第2回(仮称)大槌メディアコモンズ(MLA)基本構想策定 検討

1 130902議事録
第2回(仮称)大槌メディアコモンズ(MLA)基本構想策定 検討委員会
2013
No.01
参加者 委員/秋道委員長、小林委員、森委員、花井委員、越田委員、大井委員、吉見委員(午前のみ) 日時:13/08/05
大槌町教育委員会/佐々木生涯学習課長、岡野図書班長
社会教育文化班/山崎様、北村様、大學様、
受託者/槻橋、竹内(ティーハウス)、室崎(プラスアーツ)、榎本、阪本(神戸大学)
一般参加者/11名(プレス含)
項目
議
事
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内
記録:竹内
容
備考
1 開会
2 佐々木課長ごあいさつ
3 委員会の紹介
・前回の説明
・公開形式の経緯
4 パネルディスカッション①
花井委員 ・図書館は世界共通で教養を身に着ける場である。=「わくわくする広場」
・まず本来の図書館 (図書館法に基づく)を深く知らなければならない。
→小布施では図書館法の勉強会を町民の皆さんと開いた。
→勉強会の結果、「図書館は何でもできる」という結論。
→五感を使って吸収できるすべてのサービスをしなければなせない。
・図書館法3条「奉仕」=サービス業、運営側がおもてなしを意識しなければならない。
→まちづくりの教育部門として重要施設として、本を貸すだけではないことを意識すべき。
→地元の雇用を意識しなければならない。
→運営側、町のトップにデザインの意識がなければならない。
→貸出冊数よりも利用者数を重視しなければならない。
・これから作る図書館の「理念」は町民を含めてしっかり決めていかなければならない。
・枠を取っ払う→妄想をする→新しい発想が生まれる。
・図書館でやってはいけないことについて、よく検討しなければならない。
・司書資格に加え個人のスキルをいかす。(例:司書+太極拳段所有、妖怪マニア、ホテル勤務経験者など
→司書がなくてもスキルを生かしてサービスができる。
・小布施では自主参加の町民(町外の方も含む)50名で2年間(53回のWS)
→日本の施設を作るという感覚で町外から参加される。
→町民を中心にロゴやキャラクターを作るなど。
・図書館には本がある、人と人を本を媒体に繋いでいく。
・図書館引越しのエピソード、子供が運んだ本をずっと覚えている←本との出会い
・開館の時に重役のテープカットではなく、町民の心に残るイベントにするべき。
・開館後、運営についての部会を町民(10名)で月1回開いている。
・禁止事項を緩和する。(子供のスキップなどは子供の表現を抑制しないため)
・図書館ができる前から町民で図書館ごっこをする。
→「まちじゅう図書館」の例。
→本を置くだけで場(コモンズ)ができる。
・外部へ情報発信し(ネットなどでも)、それに対する反応をキャッチする能力も重要。
・めんどくさいことをやること=サービスの質を高めること
2 130902議事録
第2回(仮称)大槌メディアコモンズ(MLA)基本構想策定 検討委員会
項目
議
森委員
事
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内
2013
No.02
容
備考
・今回は「図書館を作る」ではなく「まちをつくる」という感覚が適している。
・東京でNPOと共にアートによるまちづくりをし、NPOも育成している。
・「図書館」と「まちづくり」の間に「複合施設」を介すると解釈する。
・活動としての「ひと」(運営サイドと利用者の架け橋をデザイン)を中心としなければならない。
・架け橋のデザインプロセスをアートプロジェクトとしてとらえることができる。
→運営側、利用者側が当事者として(強い思いをもって)関わっていくことが重要。
→お互い「おもてなしの心」をもち会話しなければ有益な会話にならない。
→この会話の場をデザインしていくのが私たちの役目である。
・地域文化の担い手は誰か?
→未来の「ひと」である子供たちの教育と復興まちづくりのハブとなる図書館を考える。
→完成度が高いほど閉ざされた空間になるところを開かれた場所としなければならない。
・アートプロジェクトとして図書館をとらえた場合
→新しくスケッチをし、文字を書き、音楽をつくるという大槌を表現、発信する活動をすることが
そのままアーカイブとして残ることになる。
・ファシリテーターの必要性、どのように配置するか。
■ メディアテークの例。「市民活動支援センター」という部署があり専門家がいる。
機材の使い方を指導したり、「哲学カフェ」を主宰している。
→勉強や市民活動ができる使い勝手のよいフリースペースが設けられている。
→このような今まで図書館に配備されなかった機能、人の手配を視野に入れなければならない。
■ 八戸の例。文化環境をつくる専門家を街に配備している。
→市長-副市長-まちづくり文化観光部-まちづくり文化推進室、という位置にある。
(管轄はまちづくり支援、中心市街活性化、文化推進事業、文化会館、公民館等の施設管理
観光課、観光誘致、観光物産、美術館、ポータルミュージアムなど多岐にわたる。)
複合の事業がこの部署に統括されており、このような行政の横のつながりが重要である。
・コンセンサスとして生涯学習施設を作るというプロジェクトにおいて、建物を建てる、サービスセンターを
作るという感覚ではなく、アートプロジェクトとして人が関わる活動の領域として捉えていきたい。
・既存の活動を複合していくにあたり、各領域の専門性、法律、価値観の微妙なズレを調整していく、
またはズレを共有していくことによって多様性を引き受けることになる。
・とても厄介でめんどくさいプロセスをみんなで汗を流すことによってその達成感をもってゴールを目指す。
→当事者になり時間、エネルギーを割かなければならない。
・祭りのようであるが、参加する人に加え、再拝するひと等様々な担当者がいる。
→祭り(プロジェクト)の規模感を共有しなければなせない。
・議論を尽くすためには、専門家から3人、町から3人は最低必要で、さらにそれらの醸成役も必要。
・プログラムをオペレーションするのは誰か、システムをデザインしなければならない。
・小布施では町民がオペレーションを主体的に行うというコンセンサスを貫いたのが良かった。
→そのつもりだった、期待はしていたという緩慢な考えではいけない。
→そのためのマネジメントは最大限慎重に手間をかけてやる必要がある。
・運営陣については、もう組織し始めてよいのではないか?
→ソフト面を組織することによて、他の遅れた事業について引っ張っていければよい。
→具体的なプログラムを検討するサークル、部活を生涯学習の一環として始めれば、
そのまま新しい図書館のとして組織されていくのではないか。
3 130902議事録
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項目
議
事
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内
2013
No.03
容
備考
小林委員 ・情報を伝達する施設から、情報を創造する拠点へなるべきだ。
・自治体や施設の垣根を取り払う、東北沿岸地域すべての施設づくりを視野に入れるべきである。
・電子図書館について
→文部科学省「2005年の図書館像」ー地域電子図書館の実現に向けてー
・ライブラリアンはプロであること/人・自然・歴史・文化も表現できる場所であること/経営人材の将来。
・図書館の必要性。(なくても困らない?)
→知の社会の保障システムである。情報整理の羅針盤でなくてはならない。
人の心を育てる徳育の場でなければならない。誰でも遊べる場。学習者の研究の場。
地域資料の御蔵になるべき。地域の産業、文化、芸術の発信の場。
→つまり、司書だけでは経営できない。
→法律の縛り、呪縛から脱却し新たな施設とサービスを考えなければならない。
絶対に無料貸本屋になってはならない。
・なぜMLAが必要なのか? →記録する場所が必要である。(ピューリタンのエピソード)
・図書館とデジタル資料の格闘(格闘している図書館はいい図書館である。)
・国会図書館(長尾正人館長、自治体ホームページのデジタル化推進、当館の10万冊以上のデジタル化。)
・ところが、都道府県立図書館は館長が素人のため、デジタル化が進まない。
(岩手県立図書館は指定管理総括責任者として小林委員が関わり例外といえる。)
・地方自治体図書館では、子供、読書、地域資料の研究会は多く開かれているが、
デジタル化についての検討は未だ数少ない。
平成23年2月26日「東北地方の出版・文化を語る会」 (実際の内容はデジタル化のディスカッション)
長尾正人館長出席、講師として丸山さん(山中湖情報創造館 館長)
・震災により継続しなかったデジタル化についての会議を是非大槌で継続したい。
・デジタル化で何が起こるのか。
①情報の単位に変化が起こる。→本の中の一行に価値が見いだされる。
②デューイの10進分類法(DDC)や、日本十進分類法(NDC)は意味を持たなくなる。
→将来、図書館という箱はいらなくなる。端末で配信する。著作権等の法整備も必要。
③貸出カウンターに人員がいらなくなる。書庫がいらなくなる。
→新しい利用方法を習得する支援が必要になってくる。
・そういった中で、図書館の本質を忘れてはいけない。
・メディアコモンズの運営と経営について。運営でなく経営をしていかなければならない。
→プロ野球の経営にたとえると、、
・施設を取り巻く法律に精通すべし。憲法、教育基本法、社会教育法、著作権法、地方自治法
→法律を理解していればこそ可能なサービスが見つけられる。図書館条例を企画できる。
・山中情報創造館の概要について。→勤務体制についての説明。
→8名で2交代制、6時間勤務/日、睡眠、労働、私生活、社会参加を各6時間。
→紀伊国屋書店への村民、別荘客主体の選書ツアーも行っている。
・情報創造館では住民参加なくして、活動はあり得ない。利用者との情報共有が重要。
→蔵書構成が高度である。5年10年図書事業に耐えられる図書がそろっている。
・岩手県沿岸部(あえて大槌―だけでない)の歴史、人(故人)の記憶を残しすべきである。
・音楽と芸術を発信したり、逸材を育むなどの活動。
・新たな組織は民間の組織づくり。リーダーを募集する。⇒歴史、デジタル文化、PCプログラムら秀でた
100年先の大槌を見据え、自分が歴史を作るという意識がある人材。
ハードについては1階に800㎡、開館時間は長く、岩手沿岸部の中枢となる施設を目指す。
4 130902議事録
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項目
議
事
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内
2013
No.04
容
備考
大井委員 ・本はなくても子は育つ。ただし、、、育ち方はだいぶ違う。(灰谷健次郎さん)
→今回の検討委員会で、人の問題が初めから遡上に乗っているのはとても良いことである。
・大人は子供を本嫌いにする天才(竹内悊さん) →しかし本を読めば良いというわけではない。
・都市部では、日中にサラリーマンの姿は珍しくないが地方の図書館の最大のユーザーは子供たちである。
→最大のユーザーに最高のサービス(図書館の当然の仕事)。
→「図書館の果たすべき教育的役割」は、あとは利用者個々人で発見できるばすである。
・公共図書館とはどうあるべきか。→地域の子供すべてに利用できる環境を整備するべき。
・図書館はドラえもん→「知りたいこと、知らないこと、役に立つこと、楽しいことがたくさん詰まっている、
ただし自分で問いかけないと答えは出てこない、そのかわり答えは適格。」本という確かな形態が存在。
・ドラえもんを引き寄せる専門家は必要不可欠。→しかし資格だけでなく資質がとてもに重要。
→人間の子供はまっさらな感性を持っている。それを大切にとらえることができるか。
自分にないものに敬意を払えるか。
→こどもをお客様としてもてなすことができるか。
・絵本「いちご」読み聞かせ。→自分の分の心配をする語りと絵に入り込む子供の例。
・資質を見極め、さらに研修、育成し専門家をそだてる。資格を取り10年はかかる。
・本好きよりも人好きな職員が必要、育成には時間がかかる。→今から始めてもよいのではないのか。
・図書館の使命…自ら考え課題を見つけ判断、行動する市民を支援すること。リクリエイションの場。
・学校を卒業してからの長い時間、開かれた学び舎として、成長の場、リクリエイションの場。
・また、自分のペースで活動ができるという場所でもある。
・デジタル化について。紙という実態の大切さ。(返却カウンターで泣く子供のエピソード)
・日本では、電子書籍のコンテンツは7割ほどコミックである。
・2000年子ども読書年以降、読み聞かせブームの因は?
→子供の様子を見ながら緩急をつけて読める。子供が育つためにちょうど良いシチュエーションができる。
・本の弱点…本は無口で動かない。→こちらからアプローチしなければならない。届けなければならない。
まとめ①子供へ真剣にサービスができるということ、それができる専門家を配置すること。
②アウトリーチについて…すべての人にサービスを。移動図書、分館の配備。
・マサチューセッツ大学の入試で問われるの読書の幅。どれだけ他分野に興味があるかが問われる。
・小林委員のハード面積800㎡よりももう少し増やしたほうが良いのではないか。
・以前関わった急ピッチで計画した図書館において、設計に関わる時間が少なく苦労した経験があり、
ハードの設計も含めて早い段階で計画していただきたい。
秋道委員長
パネルディスカッション①についての統括
・各委員の話の共通しているところ、異なっているところを正確にまとめる必要がある。
→デジタル化の問題。子供読み聞かせだけでなく年配の方へのサービスなど。
赤崎様(大町在住)
・復興まちづくり懇談会(毎週)のお話し。(堤防、盛土、元の場所に戻れるかなど、これからの大槌につて)
・ひょっこりひょうたん塾に参加し、ソフト面の大切さを再確認した。十分に考慮してほしい。
・図書館など重要な資料がある施設が高台になくてよいのか。
小林委員 →街に図書館作る(一般的)ではなく、図書館が街を作るという観点で場所を検討してもよいのではないか。
赤崎様
・高齢化が進んだ時に便利な図書館が必要なのではないか。
小林委員 →図書館が人を作るという観点から、若い世代を対象とした図書館を目指すのが良いのではないか。
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2013
No.05
容
備考
秋道委員長 ・大槌町には高齢者の方のためには住宅や避難路などの整備を急いでほしい。
・子の世代だけでなく、100年200年先を見据えてもいいぐらいである。
・図書館を考えるにあたって、政治を超えて復興の、大槌の象徴として重要な拠点となるべき。
・さまざまな政策の判断は早く決断、覚悟決めることで、その先の復興の勢いが着くのではないか。
・メディアコモンズの場所について早めに決めてほしい。
赤崎様
・堤防は現状でよい。「海の見える街」ではなくなってしまう。避難路を整備してほしい。
・盛土が固まれる時間を待たないで、仕事だけでも町方で再開させてほしい。
小林委員 ・ハードとソフトは同時にやらなければならない。
・よって自分の話も含めジレンマを感じながら会に参加している。ハードと同時に検討したい。
花井委員 ・ハードとソフトは同じ、どちらかが先行するということはない。
・小布施での設立会議50回のうちにはすでに設計者が入っていた。町民含めて図面の修正をした。
・どのように使いたいから、こうしてほしいなどの設計者とのキャッチボールをまさに今しなければならない。
・できれば、この場で設計者だけでなく、館長(トップマネージメントをする人)を決定し、
設計者を決め運営体制を整え始めなければならない。
槻橋
・まちづくりと同時に進行している当検討委員会は、ハード面に触れずに進めなければならない。
・しかし現状このような状況であるので、ソフトだけの検討となってしまうが、進行しなければならない。
吉見委員 ・このばの皆さんがいい図書館を作りたいという熱意が伝わってきた。
小野寺様(町民の方)
・震災前から読み聞かせボランティアを10年されている。
・仮設の小学校で図書館が設置され、開館の時にはたくさんの子供が集まった。
・デジタル化について、、実際に本を手に取ることが大切ではないか。
・立地について、中学校の建ち、人がたくさん住むであろう沢山地区など、人が集まりやすい場所がよい。
古舘様(吉里吉里在住)
・図書室時代から長く利用していた。宮城から引っ越して来て図書館で大槌のことを学んだ。
・図書館を設立運動にも参加された。
・現在は宮古市の図書館を利用されている。
・小布施の飲食のできる図書館はどのような感じでしょうか。
花井委員 ・小布施では、8人掛けの1つのテーブルでは飲食が可能。
・ふたのついている容器であれば、どこで飲んでもよいルールとなっている。
・町民(お昼に子供が心配になるお母さん)の声から実現したアイデア。
・有田川町地域交流センターでは、カフェが図書館内にありワンコインランチも食べることができる。
・年末年始の開館は、小布施では苦戦した。
小林委員 ・山中湖情報創造館では開館時から、1月1日だけお休みとし前後は開館していた。
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2013
No.06
容
備考
5 お知らせ
1.大槌町中央公民館内 文化ハウスお知らせ(佐々木課長より)
・東京大学総合博物館の支援の申し出により実現。9月9日にオープン。
・計画された方に来ていただいてお話を伺う事ができればよい。(槻橋)
2.子供ワークショップの概要(プラスアーツ室崎さんより)※配布資料参照
ご意見
大井委員 ・とても楽しみな、すばらしい企画だと思う。
・何人で1冊を作るのか。グループ制で違いを比べたりするのが面白いのではないか。
森委員
・やってみて良い結果であれば、1回で終わらせないようにしてほしい。
・直接図書館づくりには関係あるか、子供には理解できないだろうが、ワークショップを経験し、
その後、図書館や街ができることを体感することによって貴重な経験になるのではないか。
槻橋
・できた図鑑の位置づけをどのようにするかが、この委員会にとって重要である。
<追加お知らせ> ・委員会の内容を情報発信していくため、大槌町の広報誌を軸にフェイスブックなどのウェブを
6 パネルディスカッション②
秋道委員長 ・加藤前町長の釜石との合併を避けた。大槌川と小鎚川の集水域と行政区域が一体としてあるべき。
・失われた街の模型は2011年3月11日までは遡れるが、さらにさ遡った記憶の媒体が必要。
・調査によると、津波の冠水地域にはまんべんなく湧水が存在した。湧水は自然であり、文化である。
・組合神社、など津波で流されたもののルーツなどをアーカイブすることが必要である。
・災害に関する石碑が、福島・宮城・岩手で約200基ある。これらの復元、保護していかなければならない。
・吉里吉里地区の崎山弁天貝塚は、津波被害にあっていない。
・赤浜埋め立て地遺跡(海抜5m)は流され、
→ 人が生活を始めた縄文時代からの災害とのかかわりも研究、評価していかなければならない。
・街の自然と人々の生業。歩ける街、町方から海が見える街を目指すべき。
・模型を生かして得られた、子供の意見を軸に考えてはどうか。
・自然に組み込まれた文化を考える。自然、歴史、文化の連携を大切にする。
→ 一つの手法として、湧水を軸に考えてる。水を媒介に考える【ウォーター・スキーム】
(例:愛媛県西条、岐阜県大垣)
まちづくりに湧水を取り込む。
・湧水は山・川・海、自然全体をつなぐもの、
・どのような資源があり、人々の生活とどう関わっているかを図などを作り認識しやすくする。
→【カルチュアル・ランドスケープ】
・大槌だけではなく、三陸全体(環境保全など)を取り込むようなコンテンツを計画すべきではないか。
→ 今年5月環境省が八戸の鮫から宮城の牡鹿までを、三陸海岸復興国立公園を計画。
まとめ→ ・湧水についてよく考慮した計画にしたい。
・大槌の自然を享受している他の生物、自然に配慮した計画にしたい。
・縄文時代からの自然、歴史、文化を探求できる施設であるべき。
・生活復興と同時に文化的復興も可能な施策の落としどころを見つけなければならない。
・三陸全体の連携の核になるような施設となればよい。
・以上を実行するために、町、地域、県、政府をも取り込んだダイナミックなメディアコモンズに
したいと考えている。
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2013
No.07
容
備考
越田委員 ・大槌と小鎚の境界のお話し。
→中央公民館から下り、喫茶夢宇民とカリタスの間の小道のラインが境界だった。
→大槌町の発展がはじまった場所、図書館を作る場所をよく考慮すべきである。
・夏本、櫓沢、崎山弁天の縄文遺跡、崎山弁天の土器は状態の良い状態で出土し、
「日本の縄文式土器」として東京で展示されることがあった。
・縄文時代の生活があるということは、それだけ住みやすい土地といえる。4000年の歴史がある。
・図書室から旧図書館への移行は、他にも候補地があったが、既存の建物があったのもあり、
金銭面から以前の場所に決定した。(越田さんと山﨑前町長の尽力があった。)
・その後、歴史館を作るという話があった。
→初めは吉里吉里の大槌漁業協同組合(被災後、前岩手銀行の吉里吉里支店)に計画された。
→吉里吉里善兵衛の展示であればよいが、大槌の歴史館であれば町方につくるべきと声を上げた。
→結局、計画は白紙に戻った。
・メディアコモンズでは大槌の歴史を汲み、大槌を発信できるものを作ってほしい。
→4000年の歴史があるなどの、大槌の歴史の重要性を町民自身がよく認識していただきたい。
・吉里吉里善兵衛のおかげで盛岡という町が栄えたといっても過言ではない。歴史的にも重要な町。
・沿岸部の津波の歴史、記念碑が御社地にあった、町民は見ているはずだが、対応できなかった。
→今回の津波では、町方地区の山側の方の犠牲者が多かった。
→人間は忘れる動物、自分で見ないと信じられない。そういうものを伝える媒体は、本、資料である。
・「御社地」は学問の神様、菅原道真をまつった場所。防災の視点を別にすると図書館に適した場所。
・御社地の津波記念碑、城山の記念碑、青年層の決起集会、すべて昭和9年におこり立派に復興した。
・ひょっこりひょうたん島の知名度、被災後の大槌の知名度は目を見張るものがあり、
今こそ復興(商売)するにはいい機会であると考えるべきだ。
大槌町出身の小国喜六という童話作家(享年31歳)の原稿が災害を免れた。
→まんが日本昔話にこのかたのお話が3話ほど放送された。
・岩間正男さん(画家)の作品を数万点寄付の申し出があったが、受け入れる財政力がなく、
是非これらを展示できる施設ができればいいと思っている。
槻橋
・模型プロジェクトにおける町民方から伺った記憶について。
・記憶の街ワークショップ(2013年5月、場所:マスト)
・旗について、ブルーは場所、黄色は体験、紫は昔の話、緑は自然環境の話、赤は震災時の話)
・シートにまとめたものをデータ化し、それを地図とつぶやきシートとしてなど、今後活用していきたい。
・つぶやきは600件、旗は2000本(青が1500本、質問として覚えている場所を聞いたので、青が多い)
・日常的な話のなかに、町の情景を生々しく移すものがある。
→御社地の盆踊りの話。
→末広町が「のこぎりまち」と呼ばれていた。裏の細い路地でのお祭りの話。
→大槌川の「しゃけ祭り」の話。
→湧水が、生活と密接にかかわっていた話。
・ここで得られた情報をどう伝えていくか、また町の風景を伝えるツールとして使えないだろうか。
・町外からの復興支援活動を調査し、復興後も横のつながりを広げてていくこともメディアコモンズの
基礎的活動となりうるのではないか。
→ 神戸大学近藤先生の定点観測、復興すごろく、復興データベース。高校生との活動。
→ 東京大学の池内先生、大石先生の旧町役場の3Dスキャンデータを作成。
模型とは違う記録として復興モニュメントとして残すことができる。
・本とは違う、みなさんの記憶が一つの本、事典としてまとまるコンテンツとなる可能性がある。
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2013
No.03
容
備考
ご意見、ご感想
小林委員 ・記憶について早くまとめるに越したことはないので、どんどんワークショップを開催してほしい。
・人の記憶についても模型を利用して、写真を持ち寄るなどするワークショップも開催したい。
花井委員 ・資料集め、リサーチはもう初めてなければならない。
・図書館は郷土資料で色を出すべき。住民の手により構成されるのが理想的である。
森委員
・「その場所にある必然性」は重要である。
・完成までの方法論は運営にまで影響するはずなので、既存の方法論を参考にするだけでなく、
新しい方法論を模索し、実行していかなければならない。
大井委員 ・宮城県東町立図書館ではビデオで記録を残す活動が行われている。
・このような活動はすぐにでも始めることができる、すぐ始めるべきである。
小林委員 ・「奈良田のことば」は6年かかった。自然な姿を収録するには時間がかかる。
・収録方法のモデルケースを検討し、実際にやることで資料として洗練されていくので、早く始めるのが良い。
佐々木課長 ・吉見さんによる吉里吉里語辞典について検討中。音声についても作成の思案もある。
・町の政策が町民の生活にばかり向いていて文化活動に人、お金をかけていない。
・生涯学習課は震災前14人→現在7人。総合政策課は人が増え続けている。
・記憶の街についての予算は総合政策課の管轄にある。こことの十分な連携が必要。
・どこでどのような決定が行われたのかなど、復興計画のプロセスをアーカイブするということが重要。
・上智大学によりの動画資料が作成され、共有サーバにより、ハーバード大学などから発信されている。
・このようなことをすぐにでもやりたいが、人的不足により困難な状況である。
・文化庁によると、2割の自治体の復興計画に文化に触れていない。忌々しきことである。
・人的不足を各種メディアや皆さんの協力で補っていただきたい。
槻橋
・人的、金銭的な面によらず、活動をしている団体、個人も存在する。
・助成金の申請をサポートするなど、市民活動のベースとして育成するの施設となればよいのではないか。
・そういう意味で、委員の先生方のご協力を継続して頂戴したい。
町民参加者のご意見
赤崎様
・小槌→小鎚(誤字の訂正)
・鮭の遡上が盛んだった。以前は河口付近は蛇行していて、護岸工事でまっすぐになった。
・御社地公園の大海嘯の記念碑を3日がかりで自衛隊の方に復元してもらった。
・平成14年に御社地会で菅原道真公没1100年祭を開催。
・御社地周辺で馬の競り市。
・草相撲が盛んで、大念寺、江岸寺の和尚さんたちが強かった。
・御社地の湧水場は三段に分かれており、飲料水→野菜を冷やす→洗い物という機能的に使われていた。
・御社地音頭を作ったことがあった。(NHK番組の企画)→復興音頭が最近できた。
・全国からの支援頂いた団体の紹介をしてほしい。
小向様
・おらが大槌復興館には全国から津波の資料を求めて来られる方が多いので、大槌メディアコモンズでは
このような資料を展示してほしい。語り部のようなコミュニケーション展示も考えてほしい。
槻橋
・小林委員の人のアーカイブの考えと重なる部分があり、具体的な企画内容は要検討である。
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2013
No.04
容
備考
越田委員 ・湧水路において、上流でおまるを洗い、下流で食器を洗っても病気にならなかった。
・水車があった場所の水草の長さを見ても、とても水がきれいな街であった。
丸山様(山中湖情報創造館館長)
・インタープリテーションについて。本の紹介。山中湖情報創造館の設計図の紹介。
・大槌町に関しての資料の最高峰となる責任感をもち、施設を検討、運営していかなければならない。
三浦様(富士通仙台復興支援室)
・自分の出生(ルーツ )を知ることのできる様な資料があると街や家族に親近感がわくのではないか。
7 第3回検討委員会のお知らせ
・10月2日(水)14時~ 3、4時間の予定。
・次回の内容について
→ 吉見委員の活動報告
→ 元持委員の活動報告
→ 様々な市民活動の横のつながりを考えていく。
8 まとめ
秋道委員長 ・方言のアーカイブ化を10月からできないだろうか。
・農文協発行の52巻ある「日本の食事」に習い、大槌の食を婦人会を中心にできないだろうか。
・大槌の写真について、町外の方が所有されているものに注目し収集したい。