SI単位系について

附録
SI単位系の解説
SIとはフランス語でSysteme International d’unite の頭文字をとった国際単位
系のことである。度量衡の標準単位系で、旧[MKS]単位系をもとに、次のような単
位を基本として組み立てた単位系のことをいう。1960年に国際度衡量総会で採択さ
れた。
SI
量の種類
単
位
記
号
単位記号[定義]
長さ
m
質量
kg
時間
s
振動数
Hz
力
N
圧力,応力
Pa
物質の量
mol
エネルギー
J
[N・m=kg・m2・s−2]
仕事率
W
[J/s=V・A]
温度
K
セルシウス度
°C
平面角
rad
立体角
sr
電流
A
電荷
C
[A・s]
電位差
V
[J/(A・s)]
電気抵抗
Ω
[V/A]
コンダクタンス S
[A/V]
電気容量
[C/V]
F
[s−1]
[kg・m/s2]
[N/m2=kg・m−1・s−2]
[t/°C=T/K− 273.15]
磁束
Wb
磁束密度
T
インダクタンス H
[V・s]
[Wb/m2]
[Wb/A]
光度
cd
光束
lm
[cd・sr]
照度
lx
[cd・sr/m2]
放射能
Bq
[s−1]
吸収線量
Gy
[J/kg]
線量当量
Sv
[J/kg]
各々の定義は以下の通りである。
秒:元々は1日の長さの86400(24×60×60)分の1として定義されたもの
であるが、現在は「セシウム133原子の基底状態の二つの超微細準位(F=4/M=
0,F=3/M=0)の間の遷移に対応する放射の9192631770周期の継続時
間」と定められている。なお時刻はその場所場所で別々に流れているものなので、太陽
表面における1秒と地球表面における1秒は違う長さである。
メートル:元々はフランス革命の時に地球の赤道の長さの4万分の1として定義された
ものであるが、現在は「光が真空中で299792458分の1秒の間に進む距離」と
定義されている。この定義になる前は「メートル原器の長さ」という時代もあった。メ
ートル原器は温度による伸縮の少ない白金とイリジウムの合金で作られ1799年に
完成。そのコピーの「準原器」が各国に配布されていた。その後1960年に「クリプ
トン86原子のスペクトル線2P10−5d5の真空中における波長の165076
3.73倍」とされたが、1983年に現在の定義に改訂された。
キログラム:元々は1立方センチの水の質量を1グラムとして、その1000倍とされ
たものであるが、現在は「キログラム原器」の質量とされている。キログラム原器もメ
ートル原器と同様の白金とイリジウムの合金で、各国に準原器が配布されている。なお
[重さ]は重力の作用の大きさを言うもので[質量]とは異なる概念である。念のため。
例えば月に行けば物の重さは6分の1になるが、質量は当然変わらない。
アンペア:真空中に1メートルの間隔で平行に置かれた無限に小さい円形断面を持つ無
限に長い2本の直線状導体のそれぞれを流れ、これらの導体の長さ1メートルごとに0.
0000002ニュートンの力を及ぼし合う一定の電流の大きさ。なおニュートンは力
の単位で
kg・m/s2(キログラムメートル毎秒毎秒)のことである。
ケルビン:水の三重点の熱力学温度の273.16分の1。
モル:0.012キログラムの炭素12に含まれる原子と等しい数(アボガトロ数)の
構成要素を含む系の物質量。なおアボガドロ数の実際の数値は約6.0221367×
1023。
ラジアン:円の周上でその半径の長さに等しい弧を切り取る2本の半径の間に含まれる
平面角の大きさ。円の一周
=
2π
rad
=
360度
=
400グラジアン
(grad)。radと度の換算には57.29577951308232を乗除すれ
ば良い。
ステラジアン:球の中心を頂点とし、その球の半径を1辺とする正方形に等しい面積を
球の表面上で切り取る立体角。球の表面積は
4πr2
であるから、全球面は
4π
srになる。
カンデラ:周波数540×1012ヘルツの単色放射を放出し所定の方向の放射強度が6
83分の1ワット/ステラジアンである光源の、その方向における光度。なおワットは
仕事率の単位で
m2・kg/s3
である。
10の整数倍を表す接頭語
倍
数
接
頭
10−18 atto
語
アト
10−15 femto
記
号
a
フェムト f
10−12 pico
ピコ
p
10−9 nano
ナノ
n
10−6 micro
マイクロ μ
10−3 milli
ミリ
m
10−2 centi
センチ
c
10−1 deci
デシ
d
10
deca
デカ
da
102
hecto
103
kilo
キロ
k
106
mega
メガ
M
109
giga
ギガ
G
1012 tera
テラ
T
1015 peta
ペタ
P
エクサ
E
1018 exa
接頭語は1つしか使用できない。例
ヘクト
h
mg/cm2→10 g/m2;mμF→nF
正の指数をもつ単位と負の指数をもつ単位とから成る組立単位の場合には,接頭語は正
の指数をもつ単位に付けることが望ましい。例
0.1kA/m2
N/mm2→MN/m2,A/dm2→
接頭語を付した単位を用いて表しても,数値がかなり大きく(あるいは小さく)なる場
合には,適当な接頭語に換えるか,あるいは接頭語を使用しない方がよい。例
10−9
cm2/s→10−13 m2/s,107/cm2→1011/m2
接頭語の付いた単位は
2
=(10−3
1グループと考え,べき指数はグループ全体に及ぶ。例
m)2=10−6 m2, μs−1=(10−6 s)−1=106
長さの単位(metre)と10−3
は
Nm
s−1
を表す接頭語(milli)とは同じ記号で示さ
れるので,両者を混同しないように注意する必要がある。例
N
mm
mN
と
m・N(m・
と書けば混同されることは無い)
質量の基本単位はkgであるが,これに接頭語を付ける場合にはkを接頭語と同等に取
扱う。例
SI
103
kg=Mg; 10−3 kg=g,10−6 kg=mg
単位で表した物理定数の例(1986年
CODATA
2.99792458×108
調整値)
光速(真空中)
c
真空の透磁率(定義)
μ0 4π×10−7
真空の誘電率
ε0 8.8541878×10−12 F/m
電子の電荷
e
1.6021773×10−19 C
プランク定数
h
6.626075×10−34
電子の静止質量
m
9.1093×10−31 kg
アボガドロ定数
NA 6.022137×1023 mol−1
ファラデー定数
F
ボーア磁子
μB 9.274015×10−24
気体定数
R
モル体積(理想気体)
V0 0.0224141 m3/mol
ボルツマン定数
k
重力の加速度(標
準) g
H/m
9.648531×104
8.31451
J・s
C/mol
J/T
J/(mol・K)
1.38066×10−23
9.80665
m/s
m/s2
J/K
水の三重点(定
Ttr 273.160 K(=0.010°C)
義)
図,表中における数量の表し方
量を示す記号(イタリック)を単位(ローマン)で割り,図(目盛),表中には数値だ
けを示すのが望ましい。
例
表
示
例
数
値
T/K
σ/MPa
C/10−2%
log(P/Pa)
987
230
11.2
2.48
(C=0.11
(P=102.48
2%)
Pa)
(実際の
(T=987
値)
K)
(σ=230
M
Pa)
KIC/102 MPa・m1/2
Q/kJ・mol−1
T−1/10−4 K−1
5.61
175
9.34
(KIC=561 MPa・m1/
2
)
(Q=175
l)
kJ/mo
(1/T=9.34×
10−4 K−1)