ケンブリッジ現役感想文

ケンブリッジ大学建学 800 年祭
遠征記
国立大学法人電気通信大学剣道部
2009 年 11 月
主催
電気通信大学剣道部
同OB会剣友会
後援
全日本空輸株式会社
ケンブリッジ大学の皆様へ
建学800年の偉大な歴史を有するケンブリッジ大学に、
電気通信大学の剣道部をお招きいただいたことを光栄に思い、
感謝申しあげます。
これを機会に両大学及び両国の文化の交流がますます深まることを祈念
しております。
電気通信大学学長
剣道部
梶谷
誠
諸君
建学800年に及ぶ歴史を有するケンブリッジ大学で
日本の武士道精神を堂々と伝えてきてください。
日本の小さな大学が日本文化の伝統を守っていることを誇りに
してください。
学長
Dear Okada-kaicho and other delegation leaders,
thank you very much for your contribution to the success of this year's gasshuku.
I am pleased that the Dentsudai members were satisfied and we return their kind
regards. From our side, we were very happy too and it was fantastic for us to have
a chance to practice with you all.
Thank you very much for forwarding the kind message of President Kajitani. Now
that we have had visits in both directions we are on a firm foundation for
continuing this exchange in years to come.
Frank Stajano
http://www.cl.cam.ac.uk/users/fms27/
Ⅰ.はじめに
1. 湯川教授
剣道部長
平成20年9月 電気通信大学剣道部ケンブリッヂ合宿に寄せて
剣道部長 湯川敬弘
昨年の、長沼師範とケンブリッヂ大学工学部工学科教授フランク(フランチェスコ) スタヤーノさん
との長年の交友を縁として、教授率ゐる、ケンブリッヂ大学剣道部(剣橋剣道部)の面々の電気通信大
学道場での合宿と、本年がケンブリッヂ大学創立800年祭といふ好機を得て、岡田剣道部同窓会長の
情熱と獅子奮迅の働きで、学生23人、剣道部関係者総勢37人の一大団体のケンブリッヂ訪問、合宿
が実現しました。
一年前、剣橋剣道部の人々との大学食堂ハルモニアでの交歓会で、岡田会長が来年は本学剣道部がケ
ンブリッヂに趣くことを揚言されたとき、おそらく誰もがその実現に半信半疑であつたのではないかと
推測します。かく言ふ私も、その実現についてはまだ半信半疑でした。それが実現したのです。「本当
にやろうと思へば成就するものですね」とは、帰途での岡田会長の感懐でありますが、まことにこの言
葉が私にとつては、今回の壮挙の一番の収穫でありました。
この遠征は、参加した剣道部員にとつては、将来掛け替へのない思ひ出となるでせうが、我が剣道部
にとつても一つの転機になるのではないかと予想してゐます。すでに、我々は韓国の弘益大学と交流を
してきました。アジアの最も近い国で、稽古に於ては戦前の日本剣道の好き部分を残している、しかし
勝負にこだわることのまた強い剣道を体験し、このたびは、きわめて不利な条件の下で、剣道に日本の
精神文化の深さを感じ取つて、堂々たる稽古をしてゐるイギリスの人々とともに剣を交えて交流できた
ことは、全国の大学剣道部の中でどれだけの部がかうした機会を持ちえてゐるかと考へるときわめて稀
有なことと思ひます。私にとつては私が剣道部長として迎へる最後の年に、かうした国際的な事業を剣
道部として、OBの方々をも巻き込んでなしえ、全員無事帰国しえたことには深く感謝せざるを得ませ
ん。今後、電通大剣友会とともに、剣道部の諸君がこの二つの国との交流を大事に育てて行つてくれる
ことを望むこと切なるものがあります。
最後に個人的なことを述べさせていただきますと、この遠征に電気通信大学、全日空から助成を頂く
ための一助として発案した、私のケンブリッヂ大学の関係者のための講演提案がはしなくも工学科の講
義室での大々的なものとなり、結局は、長年の私の剣道修行の総決算としての発表となつたのも亦奇し
きことと思はれます。私にとつても一つの大きい転機なのかもしれません。ちなみに、ケンブリッヂ大
学には今、工学部があり、工学科が唯一の学科ですが、これが大学で最も規模が大きく、この工学科の
授業の特別の特徴として、外国語の選択必修科目として、中国語、フランス語、ドイツ語、日本語、ス
ペイン語が提供されてゐます。これは、実用だけでなく、文化的視野を広げるための科目ですが、そう
した学部で日本文化について語れたことは望外の喜びでした。
2. 長沼師範
ケンブリッジ合宿を終えて
今回の合宿は一重に湯川先生、岡田会長を初めとする先生、諸先輩のご尽力賜物であると感謝申し上
げます。
簡単に私の感想を下記に申し上げます。今回の合宿を終えて良かったと思うことが多々ありますが、
下記の二点が最も良かった点であると思っております。
第一点目は、参加した電通大の学生の感想文を読ませて戴き、初めて海外に行った学生の多くは英語
でのコミュニケーション力を磨かなければならないと感じており、学生でいる間にこの様に動機付けが
できたのは大変良かったと思います。又、学生の中には剣道は学生の間だけやって卒業したら止めよう
と思っていたが、卒業してからもやる価値がある思った学生も居り、又、女子学生の感想文には私が道
場でいつも学生に言っている「生涯剣道」という言葉が出てきたりして、非常に嬉しいことです。
第二点目は今回の合宿には南ウエールズの方々も参加され、今度の1月には、ケンブリッジのメンバ
ーが南ウエールズに出向いて稽古をするとのことです。又、南ウエールズのメンバーも来年日本で行わ
れる合宿に参加したいとの声もあるそうです。この様に国を跨いでの交流が進み、将来は韓国の弘益大
学も交えて1年毎に日本、英国、韓国で交互に合宿を行えるようになればというのが私の夢です。その
場合学生にとっては英国行きの経費負担は大変なので、1年生の時から3年の就職試験くらいまでお金
を積み立てて3年次または4年次に参加するという方法もあろうかと思います。
今回の合宿が今後の国際交流の端緒になればと思っております。
以上
3. 三戸准教授
剣道部副部長
日本から約1万キロ離れた英国の地で、ケンブリッジ大学・ウェールズ大学、そしてウェールズの剣
道愛好家の皆さんと竹刀を交え、互いの剣道に対する考えや、文化についてコミュニケーションを図れ
たことは、学生諸君にとって非常に貴重な経験になったと思います。とくに、練習場確保の困難さ、勉
学の合間を縫っての稽古時間の確保など、日本と英国(ケンブリッジ大学)との剣道事情の相違には驚
かされる部分も多かったのではないでしょうか。5日間という短い期間ではありましたが、今回の経験
が、学生諸君の大いなる遺産となり、剣道、勉学に何らかの影響を及ぼしてくれることを期待する次第
です。
最後になりますが、今回の遠征にあたって多大なるご支援を頂いた、電気通信大学、ANA(株)、目
黒会、電気通信大学剣友会に感謝申し上げます。
4. OB会会長
縁あってケンブリッジ大学建学 800 年祭を期して現役学生中心で
遠征することができました。
4 日間と誠に短い滞在でしたが、学会発表、観光等とは赴きが異なり、その間、同じ仲間と真剣に剣を
切り結び、心で切り結んで、真の異文化交流ができたとおもいます。
行き、帰りのフライトの中で、彼らが書いたものをまとめてみました。
限られた時空の中で綴ったもの、いまだ感激の覚めやらぬうちの文章ゆえいささかうわづったところも
あろうかと存じます。1 ヶ月後、3 ヵ月後、6 ヵ月後に振り返れば、また別な文章であろうと思います。
そのときには是非ともじかに彼らと話して頂ければ幸いと存じます。
写真集と併せ、お読みいただき、更に読後感など賜ればこの上ない喜びです。
初めて異文化に触れたその最初の強烈な印象が、今後彼らの 1 生の中で幾度となく出くわす変節点で
彼らを勇気つけてくれるものと確信しております。
今回全日本空輸株式会社様の多大なご協力を賜り、梶谷学長の暖かいご協力を得て、更に電気通信大
学教官、卒業生、剣道部OB会、のみならず今回の遠征の趣旨にご賛同頂いた他大学卒業生等一般の方々
からのご芳志も賜った点此処に明記して御礼の言葉に代えさせて頂きます。
剣道部OB会剣友会 会長 岡田 安人
Ⅱ.遠征に期待すること
行きのフライトの中で
(1 年 Y)
私は小学校を入る前から現在まで 10 年とちょっと剣道をやってきた。子供の頃から剣道をやってき
たわけだが、まさか自分が海外で剣道をすることになるとは夢にも思わなかった。これまで剣道をして
きた中でよく「縁」というものを大切にしてきた。「一人では剣道はできない。相手がいて初めて剣道
ができる」10 年ちょっとでどれだけの人との「つながり」や「支え」があって剣道を続けてこれたのだ
ろう。今回のケンブリッジ遠征も同じで多くの「支援」があって実現できたことなので少しでも多くの
ことを学び、全身で感じ取る事で「感謝」していきたい。今剣道を日々しているのはもちろん試合に勝
つという目標があるからであるか、そこには剣道を通じての人間形成という目的がなければならない。
剣道世界大会では去年アメリカに負け、韓国が優勝した。世界大会で日本が負けることは初めてである。
このことからわかるように世界での剣道の勢いがますます強くなってきている。果たしてケンブリッジ
大学剣道部が求めているもの目的また目標は何なのか?世界が剣道を通じて何を求めているのか?を
考えていきたい。
(1年 O)
始めての外国、困難であろうコミュニケーション、文化の違いなどの先立つ不安が多い中でも、なんと
か積極的に行動し、楽しみたいと思います。
(1 年 O)
外国で剣道するのは初めてなのでそれだけでも緊張しています。僕は英語はあまり話せないので会話で
きるかどうかは不安ですが、向こうの人と仲良くできたらなぁと思います。それから外国(イギリス)
での剣道事情について知ってそれを糧にしたいと思います。それによって自分の剣道に対する価値観が
良い方向に持っていけたらなぁと思います。
(1年 H)
頑張って多くのケンブリッジ部員の方々と話せるようにしたい。ケンブリッジ生に勝つ!!と共に体調
管理に気をつけます。
(2年 O)
剣道による国際交流を通じ、二段審査を前に自身に足りないもの、目標となる剣風を模索する。という
ことです。また、剣道以外の面においても、現地の人とのコミュニケーションを積極的に行いたいと考
えます。
(2 年
U)
ケンブリッジ大学の人と剣道を通じて交流することで自分に足りないものを見つけるきっかけになれ
ばいいと思っている。
(2 年 H)
目的はイギリスの衣住食の文化や、建築物、考え方に触れてくることです。また、ケンブリッジの人の
剣道に対する姿勢を考えたい。
(2 年 S)
外国の剣道部と交流するにあたって、日本では一般的であっても、世界ではまだまだマイナーなスポー
ツである剣道がイギリスではどのような目で見られているのか、また剣道を選んだ彼らの気持ちを知り、
初心にかえる意味でも今後に役立てたいと思います。それとできれば英会話に挑戦してみます。
(2 年 N)
ケンブリッジの人達が自分から何かしらを学びとり、同時に自分も何かを学べたらと思っている。ケン
ブリッジへ行く期待よりも空港の諸手続きやイギリスでうまくやっていけるか等の不安の方が大きい。
(2 年 S)
昨年会った人達にもう一度会えることが楽しみであり、初めてのイギリスをとても楽しみにしていまし
た。英語は上手くありませんが、剣道をしていれば話題はできると確信していました。
(2年 O)
正直に言うと、まず最初にこんなに幸運なことはなかなかないと思いました。ですから飛行機に乗って
いる今、この機会を最大限に生かそうという気持ちです。ケンブリッジの剣道を見、それを自分の剣道
に生かすことはもちろん、イギリスでの非日常的な場所での生活と向こうの学生達との出会いを楽しみ
にしています。
(3 年 S)
(現主将)
今まで 10 年あまり剣道を続けてきましたが、剣道が海外でどのように考えられ、行われているのか、
実際に自分の目で見たことはありません。日本以外の剣道が見られるので、非常に楽しみです。また、
英語に触れるのは高校卒業以来なので言葉が通じるか不安です。なんとかコミュニケーションをとって
英国の文化を肌で感じていきたいです。
(3年 S)
(現副主将)
自分は海外には行ったことがないので海外に行くことによって今までと異なる視点や価値観を得られ
ることを期待しています。いろいろな人が協力してくれたおかげでこうして海外に行くことができ感謝
しています。
(3年 S)
(現主務)
向こうでは「声を出す」を目標に5日間乗り切る!
(3 年 T)
まず、現役を退いていながらも、今回の遠征に参加させていただけて、OB・OG の方々に感謝していま
す。外国で剣道をすることは、滅多にない機会だと思います。そこで、さらに剣道に対する理解、また
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外国へ行く事でそこの国々の文化の理解、さらに比較することで日本という国の文化の理解を深めたい
と思います。また、英語を上達させるよい機会でもあると思うので、進んでコミュニケーションをとる
ように努力したいです。
(4 年 I)
外国で学べること(言葉以外)というフレーズをよく聞くが、それは日本人として(人間性・風土性)
なのか、それとも剣道を行っている人として何かを学べることがあるのだろうか、また事前に(書物や
インターネットを通じて)多くを学んでいたならば、外国はどのように映るのか「百聞は一見にしかず」
とはどういうものかを知りたい。また、同じ「人間」が長沼先生という同じ先生の下で学んでいるとき、
日本と英国ではどのように違うのか、どう考えるのかそのようなものごとを知りたいと思う。
(4年 S)
(前年度主務)
岡田会長を中心として、ケンブリッジ大学遠征が実現できましたこと、大変嬉しく思っています。去
年、ケンブリッジの皆がいらっしゃった時はこちらがテスト週間だったこともあり、1~2回しか剣を
交えることができませんでしたが、今回は一緒に練習できる時間も多くとれそうということで、大変期
待しています。とにかく積極的に話しかけて剣道以外の部分でも交流できたらと思います。日本側とケ
ンブリッジ側学生との架け橋になれたと思います。
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(5年
N)
(ア) 英国は欧州においても長い歴史と文化を持っている事はいまさらであるが、実際の英国に入り、
今までの知識としてだけから見て、聞いて、さわり、交わり、体験することで実際の物とした
い。
(イ) 今回はケンブリッジ大学というエリート達との交流であるので、世界でも一流の空気の中で、
剣道という長くやってきたことを通じてどこまでぶつかっていけるのかの挑戦でもある。
(ウ) 剣道を一緒に稽古するにあたり、頭を使わねばならない場面が多々あると思う。それを通じ剣
道の技術面はもとより気概のようなものを何か一つでも見つけたい。
(エ) これ程の大人数での海外は初めてであるので様々な面白い物が見られると思うと期待がふく
らむ。
(オ) 最後に自分の気持ちであるがワクワクしている。今まで書いた事を心から楽しみ、良い体験と
していきたい。
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Ⅲ.遠征を振り返って、遠征で得たもの
帰りのフライトの中で
(1. Y)
「自分たちは剣道をやっても日本のようには評価してくれないし、防具を買うのにも日本のように身軽
に防具を買えない。また、道場を借りるのにも、野球やサッカーのようには借りることができない。そ
んな中でも自分たちが剣道を続けるのは、本当に剣道をするのが好きだからだ。」とフランク先生がス
ピーチされました。
はたして自分がケンブリッジの人たちのような状況になったとしても、剣道を続けてられるだろう
か?と深く考えさせられました。自分たちがいかに恵まれた環境にいるか、今剣道できることがどれだ
け幸せなことか、これからは「感謝の心」をもって一つひとつの稽古を大切にしていきたいと思います。
また、このケンブリッジ遠征には本当にたくさんの支援があってこそ実現できたことなので、今回の遠
征で得たものを胸に刻んで次の稽古に望んでいきたいです。本当にありがとうございました。
(1 年 T)
日本を出発する前は、外国は言葉が違うことを代表に普段とは全然違う異世界なイメージが強く不安が
いっぱいだったのですが、いざ過ごしてみると、多少の違いはあるもののやっぱり人の住んでる場所は
どこも似てるもので普通に思い安心することができました。日本の文化は外国には理解されにくかった
り、一時のブームに流されてうけているだけかなと印象だったのですが、今回剣道という日本で昔から
続いている文化の一つのことで訪れてみて考え方がかわりました。どうしてかという、一緒に稽古をし
てみると本当に剣道というものに真剣な気持ちが伝わってきましたし、湯川先生の講義中ふと教室内を
見まわしみると皆すごく興奮して耳を傾けていて講義が終わった後も質問がどんどんと出てすごく熱
意を感じたからです。自分自身、剣道や日本文化のことは全然わかっていないのですが外国の人をこれ
ほど惹きつけるものが日本にもあるんだっていうのがわかって少し誇りをもてたし、自分の今までの世
界や考え方がすごくせまかったんだなと思い知りました。
大学生という若い時にさまざまな経験ができ、参加してとてもよかったと思えました。
(1年 O)
はじめの海外旅行として、今回の遠征はとても貴重な経験となりました。まず最初に感じたのは、ケン
ブリッジの方々の多大な心遣いです。会話一つにしても、こちらが理解できないしぐさを見せると、繰
り返してくれたり、こちらにあわせてゆっくり話してくれたことがまず嬉しく、また彼らも日本語を学
んでいるものは、積極的に日本語を使ってくれた姿に身近さを感じました。
次に、彼らの剣道に対する姿勢はとても前向きで、学ぶことが多々ありました。彼らの師に対する尊
敬の姿勢は見事で、て薄れてきてしまっている目上の方への感謝の気持ちを見直すきっかけとなりまし
た。また、コミュニケーションにおいては綺麗にはな話せるかどうかではなく、いかに伝えようとする
かということが大切か、ということを実感しました。
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このような、貴重な体験をさせていただいた岡田会長、長沼師範をはじめとする諸先生、諸 OB 方に
感謝します。
(1 年 H)
今回の遠征で、当然初めての海外で感じたのは、日本では防具などの用具を揃える事は金銭的はとも
かくも容易で、日々の稽古は当たり前にできるのに対し、海外では剣道のできる場所は限られ、用具も
揃えることが難しいだろうということだ。そんな困難な環境においても、「剣道がすきだから」とうい
う理由で剣道を続けていることがとても凄いことだと感じた。日々の稽古のできる環境にいることを感
謝したいと思った。日本において、稽古のときに教えてくださる上級者が多くいることも、当たり前の
ことではないと、忘れてはいけないのだろう。
また、英語を話すということを何かとても難しいものと考えていたが、ケンブリッジ大学の方々が、
身振り手振りを交えつつ容易な単語で話してくれるおかげでさほど英語には困らなかった。最低限の英
語力さえあれば、後は相手が何を伝えたようとしているかを考えれば会話が出来るという自信がもてた。
またの機会に海外旅行に行って度胸をつけてくるのも楽しそうだと感じた。
ケンブリッジ大遠征は、他にも多くのものを与えてくれ、とてもいい経験になりました。労をとって
いただいた先生、先輩方本当にありがとうございました。
(1 年 F)
今回のケンブリッジ遠征は大変有意義な体験でした。日本から遠く離れたイギリス、剣橋会で剣道があ
んなにまで盛んに活動していることに驚きました。イギリスを含めヨーロッパでは、剣道はあまり知ら
れていないものだと思っていました。しかし、一部の人達は、剣道を知っていて、積極的に活動してい
ることがわかりました。
日本では、たいていの人は剣道がどんな感じのものかを知っていて、学校に剣道部があるのは珍しく
ありません。しかし、イギリスでは、剣道部がないばかりか、剣道を教える人も限られます。剣道の稽
古をする際に使う防具や竹刀も手にいれるのは困難です。このような状況にも関わらず今回遠征では、
大変ととのった環境がありました。
これに対し、私は大変恵まれた環境で剣道をしていることを感じました。日本では、電車に乗ればす
ぐに防具屋に行くことができ、用具を揃えることができます。大学から離れなくても稽古がすぐにでき
ます。また、そこには防具を保管する場所があり、毎回防具を運ばなくてもいいのです。
最後に今回の遠征でいちばんよかったのは日本からずっと離れた場所でいろんな人と剣道ができた
ことだと思います。言葉はあまり通じないこともありましたが、剣道を通じて、いろんな人と知り合え
ました。やはり剣道の魅力の一つにはいろんな人と知り合えることではないかと感じました。このよう
な機会をいただき、本当にありがとうございました。
(1 年 O)
今回、私はイギリスに遠征にいきました。海外でこのような事をするのは初めてで、行くときとても緊
張しました。そして、イギリスに行ってケンブリッジ生徒と合同稽古をしました。そこで痛感したこと
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はイギリスでは防具を買うだけでも大変なのにもかかわらずたくましく剣道をしていた所です。悪条件
にもかかわらず剣道を続ける精神力はここに来なければ感じられなかった経験なのです。これはとても
素晴らしいことです。この経験をいかし、自分の剣道の特に精神面の根性面を直していこうと思います。
さらに感じたのは、イギリスで剣道をすることによって自分自身の人生にとてもいい時間を過ごしたこ
とであり貴重な体験となった。そして、イギリスに行くことによって自分の視野が広がりました。今ま
で私は剣道についてとても狭い視野で考えていました。なのでイギリスにいって考えがグローバル化し
ました。とてもいい経験でした。イギリスに行けたことに感謝しております。
(1年 H)
今回の遠征で自分の英語のできなさに落胆しました。初日の夕食会では何を話してるか理解できないし、
緊張するしで自分から話すことは全然できませんでした。最終日までに英語力が上がることはありませ
んでしたが、陳さんとボディラングイジで冗談を言い合ったり、積極性は出てきました。イギリスに行
ったのは初めてで予想以上に寒く、凍えてると上着を貸してくれたりしてイギリス人はめちゃめちゃ紳
士でした。
剣道の面では、イギリスの人達はパワーが強くて圧倒されました。体当たりさたら飛びそうなほど。形
も予想以上に上手くて、日本人の方が下手な人もいて少し恥ずかしかったです。
私個人の感想では5日目が一番楽しかったです。午前中はケンブリッジ市街を皆で観光できて、ケンブ
リッジの人と一番交流をもてました。午後の試合は最も楽しかったです。電通とケンブリッジとサウス
ウェールズの3校が混ざったチームでしたが、全員が勝ちたい気持ちで合致し、素晴らしいチームワー
クで見事優勝することができ、とても嬉しかったです!!最後の稽古が終わってからチームのメンバーで
写真を撮り、とてもいい思い出になりました。来年、ケンブリッジの人が来てくれるまでに英語をもっ
と勉強しようと思います。
最初は金銭的な問題もあってイギリス遠征に参加するか悩んでいましたが、やはり参加してとても良か
ったと思っています。大学在学中に海外に行く機会は滅多に無いし、しかも外国で剣道をやることは人
生においても経験できることではないと思うので、今回は非常に貴重な体験だったと思います。この経
験を今後の剣道や人生に役立てていけたらいいと思います。支援をしてくださった皆様本当にありがと
うございました。
(2 年 Y)
今回のケンブリッジ大学への遠征に参加したことにより、異国の地で剣道をやる大変さを知りました。
その中でも剣道を楽しんでいる人を見て、恵まれている環境にある自分はまだ甘い部分があるなと感じ、
精神的に多くの事を学べたと思いました。
また、大学の校内など個人旅行では立ち入れない場所に入れていただき、800 周年という歴史の大きさ
を知られたというのはこの遠征であったからこその経験だと思います。 この遠征の機会を与えてくだ
さった。師範、諸先輩方に心から感謝します。
(2年 O)
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今回のケンブリッジ大遠征について、目的としたのが、剣道による国際交流という貴重な体験を通じ、
将来に繋がるものを得る。
また、剣道部へのケンブリッジ大学 800 周年記念に際する招待でもあるということで、それについての
自覚を持って行動する、ということでありました。
現地へ着いてからも、この目的を意識して日々を過ごすことができたものと思います。
実際、ケンブリッジ・ウェールズとの合同稽古では、普段接している電通大の部員のみならず、海外で
剣道をやっている方々と剣を交え、互いの剣風を知りました。
さらに、以前電通大で韓国の学生と剣道交流をしたときに感じたこと、去年と今回の二度のケンブリッ
ジ大剣道部との交流で感じたことを照らし合わせ、新たな見識を得ることも
出来ました。
そして、剣道以外の面でも、9 月 15 日から 5 日間の滞在を通し、食事会などでは積極的に交流を行
い、ケンブリッジ・ウェールズの方々と親睦を深めるほか、日本には無い特徴的な文化への造詣を深め
ることが出来ました。
異なる言語を用いて異なる文化へ接するなかで、この異なる文化というもの自身が海外生活における楽
しさである反面、我々日本人が海外で暮らす最大の壁である、と実感することもできました。
今回の遠征において養われた感覚が今後、自身の価値観にどのような影響を与えるのか、今後はそれを
意識しながら、学業及び剣道に邁進していこうと思います。
(2 年
U)
初日にユースホテルに到着後ケンブリッジ大学の学生が、先生方の防具やスーツケースだけでなく、電
通大の学生の荷物までも運ぶのを手伝っている姿を見て、ただ剣道をしているだけではなく、剣道の目
的を意識していると感じました。同時に、自分たちはそういう面がちゃんとできているだろうかと思い
返すきっかけになりました。剣道の技術面で言えば、明らかに指導する立場でしたが、生活面を見てケ
ンブリッジの学生に学ぶこともあり、貴重な体験ができたと思います。また、自分は英語が苦手なので
すが、剣道の稽古中に教えたいことがあっても、うまく伝えることができなかったことや、向こうの人
のいっていることがわからなかったりしたことで、英語を勉強することの大切さを感じました。また来
年、今度はケンブリッジの学生が日本に来るので、そのときは今回よりもうまく会話できるようになり
たいと感じました。
(2 年 H)
ケンブリッジ遠征はとても充実した時間が過ごせたと思います。イギリスという場所は初めて訪れる
場所で、どこを見てもヨーロッパを思い起こさせるような街並みで、見ていて飽きませんでした。外国
は日本とは違った発展の仕方で現在の文化を形成してきたんだなと実感しました。私は文化が違えば価
値観も違う。価値観が違えば考え方も違うと思います。そこで私は、このような場所でケンブリッジの
剣道部部員は、全員がヨーロッパ人ではないけれど、なぜスポーツの中でもマイナーな剣道を選んだの
か疑問に感じました。ましてや、スポーツをしたいのならば指導してくれる先生も少ない剣道は不適切
ではないのかと感じました。
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イギリスに着いた時は、なぜケンブリッジの方々は剣道を選択したのかという疑問がただ深まるだけ
でした。けれど、つたないながらも英語を使用し話す機会を増やしていくうちに、私が感じた疑問が少
しずつ解決していきました。彼らは、日本が好きだから。剣道の道と呼ばれる性質の部分が好きだから。
などの私の剣道を続けている理由と変わらない理由で剣道をしていることに驚きました。私の固定観念
を覆すような考えに自分自身、少し恥ずかしかったです。しかし、彼らは日本の武士道精神に自分の考
え方をどう近づけていこうかとも言っていました。やはり武士道精神は彼らにとっては少し受け入れが
たい部分もあるそうです。そこで私は、根本的な考え方は違うが、考え方をある程度受け入れることは
できる。また考え方の違いというよりは常識、または固定概念の違いは存在してもしかたない。という
ことを改めて実感しました。
彼らの剣道に対する姿勢はとても真剣でした。勉強は大変だが、どうにか時間を見つけて剣道をしよ
うと頑張っているらしいです。最高峰の大学にいる人は違うなぁって感じました。私は剣道をするのに
はとてもいい環境で剣道をさせてもらってるという自覚が足りないと恥ずかしながらかんじました。
一番残念なことは、自分の英語力です。もっと話せればもっともっと彼らと友達になれたとおもいま
す。そして、もっと彼らの貴重な考え方に触れてみたかったです。日本という囲いは本当に小さいと彼
らと話して感じました。私の視野がとても狭かったということを猛省しつつ、次の機会までに英語の勉
強を励みたいと思います。
最後にこの遠征は自分の人生において非常に貴重な体験になると思います。先輩方の御尽力のおかげだ
と思います。本当にありがとうございました。
(2 年 S)
剣橋遠征では、まず剣橋大学剣道部の部員が多いことに驚いた。ざっと 20 人以上はいた。剣道は日本
を代表する武道の 1 つであるが、海外でも多くの人に知られていて、剣道をしている自分に誇りがもて
た。また、言葉の壁は多少あるものの、剣橋の人が稽古をできるだけ日本語を使ってくれていて、むこ
うも日本の文化を学ぼうとしてるのではないかと感じた。自分はそれに応えられたかどうか分からない
が、未熟な英語で日本剣道形を教えることができた。剣橋の人にとってそれほどまで出会わないだろう
日本人の 1 人としての務めは、微力ながら達成できたと思う。
交流という面では、最後の団体トーナメント戦が印象深かった。剣橋の人との合同チームであったが、
試合中の一体感や勝負へのこだわりは日本人と全く変わらなかった。前で負けた分を後で取り返したり
前が勝ち越してきたりと、白熱した試合展開を観れた。何が要因で試合が白熱するかは自分には分から
ないが、国公立大会東大戦と近いものを感じた。
最後に本当に良い経験が出来、ありがとうございました。
(2 年 N)
『日本で剣道が強くなれば、皆が認めてくれます。しかし、イギリスで剣道が強くなっても、誰も認め
てくれません。
』
これは、答礼パーティーでフランク先生が仰った言葉である。日本では、剣道はそ
れなりにメジャーなスポーツであり、大会も数多くある。そこで結果を残せば、その努力を認めてもら
える。しかしイギリスでは、大会そのものがほとんど無い。たとえそこで結果を残したとしても、周り
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からはほとんど関心が得られない。そのような環境でスポーツを行うというのは、孤独で寂しいものだ
ろう。 それでも、フランク先生をはじめ、イギリスの剣道をしている方々が稽古を続けるのは、剣道
そのものが好きで仕方がないから、剣道の理念や本質を真摯に受け止めており、それは彼等の剣道にも
表れていて、真っ直ぐで力強い。勝ちにこだわって、横から面を打ったり、小手先で勝負するような我々
には無い良さがあり、むしろそれこそが剣道の本来のあるべき姿なのではないだろうかと感じた。 自
分も、最初は真っ直ぐで綺麗な剣道を目指していたが、最近は試合をすることも多くなり、勝ちにこだ
わって色々な小細工をするようになった。今回のケンブリッジ大学遠征では、自分の目指すべき剣道が
どんなものかをもう一度考え直す良い機会になった。ありがとうございました。
(2 年 S)
このケンブリッジでの合同合宿を終えて気づいたことは、剣道が出来る環境にいる自分と剣道がなかな
か出来ない環境にいる彼らとの違いです。日本にいる私と違いイギリスの方々には道場らしいところは
なく、床の硬い体育館、指導者の少なさ、マイナーなスポーツであるなど、いくつかの問題点・寂しい
事実を見ました。しかし、そんな中でも剣道を続ける彼らからは『本当に剣道が好きなんだ』というこ
とが目に見えてわかりました。私も、もちろん剣道が好きです。でも、彼らは私以上に真剣に、楽しん
で、異国の文化に沢山の興味を持って剣道に接しているように見えました。きっと私も彼らのように稽
古の度に新しいことを見つけ、それを楽しんでいけば生涯剣道も夢ではないのかもしれないと思いまし
た。
この合同合宿で私は、
『剣道を楽しむ姿勢』というものを改めて学びました。
(2年 O)
今まではある目的を達成するための手段として試合に出、勝つことがありました。「手段」であるか
らこそ勝つことは必然であり、その手段を用いるために日々の稽古があり、たとえば出鼻小手を修練す
るとか、対戦相手を研究することはすべてその目的の延長上にあり、なぜ剣道をするのかというモチベ
ーションはすべてその目的にのみつながっていました。その目的というものが達成したとき、あるいは
不可能になったときには剣道を辞めようと考えていたため、私は大学を卒業したら剣道を辞めようと考
えていました。
しかし今回、イギリスへの合同合宿において剣道への違った動機が見つけられました。今合宿では剣
道では正坐をするときの凛とした姿勢やしっかりとした型など、剣道へのひたむきな熱意に感銘を受け、
また剣道の稽古という限られた時間だけでなく、一緒に食事へいったり、教授の講義を受けて、
Cambridge と South Wales の方たちと交流を深められたこと、楽しむことができたこと、これは剣道
をやっていなければ、あるいは今回の海外へいくという日常から大きく離れた出来事がなくてはなかな
かできなかったことであろうと思っています。こういった交流というイベントをより充実、あるいは有
意義なものにするため、彼ら、またこれから出会う人たちにご教授をお願いするものとして、あるいは
伝えることのできるものとしてしっかりしたものになるために剣道の稽古をしようという新たな気持
ちが生まれました。
このような経験ができたことを非常にうれしく思い、難しく大変なことであると思いますが、又、向
15
こうの方と会うを楽しみにしています。
(3 年 S)
(現主将)
今回イギリスに行ってみて、まず、行ってよかったと思いました。一年ぶりにケンブリッジ大学の方々
と剣道をできて嬉しかったし、去年一緒に稽古したのを覚えている人もいてお互いに話が進みました。
ケンブリッジの人々の剣道に対する思い入れは強く、3 日間の練習中とても熱心に取り組んでいました。
ふだん電通大で行っている練習を見せてほしいと言われ号令をかける機会があったのですが、イギリス
では試合で使うような実践的な技のノウハウがあまり無く、それを直接剣を交えて伝えることができ喜
んでもらい、やりがいがありました。話を聞くと、剣道専用の道場はなく、いつも体育館などで稽古を
しているそうです。大学の勉強も大変忙しく、その合間をぬって剣道の時間を見つけているようです。
日本にいるときちんと剣道ができる場所があり、道具なども簡単に手に入り、時間も確保されて剣道を
しやすい環境が整っています。そのため日本では剣道をするのが日常化しがちですが、この遠征を通じ
て毎回の稽古の大切さについて考えさせられました。ケンブリッジの人達は剣道はあまり強いとは言え
ませんが、剣道に対する姿勢は電通大の学生以上に強いものを持っていました。私たちもそれに負けな
い熱心さで練習しなければと思いました。
最初は言葉が通じるか不安でしたが、ジェスチャーで剣道を教えたり、何とか単語を並べて話してみ
ると意外と意思が通じるもので、イギリスの人達と交流を持つことができました。最終日のフェアウェ
ルパーティーで学生代表として挨拶をしたときは、緊張と慣れない英語でしたが、みなさんに感謝の気
持ちが伝えられて肩の荷が下りました。来年はケンブリッジ大学が日本を訪れるそうです。今回の遠征
ではいろいろとお世話になったので、ケンブリッジの人達にいい思い出ができるよう精一杯のおもてな
しをしていきたいです。
また、ケンブリッジ大学とロンドンを半日ずつ観光したのですが、その映画でみるような街並に圧倒
されました。日本にはない壮大で美しい建築物が街のいたるところにありました。イギリスの人々も気
さくな方が多く、いろいろなことを教えてくれました。剣道を始めた理由や大学のことやパブでおすす
めのビールなどとても興味深い話が聞けました。機会があればまたイギリスを訪れてみたいです。
今回の遠征で様々なことを体験しました。海外での剣道やそれに取り組む人々、日本とは違う文化、思
考、価値観など今までに無い新しい経験の連続でした。このような貴重な体験ができて本当によかった
と思いました。
(3年 S)
(現副主将)
イギリスのケンブリッジに行って一緒に稽古をして思ったことは、向こうで剣道をやっている人はとて
も熱心に稽古をしていると感じました。理由は剣道が好きだからだと思います。
私は剣道をある程度の間やってきましたが、あれほど熱心には稽古をしてきませんでした。それは剣道
を「やらされている」からだと思います。そして、その熱心な稽古は私に剣道を好きで始めたことを思
いださせてくれました。
イギリスは剣道ができる場所を探すのも大変だそうです。私は日本にいて剣道をする場所にも困らない
のだから、もっと一生懸命に練習をしようと思いました。
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イギリスに行き、一つの国にいろいろな人種の人が生活をしていることに気づきました。日本は島国な
のであまり外国人はいないので今まで日本語だけで十分生活をおくってこれました。しかし外国に行き、
これからは日本語だけではなく英語も必要なのだと思いました。
(3年 S)
(現主務)
まずイギリスに足を踏み入れて感じたことは、向こうと日本との景観の違いである。イギリスのレンガ
作りの家々や車の形、一目見てなにもかもが違っているということに自分は「日本じゃないところにい
るんだな」という実感がわいた。少し郊外へ行くと道路以外は原っぱであったことにも驚いた。最大限
地面を使っている日本とは違い余裕があるだなと文化の違いを感じた。町の人々においても、忙しそう
な空気がまったくなく悠々自適に暮らしているように感じた。正直うらやましい。
ケンブリッジ勢と剣道をして一番印象に残ったことは、私の剣道が刺し面と呼ばれるスポーツ面なの
に対し、向こうの剣道は大きく振りかぶって打つもので切る面だったことである。とても基本的なこと
で、日本で稽古をやっているとついつい忘れてしまう。それがみなできているというのはやはり勝つこ
とを意識しすぎず、ただひたむきに剣道をやっているからなのだと思い見習おうと思った。遠征中には
刺し面を直すことはできなかったがこれから意識して切るための面を打てるようになりたい。 ケンブ
リッジの人といっしょに巻き技について話し合ったことも印象に残っている。あの時の単語だけつなげ
た様なつたないものでも相手に通じてくれたことがうれしかった。来年、彼が日本に来るかどうかはわ
からないが、もし来た際は是非巻き技をお見舞いしてやりたい。
イギリスの飯はまずい、とよく言われるが実際はそうでもないと思った。合宿なのでまずくて食べ
られずに練習中に倒れたらどうしようかと少々悩んだが、さほど食べられないこともなかった。むしろ
朝食のソーセージはうまいと思った。しかし昼食、夕食のよくわからない食べ物は何人は堪えていたよ
うだ。思うにイギリスはいい素材がある、が素材を生かすということには疎いようだ。次イギリスに旅
行することがあるなら調理されてないものを食べようと思う。イギリスで見た建造物の中でも一番印象
に残ったのはビッグベンである。あれだけはイギリスのどの建物とも違う、うまくは説明できないけど
あの建物だけは解像度が違うように、その後に見たバッキンガム宮殿その他とは異彩を放っていた。
(3 年 T)
剣道に対する考えや思いは、国籍や、稽古する環境が異なっても、同じであり、また、私たち以上に強
い意志を持って、毎回の稽古に励んでいると感じました。ぜひとも見習いたいところであります。 今
回この遠征に参加させていただいて、剣道において、学んだことは、素直さです。向こうの方々の剣道
(剣道形)を拝見させていただいて、形がきれいだなと感じました。今まで、どうしても試合の勝ち負
けにこだわっていた部分があったので、考えを少し改めるきっかけとなりました。 生活面においては、
実際に日本を離れて1週間、海外で生活することで、日本の良さをとても強く感じました。気候や食事、
治安などなど。また、日本で当たり前だと思っていたことが、外国ではそうではなかったり、日本には
ないものが、向こうにはあったりと、新たな発見ばかりでした。 自分のなかで、1番問題だと感じた
ことは、英語でのコミュニケーション力です。今の時期に自覚できたことは、むしろ収穫だと思ってい
ます。英語の試験勉強だけでなく、会話も上達させたいです。
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最後に、今回の遠征に参加させてい
ただいてありがとうございました。この経験を、今後の自分の人生に活かせていけたらと思います。今
回の遠征を企画、運営していただき大変お世話になりました。
(4 年 F)
自分は帰国子女であり、外国に行ったのはこれが二回目になります。最初に外国に行ったのは小学2年
生の秋頃でアメリカに小学校を卒業するまで居ました。その4年半で自分は日本とは違う、言語や文化、
習慣、考え方などを学びました。その影響はとても大きく、現在の自分を構成する最も大きい要因とな
ってます。このことがあったから現在の自分が居ると言うことが出来、またそれが電気通信大学への入
学を可能とし、この稀有極まりない機会に巡り会い、居ても立ってもいられないほどワクワクした気持
ちでこの遠征に望めたと言えます。
そんな自分がこの遠征で感じたこと学んだことは多くあり、その中でもっとも大きく感じたことはこ
の遠征で出会ったケンブリッジ、ウェールズの皆さんの剣道に対する途轍もない熱意の大きさです。正
直自分のよりも大きかったと思います。最後の夜の交流会での彼らからの話にもあった様に、日本とは
違い剣道をやっていても理解や評価が得られない場所でああやってやり続けていくということは並な
らぬ熱意が必要だと思います。それほどのものがあるからこそ、彼らこそこの遠征で多くのものを得た
いと思っていたのであろうと考えます。自分も最初から良い手本として在ろうと思ってはいたのですが、
予想以上に彼らの熱気は大きく自分が浅はかであったと思い知らされました。結果として自分が思って
いたようにも成れず、根本的なところから自分の剣道を見直させられました。彼らのような熱気を持つ
ことが今おそらく自分にとって剣道だけでなくこれからの人生において必要なことだと思います。事実、
剣道部を引退し、一年以上前から期待していた遠征も終わり、中学高校に於いて目標としてきたことを
終えてしまった今、自分は燃えカスの状態であり、漠然とした目標すらない状態です。その様な状態か
らこそ今自分にとって一番必要なことだと思います。
彼らケンブリッジやウェールズの学生達とは自分の経験のお陰で積極的に交流していました。自分は
むしろ外国人のほうが親近感が沸くので何かをためらう必要はありませんでした。彼らとの会話は楽し
く、自分がそれまで知らなかったことだけではなく、それまで気付かなかったこと、忘れていたことを
理解するいい機会となりました。その中で印象に残ったのが『勝ち』に対する姿勢の違いです。ある程
度それまでの経験からそのようだと言う見当はついていましたが、ケンブリッジの学生ら外国人のそれ
は日本人のよりもとても強く、手段を選ばない、相手への礼儀を尽くさないと言うところまで強いもの
と知りました。それはこれからの国際化社会に於いて『勝ち』を望むのならば必ず知っておかなければ
ならないことであり、昔の自分は気付くことがなかったことでした。この先生きていくならばこれは必
ず念頭に置いておかなければならないと思います。
今回の遠征に於いて学んだことも自分がアメリカに居た時に学んだことと同じくこれからの自分に
とって必要なことばかりでした。今度は自分から機会を作って、もっと長く様々な事を学びに行きたい
と思います。
(4 年 I)
まず第一に、外国人の一人として、英語を話せる一人として、本場のイギリスにいけたことを嬉しく
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思う。現地では英語が「使える」ことと「伝えられる」ことでは、考え方の根本からイギリス的になっ
ていくことで「伝える」「意思疎通が出来る」のだ。とても深く感じることが出来た。また、イギリス
人の自国の文化に対する知識(ロマネスク・ゴシック様式の建物のことを良く知っていた)にとても感
心してしまった。自分は日本についてここまで答えられないと思う。これからもっと日本を見直さなく
てはととても強く感じた。また、イギリスの広く美しく整った街路や文化遺産を見ていると、それらが
日本の古風な(オリエンティックな)寺や神社や町並みに対して、モダン以上に混沌とした(カオティ
ックな)都心のギャップ、それに時に汚く、時にセンチメンタルな要素が常に見え隠れする日本の不思
議な魅力というものを浮き彫りしたように見えた。
イギリス人の感性も、公的なところのオープンさ、逆に私的なところでの綿密さ・泥臭さ・荒っぽ
さ、時に見せる冷たさという距離感に対して自分は驚いたり、楽しくなったり、切なくなったり、とて
も多くのことを感じた。これから、島国だった日本から世界に対し、強烈な存在感を示していくには、
どのように変わっていけたらいいのであろうかと思う。日本人のやさしさ、甘さ、生ぬるさ、適応力、
ソサエティー外の人に対して独特な感性や人間性やイギリスの剣道部の人たちとの交流を通じて、日本
人らしい美しさと広く受け入れ付き合ってゆく懐の深さと時に厳しく激しいという、新しい日本人の理
想像を、この遠征で確かに見つけられたと思う。
(4年 S)
(前年度主務)
今回ケンブリッジ遠征には、2 つのことを念頭に置き参加をしました。1 つは、今回参加したほとん
どの学生が海外へ出ることが初めてということもあり、電通大学生とケンブリッジ学生の何らかの架け
橋となることでした。私は大学1年春に語学留学で豪州へ五週間行った経験があります。そのとき、コ
ミュニケーションをする上で一番壁となったのは、英語ではなく、英語が話せないという恥ずかしさで
した。その恥ずかしさを乗り越えて、自分から話そうとしたとき、スムーズなコミュニケーションが出
来ました。もう 1 つは、自分自身、剣を通じて積極的に多くの方々と交流をしようということでした。
去年夏、ケンブリッジの学生が来学されたとき、ちょうどテスト期間と重なってしまったこともあり、
あまり多くの交流を持つことが出来なかったことを、ずっと後悔していました。
実際に剣道合宿が始まると、ケンブリッジやウェールズの方々の真剣さがすぐに感じ取れました。一
回一回の稽古を真剣に行っているのはもちろんですが、わからないところ疑問点があるとすぐにそれを
ぶつけてくることが非常に印象的でした。私は実際に、コテの打ち方と、面の打ち方について 2 人の方
から質問を受けました。質問の内容を聞いていると、「そうか、こちらの人も、僕と同じことに悩んで
いたんだ」と思うと、少しほっとした気持ちになりました。というのも、ケンブリッジに行くまでは、
技や間合いというよりは、力や上背で剣道をしている印象があったからですが、同時にそのような考え
をしていた自分が恥ずかしくなりました。
ケンブリッジで印象深かったことをあげるなら、2 日目の湯川先生の「Zen of Kata practice of Kendo」
の講義です。禅の入門書を読み、禅の道場に参加して臨んだ講義でしたが、英語での講義ということも
あり、半分も理解が出来ませんでした。しかし、電通大剣道部の部長である湯川先生が、このケンブリ
ッジで講義室を満席にして剣と禅の講義をしてくださったことへ、部員として大変誇りと喜びを感じた
のは私だけではなかったと思います。
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ケンブリッジ・ウェールズの方との交流の点では、向こうからも質問だけではなく、気さくに声をか
けてきてくれました。ある練習後に、ウェールズの一人の方から、面打ちがとても速くて驚いたと褒め
てもらいました。そのことがきっかけで、彼とは剣道の話や普段の生活についてなどいろいろなことを
話しました。最終日のチーム戦では、チームのリーダーが選手を選んでいく方式でチーム決めをしまし
たが、彼が私を指名してくれ、同じチームで試合をすることが出来ました。彼が大将、私が副将。負け
たらそこで終わりのトーナメント戦だったので、初戦から張り詰めた試合でした。1 回戦、勝ち。2 回
戦、一進一退の攻防戦が続き、大将戦。全力を尽くしましたが惜しくも本数負け。続く三位決定戦では、
チーム一丸となり、必勝を誓いました。結果は勝ち。チームの力を合わせ入賞することが出来ましたこ
とも、今回合宿での良い思いでとなりました。
まだまだ、感じ取ったこと、思い出は言葉では表しきれませんが今回の遠征への目標は達成できたの
ではないかと思います。今回最も強く感じたのは、ケンブリッジや、ウェールズの人たちが非常に親身
に、熱心に日本学生側のサポートをしてくださったことです。このような、関係を未来の後輩にまでつ
なげられるよう、まずは来年の来日を全力で手助けできたらと思います。
また、最後になりましたが、このような本当に貴重な体験の場を提供してくださった、湯川部長、岡
田会長をはじめとした先生方、またお忙しい中、引率いただいた先輩方、多くのお布施をいただきまし
た先生・先輩方、その他全ての関係者の方へ深く感謝申し上げます。
(5年 N)
1、ケンブリッジの人たちとの交流
今回の合宿で一番の事柄は何にもまして剣橋剣友会の皆さんやウェールズの人達と剣道の稽古を始め
いろいろなイベントを通じて沢山交流出来た事が素晴らしかった。剣道においてはケンブリッジ、ウェ
ールズの両剣友会の人達は英国での指導者層が厚く育っていない事や稽古時間が多くは取れないこと
など様々なマイナス要素がある中で一生懸命に、まっすぐ素直な剣道をしていて、連日長時間の稽古で
の長沼師範をはじめとする先生方の説明を真剣に聴き、いや、自分達の拙い英語の拙いアドバイスでさ
えもそれをすぐに稽古で取り入れるハングリー精神にも似た部分は大いに見習うべきところであると
感じた。
稽古以外でも初日の夕食などで交流のチャンスは度々あり、わいわいと英語と若干の日本語を交えての
会話は、一部お酒も入っていたこともありとてもよく進んだし、彼らが根気良く聞こうとしてくれたこ
とでこちらも一生懸命まじわり話そうとできたし、彼らの人間性も含めたレベルの高さを実感し、そう
いう人達といろいろ出来たことはこの先に役立つ経験になると思った。
そして、剣道を一緒になってするということが、多くの会話に勝るコミュニケーションであることを強
く実感するにいたったことは大きな収穫であった。
2、イギリスの文化に触れて
ケンブリッジでであった人々はイギリス人だけでなく、イラン人、中国人等など多岐にわたり、イギリ
スのヒースロー空港に降り立ったときから日本ではまず見られないほどの多種多様な人種、国籍の人が
回りにいた。この一件でもって日本が閉鎖的だのと言う気は毛頭無いが、かつての大英帝国の国力と魅
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力を垣間見たような気がした。
ケンブリッジの街は自転車で回れば 30 分で一周できるぐらいの小さな街であったが、キングスカレッ
ジ、クイーンズカレッジをはじめとした大学群の大きさと壮麗さ、歴史のある重厚さは一見の価値が十
分にあったし、大学以外にも見るべきところにはあまり困らず、町並みの美しさもあり期間の間ぶらぶ
らと散歩するのにも飽きなかった。
ロンドンでは時間が無く、あまり観光地ぜんとした所は回れなかったが、ロンドンの町をロンドンアイ
で一望し、テムズ川からビッグベン、ウェストミンスター寺院を通りダウニング街、トラファルガー広
場、そしてバッキンガム宮殿にいたるイギリスの中枢を見ることが出来て、こうしたイギリスの歴史を
しっかりと残す姿勢の素晴らしさに感銘を受けた。しかし、大英帝国の真髄とも言うべき大英博物館に
行くことが出来なかったのが非常に残念で心残りだ、絶対に次の機会を作り、大英博物館をはじめとし
たミュージアム巡りをしたい。
そうした歴史ある文化に触れる一方で連日夕食後に現地のパブにてお酒を飲み、楽しいひと時を過ごす
ことが出来たのも、またイギリスならではであったと思う。ウイスキーは安くても余計な気取りが無く
ぐいぐい飲めるし、イギリスのビールは日本よりも苦味が少なくアルコール度数の低いものが多く、わ
いわいと話しながら飲むにはとてもよかった。英語で何とか注文してそれが通じたことをつまみに、話
の種にしながらケンブリッジの人達、自分達で盛り上がり楽しい夜であった。ただし、やはり海外は日
本と違う危険性が存在した、とにかくあちらの酔っ払いは無駄なほどにアクティブですぐに周囲に絡ん
だり、夜の街を疾走していたりしていて、危害が及ばない時にはただ面白いだけだが、東洋人というこ
とでやはり目をつけられやすかったと思う。実際に酔っ払いにマスクを取られてしまうなどの実害が今
回あったことは記憶しておくべきだろう。
危険性という点ではもうひとつ思い起こさねばならないのがロンドンでチャリティーだと偽って造花
を無理やり売りつける簡単な詐欺があったときに、つい受け取ってしまった人が今回いたことだ。程度
の低いことですんでよかったが、これが今後、日本人全体がねらわれる事に繋がってしまったり、より
大きな詐欺や危険性に出会ってしまうことになるかも知れないので、事前の十分なアナウンスは必要だ
と感じた。だが、実際に経験してみて海外の危険性がどういうものか体感できたのは次につながれば良
い事だと思う。自分としてはもっと英語力と度胸があり、アイロニーに満ちた返しが出来たらもっと面
白くなっただろうと思うと悔しい。
後、お酒はとてもおいしかったのだがジョークになるほどのイギリスの食べ物を到着後から味わえたの
はとてもよかった。今後、イギリスの料理に期待することは無いだろう。
3、剣道について
始めのところで軽く触れたが、剣橋剣友会ならびにウェールズの皆さんの剣道は素直でとてもよかった、
特に「木刀を使った基本稽古」と「日本剣道形」は一つ一つしっかりとした動作と発声で、はっきり言
って電通大剣道部の面々のよりも上手であり、恥ずかしい思いもした。けれどもお互いに形をする際に
は息も合わせることが出来てとても気持ちが良く、これから形について再考するよいきっかけになった
のでよい刺激を受けた。
練習時間は長かったが日本語と英語での解説を交えながらだったのでどうしても間が開いてしまい、実
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際に体を動かした時間はいつもの稽古と変わらない、いやインターバルがある分少なくなってしまった
ように感じた、本来ならばそこで以下に自分を追い詰めるかが稽古なのだが、汗もあまりかかない状況
に気が抜けてしまい、中途半端を長く続けた稽古にしてしまった。
その結果、稽古最終日の日英合同チームを作っての交流試合で、ケンブリッジの人を相手にしたのだが、
出小手と合面で二本とられての負けとなった。
相手がどうこうということもあったけれども、何よりもまず悔しかった。剣道部を引退してから試合か
ら遠ざかっていたのもあるのかもしれないけれども、私生活を含めてもこんなにも悔しい思いをしたの
は何年かぶりで、生ぬるくなっていた自分の気持ちにガツンと強く渇を入れられた思いがした。
実際この事こそが、今回のケンブリッジ合宿で一番強い思いであり、一番よかったことでもあった。
4、反省と感想
自分個人の反省としては、稽古はもっと真剣に、疲れたり、痛くなったり、恥ずかしい事を嫌がるので
はなく、もっと貪欲に集中して、後のことをいちいち考えてるようでは駄目だということを、思い出す
ことが出来た。コミュニケーションではやはり英語力の少なさを思い知らされた、次回に行くときはも
っともっと英語を晩供して、自由に使いこなせるようにしてよりおもしろく楽しくすごしたいと思う。
そして、何事にも恐れずにぶつかっていく気概を持ち続ける。
全体の反省としては、前述の偽チャリティーの件、剣道形の件、度々見かけた態度の悪さなど大学の代
表、日本の代表として恥ずかしい部分も確かにあり、次回以降こうした点をもっと注意しより意識させ
る必要があると強く感じた。一方、皆で一緒に何かをする際にあれだけの人数がいたにしては良くまと
まっていて、迷子だとか、盗難紛失の類が無かったり大きな病気怪我が無かったなどの集団生活面では
大いに評価できる、そして何よりも皆が楽しんでいたことは素晴らしいことだったと思う。
こうやって書いている自分も、イギリスへ行く飛行機の中で「すべてを楽しみたい」と書いたとおりに、
何から何まで楽しい遠征であった。次回があればもっと稽古をし、もっと勉強をし、もっと楽しくなる
ようにしたい。
会長
岡田 安人
投稿1.
縁あって昨年からイギリスのケンブリッジ大学剣道部との交流が始まっております。
昨年夏には、8 名の学生と先生が合宿に来日し、合同稽古、親善試合、歓迎会と大変和やかな、交換が
出来ました。その歓迎会の席で、来年は建学800年祭の年。来ればその中で歓迎すると招待され、学
生主体で9月15日―9月19日に学生23人とOB等で総勢36人で遠征することに致しました。
剣道を通して異文化交流を行い、併せ若い内に国際感覚の必要性を身をもって体感させ、グローバル
な感性豊かなビジネスマン、研究者に育ってもらう。という趣旨です。
学生も大変燃えており、既に行く前から効果が出ております。
1.6月の57回東京地区国公立剣道大会で、連続優勝の東京大学に57年ぶりで快勝し、大会終了後
の審判長講評で今大会一番の好試合「電通大が東大
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と素晴らしい剣を切り結んで快勝した」とお褒めの言葉を頂いた。これも東大に勝って建学800年世
界第2に古い大学ケンブリッジに行くのだ!という気持ちの表れだと思っている。
2.7月21日 山岡鉄舟禅道場に先生含め20人で参禅。5人の20年~30年のベテラン先生方5
人がご指導くださった。参禅後、先生方異口同音に初めてでこれだけできるとはびっくりした。われわ
れ指導の行き届かないところを
逆に学生諸君がサポートしてくれた!さすが剣道部員、とお褒めの言葉を頂いた。
3.一昨日半日学生の山中湖合宿に20年ぶりに参加した。
夕方バス停まで防具を担いで送ってくれた2年生いわく「今回ケンブリッ ジに行けるということが
色々な面で励みになっている。
普通だったらダラダラと夏休みをなんとなく過ごしてしまうところが、今年は、何時までにこれをやっ
ておこうとか、遠征のためにバイトも出来た!本当に行けるようになって嬉しかった!」
聞いたわけではないのに学生が独り言の様に話してくれました。
思わず目頭が熱くなった。
ここまでまとめて来て良かった。こんなに早くこのような効果がでるとは思っても見なかった
訳で驚いております。これからどのような発見があるのか楽しみです。帰国後お話しできればと
存じます。
投稿2
世界で 2 番目に古いケンブリッジ大学建学 800 年祭に招かれて
9 月に剣道部現役部員 23 人 OB 含め 35 人で遠征した。先方 20 名、サウスウェールズ大学 10 名合計
60 名で 4 日間合同稽古、交換試合をやった。いくつも新発見をした。今回が 61 回目の海外であったが、
60 回をすべてリセットするほどの大発見がいくつかあった。それは連れて行った学生の中に見つけたも
の、ケンブリッジの学生に聞いて、相対的に発見したものなどなど、忘れないうちにひとつ。連れて行
った学生は 4 段 1 人、3 段 20 人、2 段 2 人。ケンブリッジほとんどが初段、ところが試合になると彼ら
のほうが勝ちが多い。なぜか?彼らは剣道を始めてまだ2、3 年!連れて行った連中はほとんどが 3 歳
から始めています、週 4 回稽古しています。剣道は生活の一部です!と。ケンブリッジ生いわく、午前
中がカレッジでの講義、午後復習と宿題、6 時から又カレッジでの補講!更に夜中まで勉強!1 回稽古
をやると次の日は貫徹(夜)しないと付いてゆけない!それでも週 1-2 回稽古をやる!!!カッレッジで教
育を受け、年 1 回のユニバーシティーでの試験を受け 1 割が不合格になり留年できずに強制退学!20
のカレッジ同士でノーベル賞を競い合い、現在 86 人!最後にこちら主催で farewell party をやった、
カレッジのダイニングホールの壁には数百年前から、今にかけてそのカレッジが輩出した顕著な人たち
確か中学の教科書に同じ写真が載っていた!の肖像画で埋め尽くされていて圧倒された。世界の 7 つの
海を制覇して大英帝国を築いてきた彼ら貴族の教育を担ってきた、それがそのまま今も脈々となされて
いるのか。精神的なDNAが 800 年間脈々と受け継がれているのか。若いころ訪れたアメリカのボスト
ンの山の手の町並みとケンブリッジのそれは相似形であった。ハーバードもケンブリッジ卒業生、メイ
フラワー号もケンブリッジ卒業生が過半数、更に20%のアングロサクソンがアメリカを牛耳っている
と聴いた記憶を思い出した。彼らがなぜ剣に興味を持つ?それは狩猟民族インテリが剣を通して禅を学
びその先に日本文化の奥深さを真摯に学ぼうとしている!?
23
投稿3
09.08.10
剣道部OB会剣友会からのお願い
――――――――――――――――――――――――
剣道部ケンブリッジ遠征について
電通大剣道部 OB 会剣友会会長 岡田 安人
本年9月に剣道部は学生 23 名を含む総勢約 36 名でイギリスのケンブリッジ大学剣部と
交流をすべくケンブリッジに遠征致します。
数年来ケンブリッジ大剣道部とは交流を深めてまいりました。昨年7月にはケンブリジ大剣道部 8 名
が夏合宿に電通大剣道場に来られ大いに盛り上がり、今後毎年交互に訪問しあうということになりまし
た。
特に今年はケンブリッジ大学建学 800 年にあたり、その祝賀の中で歓迎する旨の招待を受けました。
歓迎会に大学を代表して出席されていた由良副学長、顧問の湯川教授、ケンブリッジ大学の Dr.Frank
先生と、その場で来年 9 月に学生中心で訪問すると即決してしまいました。
歓迎会で彼らと話してみると、
「剣道を始めて本当によかった。彼らが求めているものが剣道の中にある」と言っておりました。
剣道はヨーロッパのインテリ層に広まっており、日本文化を理解する為の一つの手段、
ブームの一つと思われます。後述のANAもこの点に賛同頂きました。
遠征する学生には、長年英国に滞在されていた先輩のアドバイスも頂き
鈴木
大拙の「禅と日
本文化」 を対訳で読ませてもおります。
更に慌しい出発の直前ではありますが、山岡鉄舟道場での参禅の予定もあります。
また今回は剣道部顧問の湯川敬弘教授に滞在中「剣と禅」についてご専門の比較文化論
の観点から、ケンブリッジ大学学生に対して講演をしていただく事にしております。
ロンドン、ケンブリッジに滞在中の日本人ビジネスマンの聴講もOKとケンブリッジ大学の許可をい
ただいております。お知り合いの方にご紹介下されば幸いと存じます。
日時は以下です。
Date:
16 September 2009
Start and finish time:1900 - 2030 (usually 1 hour talk + time forquestions and
discussion)
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Venue:Lecture Room 4, Cambridge University Engineering Department,
Trumpington Street, Cambridge CB2 1PZ
ケンブリッジ大剣道部は今年、恒例の対オックスフォー ド大学戦に快勝して全英大学一になってい
ます。卒業生の電通大剣道部長沼師範が彼らの先生でもあります。
我が電通大剣道部も6月7日電通大で 開かれた第57回東京地区国公立大学剣道大会で毎年優勝し
ている東京大学に快勝し、57 年前の開部以来の快挙と意気が上がっています。
梶谷学長、由良副学長、三木理事はじめ大学関係者からはこのような又とない機会を生かして、剣道
を通じて大いに異文化交流をして、若いうちから国際感覚を身につけて
欲しい旨言っていただいております。
「OB会活動を通じて若い内から国際感覚を身につけよう」と昨年より 3 年がかりで
積み立てを始めた矢先のお誘いで、OBは権利落ち、折角のお誘い、学生であれば皆様のご協力も得ら
れると学生主体で今回は決行することに致しました。
全日本空輸株式会社様からは 150 万円援助相当のディスカウントチケットをご提供いただき、大学か
らは学長裁量経費でほぼ同額の援助を同じく学生に対して頂戴できる事になりました。
このような経緯で、即決は良かったのですが、果たして実現できるかと心配していた剣道部ケンブリ
ッジ遠征が漸く日の目を見る処までたどり着きました。
参加する学生は資金的に厳しいものがあります。週 3 回の稽古、土、日の他大学との試合、更に夏合
宿、合宿が終わると即、渡英前々日に一年で最重要な全日本学生剣道選手権大会と、これを将来の生業
とする他大学剣道部と互角に時間的には縛られており、アルバイトで渡航費を捻出する充分な時間的余
裕もありません。
お願いは二つございます。
1.お知り合いで英国に滞在されていらっしゃる方に湯川教授の講演をご紹介下さい。
2.ご賛同いただけましたら大変恐縮ですが、下記口座へご支援を宜しくお願いいたします。
お気持ちで結構ですので一口 5 千円でお願いいたします。
何方からのご芳志か判るように「所属お名前」を明記お願いいたします。
協賛金振込み 期限9月10日
振込先 三井住友銀行町田支店 支店番号 847
普通口座 7793066
口座名義
「電気通信大学剣道部OB会剣友会ケンブリッジ大学建学800年祭
遠征基金口 会長 岡田 安人」
大変長いので
「電通大ケンブリッジ遠征基金」でもOKです。
以上重ね重ね宜しくお願いいたします。
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報告書読後感
アーネット顧問 元富士ゼロックス営業本部長
剣橋大学剣道部との交流記を拝読させていただきました。
20 数名の学生はこの催行を通して多分大きな価値観を得たと思われます。
特に20歳代の学生においてはその人格形成にも、電通大生活だけでは
得られない素晴しい成果を挙げられたと感じました。
おそらく学生達は一生涯忘れる事の出来ない思い出と成るでしょう。
無論、岡田社長はじめ電通大総長やOB諸氏のご尽力あっての事と肝に銘じて。
百聞は一見に如かず・現場第一・人材育成・・・・自覚し意識する!
若い人はイイナ ・・・
※ モウ一つの裏方は、全日空システム構築をなし得たアーネット社員力も。
赤坂拝
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