CPLD実習の導入について − 論理回路設計実習の導入に向けて − 愛知県立東山工業高等学校 電子工学科 1 後藤真 吾 はじめに 本校電子工学科では、ディジタル実習としてブレッドボード( ICトレーナ)で「基本論理素 子」と「フリップフロップ」を利用して実習を行っている。そのため、回路が 複雑になると変更 にかなりの時間を要するため、これを利用しての 論理回路設計実習は困難である。 しかし、その一方で今日の論理回路設計の世界では、CPLDやFPGA などのプログラマブ ル・ロジック・デバイス抜きには語れない時代になっている。 そんな中、実習の内容を検討する 時期になり、ディジタル実習の担当となったことが 私自身の 本研究を行うきっかけ になった。 2 CPLDの概要 PLDは、内部の論理をユーザが自由 にプログラムできるLSIであり、 その特徴からSPL D、CPLD、FPGAの3種類に分類される。 本研究では、アルテラ社のCPLDであるMA X7000SシリーズのEPM7032SLC44-10 を利用した。 その仕様と構造を次に示す。 コア動作電圧:5V パッケージ:PLCC 使用可能ゲート数: 600 マクロセル数:32 最大ユーザI/Oピン数 :36 16 個のマクロセル (組合せロジックを 実現するプログラム可能なロジック・モジュールと順序 回路を構築するためのDフリップフロップから構成されている もの)を 1 つのブロック(LAB: Logic Array Block)にまとめ、LAB間を接続する 配線領域が内蔵されている。EPM7032 Sには 2 個のLABが用意されている。 3 CPLD実習の導入過程と実践 (1) CPLD 学習セット 本研究を始めるにあたって、最初に取り 組んだものが、CQ出版社から発売してい た「VHDLで学ぶCPLD学習セット」 であった。 (2) 実習のためのハードウェア/ソフトウェア 実習として導入するに当たり、予算の面とソフトウェアの面から自作することにした。(学 習セットではライセンスの関係で VHDLでの論理設計ができない ) ア ハードウェア CPLD ダウンロードケーブル パソコンで設計した回 路をCPLDにダウンロ ー ド (EPM7032SLC44−10) す るためのケーブル (回路図はアルテラ社の Web ページ (http://www.altera.co.jp/) 制御対象 トグルSW:4 個、押ボタンSW:2 個、LED:4 個、 7セグメントLED(2 桁)、外部端子(クロック、クリア )、 ダウンロード用端子(TCK、TDI、TDO、TMS ) イ ソフトウェア 「QUARTUS Ⅱ Web Edition 」 MAX+PLUS II BASELINE からVHDLによる論理回路設 計実現のために変更した。この ソフトウェアは 無償で提供され ている。(アルテラ社) また、使用については MAX+PLUS II BASELINE か らの移行を想定しており、メニ ューが違和感なく利用できる。 4 おわりに ソフトウェアを「QUARTUSⅡ」に変更した ことでVHDLを利用した論理回路設計に対 応できた。まだ課題研究での利用にとどまっているが、実習での展開に組み込んでいきたい。
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