環 境 に 配 慮 し た 空 港 を め ざ し て

こ こ ろ と き め く エ ア シ ティ
環
境
に
配
慮
し
た
空
港
を
め
ざ
し
て
セントレアは、
「愛・地球博」の空の玄関です。
セントレアオリジナルキャラクター
c
o
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t
e
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ごあいさつ
1. セントレアの概要 ・・・・・・・・・・・・・・・・・1
2. セントレアと環境
2-1
事業活動と環境影響 ・・・・・・・・・・・・・3
2-2
環境アセスメント ・・・・・・・・・・・・・・4
2-3 ISO14001 認証取得 ・・・・・・・・・・・・5
3. 環境への配慮
3-1
基本構想段階における取組 ・・・・・・・・・・7
1)海域環境
2)航空機騒音
3-2
施設設計段階における取組 ・・・・・・・・・・8
1)航空機騒音
2)大気質・温室効果ガス
3)水質・水温
4)廃棄物
5)生態系
6)景観
7)グリーン調達
3-3
建設工事段階における取組 ・・・・・・・・・13
1)工事全般
2)輸送仮設計画
3)建設機械等の運転
4)用地造成工事
5)空港施設建設工事
3-4
オフィス業務における取組 ・・・・・・・・・17
3-5
環境マネジメントシステムに関する取組 ・・・18
4. 環境モニタリング
4-1
環境モニタリングに関する取組 ・・・・・・・19
4-2
環境の現況 ・・・・・・・・・・・・・・・・21
5. コミュニケーション・社会貢献活動 ・・・・・・・・26
あとがき
資 料
Centrair Green-Report 2004 は、主に 2004 年 3 月までの中部国際空港株式会社
本社、建設事務所、東京事務所での活動内容を記載しています。但し、環境の現況は
2002 年度の環境監視結果に基づいています。
◇本レポートに対するご意見、ご質問は、下記で承っています。
添付のアンケートにより、皆様のご意見をお寄せください。
中部国際空港株式会社 総務部環境室 Tel.0569-38-7838(ダイヤルイン)
Fax.0569-38-7844
Centrair
Green-Report 2004
ごあいさつ
地球温暖化やエネルギー問題、森林の減少など地球規模の環境問題にわたしたち人類
は直面しています。これら環境問題は 21 世紀の人類がその英知を結集して対応すべき
最大の課題の一つであり、これまでの大量生産、大量消費、大量廃棄のシステムを見直
し、持続的発展が可能な循環型社会への転換が求められています。
中部国際空港株式会社は、2005 年 2 月 17 日の開港を目指し、愛知県常滑市沖(伊
勢湾海上)に 24 時間利用が可能なセントレア※(中部国際空港)の建設を進めています。
当社は「環境への配慮」を基本理念の1つとして掲げ、21 世紀の循環型社会の実現に
向けその役割を果たすべく、空港施設の基本構想から計画、設計、施工に至るさまざま
な段階で環境に配慮した取り組みを行っています。また、日本の空港設置管理者として
初めて 2000 年 12 月に取得した環境マネジメントシステムの国際規格ISO 14001
の認証を 2003 年 12 月に更新し、今後は空港施設の施工段階はもとより開港後におい
ても、継続的に環境配慮に努めてまいります。
現在、空港島では、開港に向けて空港施設の建設工事が順調に進んでいます。2004
年 3 月には滑走路やエプロンが概成し、開港を間近に控え建設工事はいよいよ最終段階
に入ってまいりました。これまで、環境に配慮した工事やパーク&ライドによる作業員
のバス通勤などを実施してまいりましたが、引き続き環境負荷の低減に取り組み、セン
トレアの開港を万全の体制で迎えたいと考えております。
最後に本レポートをご覧になり、当社が実施するさまざまな環境配慮への取り組みに
ついてご理解いただくとともに、当社の環境活動に対する忌憚のないご意見をお寄せい
ただければ幸いです。
2004 年 7 月
中部国際空港株式会社
代表取締役社長
※セントレア(Centrair)
中部国際空港の愛称です。
日本の中心(Central Japan= 中部)にある
空港(Airport)という意味を込めています。
1. セントレアの概要
セントレアは、2005 年の開港を目指し、愛知県
常滑市沖(伊勢湾海上)に建設を進めています。
21 世紀の中部圏における航空需要の増大に対応
するため、24 時間利用が可能な空港として、国際
線・国内線の機能を併せ持つ基幹空港の役割を担い
ます。
会
社
概
●位置図
要
2004 年 4 月 1 日現在
会社名
中部国際空港株式会社 (Central Japan International Airport Company, Ltd.)
本社 名古屋市中村区那古野 1-47-1
名古屋国際センタービル 11 F
TEL 052-533-7777(代)
建設事務所 愛知県常滑市新開町 6-1-10
TEL 0569-36-0010(代)
東京事務所 東京都港区虎ノ門 3-20-4 虎ノ門鈴木ビル
TEL 03-5425-2711(代)
※本社については、10 月に常滑沖の空港
島内に移転予定
設立日
1998 年 5 月 1 日
1998 年 7 月 1 日、中部国際空港の
事業主体として国の指定会社となる。
資本金
836 億 6,800 万円
(設立時: 3 億 2,200 万円)
主な出資者 国、岐阜県、愛知県、三重県、名古屋市、
民間企業・団体等
主な事業内容 1.中部国際空港及び航空保安施設の設置
及び管理
2.旅客及び貨物の取扱施設等の機能施設、
店舗等の利便施設の建設及び管理
3.上記に付帯する事業
空港計画 建設地
愛知県常滑市沖合
敷地面積 約 470ha
滑走路長及び本数 3,500m 1 本
従業員数 371 名(役員を含む)
(
年度
地管
区理
2001
1.セントレアの概要
着工
2002
2003
2004
用地
地域
開
発
地タ旅
区ー客
ミ
ナ
ル
整
備
地
区
給
油
地
区
第Ⅰ期計画
約1.9km
約2.2km
将来構想
●空港計画
滑走路長
本数
敷地面積
第1期計画 3,500m 1本 約470ha
将 来 構 想 4,000m 2本 約700ha
●航空輸送需要
航空旅客
(万人/年)
航空貨物
(万トン/年)
【参 考】
国際
国内
離着陸回数
(万回/年)
800 1,200
43
8
約13
将 来 構 想 1,000 1,500
53
10
約16
国際
護岸概成
空港施設
建設工事
1
︹
離
滑 着
走 陸
路 地
域
︺
)
2000
着工
埋空
立港
造島
成地
事域
業開
発
用
地
貨
物
地
区
●空港建設計画
用地造成
工事
建中
設部
事国
業際
空
港
●計画図
約4.8km
約4.3km
所在地
第1期計画
国内
用地概成
開港
(2005年2月17日)
★
将来構想については 1998.3 の「中部国際空港の計画案(最終まとめ)
」による。
■組 織 図
(2004年4月1日現在)
会 長
総 務 部
社 長
経 理 部
副 社 長
常務取締役
(事務総括、経理部、調達部、開港準備調整室担当)
調 達 部
経営企画部
取 締 役
(経営企画部担当)
営 業 部
取 締 役
(施設部、建設部、建設事務所、開港準備調整室担当)
調 整 部
施 設 部
取 締 役
(営業部担当)
建 設 部
取 締 役
(総務部、調整部、東京事務所担当)
建設事務所
参 与
東京事務所
監 査 役
(常勤3名、非常勤1名)
開港準備調整室
内部監査室
1.世界の最新技術と知識を結集し、21 世紀にふさわしい、利便性・
経済性に優れた競争力のある国際ハブ空港づくりに努める。
2.「お客様第一」を旨とし、魅力あるサービスの提供を通じて 21 世
紀の国内外の航空ネットワーク発展に寄与する。
基本理念
3.地域に根づいた企業として、環境への配慮に努め、豊かな地域社会
づくりに貢献する。
4.「オープンでフェアー」を企業行動の基本とし、社会から信頼され
る企業市民となる。
5.効率的な事業運営に努め、健全経営を実現する。
6.人材育成に努め、自由闊達で風通しの良い企業風土を確立し、企業
活力を最大限に発揮する。
1.セントレアの概要
2
2. セントレアと環境
■ 2-1 事業活動と環境影響
空港事業はその建設から開港後の運営に至るさま
ざまな段階で、地域社会に何らかの環境影響を与え
ることが予想されます。
例えば、用地造成段階では、埋立による海域への
濁り等水質の変化、土砂調達先における自然環境の
変化等が、空港施設建設段階では、建設機械による
大気汚染物質の排出や資材の使用に伴う廃棄物の発
生等が、空港運営段階では、施設内での廃棄物の発
生、航空機による騒音や電波障害の発生、バードス
トライクの発生(鳥類と航空機との衝突)等が考え
られます。
さらに、地球規模の環境問題として、航空機や
GSE 車両(地上支援機材)等の空港関連車両によ
る温室効果ガスの発生も考えられます。
当社は、これらのさまざまな影響を事業の着手前
に予測し、環境影響の回避・低減に関する評価を行
うため、環境アセスメントを実施しました。また、
この環境アセスメントの中で記載した環境保全対策
や環境モニタリングを確実に実行に移すため、環境
マネジメントシステムの運用等を通じて、その進捗
状況を管理しています。
●セントレアの事業活動と主な環境影響
・大気汚染
・騒音
・温室効果ガス
・大気汚染
・水質汚濁
・騒 音
・悪 臭
・廃棄物
・生態系
・温室効果ガス
・資源の消費
・大気汚染
・騒音
・廃棄物
・温室効果ガス
・資源の消費
・水質汚濁
・廃棄物
・景観
・エネルギー消費
3
2.セントレアと環境
・大気汚染
・騒音
・温室効果ガス
・エネルギー消費
・大気汚染
・航空機騒音
・生態系
(バードストライク)
・電波障害
・温室効果ガス
■ 2-2 環境アセスメント
セントレアの建設に伴う環境アセ
スメントの手続は、「運輸省所管の大
規模事業に係る環境影響評価実施要
領 」( 昭 和 6 0 年 4 月 2 6 日 運 環 第
25 号運輸大臣通達)、「建設省所管事
業に係る環境影響評価実施要綱」(昭
和 60 年 4 月 1 日建設省経環発第 10
号建設事務次官通知)及び「愛知県
環境影響評価要綱」(昭和 61 年 3 月
31 日愛知県告示第 360 号)に基づ
いて実施しました。
環境影響評価項目の選定や予測・
評価の実施にあたっては、1997 年
6 月 13 日に公布された「環境影響評
価法」(平成 9 年法律第 81 号)の趣
旨を踏まえています。
また、環境影響評価は、隣接する
愛知県企業庁の「空港島地域開発用
地埋立造成事業」と併せて一体的に
実施しました。
●環境アセスメントの手続
基本構想段階に
おける環境配慮
事 業 計 画
地域概況の把握
環境影響要因の抽出
調査・予測及び評価を
行う環境要素の設定
環境影響評価方法書(1998.6)
知事、住民等の意見
環境影響評価の項目及び
調査等の手法の決定
調査・予測
環境保全対策
環境保全の基準
又は目標等
評 価
環境への負荷の
さらなる低減対策
環境影響評価準備書(1998.12)
知事、住民等の意見
環境影響評価書(1999.6)
●影響要因と環境要素の関係
影響要因の区分
環境要素の区分
細 区 分
大 気 質
大気環境
環境の自然的構
成要素の良好な
状態の保持
騒 音
振 動
悪 臭
水 環 境
水 質
底 質
地形・地質
二酸化硫黄
二酸化窒素
一酸化炭素
浮遊粒子状物質
炭化水素
光化学オキシダント
粉じん
建設作業騒音
道路交通騒音
航空機騒音(低周波音を含む)
道路交通振動
水の汚れ(COD,T-N,T-P)
水の濁り(SS)
水素イオン濃度
水温
海浜地形
水生生物(海域生物)
陸生生物
生 態 系
地域を特徴づける生態系
主要な眺望点及び景観資源並びに主要な
人と自然との
景 観
眺望景観
豊かな触れ合い
の確保
人と自然との触れ合いの活動の場 主要な人と自然との触れ合いの活動の場
廃棄物等
環境への負荷
温室効果ガス等
土壌環境その他
生物の多様性の
確保及び自然環
境の体系的保全
動物・植物
工 事
存在・供用
護
埋
岸
立
工
工
事
事
施
設
建
設
工
事
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
の用施
設
搬資建
出機設
工
入材事
護
岸
・
埋
立
・
の空
港
存島
・
施
在設
航
空
機
の
運
航
の空
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
供
港
施
用設
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○
○印は影響要因(細区分)が環境要素(細区分)に影響を及ぼすと考えられるものを示します。
2.セントレアと環境
4
■ 2-3 ISO14001 認証取得
2000 年 12 月、株式会社日本環境認証機構(J
ACO)から環境マネジメントシステム(EMS)
の国際規格であるISO 14001 の認証を取得し、
2003 年 12 月に更新しました。
この認証は、本社、建設事務所及び東京事務所の
全事業所を対象とし、用地造成工事から空港施設建
設工事までの空港建設事業について、施工・設計・
オフィスの 3 部門で構成されています。
EMSは、ISO 14001 で要求されているトッ
プマネジメント(経営層による環境基本方針の誓約)
とPDCAサイクルによる継続的改善を基本に構築
しています。
特に建設工事を進めるにあたり、当社は施設の計
画・調査・設計及び工事の発注・施工管理を行い、
実際の建設工事は工事請負者が行うことから、施工
部門では工事に伴う環境負荷を確実に低減するた
め、工事請負者に対し、
・環境管理計画書の作成
・作業員への環境教育
・環境管理計画書に基づく活動の実施
・建設現場での環境パトロール
等の環境活動への協力を依頼しています。これらの
結果は定期的に報告を受け、工事請負者の環境活動
も含めて管理しています。
●EMS推進体制
代表取締役社長
環境委員会
総
務
部
経
理
部
調
達
部
環境管理責任者
経
営
企
画
部
営
業
部
調
整
部
施
設
部
環境監査チーム
建
設
部
オフィス部門活動範囲
設計部門活動範囲
建
設
事
務
所
東
京
事
務
所
工
事
請
負
者
施工部門活動範囲
●主な環境目的及び目標
部 門
オフィス部門
設 計 部 門
施 工 部 門
環 境 目 的
環 境 目 標
オフィス業務の省資源
・OA用紙1人あたり使用量を前年度実績を基準に5%以上削減する。
・OA機器への再生紙使用率、OA用紙の裏紙利用率を100%とする。
・廃棄物の分別を行う。
オフィス業務の省エネルギー
・使用電力を把握するとともに、電気機器の適正な利用を行う。
省エネルギー
・
(建物の熱負荷の低減、自然エネルギーの利用、設備システムの効率向上等を図る設計を行う。)
環境負荷の低減
・
(オゾン層破壊や地球温暖化等の地球環境負荷の低減を図る設計を行う。)
・
(水質系への環境負荷の低減を図る設計を行う。)
廃棄物の発生抑制及び再資源化の推進
・
(廃棄物の発生抑制及び適正処理、再資源化を推進する設計を行う。)
大気汚染物質及び
水質汚濁物質の排出抑制
・生活環境及び自然環境に係る環境保全目標の達成と維持に支障を及ぼさない。
・
(SSは護岸法線から1km地点でバックグラウンド値+2ppm以下とする。)
・
(pHは周辺海域での上昇を抑制する。)
地球温暖化の防止
・建設機械、工事関係車両の適切な運転によりCO2の排出量を削減する。
・施工可能な範囲で環境配慮型セメントとして高炉セメントの使用に努める。
建設副産物の発生抑制及び
再資源化の促進
・建設副産物の分別を徹底するとともに適正に処理する。
・木製型枠の使用抑制に努める。
・
(用地造成工事では、浚渫土砂及び公共残土を利用する。)
環境目標欄の( )書きの目標は、達成済み。
5
2.セントレアと環境
●PDCAサイクルによる継続的改善
・環境側面
・法的その他の要求事項
・目的及び目標
・環境マネジメントプログラム
・体制及び責任 ・訓練、自覚及び能力
・コミュニケーション・環境マネジメントシステム文書
・文書管理 ・運用管理
・緊急事態への準備及び対応
事業活動の内容から環境側面(環境に影響を及
ぼす原因)を抽出し、その環境影響を定量的に評
価しています。著しい環境側面や法的その他の要
求事項等については、環境方針を踏まえ、環境目的、
目標の設定とそれらを達成するためのプログラム
(2000∼2005年度)
の策定を行っています。
各年度末には、当該年
度の経営層による達成度
評価を基に、翌年度の年
間目標や行動計画をより
具体的に策定し、環境活
動の継続的な改善に努め
ています。
EMSの運用は、マニュアルや各要領により実施して
います。これらの文書は、業務の進捗状況に応じて、
適宜見直し、常に最適な状態を維持しています。
経営層による見直しは、
社長を委員長とする環境
委員会を開催し、年度末
及び必要な都度、実施し
ています。
また、環境委員会の下
部組織としてEMS部会、
工事施工部会、施設計画
部会を設置しています。
EMSの運用実績は、
社内LANを通じて記録
を閲覧し、全社の活動結
果を適宜確認することが
可能です。
内部環境監査は、年に
2回、本社、建設事務所、
東京事務所の他建設現場
や工事請負者の事務所も
対象として実施していま
す。その結果は、社長に
報告され、経営層による
見直しの重要な資料とな
ります。
また、外部環境監査として、年1回、審査機関
により審査を受けています。
環境委員会
工事施工部会
EMS部会
施設計画部会
環境マネジメント
マニュアル
環境影響評価要領
環境教育訓練要領
オフィス管理実施要領
工事請負者の環境活動実施要領
等
・監視及び測定
・不適合並びに是正処置及び予防処置
・記録
・環境マネジメントシステム監査
2.セントレアと環境
6
3. 環境への配慮
■ 3-1 基本構想段階における取組
1) 海域環境
空港島の位置及び形状は、海域環境に配慮してい
ます。
●空港島と海水の流れの関係
対策③
対策①:空 港 島 と 対 岸 部 と の 最 小 海 域 幅 を 約
1.1km 確保することにより、常滑沖の南
下流を妨げないようにしています。
対策②:空港島の形状に曲線を取り入れ、対岸部と
の海域幅を拡大することにより、流速低下
範囲・停滞域の発生を縮小しています。
対策②
空港島
常滑
対策③:空港島の隅角部を曲線とすることにより、
渦の発生を抑えています。
2) 航空機騒音
空港を海上に立地することにより、航空機騒音に
係る環境基準を超える地域は、予測計算ですべて海
域に収まっています。
さらに、陸域への航空機騒音を低減するため、滑
走路の位置を 1997 年の「中部圏における新たな
拠 点 空 港 に 関 す る 計 画 案 ( 中 間 ま と め )」 か ら
100m 沖出ししました。
また、離陸機の沖側への経路偏針の起点となる
VOR/DME(方位・距離情報提供施設)を滑走路
西側に設置することにより、離陸経路と陸域との距
離をさらに確保する飛行経路を設定しました。
●航空機騒音に係る環境基準
(単位:WECPNL)
地域の類型
基準値
Ⅰ
70以下
Ⅱ
75以下
Ⅰ:専ら住居の用に供される地域
Ⅱ:Ⅰ以外の地域であって通常の生活を保全する必要がある
地域
WECPNLとは、生活環境において、航空機騒音のうるささ
の程度を表す尺度で、通称うるささ指数と呼ばれています。
7
3.環境への配慮
対岸部
対策①
●航空機騒音の予測結果
■ 3-2 施設設計段階における取組
1) 航空機騒音
周辺沿岸陸域への航空機騒音の影響をできるだけ
低減するため、海上を有効に活用した飛行経路の運
用、また深夜及び早朝の時間帯においては、航空機
騒音低減のための運用方法の導入等を図るほか、低
騒音型機材の導入 ※ を関係機関に要請していきま
す。
また、開港後は航空機騒音や飛行経路を監視し、
その結果を公開するシステムの導入を検討してい
ます。
※航空機の騒音基準は、国際民間航空機関(ICAO)で定められ
ています。ICAO では、2002 年度以降、chapter3 レベルの
航空機のみ運航が可能です。さらに騒音レベルを低減する基準
の導入を検討中です。
2) 大気質・温室効果ガス
コジェネレーションシステムの導入
空港施設には、4,740kW のガスタービン発電機
を使用したコジェネレーションシステム※による地域
冷暖房システムを導入し、旅客ターミナルビル、空
港管理棟、貨物施設等に電気及び熱の供給を行い
ます。
また、大気汚染物質や温室効果ガスの排出量削減
に配慮し、燃料は天然ガスを使用するとともに、熱
源としての海水ヒートポンプの導入やガスタービン、
ボイラーの低 NOX 化対策を図ります(中部国際空港
エネルギー供給株式会社が運営)
。
新エネルギーの導入
クリーンな自然エネルギーを有効活用するために、
太陽光発電システムを設置します。旅客ターミナル
ビル(PTB)のセンターピア屋上に太陽光発電パネ
ルを 1,440 枚(計約 2,000m 2、出力約 240kW)
を設置し、発電した電気は固定式 GPU の電力の一
部として利用します。
●太陽光発電パネル(PTB センターピア屋上)
※発電機を運転し電気を発生するとともに、廃熱を回収して給湯
や空調に利用する高効率なエネルギーシステムです。
GPUの設置
航空機に装備されている APU(補助動力装置)は、
駐機中の航空機の電力や空調等の補助動力として利
用されますが、エンジンの稼動による排気ガスや騒
音が発生します。これに代わるものとして、より環
境負荷の少ない電力による固定式 GPU(地上動力
施設)を 27 のスポットに設置します。
また、航空会社に対して APU の使用を抑制し
GPU の利用を図るよう要請していきます。
3.環境への配慮
8
ハイドラント方式の導入
航空機燃料給油施設として、ハイドラント方式 ※
を導入し、空港内を走行するレフュラー(給油タン
ク車)を削減していきます。
※レフュラーを使わずに、地下埋設配管により、エプロン(駐機
場)地区まで航空機燃料を届ける給油方式です。
建物の省エネルギー対策
旅客ターミナルビルでは、省エネルギー対策に配
慮した空間を提供していきます。
・建物自体の断熱化設計
・高効率で合理的な空調システムの採用
・自然採光の積極的な導入 ・インバータ照明等省エネ機器の採用
・エレベーター等輸送施設の合理的な配置
利便性に優れた貨物ターミナル
貨物地区では、貨物機専用スポットとエアライン
上屋を近接して配置したり、国際貨物エリアと国内
貨物エリアを隣接して配置する等、貨物取扱のリー
ドタイム短縮を図っています。
また、道路は南向き 3 車線一方通行とし、エアラ
イン上屋やフォワーダー上屋の前にはフォークリフ
ト専用動線を、国際エアライン上屋前面にはトラッ
ク待機場を設け、停滞や渋滞のない物流を目指して
います。
●貨物地区イメージ
低公害車の導入
空港では、航空機牽引車等の GSE 車両(地上支
援機材)や業務連絡用車両等、さまざまな車両が走
行します。これらの車両を対象に空港関連事業者の
協力を得て、「セントレア低公害車導入計画」を策
定し、低公害車の導入を推進していきます。
また、空港島内に電気自動車用充電施設や天然ガ
ス充填施設を設置し、低公害車の利便性の向上を図
ります。
さらに、駐車場利用に際しての低公害車優遇措置
も検討していきます。
アイドリングストップ運動の啓発
旅客ターミナルビルの乗降場、バス・タクシーの
待機場、貨物地区等の駐停車車両に対し、アイドリ
ングストップ運動の協力を要請していきます。
空港アクセスの利便性向上
公共交通機関によるアクセス利便性を向上するこ
とにより、空港利用者の公共交通機関の利用促進を
図っていきます。
鉄道駅、バス・タクシー乗降場等は、アクセスプ
ラザで旅客ターミナルビル(PTB)と連絡していま
す。アクセスプラザは PTB3 階(出発フロア)と 2
階(到着フロア)の中間レベルに位置し、緩やかな
スロープと動く歩道でやさしく結ばれ、交通や観光
等の情報を提供して利用者の利便性を高めていま
す。
自動車道
東海環状
④
⑤
北
陸
自
動
北
車
陸
道
本
岐阜
大垣
線
⑥
本線
中央
名神高速道路
犬
名鉄
山線
名古屋空港
愛
知
環
状
鉄
道
名古屋
2005
2005年日本国際博覧会
本国際博覧会
桑名
①国内エアライン上屋
②国内フォワーダー上屋
③貨物事務棟
④燻蒸施設
⑤第 1 国際エアライン上屋 ⑥第 2 国際エアライン上屋
東
名
阪
自
動 四日市
第二名神高速道路 車
道
名古屋
環状2号線
西
知
多
道
路
近
鉄
名
古
屋
線
船
高速
関西本線
知
多
名 半
鉄 島
道
常
滑路
線
岡崎
名
鉄
河
和
線
9
3.環境への配慮
東海道新幹線
鉄
名
古
第二東名高速道路
屋
本
線
東名高速道路
東海道本線
豊橋
三河湾
伊勢湾
松阪
豊田
名
津
伊
勢
自
動
車
道
多治見
一宮
一
宮
西
港
道
路
中津川
中
央
自
動
車
道
●空港アクセス計画図
② ①
③
浜名湖
浜松
フ 空空知
ェ
リ 港港多
ー 連連横
絡絡断
道鉄道
路道路
鳥羽港
鳥羽
凡例
幹線
道路
供用中
事業中
計画中
J
R
私
鉄
海上アクセス(事業中)
海上アクセス(検討中)
また、マイカー利用に関しては、空港アクセス道
路に、VICS(道路交通情報システム)や ETC(ノ
ンストップ自動料金支払いシステム)などの ITS
(高度道路交通システム)を導入し円滑・安全な道路
交通の実現を目指して進められています。
空港アクセスについては、当社のホームページ※に
各地からの経路や時間等を紹介する“あなたのまち
からセントレア”を開設しています。
※ URL:http://www.centrair.jp
●環境に配慮した空港施設
PTB地区
コジェネレーションシステムによる
地域冷暖房システムの導入
● 建物の断熱化設計
●高効率で合理的な空調システムの採用
● 自然採光の導入
●
省エネ機器の採用
エレベーター等の合理的な配置
● 中水・雨水の利用
● 光触媒ガラスの採用
●
●
アクセスプラザ
PTB本館
北ウイング
●
南ウイング
太陽光発電パネルの設置
センターピア
エプロン地区
●
●
GPUの設置
ハイドラント方式による給油
3) 水質・水温
水資源の有効利用
旅客ターミナルビル等の建物では、厨房排水等を
高度処理することにより中水を製造し、トイレの洗
浄水等に再利用します。また、雨水の一部を貯留し、
植栽等の散水に利用します。
温冷排水対策
海水ヒートポンプの利用にあたっては、排水と海
洋との水温差をできるだけ小さくするため、下層部
から水温の低い海水を取水、利用することにより、
表層水に対する温排水の温度差を小さくします。
下水処理
汚水は空港島全域に汚水管を整備し、対岸部の常
滑市浄化センターで高度処理します。
3.環境への配慮
10
4) 廃棄物
循環型社会にふさわしい空港づくりを目指し、空
港設置管理者の立場から、空港島の関連事業者に対
し、廃棄物の適正な処理の実施が確保されるよう、
廃棄物処理に関する講習会等を開催し、協力を要請
していきます。
空港施設内で発生する一般廃棄物については、リ
サイクルセンターを設置し、ごみの収集・分別、炭
化施設による減容化、機内取り卸しごみの分別等を
行い、排出抑制や資源化に努めていきます。
産業廃棄物については、排出事業者自らの責任に
おいて、排出抑制や有効利用に努め、適正な処理を
するよう要請していきます。
5) 生態系
藻場造成
海域生物の新たな生育環境を創造するため、空港
島西側及び南側護岸延長約 6.5km に幅 10m の小段
を有する自然石を使用した傾斜堤護岸を採用し、岩
礁性藻類の生育基盤を造成しています。
さらに、学識経験者で構成する「藻場造成検討委
員会」を設置し、生育基盤上に人工的に藻類を移植
することにより藻類の生育を促進する藻場造成事業
に取り組んでいます。
これまでに、アラメ、カジメといった海藻を南側
護岸の一部や西側護岸で移植しました。
傾斜堤護岸や造成された藻場には、アオリイカの
卵やメバル、クロダイ、サザエなどさまざまな魚介
類が確認されています。
●海藻(カジメ)
●アオリイカの卵
●環境に配慮した護岸構造
●護岸に集まる魚たち
11
3.環境への配慮
バードストライク対策
航空機の運航に伴う航空機と鳥類の衝突(バード
ストライク)の防止は、航空機の安全運航に対する
重要な課題です。
バードストライク対策については、他空港の事例
を参考に、鳥類を誘引しない忌避対策や緑化方法の
対策、また航空機に対し渡りの情報を管制情報とし
て提供する仕組みづくりやバードパトロール ※を実
施します。
※要員が鳥類の忌避防除機器を携帯して空港内を巡回し、忌避音
の放音、駆除用煙火、鉄砲等により、空港への鳥類の飛来を防
止する方法です。
6) 景 観
空港用地の緑化については、全面積の約 35 %を
緑地として整備しています。緑化にあたっては、事
前に実施した空港島での植生モニタリングの結果に
基づき、海上空港に適した植栽を選定しています。
●滑走路付近に整備された緑地
なお、空港施設や関連施設等の設計に際しては、
施設の形状や色彩、緑化方法等の検討を行い、周辺
環境との調和に留意した景観配慮を行っています。
●緑化等による景観への配慮(空港管理棟東側)
7) グリーン調達
空港施設で使用する物品等については、エコマー
ク商品等環境に配慮した製品を利用するよう努めて
います。
2001 年 4 月から本格的に施行された「国等によ
る環境物品等の推進等に関する法律」(グリーン購
入法)について、事業者としての一般的な責務を踏
まえ、当社の「グリーン調達ガイドライン」を定め
運用しています。
3.環境への配慮
12
■ 3-3 建設工事段階における取組
1) 工事全般
建設工事にあたっては、関係法令等を遵守するこ
とはもとより、工事請負者等と連携して、環境にや
さしい工法や資機材の使用を推進する等の環境配慮
に取り組んでいます。
また、工事で発生する建設副産物は、可能な限り
再資源化を行うとともに、作業員等による一般廃棄
物は、発生抑制、分別徹底、再資源化に努めていま
す。
2) 輸送仮設計画
大量の人員、資機材等の輸送にあたっては、周辺
陸域への環境負荷低減に努めています。
①建設資材の輸送は、フェリーバージ等による海上
輸送を原則としています。
②作業員の自動車による通勤は、相乗りを励行する
とともに、周辺地域に陸上中継基地を分散設置し、
そこでバスに乗り換えるパーク&ライドを原則と
しています。
③作業員の通勤時間の集中を避け、平準化を図ってい
ます。
●輸送仮設計画
名古屋港南5区海上輸送基地
作業員通勤バス
●陸上中継基地
●海上輸送基地
空港島内バス停留所
13
3.環境への配慮
3) 建設機械等の運転
排出ガス対策型建設機械や低騒音型建設機械の使
用を推進しています。また、建設機械の効率的な使
用計画により、使用台数の削減に努めています。
車両や建設機械等の運転手に対しては、アイドリ
ングストップや過積載の防止、車両の整備点検など
を徹底して車両の適正な運用に努めています。
4) 用地造成工事
2003 年 2 月 17 日、用地造成工事は概成しまし
た。用地造成工事に際しては、周辺海域への濁り等、
水質汚濁の発生や拡散防止に努めました。また、山
土使用にあたっては、土砂調達先に対し環境配慮を
お願いするとともに、埋立材料に浚渫土砂や公共残
土を積極的に利用することにより、山土使用量の低
減を図りました。
①造成工事の実施にあたっては、汚濁防止膜を展張
するとともに、護岸概成後に埋立工事を開始しま
した。
②埋立工事の工事量の分散化、汚濁負荷量の小さな
埋立材料の使用(粒度分布等の確認)により、濁
りの発生源の低減に努めました。
③濁りの拡散状況を監視し、その結果を施工管理に
反映しました。
④空港用地北側では、国土交通省中部地方整備局港
湾空港部との連携事業として、名古屋港浚渫土砂
を受け入れ、「管中混合固化処理工法※」による埋
立を実施しました。
⑤改良浚渫土は、護岸等で締め切った閉鎖海域へ投
入し、余水は処理施設を通じて海域へ放流しまし
た。処理施設では、pH 及び SS 等を監視し、必
要に応じて pH 調整等を行いました。
⑥激甚災害特別事業における新川治水緑地掘削土の
一部を公共残土として受け入れ利用しました。
⑦空港島の建設工事等に伴い発生する建設発生土や
泊地浚渫土は、埋立材料として有効利用しました。
消波ブロックやケーソン等の製作には、環境配慮
型セメント(高炉セメント)を使用し、製造過程で
の温室効果ガスの排出低減に努めるとともに、鋼製
型枠を使用(木製型枠の使用抑制)し、建設副産物
の発生抑制及び再資源化を促進しました。
※空気圧送船から圧送管を通し浚渫土砂を送り出し、固化材供給
船で固化材を添加し、空気圧で混合しながら埋立地に送る工法
です。
●管中混合固化処理工法
3.環境への配慮
14
5) 空港施設建設工事
スリップフォーム工法の採用
空港施設建設工事における建設副産物の発生抑制
及び再資源化の促進として、施工上可能な範囲でプ
レハブ資材や鋼製型枠の使用(木製型枠の使用抑制)
に努めており、エプロン等のコンクリートの舗装工
事では、型枠自体を使用しないスリップフォーム工
法を舗装面積の約 6 割に採用しました。
また、資源の有効活用として、滑走路やエプロン、
道路の路盤材に鉄鋼スラグ(鉄鋼を造る時に出る副
産物)を積極的に採用しました。
●スリップフォーム工法によるエプロン舗装
●滑走路、誘導路、エプロン平面図
環境配慮型セメント等の使用
施工上可能な範囲で環境配慮型セメント(高炉セ
メント)を使用することにより、製造過程での温室
効果ガスの排出低減に努めています。また、建設残
土等を再利用してつくられた陶管(混合割合:粘土
50 %、建設発生土 25 %、産業廃棄物 15 %、建設
汚泥 10 %)を滑走路や誘導灯部分の灯火用埋設配
管として総延長約 19 km使用するなど、環境に配
慮した建設資材を取り入れています。
15
3.環境への配慮
●埋設された陶管
その他の環境配慮事項
旅客ターミナルビルの一部のガラス
(17,000m 2)
に光触媒をコーティングした防汚加工ガラスを使い
ました。この光触媒ガラスに太陽光が当たると、ガ
ラスに付着した汚れは分解作用を起こし付着力が弱
まって、雨水で流されやすくなります。ガラスが汚
れにくくなるため、清掃回数を減らすことができ、
清掃に必要な洗浄水やエネルギー等を節約でき
ます。
その他、工事中の粉塵の発生を防止するため、必
要に応じて埋立地表面への散水を実施しています。
大気汚染物質や温室効果ガス等の発生を低減するた
め、一部工事で工事用発電機から商用電源への切替
を行っています。また、梱包材を減らし廃棄物を削
減するため、搬入資材等の簡易梱包を推進してい
ます。
●光触媒ガラス(南ウイング部分)
●旅客ターミナルビル平面図
光触媒ガラス
使用箇所
3.環境への配慮
16
■ 3-4 オフィス業務における取組
紙の使用量削減
社内文書の両面コピー、裏紙利用により、紙の使
用量の削減に取り組んでいます。毎年1人当たりの
使用量を前年度比 95 %として目標を設定してい
ます。
また、パソコンによる Fax の電子受信化や電子決
裁の導入に取り組み、社内の会議や文書のペーパー
レス化を推進しています。
適正な電気使用
各自が離席時や退社時に照明の消灯や OA 機器等
の電源 OFF を徹底することにより、適正な電気使用
に心掛けています。実施状況は担当者が週1回評価
点を付け、目標管理を行っています。また、事務所
内の空調は、適正な温度管理に努めています。
ごみの分別
ごみの分別は、紙類回収箱と分別ごみ箱を設置し、
各事業所毎の分別基準に従って実施しています。実
施状況は、担当者が週1回評価点を付け、目標管理
を行っています。
●分別基準(本社の例)
グリーン調達
当社の「グリーン調達ガイドライン」に従い、調
達可能な物品から順次グリーン調達を推進していま
す。
事務用品については、原則的にエコマーク商品等
の環境配慮物品、OA 用紙は古紙配合率 100%再生
紙を購入しています。
社内で使用するパソコンは全て、2001 年度に省
エネルギー基準に適合した機種への取替えを完了し
ています。
また社有車については、天然ガス自動車やハイブ
リッド自動車などの低公害車の導入を推進してい
ます。
分 類
資源ごみ
非資源ごみ
分別場所
処理方法
OA用紙(裏紙利用可)
A1
裏紙利用
OA用紙(裏紙利用済)
A2
リサイクル
チラシ、パンフ、古封筒
B1
〃
新聞
B2
〃
雑誌
B3
〃
ダンボール
指定場所
〃
シュレッダー屑
指定場所
〃
ペットボトル
C
〃
ビン
D
〃
カン
E
〃
その他可燃物
F
焼 却
不燃物
G
埋 立
生ゴミ
指定場所
焼 却
A1
A2
B1
B2
A1
B3
A2
紙類回収箱
導入した天然ガス自動車
C
分別ごみ箱
17
3.環境への配慮
D
E
F
G
■ 3-5 環境マネジメントシステムに関する取組
環境活動
2001 ∼ 2003 年度の
主な環境活動の実績は右
のとおりです。
● 2001 ∼ 2003 年度の主な環境活動実績
2001年度
目標
実績
環境活動内容
オ
フ
ィ
ス
部
門
2002年度
目標
実績
前年比 10,100 前年比
1人当たりのOA用紙年間使用量(前年比)
2003年度
目標
実績
8,100 前年比 7,400
95% (86%) 95% (80%) 95% (91%)
再生紙の使用
100% 100% 100% 100% 100% 100%
裏紙用紙の再利用
100% 100% 100% 100% 100% 100%
工事用船舶等における良質燃料(A重油、軽油)の使用
施
工 改良浚渫土固化処理及び海洋に設置するコンクリート製品への高炉セメントB種の使用
部 用地造成工事における鋼製型枠の使用
門
アンカーブロック及び消波ブロックの再利用
教育訓練
当社の社員は、その多数が国、自治体、民間
からの出向者で、人事異動が不定期かつ頻繁に
発生します。このため、EMSの運用にあたっ
ては、社員教育が極めて重要と考えています。
また、工事請負者については、代表者に集合
教育を実施し、その内容を全作業員に周知徹底
するよう協力を依頼しています。
緊急事態訓練としては、工事請負者の協力を
得て、空港島での油流出訓練や火災訓練を実施
しました。
2001 ∼ 2003 年度の教育訓練の受講実績は
右のとおりです。
100% 100% 100% 100% 100% 100%
100% 100% 100% 100%
ー
ー
90% 95%
ー
ー
90%
98%
90% 100% 90% 100% 90% 100%
● 2001 ∼ 2003 年度の主な教育訓練実績
種別
対象者
教育概要
2001年度 2002年度 2003年度
11回
3回
266人 366人
9回
350人
EMSの概要
9回
11回
オフィス部門活動 116人 161人
12回
192人
11回
20回
255人 370人
20回
457人
環境一般教育
経 営 層
最近の環境問題
社 員
新入社員教育
新 入 社 員
オフィス部門教育
全 社 員 オフィス部門活動
設計部門教育
施 設 部
設計部門活動
施工部門教育
施設部・建設部
建設事務所
施工部門活動
14回
9回
271人 251人
14回
306人
緊急事態訓練
建設事務所
工事請負者
油流出訓練
火災訓練
2回
1回
109人 180人
1回
84人
工事請負者教育
工事請負者
施工部門活動
関係会社教育
関係会社社員 当社の環境活動
●空港島での火災訓練(2003 年 12 月実施)
2回
50人
2回
49人
2回
142人
7回
55人
14回
112人
20回
232人
2回
6人
新入社員
教育で実施
同左
上段:開催回数 下段:延べ受講者数
● 2001 ∼ 2003 年度の内部環境監査指摘事項の件数
内部環境監査
内部環境監査は、オフィス・設計・施工の各
部門と環境管理責任者を対象として、半年に1
回実施しています。施工部門については、工事
請負者の事務所や建設現場も対象としています。
監 査 対 象
オフィス部門
設 計 部 門
施 工 部 門
環境管理責任者
2001年度
1件
0件
0件
3件
2002年度
1件
0件
4件
1件
2003年度
1件
0件
3件
0件
3.環境への配慮
18
4. 環境モニタリング
■ 4-1 環境モニタリングに関する取組
工事中の環境モニタリング
工事の実施が環境に及ぼす影響を把握し、必要に
応じて適切な措置を講じることにより環境保全を図
るため、2000 年 7 月(汚濁防止膜設置前)より工
事中の環境監視を実施しています。
工事中の環境監視は、各専門分野の学識経験者で
構成される「工事中の環境監視に関する検討委員会」
及び周辺関係自治体の意見を踏まえ、監視項目、地
点、頻度等について具体的に定めた「工事中の環境
監視計画」に基づいて実施しています。
また、環境監視結果については、同委員会の公
平・中立な評価を受け、年報として取りまとめ、公
表しています。
なお、工事中の環境監視については、愛知県企業
庁が同時期に近接海域で埋立事業を実施しているこ
とから、環境影響への輻輳が予想されるため、共同
で実施しています。
●環境モニタリングのフロー
環境監視計画の策定
環境監視計画の
見直し
調 査
データの収集・公開
※1
騒音・振動
悪臭
海水の流れ
水質
底質
汀線
海域生物
鳥類
※2
環境監視結果の評価
環境監視結果(年報)
の公開
※1日々のデータを整理・検討した結果から、事業による環
境への影響が認められる場合には、適切な対策を講じま
す。
※2調査データについて、年間を通じて評価された結果から、
事業による環境への影響が認められる場合には、適切な
対策を講じます。
2003 年 4 月 1 日改正
項 目
風向、風速、気温、湿度、
一般環境
NOX(NO,NO2)、SO2、CO、SPM
降下ばいじん
風向、風速、気温、湿度、交通量、車速、
沿道環境
NOX(NO,NO2)、CO、SPM
建設作業
建設作業騒音、建設作業振動
沿道環境
交通量、車速、道路交通騒音、道路交通振動
風向、風速、気温、湿度、天候、特定悪臭物質、臭気指数
流向、流速
水温、塩分、濁度、透明度、pH、DO
SS、VSS
COD、T-N、NH4-N、NO2-N、NO3-N、T-P、PO4-P、クロロフィルa
泥温、粒度分布、含水率、pH、強熱減量、COD、全硫化物、T-N、T-P
位置
プランクトン(植物、動物)、魚卵、稚仔魚
底生生物
小型底引き網漁獲試験
魚類等
ぱっち網漁獲試験
藻場生物、干潟生物、
生息生育状況
潮間帯生物
藻場(アマモ場分布)
カワウ
生息数、就塒状況
カモメ類等
水鳥・カワウ
出現頻度
ワシタカ類等渡り鳥
行動種類別出現個体数
渡りの状況
注:水質の地点については、水深 5m 以浅は表層のみで調査しています。
19
4.環境モニタリング
対策の検討
データの整理・検討
●工事中の環境監視計画の調査内容
大気質
対策の実施
地 点 等
2地点
1地点
3地点
頻度・時期
常時
四季
月1回
3地点
四季
3地点
4地点
3地点
3点(2層)
8点(2層)
8点(2層)
6点(2層)
6点
大野∼内海
6点
6点
月1回
夏・冬
夏・冬
常時
日1回
週1回
月1回
四季
年1回
四季
四季
3点
四季
6測線
四季
常滑港∼冨具崎
1地点
(鵜の山ウ繁殖地周辺)
25地点
(知多半島西岸)
4地点
3地点
繁茂期
育雛期
非育雛期
隔月
夏・冬
秋
●工事中の環境監視調査地点
環境監視センター
環境監視センター(建設事務所内)では、大気質
や水質などの測定データを環境監視システムにより
集計、解析処理し、その結果を月報や年報に纏めて
公表しています。環境監視システムは、環境データ
の収集、処理、管理を行う集中監視システムで、デ
ータ収集システムと情報公開システムで構成されて
います。収集データは常時監視データと定期監視デ
ータがあり、全データを共通データサーバーに蓄積
します。
環境監視センター
情報公開
環境監視データは、セントレア館(建設事務所敷
地内)の情報コーナーに設置した環境パソコンやイ
ンターネット※で閲覧することができます。
※ URL:http://www.centrair.jp
供用時の環境モニタリング
供用時の環境監視については、空港運営に伴う環
境影響を把握するため、航空機騒音をはじめとする
環境監視システムの構築を計画しています。
セントレア館情報コーナー
4.環境モニタリング
20
■ 4-2 環境の現況
2002 年度の環境監視結果は、次のとおりです。
大 気 質
●一般環境
事業実施区域周辺の一般環境測定局(苅屋局及び
新開局)における大気質濃度の分布及び環境基準適
合状況は次のとおりです。
また、降下ばいじん測定局の年間平均値は、常滑
市新開町 2.3(t/km 2 ・月)、山方町 2.7(t/km 2 ・
月)、苅屋 2.1(t/km2 ・月)です。
●沿道環境
(ppm)
事業実施区域周辺の沿道(常滑市椎垂木、千代ヶ
丘及び社辺)での大気質濃度の分布及び環境基準適
合状況は次のとおりです。
二酸化窒素(NO 2 )
0.10
日
平
均
値
の
98
%
値
0.08
環境基準
0.06
0.04
0.02
0.00
0.10
1998
1999
2000
2001
2002
(年度)
日
平
均
値
の
最
高
値
二酸化硫黄(SO 2 )
(ppm)
日
平
均
値
の
2
%
除
外
値
二酸化窒素(NO 2 )
(ppm)
0.05
環境基準
0.04
0.08
環境基準
0.06
0.04
0.02
0.00
1998
0.03
1999
2000
2001
2002
(年度)
2002
(年度)
2002
(年度)
0.02
0.01
0.00
1998
1999
2000
2001
2002
(年度)
(ppm)
一酸化炭素(CO)
2.00
(ppm)
日
平
均
値
の
2
%
除
外
値
日
平
均
値
の
最
高
値
一酸化炭素(CO)
2.00
環境基準=10ppm
1.50
1.00
0.50
0.00
1998
1998
(mg/m 3)
1999
2000
2001
2002
1999
2000
2001
(年度)
(mg/m 3)
浮遊粒子状物質(SPM)
0.20
浮遊粒子状物質(SPM)
0.20
日
平
均
値
の
最
高
値
0.15
環境基準
0.10
0.05
0.00
1998
1999
苅屋局
21
1.00
0.50
0.00
日
平
均
値
の
2
%
除
外
値
環境基準=10ppm
1.50
4.環境モニタリング
2000
2001
新開局
2002
(年度)
0.15
環境基準
0.10
0.05
0.00
1998
1999
椎垂木
2000
千代ヶ丘
2001
社辺
騒 音
振 動
●道路交通騒音
●道路交通振動
事業実施区域周辺の沿道(常滑市椎垂木、千代ヶ
丘、社辺及び知多市南浜町)での道路交通騒音(等
価騒音レベル LAeq)及び環境基準適合状況は次のと
おりです。
事業実施区域周辺の沿道(常滑市椎垂木、千代ヶ
丘、社辺及び知多市南浜町)での道路交通振動(振
動レベルの 80 %レンジ上端値 L10)は、昼間 34 ∼
42dB、夜間 30 ∼ 35dB であり、振動規制法に基
づく道路交通振動の要請限度値(昼間: 70dB、夜
間: 65dB)を下回っています。
L Aeq (dB)
道路交通騒音(L Aeq )
環境基準値(昼間)
70
●建設作業振動
65
最大値
平均値
60
最小値
環境基準値(夜間)
55
1998年
2000年
2001年
2002年
2003年
(冬季)
(夏季)
(夏季)
(冬季)
(夏季)
(冬季)
(夏季)
(冬季)
昼間:
椎垂木 千代ヶ丘 社辺 南浜町
夜間:
椎垂木 千代ヶ丘 社辺 南浜町
悪 臭
●建設作業騒音
事業実施区域周辺(常滑市鯉江本町、新開町及び
保示町)での建設作業騒音(L A5)及び特定建設作
業騒音に係る規制基準値適合状況は次のとおりで
す。
L A5 (dB)
90
建設作業騒音(L A5)
規制基準値
80
最大値
70
60
50
平均値
最小値
40
2002年 4
5
6
7
■ 鯉江本町
8
9
● 新開町
10
11
▲ 保示町
12
1
2
事業実施区域周辺(常滑市鯉江本町、新開町及び
保示町)での建設作業振動(L 10 )の出現範囲は、
30dB 未満∼ 48dB であり、特定建設作業振動に
係る規制基準値(75dB)を下回っています。
3 月
特定悪臭物質については、漂着したアオサの腐敗
によると思われるメチルメルカプタン、硫化水素及
び硫化メチルが夏季の常滑市保示町5丁目において
規制基準値を超えた以外は、事業実施区域周辺(常
滑市鯉江本町、新開町及び保示町)での特定悪臭物
質濃度は、全て規制基準値以下です。
海 水 の 流 れ
海水の流れには潮の干満に伴う潮汐流と潮の干満
を除いた流れである平均流(恒流)があります。
事業実施区域周辺海域(蒲池沖局、樽水沖局及び
小鈴谷沖局)の潮汐流は、上層、下層いずれも夏季
は上げ潮時には北上流、下げ潮時には南下流が見ら
れ、冬季は上げ潮時には流向がばらつき、下げ潮時
には南下流が卓越していました。
平均流は、上層においては夏季、冬季ともほぼ南
下流の傾向が見られます。下層においては夏季は流
速が小さく、流向がばらついて明瞭な傾向はみられ
ませんが、冬季はほぼ南下流の傾向が見られました。
4.環境モニタリング
22
水 質
海 域 生 物
ΔSSが2mg/Lを越えた状況
25
発
生
日
数
︵
日
︶
20
プランクトン、魚卵・稚仔魚、底生生物、魚類等、
藻類、藻場、干潟及び潮間帯生物は、次のとおりです。
120
×1000
3,000
100
2,500
プランクトン
総
種 80
類
数
︵ 60
種
︶ 40
4.0
20
3.5
0
発
生
2.5
率
2.0 ︵
%
1.5 ︶
15
10
5
0
2002年 4
5
6
7
8
9
発生日数 10
11
12
1
2
3
or L
1,500 個 or
体個
1,000 数 体
/2
m
500
︶
2001
2002
植物プランクトン(底層)総種類数
動物プランクトン総種類数
0.5
植物プランクトン(表層)平均細胞数
0.0
植物プランクトン(底層)平均細胞数
月
動物プランクトン平均個数
発生率=発生回数/調査回数
魚卵、稚仔魚
事業実施区域周辺海域(6 地点)における底質の
粒度組成は、粗砂分が 0 ∼ 29 %、細砂分が 5 ∼
86 %、シルト・粘土分が 2 ∼ 93 %です。強熱減
量、COD、全硫化物、T-N、T-Pについては、
一時的な変動範囲内となっています。
30
600
25
500 個 個
20
400
︵
総
種 15
類
数 10
︵
種 5
︶
300
200
100
0
2000
全硫化物
2001
魚卵総種類数
1
稚仔魚総数
0.8
魚卵平均個数
0.6
稚仔魚平均個体数
0.4
0.2
0
2000
23
4.環境モニタリング
0
(年度)
植物プランクトン(表層)総種類数
1.0
底 質
(mg/g)
1.2
細細
胞胞
2,000 数
/
2000
3.0
(
海域の水質汚濁を示す指標として、化学的酸素要
求量(COD)、全窒素(T-N)、全燐(T-P)などが
あります。
事業実施区域周辺海域(6 地点)のCOD、T-N、
T-Pは、一部を除き環境基準値を上回っています。
濁りについては、監視点(11 地点)の換算 SS 濃
度とバックグランド点(7 地点)の換算 SS 濃度の差
(Δ SS)が 2mg/L を越えた状況は次のとおりです
が、いずれも工事に起因するものではありません。
2001
2002
TS1
TS4
TS2
TS5
TS3
TS6
(年度)
2002
0
(年度)
数/
or 100
個 m2
体 or
数個
体
/
1002
m
︶
底生生物
藻 類
104
160
個
総 120
種
類
数 80
︵
種
︶
103 体
102
40
10
0
2000
2001
2002
500
25
数
︵
個
体
/
0.15
m2
︶
400 湿
総 20
種
類 15
数
︵
種 10
︶
重
300 量
︵
g
200 /
2
m
100 ︶
5
1
(年度)
0
2000
2001
2002
0
(年度)
海草藻類総種類数
底生生物平均個体数
干潟植物総種類数
底生生物総種類数
潮間帯植物総種類数
海草藻類平均湿重量
干潟植物平均湿重量
潮間帯植物平均湿重量
魚類等
×1000
400
80
300 個
総 60
種
類
数 40
︵
種
︶
体
数
︵
200 個
体
/
100 網
︶
20
0
2000
2001
2002
藻場、干潟及び潮間帯生物
×1000
100
10
8
80
総
種 60
類
数
︵ 40
種
︶ 20
個
体
数
︵
4
個
体
2 /2
m
︶
6
0
0
(年度)
2000
2001
2002
0
(年度)
藻場葉上動物総種類数
小型底びき網漁獲試験総種類数
藻場底生生物総種類数
ばっち網漁獲試験総種類数
干潟底生生物総種類数
小型底びき網漁獲試験平均個体数
潮間帯動物総種類数
藻場葉上動物平均個体数
ぱっち網漁獲試験平均個体数
藻場底生生物平均個体数
干潟底生生物平均個体数
潮間帯動物平均個体数
鳥 類
●美浜町コロニーにおけるカワウ生息数
美浜町コロニーにおけるカワウの生息数は、次の
とおりです。
2000年度
水鳥
6目8科40種
2001年度
2002年度
7目9科43種
7目9科42種
(羽)
2000年度
2001年度
2002年度
繁殖期(7月)
8,477
8,326
8.583
非繁殖期(11月)
6,846
6,932
9,576
●カモメ類等水鳥・カワウ出現状況
知多半島西岸 25 地点の出現状況は、次のと
おりです。
陸鳥
3目12科20種 4目19科20種 3目12科20種
事業実施区域周辺 4 地点(常滑市鬼崎フィッシャ
リーナ、航行安全センター、海上環境測定局及び苅
屋漁港)における行動種類別出現状況では、6 月は
12 種の水鳥が記録され、カワウ、コアジサシ、ウ
ミネコが、1 月は 21 種の水鳥が確認され、カワウ、
ヒドリガモ、スズガモがよく出現していました。
4.環境モニタリング
24
2002 年度の環境監視結果の評価について
環境監視計画に基づき 2002 年度に実施された大気
ト・粘土分の割合、強熱減量、化学的酸素要求量
質、騒音・振動、悪臭、海水の流れ、水質、底質、汀
(COD)、全硫化物及び全窒素(T-N)がやや高くなっ
線、海域生物及び鳥類の環境監視結果に対して、「工事
中の環境監視に関する検討委員会」の総合評価を以下
のとおり受けました。
ていましたが、一時的なものと考えられました。
・ 汀線位置については、着工前の 1993 ∼ 1995 年及
び 2000 年並びに着工後の 2002 年において、ほとん
どの区間で前進又は後退の様々な変化がみられました。
(1)環境基準値・規制基準値等との比較
大気質、騒音・振動、悪臭及び水質について、環境基
準値や規制基準値等と比較した結果、環境監視結果は、
次の場合を除いて環境基準に適合するか環境基準値ま
たは規制基準値等以下でありました。
・ 美浜町コロニーにおけるカワウ生息数は7月には着工
前後において大きな変化は見られませんでしたが、11
月は同時期過去最多となりました。
なお、沿道環境大気質及び道路交通騒音については、
高い場合があったものの、事業者においては、資機材
・ 一般環境大気質の浮遊粒子状物質(SPM)について
についてほとんど海上輸送を行うとともに、作業人員
は、短期的評価で環境基準に適合していませんでした
については中継基地を利用した集約輸送を行い、交通
が、その状況は着工前の 1998 ∼ 1999 年度と同様で
量の減少に努めていることから、工事による影響は少
ありました。
ないものと考えられました。
・ 沿道環境大気質の浮遊粒子状物質(SPM)について
は、常滑市千代ヶ丘(市道北条向山線)において1時
間値が環境基準を1回超えていました。
(3)予測結果との比較
大気質、騒音・振動、海水の流れ及び水質について、
・ 特定悪臭物質については、漂着したアオサの腐敗によ
予測結果との比較をした結果、環境監視結果は、次の
るものと思われるメチルメルカプタン、硫化水素及び
場合を除いて予測結果よりやや低いものもありました
硫化メチルが夏季の常滑市保示町5丁目において規制
基準を超えていました。
が、ほとんどは予測どおりでありました。
・ 一般環境大気質について、苅屋局の二酸化硫黄(SO2)
・ 水質の項目のうち濁り(△ SS)については、水産用
の1時間値は予想結果より高かった時間数が測定時間
水基準を超える場合がありましたが、そのうちの約半
数 8,623 時間のうち 9 時間ありましたが、その時の発
分は自然要因によるものであり、工事影響の可能性が
生時刻前後の風向は事業実施区域のある方向からでは
ある濁りは確認されませんでした。
・ 水質の項目のうち化学的酸素要求量(COD)、全窒素
ありませんでした。
・ 沿道環境大気質について、常滑市千代ヶ丘(市道北条
(T-N)
、全燐(T-P)については、一部の監視点を除き、
向山線)の二酸化窒素(NO 2)の平均値は予測結果よ
環境基準値を上回っていましたが、愛知県が実施した
り高くなっていました。また、二酸化窒素(NO 2)の
公共用水域等水質調査結果と比較した結果、ほぼ同様
1時間値は予測結果より高かった時間数が測定時間数
な傾向でありました。
672 時間のうち 5 時間ありました。
(2)過年度データとの比較
全ての項目について、過年度データとの比較(着工後
と着工前とのデータ比較)をした結果、環境監視結果
は、次の場合を除いて着工前後において値や出現状況
にほとんど変化がありませんでした。
・ 沿道大気環境質について、平均値では、常滑市椎垂木
(4)まとめ
2002 年度の環境監視結果では、工事に伴う環境へ
の影響はほとんど認められませんでした。
なお、底質、汀線、海域生物及び鳥類については、今
後もその変化に注意して監視を継続していく必要があ
ります。
(県道碧南半田常滑線)及び常滑市千代ヶ丘(市道北条
向山線)の二酸化窒素(NO2)が高くなっていました。
・ 道路交通騒音について、常滑市千代ヶ丘(市道北条向
山線)の昼間においては若干高くなっていました。
・ 悪臭について、夏季の常滑市保示町 5 丁目において
漂着したアオサの腐敗によると思われるメチルメルカ
プタン、硫化水素及び硫化メチル、並びに臭気指数が
高くなっていました。
・ 海水の流れについて、空港島南の小鈴谷沖監視点では
上層の流速が若干小さくなっている傾向がうかがえま
したが、予測結果と比較をした結果、ほぼ予測の範囲
内の変化であると考えられました。
・ 底質について、空港島東側の 1 監視点においてシル
25
4.環境モニタリング
「平成 14 年度 環境監視結果年報」より
5. コミュニケーション・社会貢献活動
顧問会議及び推進会議の開催
空港関連工事の事業主体との連携
3 県 1 市(岐阜県、愛知県、三重県、名古屋
空港島及びその周辺で実施する空港関連工事
市)の知事・市長及び地元経済界の代表者で構 の事業主体(国土交通省大阪航空局、愛知県企
成される「中部国際空港(株)顧問会議」や 3 業庁、愛知県道路公社、中部国際空港連絡鉄道
県 1 市の副知事・助役、常滑市長、知多地区連 (株)等)と連絡調整の場を設け、工事に関する
絡協議会代表者及び学識経験者等で構成される 情報連絡や調整等を行うとともに、安全性の確
「中部国際空港推進会議」を開催しています。
保や環境保全対策等の配慮事項について、ご理
こうした場を活用して、地域や利用者として 解ご協力をお願いしています。
の立場からのご意見をお聞きし、利便性の高い
空港を目指すとともに、豊かな地域社会づくり セントレア展の開催
に貢献することを心掛けています。
映像やパネル等を利用してセントレアの最新
情報を発信する「セントレア展」を中部県下の
関係自治体との連携
各都市で開催しており、2003 年度は計 14 回
3 県 1 市及び知多半島 5 市 5 町等の関係自治 開催しました。
体と定期的に連絡調整会議を開催し、緊密な連
携を図ることにより、セントレアのタイムリー
な情報を提供したり、地域からのご要望をお聞
きしたりする意見交換を行っています。
また、常滑焼まつりをはじめとして知多半島
各市町のおまつりなど地域のイベントにも参加
し、地域との交流を推進することにより、密接
な関係づくりに努めています。
セントレア展 2003 鈴鹿
親子見学会の開催
地域の子供たちと保護者の方々を対象に、セ
ントレアの建設状況や空港事業についての理解
を深めてもらうため、夏休み等を利用して建設
現場を見学する親子見学会を開催しました。
常滑焼まつりでのイベント
漁業関係者との連絡調整
事業主体と漁業関係者の連絡調整組織である
「愛知県漁連中部国際空港関連工事安全連絡調整
会議」及び「三重県漁連中部国際空港関連工事
安全連絡調整会議」を設置し、工事情報の周知
等を行っています。
親子見学会
5.コミュニケーション・社会貢献活動
26
工事現場見学会の開催
建設事務所に隣接したセントレア館には、これま
で約 30 万人(2004 年 5 月末時点)の方にご来館
いただきました。
また、広く一般の方々を対象として、空港島内の
展望台やバスの車窓からセントレアの建設状況をご
覧頂くため、予約制による工事現場の見学を開催し
ています。
常滑港内及び近隣のクリーンアップ活動
漁業者、空港関連工事の事業主体及び工事請負者
協議会と連携し、常滑港内等の清掃を実施していま
す。
岸壁からの清掃活動
展望台
セントレア号
●お申し込み・お問い合わせ先
建設事務所セントレア館見学受付
TEL(0569)36-0030
(年末年始を除く 9:30 ∼ 17:00)
見学希望日の2ヶ月前から電話で受付ます。
「環境パートナーシップ・ CLUB」への参加
中部圏において環境への先進的な取組を実施して
いる企業・団体等の交流の場「環境パートナーシッ
プ・CLUB(EPOC)」に加入し、環境啓発活動
(講演会、セミナー、シンポジウム等)や社会貢献
活動等に積極的に参加しています。
社会貢献活動としては、名古屋市・名古屋都市美
化連盟主催の「クリーンキャンペーンなごや 2003」
にEPOC会員として参加し、6 月と 10 月に清掃
活動を実施しました。
名古屋市よりエコ事
業所として認定
本レポートに記載
する環境への取組等
が評価され、名古屋
市の「エコ事業所認
定制度」により、エ
コ事業所として認定
されています。
環境報告書ネットワークへの登録
環境コミュニケーションに積極的に取り組んでい
る事業者、団体、市民等の交流の場「環境報告書ネ
ットワーク(NER) ※」による環境報告書データ
ーベースへ登録し、インターネット等を利用した幅
広い情報発信に努めています。
※ URL:http://eco.goo.ne.jp/ner
エコスポットあいちへの登録
愛知県内の豊かな自然や優れた環境保全技術を集
めた「エコスポットあいち ※」に、当社の藻場造成
事業が登録されています。
※ URL:http://kankyojoho.pref.aichi.jp/ecospot
クリーンキャンペーンなごや 2003
(栄公園周辺での清掃活動)
27
5.コミュニケーション・社会貢献活動
あ
と
が
き
この「Centrair Green-Report 2004」は、当社が取り組んでいる環境保全活動を紹介するレポートとし
て発行しましたが、今回は主に 2003 年度までに実施した空港施設建設に関連する活動を重点に紹介させて
いただきました。
今後は開港後の環境保全活動に円滑に移行するため、供用時の環境マネジメントシステムの構築や供用時の
環境監視計画の策定等、さらなる環境影響の低減に向けた課題に積極的に取り組み、それらの活動を報告して
いきたいと思います。
さらに、本レポートが環境報告書としての機能を十分に発揮できるよう、内容の充実に努めるとともに、環
境コミュニケーションのツールとしても幅広く活用していきたいと考えています。
資
料
●セントレアの主要経緯
年
1985
1994
月
12
11
1996
12
1997
3
3
1998
5
6
7
1999
2000
12
6
8
11
2
4
基 本 事 項
「財団法人 中部空港調査会」設立
環境調査開始 [愛知県、中部空港調査会]
「第7次空港整備五箇年計画」閣議決定
(中部圏の拠点空港として位置づけ)
「中部圏における新たな拠点空港に関する計画案(中間まとめ)」公表
[中部新国際空港推進調整会議]
「中部国際空港の計画案(最終まとめ)」公表
[中部新国際空港推進調整会議]
中部国際空港株式会社設立
「環境影響評価方法書」公告・縦覧
運輸大臣が中部国際空港の設置及び管理を行う者として中部国際空港(株)
を指定
「環境影響評価準備書」公告・縦覧
「環境影響評価書」公告・縦覧
飛行場設置許可及び公有水面埋立免許申請
工事中の環境監視に関する検討委員会の設置
環境委員会の設置
飛行場設置許可
6
公有水面埋立免許認可
7
8
汚濁防止膜展張
護岸築造工事着手
9
10
12
3
5
国際空港評議会(ACI)太平洋地域部会環境セッ
ションにて「セントレアの環境配慮」を発表
中部国際空港の愛称「セントレア」決定
9
2002
2003
2004
11
12
4
8
9
10
11
2
4
10
12
3
7
「工事中の環境監視計画」策定
藻場造成検討委員会の設置
工事中の環境モニタリング開始
「環境方針」の制定・公表
環境マネジメントシステム運用開始
「環境監視結果月報」公開開始
ISO14001初動審査
ISO14001本審査及び認証取得
護岸工事概成、埋立工事着手
4
2001
環境に関する事項
空港施設建設工事着手
道路連絡橋暫定供用
「平成12年度環境監視結果年報」公表
空港島護岸で藻場初期造成開始
空港施設建設工事に関するEMSの運用開始
ISO14001サーベランス審査
「Centrair Green-Report 2002」発行
「平成13年度環境監視結果年報」公表
藻場本格造成開始
名古屋港南5区からの海上輸送開始
ISO14001サーベランス審査
用地造成工事概成
旅客ターミナルビル上棟式
国の無線施設等の飛行検査開始 エプロン・誘導路・滑走路既成
「Centrair Green-Report 2003」発行
「平成14年度環境監視結果年報」公表
ISO14001認証更新
エコパンフレット発行
「Centrair Green-Report 2004」発行
28
この報告書には古紙配合率100%再生紙と
大豆インクを使用しています。
2004.11