ピーチクラフト式A-36 型機を用いた 出力アイドル状態での

ピーチクラフト式 A-36
型機を用いた出力アイドル状態での降下角について
[1
1]
一調査報告ー
ピーチクラフト式 A-36
型機を用いた
出力アイドル状態での降下角について
山下
勝
As
t
u
d
y onD
e
s
c
e
n
d
i
n
ga
n
g
l
eo
fB
e
e
c
h
c
r
a
f
t TypeA36
u
n
d
e
rI
d
l
i
n
gE
n
g
i
n
e
By
MasaruYAMASHITA
1 まえがき
航空大学校は平成 4年 4月から単発訓練機として、
ピーチクラフト式 A-36
型機(以下 i
A
3
6
J という)
をf
吏用している。
れについては過去の横山らの報告にも言及されてい
ない。
そこで本研究報告では、上記両者の降下角の違い
について調べることとした。
単発機の A36においては、エンジン停止を想定し
2 滑空性能
た不時着訓練は、緊急操作訓練の中でも重要な訓練
である。承認された飛行規程には、 A36
のエンジン
ある一定の迎角で滑空するとき飛行経路は直線で
停止時の滑空性能に関して、「滑空距離は地表から
あり、滑空角を θ、機体重量を W、揚力係数を C
L、
の高度 1
,
0
0
0フィート当り約1.7
浬 (2哩)である。」
抗力係数を C
o、滑空速度を V、空気密度を ρ、翼
の出力アイド
と規定され 1)、過去、横山ら 2) はA36
面積を Sとすると、
I
A
S:1
1
0ノット)に関して、滑
ル時の滑空'性能 (
空距離は地表から高度 1
,
0
0
0フィート当り約1.9
浬で
あり、 PropH
ighRPMでの滑空性能は、 Low
RPMに比べて悪い事を明らかにしている。
不時着訓練の 1つの課目として、 S
i
m
u
l
a
t
e
d
f
f1
8
0
.S
i
d
eApproach3)がある。これ
PowerO
c
o
te
=CL/Co
V2
=2W/C,pS (C,2=CL2
+C02
)
と表される 4。
)
上記 2つの式より滑空性能に影響する要因は、機
体重量、空気密度、翼面積、揚力係数、抗力係数で
あることカfわカミる O
0
0ノット・フラッ
において出力アイドル状態で、 1
3 計測.
0ノット・ブラップアプローチ形
プ上げ形態から、 9
態への移行の判断は、目視により行うこととしてい
るO しかし、学生にはその降下角の違いはほとんど
わからず、判断に迷いを生じているのが現状で、実
3-1 飛行条件
飛行実験は、実科教官の職員訓練を利用して実施
した。乗組員は 2名または 3名編成である。
際に課目として実施する上では、その両者にはっき
3-1-1 気象
りとした違いはないのではないかと感じている。こ
飛行実験を実施するにあたり、気象条件は以下の
[1
2]
航空大学校研究報告
t
sは k
n
o
t
s、 Prop は
なお、上記のうち k
ような基準とした。
1)実験日の気象状態は VMCであること。
P
r
o
p
e
l
l
e
r、RPMは R
e
v
o
l
u
t
i
o
nPerMinute、UP
2)降水現象や雷雲等が観測されていないこと。
は UpP
o
s
i
t
i
o
n、APCHは Approachの略である。
3)気流が安定していると予測されること。
3-2 飛行の方法
3-1-2 飛行形態
下方に不時着場を選定できる場所を選び、気流の
課目:S
i
m
u
l
a
t
e
dPowerO
f
f1
8
0 S
i
d
eAppro0
achにおいては、当初出力アイドル状態における
状態について上昇・下降気流、ターピュランス等の
少ないことを実験前に確認する。
1
0
0ノ ッ ト ・ フ ラ ッ プ 上 げ 状 態 で の 降 下 、 次 に
飛行データの収集は、気圧高度 4,0
0
0フィートか
9
0ノット・フラップアプローチ状態での降下と続く
ら3
,
0
0
0フィートへ降下する聞に測定した(気圧高
(
図 1参照)。
度とは、 QNEi
法による高度で標準気圧 2
9
.92inHg
そこで本研究では、まえがきでも述べたように、
から測定した高度)。
この 2つの形態における降下角の比較を行うことと
降下中の出力は、アイドル状態とする。
する。
1
,
0
0
0フィート降下する問、滑空姿勢を安定させ、
脚は格納状態、カウルフラップは閉状態、エアコ
操縦輪をほとんど手放しの状態となるようにエレベー
ンディショナーは使用しない。プロペラレバーにつ
が一時的に
タートリムをとる。計測している間 IAS
位置とするこ
いては、飛行訓練において LowRPM
でも基準から 3ノット以上変化した場合や、明らか
位置と限定し、 LowRPM
とはないため HighRPM
な上昇気流、下降気流、ターピュランスを感じた場
位置との違いは比較しない。
合は計測を中止し、再度実施する。
従って、以下の飛行形態を比較する。
1) IAS9
0k
t
s,PropHighRPM,FlapAPCH
2) IAS1
0
0k
t
s,PropHighRPM,FlapUP
3-3 記録
機体重量は、同乗者の体重及び実験開始時の燃料
計などから 5
0ポンド単位で概算として求めた。
3-2の飛行の方法によって安定した状態を確認
滑走路
一惨
した後、降下率
(
5
0フ ィ ー ト / 分 単 位 ) 、
PROPRPM (50RPM
単位)、 トリムの値 (
0
.
5単
,
0
0
0フィートから 3,
0
0
0フィート
位)を計器から、 4
問、任意の 5
0
0フィートの高度差を通過する時間 (
0
.
0
1秒単位)をストップ・ウォッチ (SEIKO:S0514
0
0
0
) で記録した。
仁説函コ
回 自.
1
4 計測結果
4-1 計測結果
口説日
¥日覆囚
計測結果を表 1~ 表 6 に示す。表中の「計算した
降下率Jは
、 5
0
0フィートの高度差を通過する時間
図1 S
i
m
u
l
a
t
e
dP
o
w
e
rO
f
f1
8
0S
i
d
eA
p
p
r
o
a
c
hの流れ
0
ピーチクラフト式 A-36
型機を用いた出力アイドル状態での降下角について
[1
3]
から求めた。実験を行った HOP (飛行回数)は平
0姿勢が安定した状態での降下率計の指示が、時
成1
4年度 3問、平成 1
5年度 3回の合計 6HOP、個々
0フィー
間測定により求めた平均降下率と比べ印 0
3
個ずつであ
の降下データはそれぞれの形態で合計3
ト/分」以上差がある場合(降下率計の目盛り
るが、このうち信頼できるデータを以下の基準で選
が
1
2
0
0フィート/分jであるため)
定した。この結果 l個のデータを除外した。
表
表4
1 HOP1における降下データ
HOP4における降下データ
実 験 日 平 成1
6年 2月1
3日
0AT - 3"
C
4
2
1
2
機番
「
摺
田
畑
即
時
叩
叩
叩
時
間
開
即
時
均
四
一
一
間
叩
明
叩
問
時
母
一
時
四
臨
酬
F
実 験 日 平 成1
5年 1月 7日
・
1
4213
機番
OAT -4"
C
IAS1
0
0
k
t
sFLAPUP
形態における測定
TAS 1
0
4
k
t
s
NO.I W T 1トリム│降下率 1PROP 1TIME 計算した降下率
1 1 34001 1
1
.51 1
2
5
0
川
1
5
0
01 2
3
.
0
41
1
3
0
2
川
1
5
0
01 2
3
.
3
81
1
2
8
3
2 1 3
4
0
01
1
11 1
2
5
0
川
1
4
5
01 2
2
.
9
81
1
3
0
5
3 1 3
4
0
01
1
11 1
2
0
0
ー ( 一 … ( 一 一 … 一 一 一 一 一 一 …
4 1 3
4
0
01
1
11 1
1
5
01 1
4
5
01 2
3
.
7引
1
2
6
5
5 1 34001
1
11 1
2
0
01 1
5
0
01 2
3
.
7
61
1
2
6
3
6133501
1
1
1 1
1
5
0
川
1
5
0
01 2
4
.日
1
2
4
5
平均川
11
.
1
川
1
2
0
0
川 14831 23.5
心
1
2
7
7
.
2
IAS9
0
k
t
sFLAPAPCH形 態 に お け る 測 定
TAS 9
4
k
t
s
NO.I W T
トリム 降下率 PROP 1TIME 計算した降下率
1 1 3
4
0
01
1
51 1
1
0
01 1
3
5
01 2
6
.
1
21
1
1
4
9
2 1 3
4
0
01 1
5
.
51 1
1
5
01 1
3
5
01 2
5
.
6
21
1
1
7
1
3 1 3
4
0日
1
5
.
51 1
1目
日
1
3
5
01 2
6
.
2
渇
1
1
4
2
4 1 34001
1
51 1
0
5
01 1
3閃
26.451
1
1
3
4
5 1 3
3
5
01
1
51 1
1
0
01 1
3日
2
5
.
9
31
1
1
5
7
平均
1
5
.
2
1 1
1
0
0
1 1
3
5
0
1 2
6
.
0
8
1
1
1
5
0
.
4
表2
IA
討1
0
0
k
t
sFLAPUP~líI\ I: おげゐ測定
TAS 1
0
4
k
t
s
W T 1トリム 降下率 PROP 1TIME 計 算 し た 降 下 率
32501 1
1
.
引
1
2
0川
1
5
0
01 2
3
.
4
21
1
2
8
1
1
0
.引
1
2
5
01 1
5
0
01 23.681
1
2
6
7
3
2
5川
11
.51 12501 14501 23.3引
1
2
泡3
3
2
5引
t
4
5
01 2
3
.
3
91
1
2
8
3
32501
1
11 1
2
5引
5 1 3
2
5
01 1
0
.
51 1
2
0
01 1
5
0
01 2
4
.
4
41
1
2
2
7
1
0
.
51 1
2
5
01 1
5
0
01 2
2
.
9
41
1
3
0
8
6 1 3
2
5引
1
11 1
2
0
01 1
5
0
01 2
3
.
6
41
1
2
6
9
7 1 3
2
5川
平均
1
0
.
91 1
2
2
91 1
4
8
61 2
3
.
5
引
1
2
7
3
.
9
TAS 9
4
k
t
s
IAS9
0
k
t
sFLAPAPCH形 態 に お け る 測 定
No.1 W T 1トリム 降下率 PROP 1TIME 計算した降下率
3
2
5
0
山
1
5
.
51 1
1
5
01 1
3
0
唱
2
5
.
7
91
1
1
6
3
引
1
51 1
0
5
01 1
3
0
01 2
5
.
5
81
1
1
7
3
2 1 3
2
5
引
1
5
.
51 1
1
5川
1
3
0
01 2
5
.
4引
1
1
7
7
3 1 3
2
5
川
1
5
.
51 1
1
0
01 1
3
0
01 27.281
1
1
0
0
4 1 3
2
5
0
山
1
5
.
5
1 1
0
5引
1
3
0
0
1 27.071
1
1
0
8
5 1 3
2
5
0
山
1
5
.
51 1
0
5
01 1
3
0
01 2
6
.腿
1
1
1
6
6 1 3
2
5
0
1
3
C日 2
4
.
6引
1
2
1
9
7 1 32501 1
5
.
5
1 1
2
0川
平均 I
1
5
.
4
1 110713閃
2
6
.
1
01
1
1
5
0
.
9
HOP2における降下データ
実 験 日 平 成1
5年 1月1
6日
4218
機番
表5
OAT - 4"
c
実 験 日 平 成1
6年 2月 1
6日
IAS1
0
0
k
t
sFLAPUP
形態における測定
TAS 1
0
4
k
t
s
川計算した降下率
No.1 W T 1トリムj 降下率 1PROP 1TIME
3
2
5
01 11
.
引
1
2
0
01 1
5
0
01 2
4
.
8引
1
2
0
9
2 1 32501
1
1
1 1
2
5
0
1 1500124.0引
1
2
4
7
1
2
0
01 1
5
0
01 2
4
.
9引
1
2
0
4
3 1 3
2
5
01 1
1引
一
' …一一一
一一一
ー
(…一一一
4 1 3
2
5
01 11
.51 1
1
5
01 1
5
0
01 2
5
.
0
引
1
1
9
9
5 1 3
2
0
01 1
1
.
引
1
2
0
01 1
5
0
01 2
4
.
51
1
2
2
4
6 1 32001 1
1
.
引
1
1
5
0
1 1
5
0
0
1 2
5
.
1引
1
1
9
3
平均
11
.41 1
1
9
21 1
5
0
01 2
4
.
7
41
1
2
1
2
.
7
TAS 9
4
k
t
s
IAS9
0
k
t
sFLAPAPCH形 態 に お け る 測 定
NO.I W T
トリム 降下率 PROP 1TIME 計算した降 F率
1 1 3
2
5
01
1
51 1
1
0日
1
3
5
0
1 2
7
.
1
5
1
1
1
0
5
1
3
0
0
1 27.111
1
1
0
7
2 1 32501 1
5
.
5
1 1
0
5日
3 1 32501 1
5
.
51 1
0
5
01 1
3
0
01 2
7
.
6
21
1
0
8
6
4 1 3
2
5
01
1
51 1
0
0
01 1
3
2
7
.
7
61
1
0
8
1
目
1
3
0
01 2
7
.
0引
1
1
1
0
5 1 32001 1
5
.
5
1 1
1日
1
5
.
5
1 1
1
5
0
1 1
3
5
0
1 26.741
1
1
2
2
6 1 3
2閃
平均
1
5
.
31 1
0
7
51 1
3
1
71 2
7
.
2
31
1
1
01
.8
…
v
…
∞
)
HOP3における降下データ
実 験 日 平 成1
6年 3月1
9日
機番
+2"
c
OAT - 4"
C
4
2
1
7
96
ι
q
↑
36L
均
叩
畑
⋮⋮宇一辺一叩 M M H一
事一げ-初日刊防⋮ ω)qJ
町
一
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⋮2時
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一
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一
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山山一た⋮一一一一位た一⋮⋮一一
例 ↑ し 一 一 一 一 一 一 9一 し 一 ⋮ 一 一 叩
U一 事 ⋮ 一 一 一 { 一 車 ⋮ 一 ⋮ 一 一 向
・ ⋮ 一 一 一 一 一 一 S占 ⋮ 一 一 一 一 時
3
S一 計 一 一 一 一 一 一 A 許 ⋮ ⋮ 一 一 ⋮ 一 一
ArlrL│ト│ト│﹁し│LTfぃードトー一一一一
T;ifo一
一 一 115一
一
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2一
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2⋮
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⋮ ⋮ 一蹴一口
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⋮羽⋮下日日一日一日日⋮口一
明一下ロ⋮ロ⋮口一口⋮
汗一降一⋮一一⋮手降⋮⋮一一一
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一
一
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⋮
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C
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一
則
一
川
山
一
以
⋮ k
m
⋮
、
⋮α ⋮
Jα 一町山⋮ 一 山一四
日 1 4 4 4⋮
4 4 oP1444 4 4
4
1
6
9
ば)一⋮⋮一⋮一一川山一一一一
]
ll
機番
.⋮i;
(2
4⋮
5
f均 仏 N f l
:34
N1
⋮ 平
実 験 日 平 成1
5年 1月2
0日
4
2
1
7
No.1 W T 1トリム!降下率 1PROP 1TIME 1計算した降下率
32501
9.51 1
2
0
0
1 1
4
5
0
1 24.761
1
2
1
2
2 1 3
2
5
01 8
.
51 1
1
5
01 1
5
0
01 2
5
.
3
91
1
1
8
2
3 1 3
2
0
01 8
.
51 1
1
5
01 1
4
5
01 2
4
.
9
11
1
2
0
4
4
3
2
0
引
8
.
51 1
1
5
01 1
4
5
01 2
4
.
8
11
1
2
0
9
81 1
1
5
0
1 1
4
5
0
1 26.081
1
1
5
0
3
2
0引
.4
8.61 1
1
6
0
1 1
4
6
0
1 25.191
1
1
91
TAS 9
5
k
t
s
IAS9
0
k
t
sFLAPAPCH形 態 に お け る 測 定
川 ム 降下率 PROP 1TIME 計算した降下率
NO.I W T
13
3
2
5
01
1
31 1
0
5
01 1
3
5
01 2
7
.
5
41
1
0
ω
2 1 3
2
5
01 1
2
.
51 1
0
5日
1
4
0
01 2
6
.
8
21
1
1
1
9
2
8
.
8
51
1
0
4
0
3 1 3
2
0
01 1
2
.
51 1
0
0
01 1
3閃
4 1 3
2
0
0
1
1
2
1 1
0
0
0
1 1
4
0
0
1 28.71
1
0
4
5
5 1 32001 1
2
.
5
1 1
0
5
0
1 1
3
5
0
1 2
喝.
2
3
1
1
1
4
4
平均
1
2
.
5
1 1
0
3
0
1 1
3
7
0
1 27.631
1
0
8
7
.
4
表6
表3
機番
『一一寸主釘節目おLAPUP形 態 に お け る 測 f 吋 官 寸05kts
司
臥
/
,
HOP5における降下データ
"
[1
4]
4-2
,'1
:
.
航空大学校研究報告
.
3
。以内であった。計測誤差を考えるに両
おいて 0
降下角の算出
降下角については、
HOP
毎に真対気速度 (
T
A
S
)
者に明らかな差を見出すことはできない。
と計算された降下率の平均からそれぞれ「斜辺 J
、
「高さ」を求め、その s
i
n
-1 (
1高さ J/ 1
斜 辺J
)か
ら角度を求めた(表 7。
)
真対気速度
今回の実験で課目
(
T
A
S
) は測定高度の外気温度と I
A
S
HOP
毎の比較としたのは、 HOPによって機体重
量、空気密度が異なり、その影響を予測することが
9
0ノット・フラップアプロー
チ状態での降下角について、明らかな差は見られな
いことがわかった。
S
i
m
u
l
a
t
e
dPowerO
f
fA
p
p
r
o
a
c
hは、学生訓練
困難と判断したためである。
でその実施機会も限られ、かつ
表 7 降下角の比較
刑者時自宅ド引制奇~Jf官9
4
.
9
例9
9
2
5
6
M
4
1
1
1
1
1
1
0
1
0
1
0
1
ω
I
S
i
m
u
l
a
t
e
d Power O
f
f
A
p
p
r
o
a
c
hの実施において、 1
0
0ノット・フラップ
上げ状態での降下角と、
を較正して求めた速度値である。
平4
2
3
5
6
均
6 まとめ
1
0
4
1
0
3
1
0
4
1
0
5
1
0
4
1
0
4
J2包t~i1U三21
1
2
7
3
.
9
1
1
91
.4
1 6
.
4
3
1
1
2
0
5
.
3
1
2
3
6
.
71 6
.
7
4
0
.
0
6
GEARや FLAPを
下げる時期の判断が難しい課目と言われている。接
地までの形態の変化としては、「フラップアプロー
チ」、「脚下げj、「フラップフルダウン Jの 3つの判
断時期が要求される。このうちフラップを、アプロー
チ位置にすることによる降下角の変化が、ほとんど
ないと考えるならば、提言として、学生訓練におい
5 考 察
5-1
ては、
9
0ノットのフラップアプローチ状態での降下
に早めに移行させた方が、学生にとってはその後の
降下速度の誤差
降下速度については、 3ノット以上基準から変化
降下角の判断が容易で、はないかと考える。
した場合は計測を中止したことで、土 2ノットの最
大 4ノットの誤差がある。この差は降下角に換算す
.
3 に相当する。従って
ると約 0
0
2つの形態の降下
角の差が0
.
3 以内であれば、降下速度の誤差範囲
0
のみを考えても計測誤差内の数値であり、両者には
明らかな差は見られないと判断して良いと考える。
参考文献
1)運輸省航空局承認「ピーチクラフト式 A36型
飛行規程J
、平成 2年
7月2
3日
、 p
p
.3-4
2)横山裕好・土屋正興:ピーチクラフト式 A36型
機の滑空性能について、航空大学校研究報告 R-
(
4
9
)p
p
.
1
7
3
2
5-2
3) 1
独立行政法人航空大学校単発事業用課程学生
プロペラ回転数の影響
プロペラ回転数は、実験を通してばらつきはすべ
0RPM以内であり、抵抗としてその差を考慮す
て5
る必要はないと思われる。これは横山らの研究報告
)
においても同様の結果となっている 5。
3年 4月 1日、第 4章 4-22
訓練実施要領」平成 1
~
4-24
7年 4月2
0日
、
4)比良二郎著「飛行の理論」、昭和 4
P
1
5
2、広川書庖
5
)1
前掲 2Jp
p
.
2
0
5-3
降下角の差
表 7から両者の降下角の差は、
6HOPすべてに
?