2 0 1 4 平成 26 年 12 月 22 日発行 TO K YO A DV E R T I S I N G ㈱電通 執行役員 A S S O C I AT I O N（ TA公益社団法人東京広告協会 A） 業務委員長 発行・公益社団法人東京広告協会 東京都中央区銀座 7 丁目 4 番 17 号 電通銀座ビル7 階 TEL.03（3569）3566 FAX.03（3572）5733 http://www.tokyo-ad.or.jp E-mail [email protected] 望月 渡さん TA A サロン あの人にきく 1956 年、東京都出身。79 年、中 央大学法学部卒業、㈱電通入社。 東京本社総務局配属。82 年、営 業局へ。営業局専任部長、営業局 部長を経て、2007 年、第 5 アカ ウント・プランニング本部営業局 長。13 年 4 月より現職。趣味は「下 手なゴルフを極めること」。 2020 年に向け、広告の発展と イノベーションに力を尽くしたい クライアントと本音を語れる関係づくり ところも大きいのです。何を言うかも大切で すが、誰が言うかも大切。あの人が言うから ････ 入社以来、営業一筋で来られました。仕 信用しようという無形のカルチャーがある。 事上での印象深いエピソードは何ですか ? そう言われるためには高い信頼関係を構築し 大ざっぱな言い方ですが、クライアントと なければなりません。入社以来そのことをモッ 一緒にジョイントベンチャーを作ったこと、 トーとしてきましたし、若い人たちにもその 大型スポーツマーケティング案件に携わるこ 大切さを伝えています。 とができたことですね。 営業とは、クライアントと盤石な信頼関係 を築き、本音で語り合える環境をつくり、長 広告会社に必要なのは、イノベーション とクリエイティブマインドの醸成 くおつき合いすること。ジョイントベンチャー ････ 広告主、広告会社など、広告を取り巻く とスポーツマーケティングを経験できたのは、 環境はどう変化しているのでしょう。 究極のパートナーシップが築けたからではな 従来の宣伝セクション、広報セクションだ いかと自負しています。 けでなく、川上の事業部の製品開発や経営の それも、日本の広告会社の独特のシステム 根幹に関わる領域までコンサルティング業務 のおかげかもしれませんね。欧米は、各分野 をしたり、川下では、店頭の領域に踏み込ん に専門のエージェンシーがある一業一社なの でソリューションを提案するケースも増えて に、日本の広告会社は一業多社。クライアン きました。窓口が増え、仕事の幅が広がり、 トはワンストップですみます。 深くなったように感じます。 クライアントと緊密なパートナーシップを いまは生活者が商品やサービスを選択する 組んでいくためには、パーソナリティによる 「生活者主導の時代」。広告主は、それに沿っ 1 たマーケティング手法を改革してゆかねばな アントポートフォリオの見直し、国際会計基 りません。①知る＝お客さまをもっと知る、 準（IFRS）への任意適用などを推進していき ②つながる＝お客さまといろんなメディアを ます。 通してつながる、③継続＝お客さまと末永く 海外展開のテーマは、シナジー効果の創出 つき合うことが大切ですね。 です。日本の広告主が海外に出て行くときに ものを計画し、作り、流通させ、販売して 現地と本社をつなぐ、海外のクライアントが 分析する、この一連のマーケティング活動の 日本市場に入ってくるときにパートナーにな リーダーが CMO です。日本でも欧米のよう る。グローバルブランドが世界統一のマーケ に CMO 的な役割がもっと注目されてくるの ティングを行い、かつローカルの特徴を出そ ではないでしょうか。顧客情報を入手し、分 うという動きもあります。海外展開では、グロー 析して次のマーケティング活動に役立てる バル（海外）とローカル（日本）でのソリュー CRM ももっと重要になります。CMO、CRM ションをうまく連携させるサービスの提供が の領域に一元的にサービスを提供していくこ 大事です。グローバルとローカルの双方の場 とが広告会社の重要な役割になっていくので 面でシナジー効果を発揮して、さらに高質な はないかと考えています。 ソリューションを提供していきたいですね。 メディアコンバージェンスが進む中、広告 会社がやらなければいけないのはイノベーショ ンです。例えば、①広告主に提供するプラン ････ 東京広告協会の業務委員長です。広告を ニングの精度を上げること、②とかく見えづ 元気にするアイデアをお聞かせください。 らいと言われる広告効果測定の精度を上げる 日本の広告マーケットは成熟してしまった こと、③広告会社の課金方法を、広告主が納 と言う人もいますが、今年度は 2％伸びると 得する方法でもっと改革すること。 の予想もあります。日本の広告市場は約 6 兆円。 何より大切なことは、もっとクリエイティ 米国、中国に次ぐ巨大なマーケットです。悲 ブマインドを磨くことです。今までのものを 観的にならず、縮小均衡といった概念を排除し、 継承しつつデジタル時代に対応できるクリエ 広告の可能性を信じ、ポジティブに考えてい イティブマインドの醸成。あらゆる分野でク かなければなりません。東京広告協会もいろ リエイティブを意識して仕事をしようという んなセミナーや勉強会を開催していくことが ことです。広告会社は中間業者だから、ネッ 大切ではないかと思います。 ト時代では必要なくなる、 いずれコモディティ 広告を元気にする起爆剤になりそうなのが 化してしまうと言う人もいます。そうならな 「2020 年」というキーワードです。オリンピッ いためにも、イノベーションとクリエイティ ク・パラリンピックを機に世界最先端の都市 ブマインドの醸成が必要ですね。 にしたいと舛添知事もおっしゃっているし、 海外展開のテーマはシナジー効果の創出 東京そのものが新しいものに変わろうとして います。生活者の意識が代わり、生活スタイ ････ 海外での M&A など、グローバル戦略も ルやニーズも変わります。広告のあり方、情 積極的です。海外戦略の課題は何ですか ? 報の流し方も変わっていきます。これからの 電通は、2013 年に英国のイージスを買収し、 広告業界も、ビジョンを持って 2020 年の生活 真のグローバル化を実現しましたが、実は、 者の新しい考え方に沿ったコミュニケーショ 収益の半分は日本。日本の国内のマーケット ン、マーケティングのあり方を模索していく はそれだけ大きく、重要だということです。 必要があるのではないでしょうか。 海外展開を確固たるものにするため、クライ 2 2020 年、広告のあり方も変わる （インタビュー・文 古俣愼吾） 東京広告協会の活動報告 ススクール教授） 、 パネリストは河本二郎氏（㈱ 11 月 トヨタマーケティングジャパン取締役副社長） 、 第 2 回特別講演会 樺山紘一氏が講演 山口有希子氏（日本アイ・ビー・エム㈱コミュ ニケーション＆ブランドエクスペリエンス部 長） 、鹿毛康司氏（エステー㈱宣伝担当執行役 ／クリエティブディレクター）の 3 氏が務めた。 東京広告協会は 11 月 4 日に第一ホテル東京 第 1 部では田中氏のイントロダクションに続 「ラ・ローズ」にて、樺山紘一氏（印刷博物 き、各パネリストが個別プレゼンテーション 館館長、東京大学名誉教授）を招き、平成 26 を行った。河本氏は、 「新たなクルマ市場の創 年度第 2 回特別講演会を実施。樺山氏は「オ 造をめざして～ TOYOTOWN キャンペーン～」 リンピックと万博～国際イベントの昔と今～」 と題し、昨今クルマ離れや経済停滞など課題 の演題のもと講演した。 も多い中、それでも広告は「日本」を元気に 樺山氏は、 「1964 年東京オリンピック、1970 する力を持っている、と力強く語った。山口 年大阪万博は、戦後から短期間で日本に大き 氏は 「ビデオ広告で拡めるブランドストーリー」 な変革をもたらし、自分が参加したという事 のテーマで、B to B のコミュニケーションに 実に大きな意味があった。2020 年東京オリン ついて話した。鹿毛氏は、 「テレビ CM をバイ ピックを控えた今、今度は開催を喜ぶばかり ラルさせる。 」のテーマで、話題となった CM ではなく、巨大化、商業化したオリンピック を紹介しながら、時代がめまぐるしく変わる の問題点について一人一人が考えなくてはな 中でも、 手法におぼれずコンテンツやストーリー らない。また 2020 年東京オリンピックは、今 を持つことが大切だと説いた。 後の模範となるようにしなければならない」 第 2 部では、田中氏による進行のもと、会場 と語り、 参加した約 110 名は熱心に耳を傾けた。 から寄せられた質問やパネリスト同志の質問 を交えながら、パネルディスカッションを行っ た。参加者は、興味深そうに各講師の話に聞 き入った。 樺山氏が今後の国際イベントのあり方について語った 広告問題研修会を実施 講演する河本氏 広告主パネリストがディスカッション 東京広告協会は 11 月 27 日、コートヤード・ マリオット銀座東武ホテルにて広告問題研修 会を実施した。 「市場創造の広告戦略」をテー マに、パネルディスカッション形式で開催し、 会員ら約 150 名が参加した。 モデレーターは田中洋氏（中央大学ビジネ パネルディスカッションの様子 3 東京広告協会の活動報告 12 月 FUTURE2014 調査結果発表 大学生の 9 割以上が「日本好き」 また、東京オリンピック・パラリンピックを 機に「日本は良い方向に変わると思う」が約 8 割にのぼった。具体的には「観光産業が活 性化する」「日本の景気がよくなる」につい て約 9 割が「そう思う」と回答した。 「世界で通用する人になりたいか」という 東京広告協会が指導している大学生意識調 質問には約 7 割が「そう思う」と回答。一方で、 査プロジェクト（FUTURE2014）のプレス発 約 8 割が「通用する自信はない」と答えるなど、 表会が、12 月 3 日に電通銀座ビル 8 階会議室 意識は高いが自信を持てない大学生の一端が で行われた。今年の調査テーマ「大学生 1,000 垣間見えた。 人にきいた『日本』に関する意識調査」につ 同プロジェクトでは、今は語学力に自信が いて、プロジェクトに参加した学生が自らプ なく海外に不安意識を持っている大学生も、 レゼンテーションを行った。 世界で通用する人間になりたい、という覚悟 これは首都圏 4 大学（駒澤、 上智、 専修、 日本） はあるため、東京オリンピックをはじめ様々 のマーケティング関係のゼミ学生 11 名で構成 な場面で外国人と交流し、コトバとココロの される大学生意識調査プロジェクトが、7 月 壁を崩していくことで、世界を相手に力強く 14 日〜 8 月 1 日に上記 4 大学の 1 〜 4 年生 1,000 立ち向かっていけるようになる可能性は十分 人の男女を対象に調査を実施したもの。 にある、とまとめた。 調査によると、 「日本が好きか」という設 定点観測では、最近 1 年間の日本の顔は、2 問 に「 好 き（ 計 ） 」とこたえた大学生は約 年連続で安倍晋三首相、好きな広告は「ソフ 97％となり、その中でも「大好き」が 5 割を トバンクモバイル／白戸家シリーズ」が 1 位 超えた。2001 年の同テーマの調査と比較する となった（調査結果の詳細は東京広告協会事 と、 「好き」は約９ポイント、 「大好き」は約 務局まで）。 13 ポイント増加し、日本への好意度が大幅に 高まった。 「日本が好きな理由」は、1 位「治 安が良いから／平和だから」、2 位「和食など 日本で食べる食事がおいしいから」、3 位「お もてなしや思いやりの心があるから」などが 上位にあがった。 「日本はココロが豊かな国だ」 と思う人は 73.6％となり 2001 年の 17.6％から 大きく伸びた。 日本の「世界に誇れること」は、 「食文化」 、 学生による調査結果の発表 「コミック / アニメ」、 「伝統」、 「治安」など が上位にあがった。一方で、 「日本は他の国 よりも元気の無い国だ」と思う人は約 6 割と、 学生たちは、現在の日本が恵まれているとと らえている一方で、世界基準では「まだまだ」 であると考えていることがわかる。 2020 年東京オリンピック・パラリンピック については約 9 割が「嬉しい」とこたえ、日 本が「開催国にふさわしい」も 8 割を超えた。 4 プロジェクト参加学生で記念撮影 東京広告協会の活動報告 高校教諭に対する広告研修会 谷口マサト氏（LINE）が講演 第 17 回高校教諭に対する広告研修会が、12 活用したコミュニケーション戦略を紹介した。 また、参加教諭に対しては、「高校生にも失 敗を恐れずネットを利用して世界への発信力 を高めてもらいたい」と語った。質疑応答後、 閉会となった。 月 10 日、電通銀座ビル 8 階会議室で開催され、 東京都公民科・社会科教育研究会（都公社研） 、 東京都商業教育研究会（都商研）から 40 名の 教諭が参加した。 谷口マサト氏（LINE ㈱広告事業部チーフ 第 34 回「東京広告協会 白川 忍 賞」 佐々木 宏氏（シンガタ）に決まる プロデューサー）が、 「広告事例で学ぶ、ス 第 34 回（平成 27 年）｢東京広告協会 白 マホネイティブ世代とのコミュニケーション 川 忍賞｣ 選考委員会が 12 月 9 日に開催され、 方法」の演題で講演した。 同賞に佐々木宏氏（シンガタ㈱クリエイティ 谷口氏は、LINE のアクティブユーザーが ブディレクター）が選出された。 増加している理由のひとつにスマホに特化し 佐々木氏は、1977 年㈱電通入社後、2003 たサービス強化をあげ、各企業のスタンプを 年シンガタ㈱を設立。魅力的な広告作品を世 に送り続け、数多くの企業や商品イメージの ブランディングに貢献している。長年にわた り、日本の広告表現の質を高め続けたその努 力、また、多くのクライアントにおいてビジ ネス上の大きな成果を生み出した実績が高く 評価された。 贈賞式は平成 27 年 2 月 20 日に帝国ホテル で開催される第 87 回東京広告協会定時総会 谷口氏（LINE）が講演 の席上行われる。 各委員会の開催報告 今後のスケジュール 理事会・各委員会を下記の通り開催しました。 今後の理事会・各委員会等のスケジュール は下記の通りです。 11 月 17 日（月） 業務委員会 1 月 20 日（火） 広報委員会 11 月 20 日（木） 広報委員会 1 月 21 日（水） 法務政策委員会 11 月 25 日（火） 法務政策委員会 1 月 23 日（金） 業務委員会 12 月 04 日（木） 総務委員会 1 月 27 日（火） 総務委員会 12 月 09 日（火） 定例理事会 1 月 29 日（木） 定例理事会 2 月 20 日（金） 定時総会（場所：帝国ホテル） 5 来年 5 月に全広連金沢大会開催 全広連金沢大会ロゴマーク 平成 27 年 5 月 20 日㈬ 〜 22 日 ㈮、 第 63 回 全 日本広告連盟金沢大会 が開催されます。概要 （予定）は以下のとお 金沢市昭和町 20－１ 大会テーマ『金沢発。広告の「かがやき」と、 五感の、お・も・て・な・し。 』 懇 親 会 場 ANAクラウンプラザホテル 見 学 会 5 月21日㈭〜 22日㈮ ゴ ル フ 会 5 月21日㈭ りです。 場 所 片山津ゴルフ倶楽部 白山コース 【第 63 回全広連金沢大会概要（予定） 】 主 催 第 63回全日本広告連盟金沢大会 ※5 月20日㈬午後に「おもてなし体感セミナー」 を予定。 組織委員会、全日本広告連盟 ※大会案内、登録申込書は２月以降に配布予定 日 程 平成 27 年 5 月20日㈬〜 22日㈮ です。 主 会 場 石川県立音楽堂コンサートホール 第 18 回アジア太平洋広告祭 （アドフェスト 2015）のご案内 第 18 回アジア太平洋広告祭（アドフェスト 会を 2 月 2 日㈪に行い、同日夜のプレアドフェ 2015）は 2015 年 3 月 19 日㈭〜 21 日㈯、タイ・ スト内にて、日本代表チームを発表します。 パタヤで開催されます。 全広連研修ツアーの詳細は追ってご案内いた 全広連では、若手クリエーターの作品コン します。 ぺ「Young Lotus Workshop2015」国内選考 新入会員社（敬称略） ニッセイエブロ株式会社 代表取締役 亀田修平 東京広告協会への新規ご入会のご案内 東京広告協会は、広告主企業、媒体社、広 志の方々のご紹介を是非お願い申し上げます。 告関連会社等が集まり、 垣根を越えて協同して、 詳細については、東京広告協会事務局までお 広告の社会的使命を推進し、広告界全体の発 問い合わせください。または東京広告協会ホー 展向上を目指す総合広告団体です。年間を通 ムページをご参照ください。 じて、社会に貢献する様々な公益目的事業を Tel：03-3569-3566 Fax：03-3572-5733 展開しています。協会の輪にあらたに加わる方々 E-mail： [email protected] を随時募っています。現在会員の方々にも有 6
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