事業名:「校園庭の芝生化支援事業」 団体名:特定非営利活動法人

事業名:
「校園庭の芝生化支援事業」
団体名:特定非営利活動法人 シビルまちづくりステーション
事業の目的及び概要
【目的】
学校や幼稚園および広場を土のグランドから芝生にすることにより、子どもの体力の向上、ケガの減
少、砂塵防止、熱中症対策、鳥の飛来などの環境保全および地域コミュニケーションの活性化によるま
ちづくりを行うことができる。しかし教育現場には一般的に建設技術者(特に土木技術者)が配置され
ていないため実現ができなかったため、建設技術や造園技術において支援することにより芝生化を実現
する
【概要】
芝生化に関しての整地工事・散水工事に関する計画、地域住民への説明、工事監理のサポート、芝生
の維持管理に関する相談や指導、散水設備の修理等を教育委員会や学校からの依頼により行っている。
また 地元農家との提携による芝苗の生産、提供や機械メーカーの協力により維持器具の修理などを
行っている。
社会的課題の現状アプローチ(図表可)
【社会的課題 】 欧米などでは一般的に校庭や広場が芝生化されているのに対し、日本では現在は芝
生化されている学校、広場は一部であり土のグランドが一般的である。
その要因として
①ゴルフ場や公園の芝生育成技術は形成されているが、利用頻度が高くかつ専門技術者がいない学校で
は維持管理ができない。
②学校(特に小学校)は子どもの教育施設であると同時に、地域活動の拠点として利用されているため、
利害関係者が多数存在するため、合意形成が難しい場合が多い。
【着眼点とアプローチ 】
①土木技術者が教育現場(自治体の教育委員会および学校職員)への技術助言および地域との建設に関
する合意形成に対し技術的アドバイスを行う。
②「芝生」をキーワードに学校と地域をつなげ、防災や高齢者と若年層が交流できるイベントの開催等
により地域の活性化の向上を図る。
③学校以外の広場や公園、空地の芝生化を住民主体で行うことにより、地域活動の活発化が期待される。
具体の事業内容(図表可)
実施年
2006
場所
大阪市内の廃校校庭
施設数 芝生化面積
1校
1200 ㎡
内容
元気なまちづくり事業
2009
兵庫・奈良県内幼稚園
奈良県内 小学校
主に大阪・兵庫・奈良
5園
3200 ㎡
10 校 59000 ㎡
約 30 カ所 約 10 万㎡
宮城県多賀城市内
主に関西地域の学校、
幼稚園など
1園
1000 ㎡
約 50 施設
運動場芝生化モデル事業
(設計、工事、維持管理指導)
校園庭芝生化推進事業
(企画、積算、工事監理など)
災害復興支援事業
訪問維持管理指導
(補修作業、芝生管理に関する講
師など)
2010~2015
2011
2012~
1
実施による効果
①
校園庭の芝生化を実施、維持するには造園および土木技術者が必要不可欠であり、学校関係者へ
専門家としての助言することにより、芝生化施設の増加と芝生化の維持に貢献できる。
② 校庭芝生に求められる維持管理技術は、ゴルフ場や公園の芝生管理とは異なるため、地元の造園業
者の中に校庭芝生に関する専門家を育成することで、芝生化施設の増加に伴い新規事業としての発展
の可能性とともに、校庭芝生の品質向上が期待できる。
③ 校庭芝生化を実施した学校においても、教育現場では教職員の移動、PTAの世代交代などで管理
作業の継承が難しいため、維持管理に関する問い合わせや指導依頼が多数ある。このことより各地域
に身近な専門家の存在が必要であることより、芝生サポーターの人材育成を行っている。
事業の特徴・革新性
①土木技術者が教育現場の環境を理解し、現場に合った土木技術を使い、校庭芝生化を地域住民と協働
で安価に整備すること。
②土木技術者が建設業界ではなく、教育分野(学校や幼稚園現場)で社会貢献することで直接子どもや
PTAに仕事現場を見てもらうことにより、土木機械や土木技術に興味を持ってもらい協働でまちづく
りを行うことができる。(子ども達は土木機械に大変興味をもち、土木技術者に敬意を持ち接してくれ
る。
)
今後の展望
日本の校庭芝生化率は現在まだ 7%程度であり、今後子どもの育成、スポーツ文化の発展、温暖化対策
などの面から芝生化推進が望まれる。
その実現には 教育現場への理解と芝生に関する知識とともに基盤整備などの建設技術が合わせて必
要であり、教育行政への土木技術者の関与が必要である。
また建設関連企業が地元での社会貢献活動や社員教育としても住民との協働事業を行うことは有意
義な事業と考えられる。
2