春の気候が巻き起こす肌炎症

―NEWS LETTER FROM ANGFA―
2009 年 2 月
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春の気候が巻き起こす肌炎症
2009 年 2 月
アンファー株式会社
冬の寒さが和らぎ、一年のうちで最も穏やかな気候となる春は、お花見や行楽など、外出の機
会が多くなるシーズンです。
冬から春に向けての季節の変わり目は、気候の変化が激しく、肌が敏感になります。さらに、春
の風がもたらす花粉やホコリは、ニキビや肌荒れを引き起こし、悪化すると、アトピーや湿疹など
アレルギー性皮膚炎へと繋がります。
今回は、春の気候が巻き起こす肌の炎症に関するお話です。
【春の肌トラブルのメカニズム】
寒さ厳しい冬を越え、気温が高まる冬から春の季節は、一年のうちで、花粉やホコリが最も飛び
散る季節です。
花粉症とは、花粉に対して人間の身体が起こすアレルギー反応です。今は花粉症でない人も、
大量の花粉が付着すると、身体が花粉に対する抗体を産生する可能性が高くなり、何らかのきっ
かけで花粉症を発病しやすくなります。花粉症は、鼻水や鼻づまり、目の痒みなどが典型的な症
状ですが、花粉症の時期は肌のバリア機能が低下し、その隙間から刺激物質や異物が侵入しや
すくなります。こういった刺激物質や異物が侵入してくると、皮膚の免疫細胞は、身体を守るため
に攻撃を始めます。こうした攻撃が、肌表面では湿疹や痒みなどの肌炎症として現れるのです。
【バリア機能の正常化と保湿が、春の肌トラブル改善のカギ】
季節の変わり目である春先は、湿度はまだまだ低く、空気は乾燥しています。また、紫外線が
強まり、花粉やホコリが吹き荒れる外界は、肌への刺激物であふれています。外的刺激の侵入に
より肌が弱ってしまうと、急ピッチで肌細胞を修復しようとします。すると、普通はほぼ28日間で行
われるターンオーバーの時期が急激に短くなり、不完全な角質層を構成、それに伴い皮膚はます
ます乾燥してしまうという「乾燥のスパイラル」に陥ります。さらに刺激物が入りやすい状態を改善
できないため、慢性的な炎症を起こしやすい状態が続いてしまうのです。
図 1 年齢と皮脂分泌量の変化
また、季節的要因だけでなく年齢的要因で見ても 20 代を過ぎた
女性は、女性ホルモンの影響で、皮膚の皮脂腺の分泌量が大幅
に減少し始め、皮膚が乾燥しやすくなります。(図1参照)「乾燥の
スパイラル」を打破し、春のトラブルから肌を守るスキンケアのポ
イントは、水分を十分に保ち、バリア機能を正常に保つことです。
【しっかり落としてしっかり保湿-春のスキンケア】
春の気候が助長する肌老化を防ぐために、まずは空気中で付着した花粉やホコリなど目に見
えない刺激物を、しっかりと皮膚から落とすことが欠かせません。肌がかさつきやすく、敏感になり
やすい春は、肌へのダメージをできるだけ少なくするために、極力刺激の少ないクレンジングで、
密度の濃い泡をたっぷりつくり、こすることなく、肌に馴染ませるように洗います。作用の強い界面
活性剤などが入ったものは、汚れ落ちはよいのですが、角質層の機能まで低下させてしまいます。
また、界面活性剤そのものの刺激も心配です。なるべく肌を強く刺激しない成分で作られた製品を
お勧めします。
洗顔後の肌は無防備な状態です。化粧水で水分を補給すると
ともに肌を整え、その後美容液やクリームなどで水分を逃がさな
いように肌を保護する保湿対策が必要です。ただし、保湿対策と
いうと、化粧水やクリームなどのいわゆる“与える”スキンケアを考
えがちですが、保湿対策の前提となるのが、「肌本来の保湿機能
を守る」こと。日々の正しいクレンジングや洗顔が保湿対策だけで
はなく、スキンケアの基本とも言えます。
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キメや毛穴に詰まった汚れを包み込み、古い
らきで、メイク汚れをしっかり落とします。
角質をすっきりと落とします。
・メイク落としで失われた水分を補い、肌体力を
・皮膚のバリア機能を高め、ハリのある肌へ
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健やかな肌のためにスキンケア以外の対策も
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副院長 浜中聡子先生
春先に皮膚炎などの肌トラブルが多くなるのは、身体自体が敏感な状態にあり、空気中の浮遊物が原因となって
様々なアレルギー症状を発生させるためです。スキンケアだけで対処するのではなく、空気中の浮遊物を吸い込
まない、付着させない、付着したらきれいに落とすことが重要です。また、アレルギーを発生させないように体調を
安定させるバランスの良い食事や十分な休養、精神的な安らぎも必要です。