テーマ展 昭和 20 年の夏休み

昭和 20 年の夏休み
テーマ展
~ある少女の見た戦争~
会期:7 月 14 日(土)~9 月 2 日(日)
昭和 20 年(1945)8 月。ある架空の少女「和子」の夏休みの一日(朝目覚めてから 夜眠るまで)
を時系列で紹介します。
しゅっせい
私(和子)は国民学校の 6 年生。埼玉県北部の町に住んでいます。お父さんは出征していて、お兄さん
は飛行学校で勉強しています。今は夏休み中ですが、今日は登校日。戦争が激しくなってから、教室での授
きんろう ほ う し
業が少なくなって、屋外での勤労奉仕が多くなりました。
くうしゅう け い ほ う
食べ物は少なくなり、いつもお腹をすかせています。空襲警報が鳴ることも多くなり、夜もあまり眠れま
せん。でも、この戦争にはきっと勝つと信じています…
展示では、 戦争末期の学校と家庭生活に関わる資料を中心に、少女の
視点から見た戦争の実像を明らかにしていきます。
展示構成と主な展示資料
プロローグ-私の家族を紹介します-
きんろうどういん
私のお母さん・女学校のお姉さん・中学校のお兄さんの暮らしや、勤労動員の様子
などを紹介します。
◆主な展示資料:大日本国防婦人会関係資料/勤労動員姿の熊谷高等女学校生
徒(写真)/教練検定合格証明書/勤労動員鉢巻き
ほか
Ⅰおはよう。そして行ってきます
(1)夏休みがやってきた
(2)ラジオ体操で始まる朝
か
き しんしんたんれん き か ん
今は戦争中なので、
「夏休み」ではなく、
「夏季心身鍛練期間」といいます。た
だ休むのではなく、夏の間に勉強や運動、奉仕活動などを行って、心身を鍛えよ
うというものです。私も毎朝早起きして、家族や隣組の人たちと一緒にラジオ体
操をやっています。夏休みの宿題や、宿題帳も毎日計画的に進めています。
◆主な展示資料:「夏休みの友」・夏休みの
心得(埼玉県立文書館蔵)/真空管ラジオ(川
越市立博物館蔵)/ラジオ体操ポスター、チラ
シ、参加票(逓信総合博物館蔵)
ほか
Ⅱ国民学校で
(1)みんなおはよう
(2)戦地の兵隊さんは
今日は国民学校の登校日。妹と一緒に学校へ向かいます。学校では、奉安殿(教育勅語や、
天皇・皇后の写真が納めてある建物)に最敬礼してから教室に入ります。午前中は学校で飼
っているウサギやニワトリの世話をしました。
午後は戦地の兵隊さんに送る慰問袋を作ります。慰問
の作文を書きながら、出征しているお父さんや、飛行学
校のお兄さんの事を考えました。
◆主な展示資料:教育勅語奉納箱(前橋市総合教育プラ
ザ蔵) /ファイバー製ランドセル・愛国下敷き・慰問袋
(蕨市立歴史民俗資料館蔵)/出征兵士への作文/ク
レヨン画/戦地の父からの手紙/予科練制服 ほか
Ⅲただいま。そしてお手伝い
(1)遊びの中にも戦争が…
(2)お腹いっぱい食べたいな
学校から帰ったら、妹や弟の遊び相手をします。最近ではきれいな色の
おもちゃや、附録のついた雑誌などはなくなりましたが、非常時なのでぜい
たくは言いません。
今日の夕ご飯は、配給の野菜を入れたすいとんです。白いご飯や、甘い
お菓子はもうずいぶん食べていませんが、空襲で家や家族をなくした人の
ことを思うと、こうして家族で食卓を囲めるのは、とても幸せなことだと思います。
◆主な展示資料:雑誌「コクミン一年生」「良い子の友」/子どもの着物/戦闘機柄の茶碗/配給関係資料/
木製パン焼き器/防衛食容器/すいとん・いもがゆ複製
ほか
Ⅳ最後の空襲
真夜中の警報で目が覚めました。空襲です。
◆主な展示資料:灯火管制関係資料/敵機軍管区地区侵入経路参考要図/空
襲後の熊谷(写真)
ほか
エピローグ-新しい明日-
空襲から一夜明けた昭和 20 年(1945)8 月 15 日、戦争は終わりました。
これからどうなるのか心配ですが、明日からは新しい未来が始まります。
◆主な展示資料:作文「終戦」/学生日誌/墨塗り教科書/埼玉メガホン画報
ほか
関連イベント
◎戦時中の体験を聞く会(定員 150 名:先着順)
戦争を体験された方の貴重なお話を伺い、戦争と平和について考える催しです。
◆8 月 12 日(日)13:30~
語り手:内山美恵子さん(吉見町)
演 目:
「戦時中の子どもたち」
◎映画会(各定員 150 名:先着順)
◆7 月 21 日(土)13:30~「チョッちゃん物語」
◆7 月 28 日(土)13:30~「異国の丘」
◆8 月 11 日(土)13:30~「ラストゲーム・最後の早慶戦」