ラテムル PD-430S

花王株式会社
〒131-8501 東京都墨田区文花 2-1-3
反応性界面活性剤
『ラテムル PD』シリーズ
『LATEMUL PD』series
ラテムルPDシリーズは弊社が長年培ってきた界面化学の技術を活かして開発した、「反応性界面活性剤」です。
本製品はアクリルエマルジョンを製造する際の乳化重合剤として使用できる他、改質モノマーとして適用すれば、帯電防止等の効
果が期待できます。
<製品特徴>
・アクリルエマルジョン製造時の乳化重合剤として、良好な重合安定性を示す。
・モノマーとの共重合性が高く、高い耐水性を有するソープフリーポリマーが得られる。
・無機顔料の分散性が良く、高光沢の塗料が得られる。油中分散剤としての適用も可能。
・モノマーへの溶解性が良く、100%品は改質モノマーとして適用可能であり、帯電防止効果が期待できる。
<製品ラインナップ>
アニオン(陰イオン)
製品名
化学構造(有効成分)
ラテムル PD-104
ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸アンモニウム
CAS.No
固形分
20%
438527-53-8
ラテムル PD-105
RO-(BO)m-(EO)n-SO3NH4
100%
ノニオン(非イオン)
製品名
化学構造(有効成分)
CAS.No
ラテムル PD-420
ラテムル PD-430
固形分
100%
ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル
100%
438578-81-5
ラテムル PD-430S
RO-(BO)m-(EO)n-H
ラテムル PD-450
25%
100%
R:末端二重結合を有するアルケニル基、BO:ブチレンオキサイド、m、n:付加モル数
<製品物性(代表値)>
製品名
外観
PH
固形分%
融点
曇点
CMC
(2%)
%
℃
℃
%
起泡性
HLB
直後/5 分後
(2%) mm
ラテムル PD-104
液体
7.8
20
0>
-
0.03
-
178/155
ラテムル PD-105
粘調液体
7.8
100
0>
-
0.03
-
178/155
ラテムル PD-420
固体
6.5
100
42
83
0.03
12.6
147/70
ラテムル PD-430
固体
6.5
100
46
95
0.03
14.4
163/80
ラテムル PD-430S
液体
6.5
25
0>
95
0.03
14.4
163/80
ラテムル PD-450
固体
6.5
100
53
100<
0.08
16.2
159/85
CMC:表面張力-濃度曲線より決定(25℃)、起泡性:ロス-マイルス法(25℃)、表面張力:Wilhelmy 平板法(25℃)
<推奨処方例紹介(乳化重合にて、小粒子径(120nm 程度)、凝集物 0.1%)>
・モノマー100 部に対して、反応性活性剤ラテムル PD-104 は2部(有効分)以上が好ましい。
・プレエマルジョン法にて重合を行なう場合、ラテムル PD-104 は反応器に仕込む割合が多い方が重合安定性は高くなる。
仕込み比率としては、2 / 8=プレエマ / 反応器 の割合が好ましい。
・プレエマ調製の際には、モノマーは滴下しながら投入すると、安定な O/W エマルジョンができる。
一括仕込みの場合、W/O エマルジョンになるケースもあり。
重合温度、時間
(80℃、3h)
プレエマルジョン
モノマー
100
熟成温度、時間
水
60
(85℃、2h)
活性剤
0.4
開始剤
0.16
全仕込み部数
モノマー
100
水
150
活性剤
開始剤
反応器仕込み
水
90
活性剤
1.6
開始剤
0.04
2(有効分)
0.2
<共重合率の測定>
1.ラテムル PD-104 を用いて合成したエマルジョンをエタノール/水=1/1(wt)で希釈
2.上記希釈液を限外ろ過
3.ろ液を濃縮、NMR にてフリーの活性剤量を定量分析
4.フリーの活性剤量から共重合率を計算
共重合率(%)
活性剤
モノマー
添加量(%)
ラテムル PD-104
市販品A
BA/MMA
3
94
85
BA
3
97
86
MMA
3
82
78
St
3
60
55
⇒市販品A(反応性活性剤)よりも、高い共重合率を示す。
重合基が市販品(アリル基)とは異なり、より共重合性に優れている為と推測される。
<塗料評価(塗膜の光沢測定)>
1.エマルジョン:BA/MMA=50/50(AA1.5%)、固形分 45%、各反応性活性剤を用いて合成
2.ミルベース:TiO2(タイペーク R670)の 70%スラリー(分散剤:ポリアクリル酸ソーダ添加)、ペイントシェーカーで調製
3.PWC=50%、40%の塗料組成物をペイントシェーカーで調製
塗料をOPPフィルムにバーコーターNo.08で塗工し、光沢を測定
PWC=40%
PWC=50%
80
55
51
50
75
75
46
光沢
42
光沢
45
70
70
69
40
65
35
60
30
PD-104
市販品A
市販品B
PD-104
⇒市販品A、B(反応性活性剤)よりも、高光沢塗料の調製が可能となる。
ラテムル PD-104 の顔料分散能が良好である為と推測される。
市販品A
市販品B
<改質モノマーとしての応用(溶剤系粘着剤の帯電防止剤)>
ラテムル PD-105(ラテムル PD-104 の 100%品)を用いた溶液重合を行い、塗膜の表面抵抗値を測定した。
1.反応性活性剤(PD-105)/モノマー(2EHA)=5/95(モル比)で、全モノマー濃度が 40%になるように溶剤(トルエン)を仕込
み、開始剤を加えて 65℃に昇温して重合を行なった。
2.モノマーの反応転化率は、ガスクロ法により算出した。
3.反応性活性剤の共重合率はH-NMR法により算出した。
4.得られたポリマー溶液を 50μm になるようアプリケーターでアクリル板に塗工し、乾燥後に表面抵抗測定装置で測定。
表面抵抗測定については、全モノマー中の反応性活性剤の仕込み量を振っての測定も行なった。
反応転化率の変化
2EHA
PD-105
市販品A
100
表面抵抗値の変化
15
97
転化率[%]
80
表面抵抗/logΩ
14
80
70
60
48
40
38
20
PD-105
13
12
11
10
15
9
0
0
2
4
反応時間[h]
6
8
0
2
4
6
8
10
反応性活性剤仕込み量[%]
⇒PD-105 は市販品Aと比較して反応転化率(共重合率)が高く、共重合させたポリマーは帯電防止効果(表面抵抗値の減
少)の発現が可能となる。共重合させることで、フリーの活性剤がポリマーに与える悪影響(粘着物性低下、被着体汚染等)を
低減できる。
ここに記載された事項は、細心の注意を払って行われ
た実験事実に基づくものですが、実際の現場結果を確
実に保証するものではありません。
花王株式会社
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