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6 活動を豊かにするポイント
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「競争」でなく
「協力」を
楽しいゲームの落とし穴
子どもたちは「ちゃんと英語を聞こう、
話そう」ではなく「勝つためにどうするか」
「早
く仕上げるにはどうするか」に集中してしまいます。これでは何の力を育てているのか
わかりません。
勝敗やごほうびのためや、楽しいからだけではなく、活動自体を「やってみたい」
●よりよい
外国語活動に
するための
55項目
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「手を頭の上に置いて! 先生が好きな果物を英語で言いますから、カードを取っ
てください。 何枚取れるかがんばってみましょう。Are you ready? No.1. I like
と思えるような内容にする工夫が必要です。競争だけでなく協力させることや、聞き
取ることができたり、伝えることができたりすることで「達成感」を与えるような活動が
できれば、さらなる学習の動機づけとなるはずです。
クラスの規律がきちんとできていない場合、ゲームによって教室が無法地帯となる
strawberries.」
子どもたちの大好きなカルタ取りゲームです。カードを取りたい児童は積極的
こともあります。ルールを守ることもできない状態では、効果も期待できません。何の
にゲームに取り組みます。その点では、動機づけとしてこのようなゲームを用いる
目的でその活動を行うのか、その目的をちゃんと果たせる環境や条件が整っている
ことには意義があると言えそうです。ただし、英語の力だけで勝負がついてしまう
のかをチェックする必要があるのです。
●改善方法など
具体的な
アドバイス
活動であれば、たいていの場合、勝つ児童と負ける児童がいつも決まってしまい
●著者が
目にした
授業の
実例など
左に挙げたような活動でも、
「しっかり発話を聞いて、すばやく
ます。
さらに悪いことに、頭の上に手を置いていると、振り下ろした手が友達の手を叩
いてしまったり、カードを取る際に友達の手を引っかいてしまったりすることもありま
こうし て
みませんか
きるでしょう。これなら誰も痛い思いをすることなく、カードの取り合いも起こりません。
先に取った」
「○○にぶたれた」と、グループの雰囲気も険悪に。班が 7 つも 8
あるいは、各自の手元に絵が描かれたワークシートを置かせて、先生の発話を
つもあれば、先生の目は細部まで届きません。全体的には楽しそうに盛り上がって
聞いて指で指し、
“Here.”
(あった)と言わせるような、ひとりで行う活動もできます。
いますから、このような授業が一見成功しているように見えるのも怖いところです。
椅子取りゲームなども同様です。空いた椅子に何人もの子どもが突進するよう
な活動は危険です。グループ対抗で、答えがわかった子どもがカードを取りに黒
常にゲームや競争にするのでなく、
友達と協力して進めるような「共同(協働)学習」
〈アクティビティ例〉●協力リスニングゲーム(p.128)
関連ページ ⇒ p. 128、p. 210
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子どもたちはゲームが好きです。ポイントを与えて競争を行うと、
考 え て
みましょう
活動への集中力は確かに上がり、盛り上がりのある楽しい授業
になっているようにも見えます。しかし、勝負が目的になると、とん
でもない落とし穴に陥ってしまいます。
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●理解が
深まる
関連ページ
の視点をぜひ持ってみてください。
板にダッシュして、ぶつかり合うような活動も見られます。
●上記に
ついての解説
を達成することもできるはずです。カルタなら、
「カードを取る」ので
はなく、
「指先をそのカードの上にそっと置く」ルールにすることがで
す。痛い思いをした子や、あまりカードが取れない子は、早々にあきらめて参加し
なくなったり、友達の手を叩くことをおもしろがったりする子まで出てきます。
「俺が
反応する」ことは確かに起こるわけですが、別の方法で同じ目的
ここが
同じ目的でも、さまざまな方法があります。いつも競争・
●このページで
押さえて
おきたい
ポイント
ポイント
勝負だけを動機づけにするのはやめましょう。
ペア、グループで協力、助け合いの起こる活動をしてみ
ましょう。
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付録
授業をふりかえる
省察のためのチェックリスト
よりよい授業のために、
以下の項目を定期的にチェックして、授業をふりかえってみましょう。
十分でないところは何度も読み返し、理解を深めてください。
[(校内)研修での使い方]
本チェックリストを用いて、参加者が自身の取り組みや意識について
チェックすることで、現状における問題や課題をはっきりさせることが
できます。その上で研修に取り組んでみましょう。
序章 外国語活動で育てる力 ─目的と理念 ─
□ 週1回で英語の力をつけようと思っていませんか。
□ 全人教育として外国語活動を考えていますか。
□ 態度・価値観を育てることを大切にしていますか。
□ 早い完成をめざす必要はないことを理解していますか。
1章 「ことばの教育」であるために
□ 子どもが安心して授業を受けられる教室になっていますか。
□ 子どもが理解できるような英語を使っていますか。
□ 日本語を上手に活用していますか。
□ 不自然なテンションで授業をしていませんか。
□ 大きな声よりも、
場に応じた適切な声の指導をしていますか。
□ 先生自身がコミュニケーションのお手本になっていますか。
□ 早さを競わせて、
発話がいいかげんになっていませんか。
□ 自己紹介やあいさつは、
ゆっくり、
はっきり行うよう指導していますか。
□ 子どもの発話を受け止めリアクションを返していますか。
□ 楽しくて盛り上がるだけの授業で満足していませんか。
□ じっくり聞いて取り組む活動はありますか。
2章 発音はとっても難しい
□ 発音をきちんと教えなくてはいけないと思っていませんか。
□ よく聞いてまねしようとする態度を育てていますか。
□ ネイティブ・スピーカーの発音をめざさなくてはと思っていませんか。
□ 文全体のイントネーションに気をつけて指導をしていますか。
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