平成26年 9月7日 VoL.890 経営者への活きた言葉 景気が悪いときに大量に出店する 似鳥 昭雄(ニトリ社長) 1.会社経営に最も大事なのは長期ビジョン。経営には「戦略」と「戦術」がある。その戦略は10年、 20年の計画で、社長が1人で決めて変えない。戦術は専務や常務と少人数で決めていくが、 5年から10年でがらりと変える。 2.だんだんわかってきたことは、景気が悪いときに投資をして、景気がいいときは投資を控えるべきだ という法則だった。だから経営者は、次に景気が悪くなるときの、先行きの予測が大事だ。 いざ景気が悪くなると、土地も建物も安くなる。そうしたら、よそが出店しないときを狙って大量に店を出 景気がよくなると今度は利益を蓄える、の繰り返し。初めはすごく度胸がいるが、一度経験して わかってしまえば、どうってことはない。 3.流通業界も、総合スーパーとか百貨店とか、昔1位だった会社はだいたい倒産している。 過去の栄光にすがっても、次の新しい局面は乗り切れないからだ。必ず矛盾が出てきて、 その会社の中で内部から崩壊してしまう。それは人類の経験法則で逆うことはできない。 4.世襲は全然考えていない。子供から後継者ができるのは奇跡だ。なぜなら、われわれ創業者は 苦労しているが、子供は全然修羅場をくぐっていないから。一人息子がいるが、子会社の部長止まりだ。 家内は10年間一緒に経営したが、今は会社と無縁だ。家業から実業の世界に展開しなければ その会社は潰れる。 (参考:「週刊東洋経済」2014年6月21日号) 人事・労務について 会社のために発言する人材を発掘 小池 利和(ブラザー工業社長) 1.私より上の世代には、何のツテもない新市場の開拓に柔軟に挑んだり、いつ実現するか分からない 先端技術を極めようとしたりする異彩を放つ社員が大勢いました。それが今では、会社の規模が 大きくなって組織が整備されるにつれ、失敗を恐れてリスクを避ける社員が増えてきたように思います。 組織の秩序を乱さない社員が重宝されるためでしょう。 2.しかし、多彩な人材がぶつかり合わなければ、新しい事業は生まれない。失敗を恐れずに行動し、 会社のために必要ならしっかりと発言する。そうした人材を生み出す組織をいかに維持するか。 次世代や次々世代に向けて事業を転換し続けていくためには、異質な人間を排除せず、 むしろ活躍できる環境を整える必要が経営者に与えられた課題です。 (参考:「日経ビジネス」2014年7月14日号)
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