園だより 第3号 平成 27 年 5 月 28 日 “もめること”も成長の糧 園長 山内 武道 公園等で子どもが遊んでいるのを見ると、親が付きっきりで遊ばせ真剣に子育てをしていることを感じさせ られます。子ども同士の遊びの中では、いろいろなことも起こります。 そこでは仲間と交わることで楽しさや人の温かさを感じ取り、また遊びたいという意欲がわき活 力が育ちます。そんな場面では必ずと言っていい程に子ども同士のぶつかり合いが起こり、時には、 泣き出したりみじめな思いをしたりすることもあります。 しかし、それは子ども同士が切磋琢磨し合う場面であり、そこでは多くのことを 学びます。自分のお腹を痛めた子どもが辛い思いをするのは見るに忍びないことですが、子ども同 士のぶつかり合いも、成長や人間形成にとって欠かせないことを理解して、じっと見守っていただ きたいと願っています。 (年齢に応じて、やっていることの善悪やルール等を教えることも忘れずに…) そんな経験を通して、子どもの心の強さ・逞しさが育っていくことも忘れてはなりません。 長い期間にわたって、みんなで意地悪をしたり暴力を振るったりするのは、見逃すことなく決し て許しませんが、ばんけい幼稚園では、教師全員が全ての子どもの指導を行うという基本方針を持 ち、その様な子ども同士が切磋琢磨するもめごとは、全教師がしっかりと見守りますし、時には、 子ども達の中に入り話し合いをして解決させる指導も行います。ばんけい幼稚園は、いじめを肯定 しているのではなく、子どものもめごとを成長に生かしていく方針です。 近年、いじめが大きな問題となり、ともすれば過敏になり子どもが育つ場を奪い精神的にひ弱な 人間を育てている傾向があります。人間、二人寄れば、必ずいざこざが起こります。 それを避けて、これからの長い人生を生きていくのは不可能で、大きくなってから急に厳しいこ とに出会うと、強い負担になります。それが中途退学や退職につながる要因の一つになっています。 今から、小さないざこざを体験し、それを積み上げていくことで精神的にたくましい人間に成長 していきます。教育や子育てでは即効薬がなく、小さなことの積み上げで確かな成長が生まれます。 その実現のために、とても大切なことの一つに保護者の皆さんの仲間づくりです。 子どもがぶつかった時に、それを子どもの成長の糧として捉えて見守り合える親同士の関わりづ くりが欠かせないことですので、虹の会等の活動を通して実現していただくことを願っています。 良い仲間づくりのために… 人は社会的動物ですから、他と関わることで充実感や生き甲斐のある生活ができます。 ですから、保護者の皆様も幼稚園の保護者に限らず近所の人・学生時代の友達等々、気軽に楽し くお付き合いができる仲間をつくることが大切です。仲間と話し合うことで視野が広がり、時には、 子育ての迷いや悩みを解決するための糸口をつかむこともできます。 ばんけい幼稚園では“虹の会の活動”や“子育て井戸端会議”を保護者の皆様の仲間づくりに役 立てていただきたいと考えています。 ただし、それぞれの家庭が異なる状況にあることや考え方の違いがあることを念頭において、無 理をせず長続きのする良いお付き合いになることを願っています。 そのためには“つかず・はなれず・無理をせず”を念頭に、程々の距離をおくことが大切だと言 われています。ばんけい幼稚園での良い友達づくりをしていただくことを願っています。 ○お互いの考え方や立場を大切にして… ○それぞれの生活習慣の違いを認め合って… ○親しき仲にも礼儀を忘れないで… ○お互いを思いやり謙虚な姿勢で… ○相手の長所に目を向けて… “無理なく、楽しく、気を楽にして” お付き合いを ばんけいの春 盤渓の森では草木の葉が色濃くなり、たんぽぽの花も咲いて自然の豊かさと素晴らしさ・心地良さが感じられる 今日この頃となりました。その中で、子ども達は散歩に出かけたり砂遊びをしたりして日に日に成長する姿を見せて くれています。また、友だちとの触れ合いを通じて、集団生活の楽しさも感じながら学年相応に落ち着いた生活を過 ごし、美味しそうにお弁当を食べる姿が見られます。もちろん、お弁当からいっぱいの愛情も感じています。 そんな子どもの幼稚園生活を機会がありましたら、是非、参観してください。お待ちしています…。 お節介者の独り言 No2 園長 山内 武道 “人と触れ合う”を大切に 今、パソコンや携帯電話等の電子機器が普及して、多くの情報を得ることができ便利な世の中になり、それ で社会が大きく発展しています。 それらの機器は、社会の全てのことの進歩・発展のためには欠かすことができないのは言うまでもありませ んし、人々はその恩恵を受けています。 しかし、そのIT技術が大きなうねりとなって押し寄せ広がることによって、人間にとっての弊害や危機が 生まれていることも否定できません。 特に子どもや若者の中では、多くの深刻な問題も生じ、日本だけでなく世界中の国が社会全体で 真剣に取り組まなければならない課題になっています。 そのひとつがスマホ依存症といわれる精神的な病にもなって、それに陥ると生活全体が乱れ、人生が 壊れてしまう現実もあります。 (引きこもりやキレルの一因にも…) また、メールのやりとり等で、いじめや中傷が広がって、人の心を傷つけ自ら命を絶つような大きな事件に つながる現実もあります。 スマホ等の電子機器は、今の社会から排除するのは不可能ですので、今、医学で強調されているいろいろな 病と同じ様に、予防がとても大切です。 そのための大切な手立ての一つが、 “人間大好き人間”を育てることで、それは、ばんけい幼稚園 の教育で大切していることのひとつです。 子どもはもともと子どもが好きで、公園等では自然に集まったり、そばに寄っていったりします。そこでは、 互いに力を合わせ楽しく交流することもありますが、時には遊び道具の取り合いをしてぶつかることもありま す。そのことをふまえ、ばんけい幼稚園では教師全員が子ども全体をしっかりと見守り指導する体制で活動を 進めています。 さらには、その予防のために欠かせない重要なことが、家庭での環境と親の心がけです。 何よりも、子どもと親が楽しく笑顔で語り合い強い絆づくりをする雰囲気が大切で、お母さんやお父さんに 友だちや幼稚園での出来事等を自ら話すように仕向けることです。 そこで留意しなければならないのが、親が矢継早に質問して無理に聞き出そうとすることです。それで子ど もが口を重くしてしまうこともあります。 (キーポイントは楽しく笑顔で…) また、親のスマホ等の使い方に気をつけることも大切です。それが子どもに強い影響を与えることを心に留 めていただきたいと願っています。 街を歩きながら子どもに目もくれずに、親がスマホに夢中になっている様子を見かけますが、せっかくの子 どもとの触れ合いの場を無駄にしている気がしてなりません。 その様な環境や家庭で育つ子どもが、スマホに依存しがちになる傾向が強いように思われてなりません。そ んなことからも、子どもと一緒の時にはできるだけ“ノースマホ” (スマホフリーとも)を心がけてい ただくことを願っています。 ちょっと子どもに目を向け、日々の生活でよくできていることや頑張っていることをほめることで、いっそ う親子の強い絆が生まれ、それが家庭の宝になると信じています。 子どもにとって、親は何物にも替えられない大切な存在であり模範でもあります。 <ゲームよりも、人と触れ合うことを喜ぶ子どもに…>
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