり、投資戦略を組み立てる際には、長期→
中期→短期→デイトレードの順に分類することが必要不可欠である。
次ページは 2009/6/29 のWEEKLYで掲載した内容の抜粋であるが、システム
売買・システムバイアスを利用する際には、その論理的思考の根幹部分が重要
となるため、再掲載する。この歴史的内容を知っているかどうかで、基本的売
買スタイルは大幅に相違するだろう。
投資信託・ヘッジファンド・ディーラーという名義だけでステイタスがある
ように思えるが、それほどプロ化している訳ではない。実際に我々が主催した
セミナーに参加したり、レポートの購読者であったりする。更には重要変化日
やアニバーサリー、占星術を重視する場合もある。マスコミやネットで解説さ
れている内容は、このような人たちで構成されているのである。
<1>
「225Brain」は、日経平均及び日経平均先物のバイアス/システム/トレンド等を金融市場すべての情報を基に分析し、短期か
ら中期の価格バイアス検証と売買テクニックを解説しています。当レポートは、情報提供を目的としてのみ作成したものであ
り、有価証券の売買の勧誘を目的としたものではありません。当レポートは、当社が信頼できると判断した資料およびデータ
等に基づき作成しておりますが、その正確性および完全性について保証するものではありません。また、将来の投資成果や市
場環境を保証するものではありません。投資決定にあたっては、投資家ご自身の判断でなされますようお願いいたします。
本誌記事の無断転載・複写を禁じます。
お問い合わせは、マックスバリュー 047-300-5561 まで
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2009/6/29
WEEKLY再掲載
債券先物が上場してから約 1 年が経過、ある程度のティックデータが蓄積され始めた頃、
証券各社はシステム売買作成に取り組んでいた。当時は、移動平均・ローソク足などオーソ
ドックスな手法でパフォーマンスを逆算することが主流で、かつエクセルのような表計算ソ
フトもない時代であるから、必然的にシステム売買の開発は限定された。今から見れば非常
に簡単な方法であるが、電卓をたたきながらの苦労は大変なものである。
また、銀行のディーリングがようやく認可され始めた時期でもあり、先物への考え方は現
物株のテクニカルから脱皮できないでいた。そのため、優秀なパフォーマンスをあげるシス
テムは考案されず、唯一結果的に逆算した 1 日-3 日移動平均のクロス売買がN証券で活用さ
れていただけである。そんな中、T証券債券部での実践シミュレーションで、とんでもない
高収益を上げるシステムが完成した。これが 10 銭法である。
当時は”ゴールデンクロスで買い”だとか”下落するのを待って”逆張りの押し目買い”
というパターンが投資の基本姿勢であり、上司への言い訳も容易にできた。しかし、この
10 銭法は過去の常識を根底からひっくり返した手法であった。株式出身者が大半を占める
ディーラーの大半は寄付でクロス(新規の買いと新規の売りの両建て)を行い、上下に利食
いの指値を入れる。実現益を優先し、含み損の玉は放置する方式が多かった。この方法は、
現在の投資手法ではナンセンスとも言えるが、日経平均が 12000 円からバブル相場に入って
いる時期でもあり、多少の損失は決算時にロールオーバーすることもできたため、この方式
を採用する証券会社は多かった。
ディーラーの大半が寄付でクロス玉を入れる関係で、寄付と引けの出来高が急増する。更
に当時の板(バイカイボード)は手書きで、注文も電話で行われていた。債券先物の呼び値
は 1 銭で、寄付から 10 銭上下すると板の中心値が 10 銭動くシステムである。この時点で流
れを加速させれば、寄付建玉の含み損をかかえたディーラーがあわてる。中にはロスカット
基準にひっかかった玉も決済に動く。(当時のロスカットの平均値は推定 30-50 銭、当時の
債券先物の 1 日の平均レンジ) このような市場の特性を利用し、10 銭法では寄付では何
もせず、寄付から 10 銭動いた時点で成行で新規建てをした。
儲かるシステム売買の哲学は「いかに一般大衆玉がロスカットするように誘導するか」で
ある。当時は先物相場に不慣れな機関投資家のポジションを意味したが、現在でもシステム
売買に不慣れな機関投資家やヘッジファンドは多数存在する。かつて、このような哲学に基
づいて安易に儲ける手法が存在した。商品市場における「向かい玉」である。一般投資家か
ら発注された玉はその約 90%がブローカーの自己玉によって反対売買され、市場には 10%
程度しか流通しない。各ブローカーは同じようなスタンスをとり、出来高だけは流通玉の 9
倍に表示されることになる。
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「225Brain」は、日経平均及び日経平均先物のバイアス/システム/トレンド等を金融市場すべての情報を基に分析し、短期か
ら中期の価格バイアス検証と売買テクニックを解説しています。当レポートは、情報提供を目的としてのみ作成したものであ
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日経 225 ギャン・タイムサイクル分析
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---------------------------------------------------------------------------------つまり、商品市場における出来高の 1/9 が真の相場となっている。この操作(一種のシス
テム売買)を利用すれば、自己玉の計らいで価格はいかようにも操作できることになる。日
本の商品市場では、その殆どの銘柄が国際裁定できないのであるから、歪な価格であっても
修練されるまでには時間を要する。そして、顧客が決済に動くとき、適当な価格まで自己玉
で誘導し、向かい玉も決済する。顧客のポジションを把握し、決済時に価格を誘導する向か
い玉方式は、まさにシステム売買の基本である。ザラバの貴金属市場では、各支店の注文は
一旦、本社のコンピューターに蓄積され、注文の表示を見ながら、本社のディーリング部で
入力端末に発注していた。この時点で、約 90%の向かい玉が同時に執行されているのであ
る。また、バイカイの隙間がある場合には、事前に有利な価格に自己の指値を入れた後、ほ
とんど同時に顧客の成り行き注文を入れる。有利な価格で約定した玉はすぐに 1-2 ティック
差の利食いポジションを入れることが可能となった。
更に海外ヘッジファンドが日本の商品市場に参入したときには、「池の中のクジラ」と言
われながらも、ブローカーは向かい玉操作によって注文を受け付けることができた。建玉が
ブローカー別に公表されていたことやブローカー間の情報伝達が蜜に行なわれていたことに
よって、海外ヘッジファンドは絶好のカモ(ロスカット誘導のターゲット)になった。建玉
を積み上げる時点では含み益が発生するが、決済する時点では一気に市場トレンドを壊し、
更には平均建玉価格から大幅にマイナスになった。
これまで哲学的な観点から、ヘッジファンドを含めたシステム的な大衆玉の動きを把握す
る重要性に触れてきた。システム売買の特徴を理解し、どの価格タイミングで動きがでるか
を事前に把握することで、圧倒的に有利な投資環境を築くことができる。
特に最近の日経平均先物の特徴として、下記項目は重要である。
1) マザーマーケットでありながら、海外動向/為替の影響が強く受ける。
2) MINI・夕場・CME市場の存在により、寄付の出来高比率が低下し、その重要性も薄れ
ている。
3) 売買コストが劇的に安くなったことで個人投資家のスキャルパー(1 ティックを狙うプ
レイヤー)が存在している。
4) これら市場環境の整備によって、日足ベースから時間ベースで価格トレンドが発生して
いる。
5) 上記の要因により、単純なテクニカル手法がロスカット誘導のターゲットになっている。
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「225Brain」は、日経平均及び日経平均先物のバイアス/システム/トレンド等を金融市場すべての情報を基に分析し、短期か
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