平成 13 年度 流通情報工学課程 卒業論文要旨 パレットレンタルシステムにおける単一デポの運営改善に関する研究 学籍番号 98742 早水 夕貴 指導教官名 1.はじめに 鶴田三郎 黒川久幸 5.まとめ 現在、物流の効率化が重要であることは広く認識されている。しかし、 パレットレンタルシステムにおける単一デポの運営改善を目的とし、シミュ その代表である一貫パレチゼーション、JIS 規格パレットの普及率は低い。 レーションモデルを構築した。構築したモデルを用いて、トラックの待ち台 この現状を改善するためには、パレットの共同利用、共同回収を支援す 数の緩和等に関する改善案の検討を行った。 るシステムが不可欠である。 このシステムとして、パレットレンタルシステムがあり、本研究ではパレッ 10 トレンタルシステムにおけるデポを対象に、デポの運営改善に対する検 9 8 討を行うことを目的とする。 (台数) 7 2.パレットレンタルシステム 6 5 4 3 パレットレンタルシステムとは、自社購入するには負担が大きい JIS 規 2 1 格パレットを企業にレンタルし、共同利用、共同回収を行うシステムである。 0 7 また、このシステムにおいて拠点となり入出荷を行い、パレットを扱う場所 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 (時間帯) をデポという。 トラックが直接デポに入ってきた場合 外で待ってからデポに入ってきた場合 実際のデポについて、トラックの待ち台数に関する調査を行った結果を 図1.時間帯別トラックの到着台数 図1に示す。図中の白い部分がゲートの外で待ったトラックの台数を表す。 これにより、12時以降ゲートに待ち行列が発生し、問題となっていること がわかった。待ち行列の最大の長さは、10台であった。 3.モデルの表現 パレットレンタルデポの運営の問題を解決するため、デポ運営のモデル 化を行った、全体像を図2に示す。 デポへ来るトラックには入荷・出荷の二種類があり、入荷は使用を終え た返却パレットを降し、出荷は検品を終え使用可能となった製品パレット を積みこむ。図中左側の三つの四角い枠は、トラックバースを示す。 図2.シミュレーションモデルの説明 デポのゲートを入った入出荷トラックはフォークリフトによりパレットの積 降を行う。その後パレットは検品、修繕、中古廃棄に選別される。中古廃 棄以外のパレットは次の利用に備えられ、出荷検品の後製品パレットとし 25.00 図3.改善案の検討結果 入荷トラックのスタートを60分早める 昼休みを60分減らす 昼休みを30分減らす 入荷トラックのスタートを30分早める 図より、デポ側としては、昼休みを削減することにより、待ち行列長を減 少させる可能性があることがわかった。 昼休みを60分早める 昼休みを30分早める 昼休みを60分遅らせる 昼休みを30分遅らせる 休憩時間を60分早める 休憩時間を30分早める について検討を行った。この結果を図3に示す。 0.00 休憩時間を60分遅らせる ・トラック到着分布の均一化 5.00 休憩時間を30分遅らせる ・休憩時間の短縮とトラック到着の少ない時間帯への休憩時間の変更 10.00 フォークリフトを6台に増やす ・フォークリフトの作業能力向上 布を均一化 15.00 フォークリフトを5台に増やす トラックの待ち行列を緩和するための改善案として、 トラック発生分 台数を操作 通常状態 4.改善案の検討結果 最大待ち台数 示す。 休憩時間を 操作 フォークリフト 20.00 フォークリフトを4台に増やす て保管される。図2に示す実線は、デポ内におけるフォークリフトの動線を
© Copyright 2024 Paperzz