租税訴訟ハンドブック

“税務調査から訴訟対応まで”
租税訴訟に関わる実務のすべてがこの1冊に!
租税訴訟ハンドブック
【編著】
山下清兵衛
(弁護士・マリタックス法律事務所代表)
A5判/672頁 定価:本体4,500円+税
◆税 務調査から、税情報の公開請求
務調査から、税情報の公開請求、不服申立て、訴訟対
務調査から 税情報の公開請求、不服申立て
不服申立て、訴訟対
訴訟対
応 、刑
刑 事 事 件 対 応 に 加 え 、決
決 算 書 分析などの 税 会 計 の
基礎知識に至るまで、租税訴訟に関する
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租税訴訟に関する実務全体がこの
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1冊で理解できるハンドブック!
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◆長年租税訴訟を専門としてきた当分野の第一人者である
山下清兵衛弁護士による編著!
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◆ 若 手 弁 護 士 からベテラン弁 護 士まで活用できる租税 訴
訟の定番書!
1 法律家が税務調査の業務を行うメリット・意義
第1章
税務調査と事件の端緒
第 6 章 所得税訴訟
17 生活用動産・損益通算訴訟
1 法人税法概論
第7章
法人税訴訟
◇サラリーマン・マイカー税金訴訟・最二小判平成 2 年 3 月23日裁判集民159
号339頁〔22003833〕
1 法律家が税務調査の業務を行うメリット・意義
⑴ 事案の概要
1 法人税法概論
租税事件のスタートは、税務調査から始まる。租税訴訟は、租税事件の最終
給与所得者である納税義務者Xは、昭和46年 6 月に小型乗用自動車(以下、
段階であり、事件解決は、税務調査段階で行うのがベストである。法律家は、
「本件自動車」という)を68万円で購入し、通勤や外回り業務に用いるととも
税務調査の現場において、納税者の代理人として法的三段論法を使い課税庁を
に、土・日・祭日には私用のドライブに用いていた。Xは、昭和51年 7 月頃、
説得することができる。税務調査における法的三段論法とは、課税要件を明示
本件自動車を運転中に同車を中央分離帯に衝突させる自損事故を起こし、本件
る。
し、事実を証拠によって証明し、正当な結論を導く方法である。
修理には相当の修理代がかかることから、廃車を決め、スクラップ業者に3, 000
イ 法人擬制説
円で売却した。Xは、自動車の譲渡所得損失を生じたとして、給与所得との損
⑴ 事実調査と課税要件該当性判断
益通算をして所得税還付の申告を行った。これに対して、税務署長Yは、かか
税務調査は、納税者と課税庁との紛争の場である。それは、租税の債権債務
関係の紛争でもある。私法取引がどのように行われたか、そこから発生する課
る譲渡損失の金額は給与所得と損益通算できないとして更正処分を行い、Xは
これを不服として出訴した。
税の対象が事実認定の対象になる。
⑴ 法人と構成員の関係
ア 実在説
法人は構成員である個人とは別の独立した人格者であるという考え方であ
会社を個人の集合体と考えるものである。
ウ 多様な事業体
課税は、先決的に存在する私法上の法律関係を前提として、それと整合的に
納税義務者が決定されるべきである。我々の社会には、多様な事業体が存在
し、税法は、それらの活動や存在形式を歪めるべきではないから、その特質に
税務調査は、事実の調査から始まる。次に、租税法の解釈や適用関係がどの
⑵ 争点
応じた課税が認められるべきである。法人の所得を観念し、法人を自然人から
ようになるかが吟味される。ほとんどの税務調査では、先行する私法取引がど
本件自動車の譲渡による損失は、
「生活に通常必要でない資産」でも、
「生活
のように行われたか、どのような取引の対価を納税者が得たのかが問題とな
に通常必要な動産」にも当たらない、一般「資産」(所得税法33条 1 項)とし
る。
て、損益通算の対象となるか。
⑵ 法人税の性質
⑶ 判旨
ア 独立説
ア 事実認定
独立した納税義務者とするのが、我が国の法人税法の基本構造である。
法人税法は、法人の所得を課税対象として法人に課される税金である。
税務調査において、先行する私法取引を法的に分析しなければならない。訴
訟活動を通じて証拠の収集や証拠価値の分析を適正に行う能力を有している者
が、税務調査における立会人として最適である。
ア 第 一 審 判 決( 神 戸 地 判 昭 和61年 9 月24日 訟 務 月 報32巻 5 号1251頁
〔22001590〕
。所得税法 9 条 2 項で判断)
税法が定める課税要件を分析し、証拠によって、どのような経済的利得や財
Xが通勤に本件自動車を使用していた状況や、業務用でも本件自動車を利用
産を得たのか、法律の要件にどのように該当するかについて、税務調査の現場
していたこと、通勤・業務のために使用した走行距離・使用日数がレジャーの
でも主張しなければならない。
ために使用したそれらを大きく上回っていたこと、車種が大衆車であること、
イ 税法解釈
さらには当時の自家用自動車の普及状況などを考慮したうえで、「本件自動車
税務調査では、事実認定の後に税法解釈をなし、課税要件を抽出する作業を
はXの日常生活に必要なものとして密接に関連しているので、生活に通常必要
法人税は、所得税とは独立したものとする考え方である。
イ 前払説
法人税は、所得税の前払とする考え方である。
多くの国において、法人段階と個人段階における税負担を調整する措置がと
られている。我が国では、配当税額控除方式が採用されている。
我が国の法人税法は、納税義務者の範囲を私法上の法人概念を基本として構
成している(法人税法 4 条 1 項)。
な動産に該当」するが、自動車が所得税法施行令25条各号に該当しないことは
行い、さらに課税要件事実の存否を確認することになる。
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東京都港区南青山2 11 17 〒107 8560
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Te l . 0120 203 694
Fax. 0120 302 640
contents
序 論
法律事件に関する法律事務
(租税事件処理権限)
第 1 章 税務調査と事件の端緒
1 法律家が税務調査の業務を行うメリット・意
義
2 弁護士が税務調査に立ち会う方法
3 税理士とどこで知り合うことができるか
4 税務調査とは
5 行政指導の名のもとに行われる税務調査
6 税務調査の最終段階
7 事前照会制度の利用
8 査察調査
第 2 章 税務調査手続
1 税務調査概論
2 税務調査と仕入税額控除の否認
3 通達の改正と後発的更正の請求と職権更正の
期間
第 3 章 租税争訟法総論
1 概説
2 法の支配
3 法の支配と適正手続保障
4 納税者の租税法規上の地位の遡及的変更
5 課税要件法定主義―政令への委任の限界
6 租税法と信義則
7 行政訴訟と民事訴訟の選択
8 行手法の利用
9 納税者による情報公開請求
1 行政不服申立て
2 平成26年行審法改正に伴う改正国通法による
不服申立て
3 国税に関する不服申立手続
4 地方税に関する不服申立手続
1 日本の行政訴訟
2 取消訴訟の訴訟要件
3 取消訴訟の管轄等
4 訴えの提起
5 取消訴訟の審理
第 6 章 所得税訴訟
1 所得税法概論
2 所得の人的帰属
3 所得の年度帰属
4 所得の分類
5 減価償却
6 所得税の課税要件
7 所得税法36条 1 項の「収入すべき金額」
8 夫婦財産契約と所得帰属訴訟
9 所得税法56条訴訟
10 課税物件帰属訴訟
11 民法上の組合訴訟事件
12 譲渡所得訴訟
13 年度帰属訴訟
14 給与所得・事業所得区分訴訟
15 一時所得訴訟
16 雑所得・損益通算訴訟
17 生活用動産・損益通算訴訟
18 再更正処分訴訟
19 弁護士必要経費訴訟
第 7 章 法人税訴訟
第 4 章 租税不服申立て
第 5 章 租税訴訟手続
18 子会社株式の評価額(資産評価損の損金算入)
事件
19 増資事件
20 過大徴収電気料金の返還と収益の計上時期事
件
21 同族会社の行為計算の否認訴訟(全株式取得
後の吸収合併の否認)事件
22 継続的下請取引事件
6 証拠調べ
7 課税処分取消訴訟
8 上告審の手続
9 租税訴訟公正基準
10 租税訴訟における協議と和解
11 租税法における課税要件
1 法人税法概論
2 法人税の課税要件
3 法人税の課税所得計算
4 人格のない社団等に対する課税
5 宗教法人の収益事業に係る収入の範囲
6 一般に公正妥当と認められる会計処理の基準
7 資産の低額無償取引
8 組織再編税制
9 グループ法人税制
10 連結納税制度
11 役員退職給与として土地の帳簿価額譲渡
12 民法上の組合等多用な課税主体
13 資産の低額譲渡と法人税法22条 2 項
14 営業権の譲渡(存在確認と評価)
15 売上原価事件
16 損害賠償請求権の年度帰属
17 役員退職給与の現物支給(損金経理要件)事
件
第 8 章 その他の租税専門訴訟
1 消費税の課税要件
2 贈与税の課税要件(事業承継と贈与税)
3 相続税訴訟
4 地方税(不動産取得税)訴訟
5 租税条約訴訟
第 9 章 租税刑事訴訟
1 令状主義と行政手続
2 査察調査弁護の重要性
3 事件調査
4 犯則調査の期間
5 査察調査の問題点
6 弁護人による証拠の検討
7 検察官の冒頭陳述書(逋脱内訳明細書、修正
P/L、B/S)
8 弁護人の立証方法
9 その他の弁護
10 租税犯の種類
11 犯罪構成要件(逋脱犯―狭義の脱税犯)
12 実行行為者(逋脱犯)
13 共同正犯
14 故意(逋脱犯)
15 実際所得金額と逋脱税額
16 罰金刑と加算税等(懲役刑以外の不利益)
17 弁護人の選任など
18 具体的事例と弁護対応のポイント
19 平成26年度査察事件
20 書式
第10章 会計・税務の基礎知識
1 法律家の決算書分析
2 用語解説
あとがき
事項索引
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3万円以下の場合、400円+税
10万円以下の場合、600円+税
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