フランスの文化と社会 II (M. David COURRON) ‒ 2016 年度 秋学期 ジャン=ジャック・ルソー *18世紀頃、啓蒙思想 (la philosophie des Lumières) の時代にフランスで活躍した (être actif)。 *哲学者 (un philosophe) として知られていることが多いが、哲学者、政治哲学者、言 語 哲 学 者 で あ る と 共 に 、 作 曲 家 (un compositeur) や 作 家 (un écrivain) 、 人 間 学 (l’anthropologie)、自然学 (les sciences physiques et naturelles)、倫理学 (la morale)、さ らには音楽や音楽理論、舞台芸術など、多方面で独自の思想を残している。 * 同 時 代 の 多 く の フ ラ ン ス の 知 識 人 (un intellectuel) と 共 に 百 科 全 書 派 (les Encyclopédistes) の一人に数えられる。 *七歳頃から父の小説 (un roman) や歴史の書物 (un livre d’histoire) を読んでいた体 験から、理性 (la raison) よりも感情 (un sentiment) を重んじる思想の基盤が培われた。 *孤独 (la solitude) を好んだ。 *様々な職を試し、自分の進むべき道を追求し続けた *一般的に政治哲学や社会思想の側面から語られることが多い。 *ルソーの死後始まったフランス革命 (la Révolution française) において、「反革命派」 と称された、ルソーの思想に影響を受けたとされるものたちに対し、 ・ 迫害 (une persécution) ・ 虐殺 (une extermination, un massacre, un pogrom, un génocide) ・ 裁判を経ない処刑 (une exécution sans jugement) が行われるなどの恐怖政治 (la Terreur) が行われた。 *ナポレオン・ボナパルト (Napoléon Bonaparte) やマクシミリアン・ロベスピエール (Maximilien de Robespierre) など、指導者たちがルソーの概念 (un concept) などの「一 般意思」を援用し、独裁政治 (un régime dictatorial) を行ったことは事実であり、有名 である。しかし、ルソーの思想は、彼の死後に広まりを見せたのも、また事実であり、 ナポレオンなどが主張したルソーの思想とされるものが、本当に彼の理想としていた思 想そのものだったかどうかは不明である。 ・ 幼少期の家庭教育 (l’éducation avec précepteur) フランスの文化と社会 II (M. David COURRON) ‒ 2016 年度 秋学期 ・ 読書による独学 (des études autodidactes) ・ 知識人たちとの交流 (un échange) ・ 自然に対する観察 (une observation) によってのみ、その哲学大系を構築した。 *マリーアントワネット (Marie-Antoinette d’Autriche) が言ったという、「パンがなけ れば、お菓子を食べれば良いじゃない」という台詞は、ルソーの著書である告白録 (les Confessions) の第六感の記事が原点であると言われている。(ルソーがワインを飲もう としたとき、パンがないとワインが飲めないので、パンを探したのだと言う。そのとき ルソーはふと、「それならブリオッシュを食べれば善い」とさる大校紀が答えたことを 思い出したという。) *社会契約説 (la théorie du contrat social) の代表的な思想家として、ロック (John Locke) などと名前が並べられる。 ・ 子供は小さな大人ではない ・ 子供には子供時代という独自 (indépendant) の世界がある ・ 子供の論理に対して即して手助けすることが、教育 (l’éducation) である、 などの独自の教育論も展開している。
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