変化する社会構造と社会福祉士

日本社会福祉士会ニュース №172(2014年9月)
公益社団法人
日本社会福祉士会
NEWS
No.172
SEPTEMBER.2014
ホームページのURL
http://www.jacsw.or.jp/
全国大会
1
総会報告
6
意見書・要望書
7
IFSW総会
8
役員候補者選出の公示
12
綱紀委員会委員選考に関する公示
14
2014 年度補助金・助成金事業
15
情報コーナー
17
ハンセン病回復者支援 / 四谷事務局だより
18
第22回日本社会福祉士会全国大会・社会福祉士学会開催
「変化する社会構造と社会福祉士~多様な福祉ニーズに応えるために~」
2014年7月5日・6日の2日間にわたり、鹿児島県鹿児島市にある宝山ホールおよびかごしま県民交
流センターにおいて「変化する社会構造と社会福祉士~多様な福祉ニーズに応えるために~」をテーマ
に第22回日本社会福祉士会全国大会・社会福祉士学会を開催しました。
「よか滞在だったなぁ」といえる大会に
鹿児島市の代表的な繁華街の一つである天文館か
ら、右に桜島を臨みつつ10分ほど歩くと、新緑を背
景にした西郷隆盛像のすぐそばに宝山ホールがあり
ます。天候が心配されましたが、当日は青空がのぞ
く天候に報われ、全国から1,000人を超す社会福祉
士が集まり、久永繁夫鹿児島県社会福祉士会会長の
開会宣言のもと2日間の大会が始まりました。
久永会長は、今回の全国大会のテーマに触れら
れ、これからの日本社会の人口の構造的変化は家族
機能や地域機能に変化を生じさせ、社会福祉改革は
必須であること、そのような状況で現場の第一線で
働く社会福祉士は国民の多様なニーズを把握し、必
要なサービスが国民一人ひとりに提供され安心して
暮らせる社会を築くために、絶えず先を見て提言が
できなければならないと話されました。
続けて鎌倉克英日本社会福祉士会会長が、万全の
準備をしていただいた久永会長をはじめ実行委員会
の皆さまにお礼の言葉を述べるとともに、私たち社
会福祉士は、福祉を必要とする個人への支援、地域
社会の福祉向上への貢献、および社会福祉士の働き
について社会的認知に努めることが使命であり、今
後検討される制度政策においては社会福祉士をより
活用していただき、より良い福祉社会を創り上げた
いと話されました。
来賓のあいさつでは、鹿児島県知事伊藤祐一郎氏
からは「ハンディキャップがある人びとを社会がど
うするかを神様に試されている」と言われた中学時
代の先生のお話に触れられて社会福祉士への期待
が話されました。鹿児島市長代理鹿児島市副市長
松木薗富雄氏からは60万人の市民を代表して歓迎し
たいこと、鹿児島県社会福祉協議会会長仮屋基美氏
からは今回のテーマについて議論を深め成果を期待
するとの祝辞をいただきました。このほか、多くの
関係団体の代表者にご列席いただきました。
開会式
1
日本社会福祉士会ニュース №172(2014年9月)
厚生労働省講演
社会・援護局福祉基盤課福祉人材確保対策室長の
武内和久氏をお招きし、「これからの社会福祉士へ
の期待~生活困窮者自立支援制度の構築から考える
~」をテーマに講演がなされました。
武内氏は生活困窮者自立支援制度の概要を説明
後、現在、厚生労働省で立ち上げている「福祉人材
確保対策検討会」において今後、社会福祉士のあり
方を議論すると前置きをし、社会福祉士は重要な社
会資源ではあるが、人材不足をクローズアップしに
くいこと、社会福祉士の役割や意味を言語化や可視
化し、社会に認知させ理解させるのは容易でないと
述べられました。たとえば、社会福祉士像が共有し
づらいことや、利用者の生活課題の解決は社会福祉
士の支援が良かったのか利用者が頑張ったからなの
か、支援のアウトカム評価が難しいことを話され、
いかに社会福祉士像を収斂させるか、また地道では
あるが日々の言動の積み重ねや発信が重要であると
考えるとされました。
また、社会福祉士の役割が大きくなる一方で日本
全体は人材不足であることを踏まえて、問題意識と
しては、社会福祉士のキャリアパス、新卒者をどう
基調講演
講演
職場に位置づけるか、処遇の問題として非常勤(時
間給)が多いこと、採用自治体が少ないこと、など
を挙げられました。このような状況で、職能団体で
ある日本社会福祉士会の役割は重要であり、社会福
祉士について言語化や可視化し、具体的な形、例え
ばロールモデルなどとして発信できるよう努力し
てほしいこと、また組織率を高め強い集団になっ
てほしいこと、関係団体と連携し問題の解決を考
えてほしいことを話されました。
最後に、高校生に対して実施したアンケート結
果では他国に比べ日本の高校生はコミュニケー
ションケアに向いていることを紹介し、福祉業界は大
きなポテンシャルがあることを述べられました。
「変 化 す る 社 会 構 造 と 社 会 福 祉 士」
西九州大学健康福祉学部 教授 古川 孝順 氏
「変化する社会構造と社会福祉士」をテーマに、
西九州大学健康福祉学部教授の古川孝順氏による基
調講演が行われました。
古川氏は、まず最近発生した男子児童遺棄致死事
件や、認知症行方不明者、生涯未婚率を例に挙げら
れ、現在の社会状況から、社会福祉士の取り組みを
考える上でのさまざまなヒントを掴むことができる
のではないかと投げかけられました。
次に、「社会福祉専門職の職務イメージはさまざ
まであるが、それは逆に非常に期待されているとい
うこと。今までは個別生活や居住生活の支援が中心
であったが、今後は個別生活を踏まえた上で、地域
での支援になってゆくのではないか」と述べられま
した。
続いて、単身生活者の増加や家族扶養力の縮小な
ど、時代とともに変容する人びとの生活基盤と排除
のメカニズムに触れられ、「現在の法制度では、今
ある問題に対応できなくなってきている」と指摘さ
れました。変化する生活問題へ対応するため、さま
ざまに展開する福祉政策の基軸には社会福祉の視点
が必要であり、医療サービス、住宅政策、教育など
2
基調講演
さまざまな福祉政策は、相補的にかかわっていると
話されました。また、社会福祉は、政策論としての
ソーシャルポリシーと、技術論としてのソーシャル
ワークの2つの視点で働きかけていくことが大切で
あり、政策と援助を連結する要素が制度であると話
されました。
これらを踏まえ、「ミクロとマクロを繋ぐメゾと
しての立ち位置で、地域社会の中で多分野横断的に
アプローチをしてゆく基軸を担っていただきたい」
と私たち社会福祉士への期待を話されました。
日本社会福祉士会ニュース №172(2014年9月)
シンポジウム
「変化する社会構造と社会福祉士」
~多様な福祉ニーズに応えるために~
シンポジスト 共生ホームよかあんべ 代 表 黒岩 尚文 氏
ひさまつクリニック 院 長 久松 憲明 氏
リーガルレノヴァ司法書士事務所 司法書士 芝田 淳 氏
社会福祉法人常磐会 理事長 久木元 司 氏
コーディネーター 西九州大学 教 授 古川 孝順 氏
このシンポジウムは、家族のあり方や地域社会の構
造が変化する中で、変わらずに個人や地域を支えるた
めの活動を展開している実践者の報告を踏まえ、
「誰も
が暮らしやすい社会を作るために、社会福祉士として、
地域社会の中でどのような役割を果たせるか」また「そ
のための連携のあり方や一人ひとりにどのようにかか
われるのか」を議論することを目的に開催されました。
黒岩氏は、
「ライフサポートワークの視点」をテー
マに、地域社会に根ざした介護事業所としての取り
組みについて話されました。
ライフサポートワークは、
「~したい」の実現に向けた支援を行っており、
「周
りの要望や希望に応えることではなく、本人の自己実
現を目指すこと」が重要であること、
また、サービスを
導入することで、支援者が本人と地域社会との分断
をしてきた反省を踏まえ、
「本人をチームの一員とし
て真ん中において、途切れそうになっている関係性
をどう紡いでいくかが重要である」と話されました。
久松氏は、鹿児島市内に無床の在宅療養支援診
療所(患者数約130人)
を開設し、
「(定期)訪問診
療」
「 2 4 時 間 対 応 」を行う中で、
「 医 療ソーシャル
ワーカーの配 置は必 然である」と考え、現 在 常 勤3
人、非常勤1人の社会福祉士を配置されています。
「患者・家族を孤立させないよう、常に寄り添い支援
していく存在が必要であり、社会福祉士には、その
役割を果たすことを期待している」と話されました。
芝田氏は、司法書士の立場から、
ソーシャルワーク
と司法との連携について話されました。NPO法人や
どかりサポート鹿児島におけるホームレス支援の実
践をもとに、生活保護の申請、病院の手配、入院の手
続きなど、本人に必要な支援を適確にこなすソーシャ
ルワーカーと出会い、
「ソーシャルワーカーって何?す
記念講演
シンポジウム
ごい!」
と思ったこと、その一方で、法律家自身が「地
域連携の必要性」に気づき、
自らが社会資源の一つ
であることを自覚するようになったと話されました。
ま
た、地 理や距 離の問 題だけでなく、司法にアクセス
障害を抱えた方々のためには、
ソーシャルワーカーに
よる支援が必要であり、当事者の司法アクセスの充
実を図ることが重要であることなどを話されました。
久木元氏は、社会福祉法人を運営する立場から、
「規制改革」
「イコールフッティング論」が大きく取り上
げられる中、社会福祉法人として何をすべきか、につい
て話されました。自らが運営する法人において、犯罪や
非行をして保護観察になった人たちを受入れ、社会の
役に立つ体験を通じて人の役に立てる感情に気づき、
自信を得て、社会のルールを守る意識を育むことを期
待した活動としての「触法少年の体験活動」や「生活
困窮者の中間的就労」
「総合的な相談支援体制」に取
り組み始めていることを紹介されました。そして、社会
福祉法人経営者協議会の立場から、社会福祉士のさ
らなる地位向上にむけて、キャリアパスの仕組みである
認定社会福祉士制度に、現場の社会福祉士自身が積
極的にかかわっていくことが重要でと話されました。
「変 化 す る 社 会 構 造 と 社 会 福 祉 士」
鹿児島国際大学国際文化学部 准教授 ジェフリー・S・アイリッシュ氏
「変化する社会構造と社会福祉士」をテーマに、
鹿児島国際大学国際文化学部准教授のジェフリー・
S・アイリッシュ氏によって行われました。
はじめに、2日目すべてのプログラムに参加され
3
日本社会福祉士会ニュース №172(2014年9月)
たアイリッシュ氏から、特に2日目の分科会は社会
福祉実践への熱い思いが伝わる素晴らしい取り組み
であると大会への感想が述べられました。
次にご自身のことについて、
日本に来たのは日本の文
化に興味を持ち、特に昭和初期の歴史や文化につい
て興味があり市川房枝についての研究を行っていたこ
と、
日本に来てからの生活は、建設会社に就職したが、
田舎での生活に憧れていたため2年で退職し、
「Dr.コ
トー診療所」のモデルとなった鹿児島の 下甑島(しも
こきじま)で漁師の手伝いを行いながら、地域住民と
の交流をしていたこと、漁村での生活を経験したので
次は山村での生活を行いたいと思い現在の居住地で
ある川辺町へ引っ越したことについて話されました。
日本の文化を学び日本で生活をする中で、日本は
150年前から変化し続けていること、変化の中で古
いものと新しいものが共存できていてそれは素晴ら
しいことだと話をされました。方言を交えながら、
地域の行事や地域住民との交流写真を使って話され
る中で、住んでいる土くれ集落は高齢化率93%で平
均年齢は78歳、縁もゆかりもない外国人を住民は拒
記念講演
絶することなく「あとから来た人」と受入れてくれ
たこと、あとから来た外国人に小組合長を2回も任
せてくれたことに驚いたが、とても嬉しかったと話
されました。世帯数の減少や集落がなくなることは
止めることができない現実であると話をされ、集落
の住民はどのようにして自分の生活を守れるのかを
考えて生活しており、妥協ではなく無理をせず生活
を営んでいると話されました。
日本のコミュニティはとても恵まれていて、その
ことをもっと感じて欲しいと結ばれました。
海外研修等報告会
大会2日目、かごしま県民交流センターにて「社
会福祉士海外研修・調査」(公益財団法人社会福祉
振興・試験センター主催)の参加者による海外研修
等報告会と、国際・滞日外国人支援委員会の企画に
よる報告会「インターナショナル・ソーシャルワー
クの現状と課題」を行い、約40人が参加しました。
2013年度は、社会福祉士3人が海外での社会福
祉士海外研修・調査に参加しました。発表者および
テーマは以下の通りです。
(1) 福永寛徳氏(社会福祉法人キリスト教児童
福祉会 家庭支援センターみなと)
テーマ:「多文化社会であるニュージーラ
ンドにおける、虐待対応・地域子育て支援
を主とした児童福祉実践を学ぶ」
(2)
榊原聡実氏(愛知県健康福祉部地域福祉課)
テーマ:「診療所を拠点としたアウトリー
チによる野宿者支援の調査研修~ソウル無
料診療所の社会福祉士の活動を中心に~」
(3) 井上祥明氏(独立行政法人国立病院機構別
府医療センター)
テーマ:「アメリカにおける災害医療支援
システム実態調査および災害ソーシャル
ワークの現状について」
後半の、「インターナショナル・ソーシャルワー
クの現状と課題」では、まず、大島了氏(国際・滞
日外国人支援委員会委員)より、「インドネシアで
4
海外研修報告会
の災害対応ワークショップを通じて」として、社会
福祉専門職協議会(社専協)での国際委員会が中心
となって行った災害対応をテーマとしたプロジェク
ト事業や、インドネシアでの災害対応や福祉人材の
調査の様子について報告されました。
続いて、原口美佐代氏(国際・滞日外国人支援委
員会委員)から、「ミャンマーにおける人身取引被
害者自立支援のための能力向上プロジェクト」での
ソーシャルワーク研修の意義について、自身のプロ
ジェクトでの講師活動内容と研修の達成状況につい
て報告されました。
最後に、坂間治子氏(国際・滞日外国人支援委員
会委員)より、2014年度国際・滞日外国人ソーシャ
ルワーク研修の開催予告、国際ソーシャルワーカー
連盟(IFSW)の紹介などが行われました。
日本社会福祉士会ニュース №172(2014年9月)
引 継 式
~鹿児島から石川へ~
全国大会を終えて
「加賀百万石の城下町金沢へ」
第21回日本社会福祉士会全国大会・社会
福祉士学会(鹿児島大会)実行委員長
第22回日本社会福祉士会全国大会・社会
福祉士学会(石川大会)実行委員長
(公社)鹿児島県社会福祉士会 会長
(一社)石川県社会福祉士会 会長 堂田 俊樹 氏
久永 繁夫 氏
早いもので全国大会から2カ月が過ぎようとして
次年度の石川大会実行委員長の堂田でございます。
います。まずは本大会にご参加いただきました全国
鹿児島大会は、本当に素晴らしい大会でした。鹿
の皆さまに開催地を代表しまして、厚く感謝の意を
児島という地域が食事もお酒も美味しく、学会でな
表します。また、数多くの福祉施設や出版社などか
くても一度訪れたいと思っていました。
ら協賛広告をいただき、おかげさまで大会運営の貴
さて、鹿児島大会があまりにも良かったものです
重な財源となりました。紙面をお借りしまして厚く
から、正直、次回開催県としては「こんなに大変な
お礼を申し上げます。
大会を本当にできるのだろうか、不安だなぁ」と、
私個人としては、日本社会福祉士会創設にかか
プレッシャーをひしひしと感じています。とはい
わった八王子セミナーハウスの仲間から「鹿児島で
え、私だけでなく大会実行委員や日本社会福祉士会
やるというから馳せ参じたのよ・・」と言われた一
の皆さまが付いているので、プレッシャーを跳ね除
言と、久しぶりの再会に大感激でした。
けて、一丸となって頑張りたいと考えています。
実行委員会では、大会参加者の目標設定を当初か
石川大会は、
会場を金沢のど真ん中に構え、
兼六園や
ら1,000人超と設定して会場の準備などを行ってま
21世紀美術館、
長町武家屋敷などの観光地へも徒歩数
いりましたが、地元鹿児島県の参加者も目標を超過
分で行くことができます。
また、
2日目の分科会会場間の
達成し、この間の新規入会者が50人を超え、念願
移動もすべて徒歩での距離になります。加えて、北陸
の会員数700余名を擁する組織と発展しました。鹿
新幹線の開通、行政の全面的な協力も約束されてお
児島県社会福祉士会が直接事業として行う各種研修
ます。ぜひ、皆さま、石川県金沢市にお越しください。
会の開催や、本県地区支部における研修会の充実に
ところで皆さまにお願いがあります。皆さまが、
一層の努力が必要だと身を引き締めているところです。
職場に行かれましたら「鹿児島大会は最高だったよ。
台風の影響で実行委員会としての総括会議をまだ
ところで、来年の石川大会は7月4日・5日らしい
開くことができていませんが、しっかりと次年度の
よ。絶対、行かなきゃね」とご報告してください。
石川県に引き継ぎたいと考えています。
それをもって、皆さまの鹿児島大会は終わります。
全国の会員の皆さまのご健康と社会福祉士会の一
どうぞ、来年7月4日・5日の石川大会をよろし
層の発展、社会福祉士の地位向上を念願してお礼の
くお願いいたします。加賀百万石のおもてなしでお
挨拶とさせていただきます。
迎えいたします。
引継式
引継式
5
日本社会福祉士会ニュース №172(2014年9月)
第27回通常総会を開催しました
2014年6月21日に鉄鋼会館(東京都中央区)で第
ぱあとなあの運営に関する基準の附則第3項のブロッ
27回通常総会を開催しました。
クについて改正することが提案され、議決されました。
今回は、公益社団法人移行後初めての通常総会で
第6号議案「役員選任案」では、はじめに鎌倉会
あり、
これまでの代議員総会から都道府県社会福祉士
長から2013年4月1日から2年間を1期とするこ
会の代表者が議決権を持つ代表者総会となりました。
とで選任された理事は、公益社団法人移行後13人に
第1号議案「2013年度事業報告」および第2号議
することが社団法人時代から既定方針として決まっ
案「2013年度決算報告」は原案どおり議決されまし
ていたことの説明がありました。そして、本年4月
た。また、第3号議案の2014年度以降の事業見直し
1日に公益社団法人への移行が確定していたため、
およびすでに決定している補助金に係る「2014年度
2013年度の理事会において24人いる理事のうち11人
補正予算」も議決されました。
は3月末に辞任し、公益社団法人移行後は現職の理
第4号議案「綱紀委員会規則改正案」では、綱紀
事13人となりました。
委員会委員の任期を従来の2年2期(4年)から2
公益社団法人移行後は役員任期の数え方が変わ
年4期(8年)へ改正すること、また、ブロック選
り、2013年4月に就任した役員は、本総会で任期が
出を廃止することが提案され議決されました。
満了となります。社団法人から公益社団法人へ移行
第5号議案「権利擁護センターぱあとなあに関す
する過渡期として、このような事態が生じているこ
る規則改正案」では、
権利擁護センターぱあとなあに関
との経緯が説明され、審議の結果、現職13人の理事
する規則の別紙である都道府県社会福祉士会が行う
と2人の監事の再選任が議決されました。
公益社団法人日本社会福祉士会
役員・相談役名簿
(任期:2014年6月21日~ 2015年総会)
○会長(代表理事)
鎌倉 克英(香川・祷友会)
○副会長(業務執行理事)
松山 茂樹(新潟・医療福祉大学)
田村 満子(大阪・たむらソーシャルネット)
愛沢 隆一(埼玉・埼玉県中央児童相談所)
○理事
柏 浩文(北海道・札幌市社会福祉協議会)
空閑 浩人(京都・同志社大学)
小塙 和宏(神奈川・相模原市社会福祉協議会)
星野 美子(東京・TRY星野社会福祉士事務所)
石井 昌明(静岡・あしたか太陽の丘)
冨田 明裕(長崎・諫早療育センター)
服部 恭弥(山口・ケアポート徳山)
前嶋 弘(兵庫・ヨハネ会)
柳瀨 恵子(富山・砺波市社会福祉協議)
○監事
本多 洋実(神奈川・日本体育大学女子短期大学部)
山岸 正夫(山岸公認会計士事務所・公認会計士)
○相談役
山村 睦(文京学院大学)
認定社会福祉士研修認証(認証番号:20130037)
●学校説明会
2014年:10月15日(水)/11月5日(水)/11月15日(土)/12月10日(水)
2015年:1月10日(土)/1月21日(水)/2月18日(水)
●一般入試
2014年12月13日(土)/2015年1月24日(土)/2015年3月7日(土)
6
日本社会福祉士会ニュース №172(2014年9月)
子どもの貧困対策に関するパブリックコメントを
提出しました
政府は昨年成立した「子どもの貧困対策の推進に関する法律」において、子どもの貧困対策を総合的に推
進するための大綱を定めなければならないとし、大綱作成に際して有識者などの意見を把握することとなり
ました。
このたび、有識者の意見を把握するために立ち上げられた「子どもの貧困対策に関する検討会」が「大綱
案に盛り込むべき事項」をまとめ、これに対する意見募集が行われ、本会は以下の意見を提出しました。
「子どもの貧困対策に関する検討会」意見の整理「大綱案に盛り込むべき
事項」に対する意見
1.スクールソーシャルワーカーを担う人材及び支援体制について
「大綱案に盛り込むべき事項(意見の整理)」(以下「意見の整理」という)では、スクールソー
シャルワーカーについてその重要性に鑑み、児童生徒の心身のケア(第3-1
(5))や教育と福祉の連携
(第3-2
(3))に重要な役割を果たすとし、配置指標を設定すること(第2-1)や支援が必要な重点校
には優先配置(第3-1
(3))を求めている。しかし、人材及び支援体制については言及がない。
スクールソーシャルワーカーは、不登校やいじめ、被虐待、非行などの問題に取り組むとともに、そ
の背景にある貧困対策へ取り組む。そのためには、周囲の環境への働きかけやネットワークを活用して
問題解決を支援する必要があり、福祉の専門的知識と相談援助技術が求められる。また支援は漏れるこ
となく、かつ継続的に行われる必要があるため、常勤職員を配置し窓口機能を学校に整備するなど、ス
クールソーシャルワーカーをより機能的に活用するための体制整備が必要である。
従って「意見の整理」において、スクールソーシャルワーカーとしてソーシャルワーカーの国家資格
である社会福祉士及び精神保健福祉士を任用することを原則とし、スクールソーシャルワーカーの配置
指標に加えて、社会福祉士及び精神保健福祉士の比率を指標とすることを明記すべきである。あわせて
重点校から順次、社会福祉士もしくは精神保健福祉士の常勤配置及び支援体制の構築が行えるよう予算
の優先確保を明記すべきである。
2.子どもの貧困対策に関わる専門機関への専門職配置について
「意見の整理」では、児童養護施設や児童相談所の体制整備や自治体職員等の相談支援スキル及び質
の向上(第3-2
(3))を求めている。
子どもの貧困対策を総合的に推進するにあたり、児童相談所等の子どもの福祉に関係する専門機関の
職員には、高度な福祉の専門性が必要とされている。しかし、福祉事務所のケースワーカーの社会福祉
士有資格者は4.9%(平成21年度調査)にとどまっているのをはじめとして、任用専門資格要件として定
められている児童福祉司にも資格者の配置が進んでいない。
従って「意見の整理」において、児童相談所、福祉事務所、社会的養護に関係する施設・機関等の子
どもの貧困対策に関わる専門機関には、社会福祉士等の専門職配置推進を明記すべきである。
7
日本社会福祉士会ニュース №172(2014年9月)
IFSW総会、ソーシャルワーク合同世界会議
オーストラリア・メルボルンにて開催
2年に1回開催されるI F S Wの総会が7月6日、7日にオーストラリアのメルボルンにて開催されました。
今回は「ソーシャルワークのグローバル定義」の採択や、IFSW役員の投票など、重要な決定が行われま
した。日本が推薦した木村真理子氏(公益社団法人日本精神保健福祉士協会所属、本会国際・滞日外国人支
援委員会外部委員)が、IFSW副会長ならびにIFSWアジア太平洋地域会長に選出されました。
また、IFSW、IASSW(国際ソーシャルワーク学校連盟)とICSW(国際社会福祉協議会)は、2014年
7月9日~12日にオーストラリアのメルボルンにてソーシャルワーク合同世界会議を「社会経済的平等の促
進」というテーマで開催しました。
「ソーシャルワーク、教育及び社会開発に関する
合同世界会議2014」報告
国際・滞日外国人支援委員会 委員長 冨田 明裕
8
2014年7月9日から12日まで、オーストラリアの
開発のためのグ
メルボルンにおいて「ソーシャルワーク、教育及び
ローバルアジェ
社会開発に関する合同世界会議2014」が開催されま
ンダ(国際的な
した。この世界会議は、IFSW、IASSW、ICSWの
検討課題)」に
三団体が主催となり隔年で開かれるソーシャルワー
より設定された
クの国際会議です。
テーマです。こ
会場となった「メルボルンコンベンション&エキ
れらのテーマに
シビジョンセンター」には、78カ国から約1,500人の
基づいて医療・
参加者があり、4日間にわたり全体会、基調講演、
保健、障害者福祉、高齢者福祉、児童・家族福祉、
分科会、E-ポスター発表などで活発な討議がなされ
メンタルヘルス、ジェンダー、人権、移民、難民な
ました。分科会やE-ポスターにおいては日本からの
ど、現代社会のさまざまな課題について、世界の実
発表もありました。
践家や法律分野の専門家、研究者、教育者、政策立
また、会議期間中10カ所においてフィールドト
案者などが参加し、それぞれの国や専門分野、立場
リップ(施設見学)も開催されました。
を越えた活発な議論がなされました。
今回の会議のメインテーマは、「社会的、経
今回の会議における分科会の発表において「人
済的平等の促進:ソーシャルワークおよび社会
権」に関するテーマが多かったようですが、私が参
開発からの回答( Promoting Social and Economic
加した会議の中で印象に残っているのは、韓国の梨
Equality: Responses from Social Work and Social
花女子大学のヤング・ハン教授の基調講演でした。
Development)」と題し、サブテーマは①個人、家
ハン教授は、「人権と平等のための教育改革」を
族や地域社会の社会的、文化的福祉の強化②個人・
テーマに講演されましたが、教授は、児童虐待、対
コミュニティの健康上の不平等と不利益に対する取
人暴力、健康およびメンタルヘルスの領域における
り組み③保障と保護を促進し、社会的、経済的な取
人権について研究をされている方で、最近では北朝
り組みの促進④持続可能で安全な物理環境の構築⑤
鮮からの脱北者のための人権プログラムを開発され
人権と平等のための教育の改革-の5つの柱で構成
ており、韓国でも社会福祉における人権教育の第一
されていました。これらのテーマは現在、三団体が
人者でもあります。
国際的に取り組んでいる「ソーシャルワークと社会
ハン教授は、講演の中でソーシャルワークにお
日本社会福祉士会ニュース №172(2014年9月)
ける人権教育を重視し、これまでの人権教育のシ
一方、ポスター発表は、従来までの発表用紙を掲示
ラバスを分析し、新しい人権教育のカリキュラム
して行う方法ではなく、事前に発表者が会議のホー
の枠組みとして「人権教育(HRE‐Human rights ムページに発表原稿をアップし、それを参加者が興味
Education)モデル」を提案されました。このモデル
のあるテーマをダウンロードして見ることで、質問があ
は教育機関と地域住民が共同で行うサービス・ラー
れば発表者にEメールで行い、後日回答が届くという
ニングと住民が主体となって実施する参加型アク
E-ポスターという方法がとられましたが、これだと一方
ションリサーチで構成され、このモデルを教育ツー
通行で従来の発表者と参加者の直接の対話がないた
ルとして取り入れることで今後のソーシャルワーク
め、E-ポスターに関しては賛否両論があるようです。
における人権の教育が進むのではないかと話されま
今回のITを活用した会議は、今後、日本におけ
した。
る全国大会など参考にしていけるのではないかと思
また、今回の会議を通して特徴的だったのは、I
いました。
Tを活用した会議だった点です。これまでの会議
最後に今回の会議は、世界各国から集まった福祉
では厚い会議資料を持参しながら会場を移動して
関係者の熱気に包まれ、10数年ぶりに「ソーシャル
いましたが、今回から必要な資料はすべて会議の
ワークのグローバル定義」の見直しが行われた世界
ホームページからパソコンやタブレットにダウン
のソーシャルワークの歴史に残る会議でした。
ロードして会議に参加する方法がとられました。
IFSW 2014年度総会
IFSWアジア太平洋地域 会計 平田 美智子
7月6日から7日まで、メルボルン大学FBE劇
今回の総会の
場にてIFSWの2014年度総会が開催されました。
主な審議事項
参加国は、委任状も含め40カ国、参加者は約60人
は、2 0 0 0 年の
で、日本からはIFSW一般理事の木村真理子氏、本
ソーシャルワー
会理事で国際・滞日外国人支援委員会委員長の冨田
クの世界定義の
明裕氏、日本精神保健福祉士協会の片岡信之氏、日
改訂が議決され
本医療社会福祉協会の小原眞知子氏とアジア太平洋
たことでした。
地域会計担当平田の5人が出席しました。今回の総
ソーシャルワー
会で新たにエジプト、グレナダ、メキシコ、ルーマ
クの新しい定義に関しては、スイスからいくつかの
ニア、モロッコの5カ国と、ニュージーランドの先
項目を注釈に加えるという条件が出され、承認され
住民であるマオリのソーシャルワーカーがコーディ
ました。総会の議論全体を通して、ラテン・アメリ
ネーティング・ボディに加わり、IFSWへの加盟が
カ地域代表の発言力が強いこと、また先住民委員会
承認されました。
の設置を求める声が出るなど、かつての欧米・白人
また、IFSW役員選挙が行われ、新会長にイギリ
中心のソーシャルワークから「南」・非白人のソー
スのルース・スターク氏、新副会長兼アジア太平洋
シャルワークへの変化が明確になり、
その中で日本も重
地域会長に日本の木村真理子氏が選出されました。
要な役割を果たすときが到来したという印象でした。
IFSW アジア太平洋地域会議
IFSWアジア太平洋地域 会計 平田 美智子
7月9日午前、世界会議の開かれたコンベンショ
会議が開かれました。参加国は、中国、香港、シン
ン・センターの会議室で、IFSWアジア太平洋地域
ガポール、マレーシア、マカオ、フィリピン、韓
9
日本社会福祉士会ニュース №172(2014年9月)
国、オーストラリア、ニュージーランド、日本の10
することになり
カ国の代表でした。
ました。木村真
ジョン・アン会長(シンガポール)の挨拶の後、
理子新会長の
会計担当の平田が2013年度の会計報告をし、IFSW
下、アジア太平
の地域開発基金を使った災害プロジェクトの会計報
洋地域に加盟国
告も行いました。災害プロジェクトは、日本の主導
を増やし、会
で、2011年日本、2013年フィリピン、2014年イン
議やインター
ドネシアでシンポジウムやワークショップが開催さ
ネットを活用
れ、記録がCD-Rに収められ各国に配布されたこと
して広い地域が一体となるよう取り組むことになり
が報告されました。
ました。アジア太平洋地域は、地域的に最も広く、
続いて新役員の選出でしたが、ジョン・アン
人種・民族・文化・言語・政治・宗教など多様であ
会長の任期満了に伴い、木村真理子氏が新会長
り、ソーシャルワークの実践も多様ですが、大きな
に、ニュージーランドのローズ・ヘンダーソン氏
可能性を秘めた地域と言えます。約5万人の日本の
がIFSW一般理事に選出されました。書記は香港
ソーシャルワーカーがこの地域に属しており、今
のアイリーン・リュウ氏、広報はマレーシアのエ
後災害対策や高齢者福祉などに関して日本からソー
ルシー・リー氏、倫理委員はオーストラリアのリ
シャルワークに関する発信をしていくことが期待さ
チャード・ハグマン氏、会計は引き続き平田が担当
れます。
フィールドトリップ(施設見学)に参加して
国際・滞日外国人支援委員会 委員 森 恭子
10
会期中に10カ所のフィールドトリップ(施設見
様に、オースト
学)が用意されていました。私は、International
ラリアも近年は
Social Service(ISS)オーストラリアとアサイラム
難民申請者へ
シーカーリソースセンターの2カ所を訪 問しました。
の対応が厳し
前者は、国連の諮問機関でもあるISSのネット
くなっているた
ワーク(日本にはISS Japanがあります)のメンバー
め、フォーマル
で、主に国際家族の問題(子の奪取ケースの支援・
なサービスに代
仲介、国際養子縁組後の追跡調査、家族再統合な
わって、物資の
ど)を扱っていました。
提供、無料のランチ、レクリエーション・プログラ
目の不自由なソーシャルワーカーが大会会場まで
ム、語学教室、就労支援、ヘルスサービスなどの多
迎えに来てくださり、ワーカーと法律家などがケー
様なサービスを提供していました。
ススタディも含めながら、事業内容をわかりやすく
センターは、2階建てで居場所としてのスペース
説明してくださいました。日本も今年4月からハー
が確保され、ボランティアも大勢かかわっており、
グ条約に加盟したことから、今後は、国際結婚・離
ソーシャルワーカーのみならず、法律家、医者、看
婚などによる一方の親の国への子どもの奪取(連れ
護師等の専門職も配置され、まさに地域の拠点の
去り)への対応に迫られるだろう、またISSのよう
ようでした。施設内を見学しながら、それぞれの担
にワーカーと法律家が協力する機関が必要になるだ
当スタッフが活き活きと話してくれたのが印象的で
ろうと思いました。
す。あるスタッフは、ワーカーの仕事は「イノベー
次に訪問したアサイラムシーカーは、難民申請者
ション」だと言っていましたが、彼らの実践からそ
への総合的な支援を行っている施設でした。日本同
れは容易に納得できるものでした。
日本社会福祉士会ニュース №172(2014年9月)
木村真理子氏、IFSW副会長・
アジア太平洋地域会長に選出!
今回のIFSW総会では、日本の社会福祉専門職団体協議会が推薦した、木村真理子氏がIFSW副会長、なら
びにIFSWアジア太平洋地域会長に選出されました。木村真理子氏のメッセージをご紹介します。
IFSW副会長・アジア太平洋地域会長に選出されて
木村 真理子
日本女子大学社会福祉学科教授・日本精神保健福祉士協会構成員・社会福祉専門職団体協議会所属
私は2014年7月7日に開催されたIFSW総会で
ソーシャルワーカーの社会的地
アジア太平洋地域の会長に選出され、翌日8日に
位の向上とソーシャルワーカー
はIFSW副会長にも選出され、国際的なソーシャル
の組織を強化すること、第3
ワーカーの組織をリードしていく重責を担うことに
に、地域活動のための財源を確
なりました。これまでIFSWなどの国際会議に日本
保し、災害対策などのプロジェ
から参加する人々は多く、ソーシャルワーカーや
クトにより加盟国間のネット
教育者・研究者の交流はありましたが、日本の代表
ネットワークを強化することで
が表舞台に立つ機会には恵まれませんでした。これ
す。
からは、日本だけではなくアジア太平洋地域のソー
アジア太平洋地域は広大な地域をカバーしてお
シャルワーカー代表として、欧米や南米、アフリカ
り、最も東に位置する中国、韓国、日本から、西は
地域の代表に伍して意見を届けることになりまし
アラブ諸国の位置する中東まで、南は太平洋の諸島
た。私の選挙に際しては、日本の社会福祉専門職団
までを含み、多様な民族(先住民を含め)、文化、
体協議会の推薦を受けましたが、今後もさらに一層
宗教的背景を持つ多様な地域的特色をもっていま
のご支援・ご指導をお願いしたいと思います。
す。実際にIFSWアジア太平洋地域の会長となり、
IFSWは現在、国際社会が直面している社会問題
地域が抱える社会的課題を強く認識し、地域に貢献
を中心に、ソーシャルワーカーが取り組む課題を焦
するべき責任を思うと身の引き締まる思いです。日
点化し、グローバルアジェンダ(地球的課題)とし
本は幸い社専協という4つの社会福祉専門職団体に
て定め、各課題に2年ごとに取り組んでいます。ア
よる連合組織を構成しており、アジア太平洋地域で
ジア太平洋地域のソーシャルワークの課題はこのグ
の責任を果たす上で多くの技術や経験を持つソー
ローバル課題と密接にかかわっています。私は、ア
シャルワーカーによる支援を得ることができること
ジア太平洋地域会長として、以下の3つの優先課題
は大変心強いことです。アジア太平洋地域において
に取り組みたいと思います。第1に、IFSWへの加
選出された代表として日本組織の支援をもってこの
盟国を増やすこと、第2に加盟国間の関係を強化し
責任を果たしてゆきたいと心から願う次第です。
(注)IFSW(国際ソーシャルワーカー連盟)は、世界の110カ国以上の国々のソーシャルワーカーが加盟する国際組織である。世界を
ヨーロッパ、北米、アフリカ、南米、アジア太平洋地域に分け、それぞれの地域の加盟国がソーシャルワーカー組織としてIFSWに加盟
し、社会問題の解決や人々のウェルビーイング、自由および平等な生活の獲得、ソーシャルワーカーの社会的認識の向上を目指し
て活動している。
日本はIFSWの加盟に際し、現在次の4つの組織、日本ソーシャルワーカー協会、日本社会福祉士会、日本医療社会福祉協会、日
本精神保健福祉士協会がコーディネーティングボディ(社専協)を構成している。日本のIFSWの参加の歴史は50年以上前にさかの
ぼり、一貫した関与はIFSWグローバルボディとIFSWAP(アジア太平洋地域組織)に対して大きな信頼と影響力を及ぼしてきた。
IFSW、IASSWとICSWは、合同で、時には独立して、1年置きに交代で世界会議と地域会議を開催している。2014年はグローバル会
議開催の年で、7月9日から12日までオーストラリアのメルボルンで、社会経済的平等の促進というテーマで開催された。
11
日本社会福祉士会ニュース №172(2014年9月)
役 員 候 補 者 選 出 の 公 示
立候補の受付期間は、 2014年10月1日(水)から10月23日(木)です。
第27回通常総会において選任された現役員の任期が、2015年6月通常総会で満了となります。これに
伴い、次期役員候補者の選出について公示します。
2015年6月総会から2017年総会(1期2年)を任期とする次期役員を選出するため、次のとおり役員候
補者の選出について公示します。
本会の役員に立候補される方は、公示内容に基づき準備をお願いいたします。
なお、立候補の届け出に必要な「立候補届」および「推薦書」の書式は、会員専用ホームページからダ
ウンロードしてご使用ください。
また、役員選出までのスケジュールは表1の通りです。立候補の受付期間は、2014年10月1日(水)
から10月23日(木)消印有効となりますのでご留意ください。
<選挙管理委員会> 中国ブロック・四国ブロック
中井 俊雄(岡山県)委員長
手島 孝人(鳥取県)
坂本 和夫(広島県)
細川 良士(香川県)
團 雅之(徳島県)
※選挙管理委員会は、
「役員候補者選出規則」
に基づき、
役員選出にかかわる事務を厳正に行います。
■役員選出スケジュール(表1)
期 日
7月19日
(土)
8月 5日
(火)
8月 9日
(土)
8月23日
(土)
9月 3日
(水)
2
0
1
4
年
2
0
1
5
年
9月 6日
(土)
会議等
理事会
理事会ML
選挙管理委員会(第1回)
理事会
ニュース9月号
会員専用ホームページ
会長会議
10月 1日
(水)
10月23日
(木)
10月25日
(土)
10月31日
(金)
11月 4日
(火)
↓
11月10日
(月)
↓
↓
↓
12月26日
(金)
選挙管理委員会
(第2回)
理事会メーリングリスト
会員専用ホームページ
ニュース11月号
選挙管理委員会
(第3回)
2月21日
(土)
3月 2日
(月)
4月11日
(土)
↓
4月30日
(木)
5月16日
(土)
理事会
会員専用ホームページ
ニュース4月号
役職選考会★
理事会★
理事会★
第29回通常総会
(東京)
臨時理事会★
★印は、選挙管理委員会の所管業務外
12
立候補受付開始
↓ (20 ~ 30日間)
立候補受付締切:10月23日
(木)
消印有効
立候補届等書類審査・立候補者名簿確定
立候補者名簿の報告
立候補者名簿の公開
理事候補者郵便投票開始
理事候補者郵便投票締切
(消印有効)
1月24日
(土)
6月上旬
6月20日
(土)
選管業務・行事等
選挙管理委員選出地区決定
選挙管理委員選任報告・承認
準備諸手続・スケジュール確認・公示内容検討
公示内容確定
「公示」
(公示~受付開始まで2週間以上)
公示内容報告 郵便投票開票・理事候補者の決定
立候補者へ選挙結果を通知
理事候補者決定報告
理事候補者の公表
次期会長候補者選挙立候補受付開始★
↓
次期会長候補者選挙立候補受付締切★(消印有効)
理事候補者全員による役職候補者内定★
理事会で監事候補者決定★
役員候補者名簿を正会員に送付
(総会議案資料集)
役職選考会で内定した役職候補者報告★
新役員決定
新役職者
(会長・副会長・専務理事・理事)
決定★
選挙管理委員会委員解散
日本社会福祉士会ニュース №172(2014年9月)
2014年9月3日
役員候補者選出に関する 「公示」
(公社)日本社会福祉士会
選挙管理委員会
以下のとおり、公益社団法人日本社会福祉士会の役員
候補者選出を行いますので公示します。
1.選出する役員候補者区分および人数
正会員を構成する社会福祉士である理事 7~13人
2.選出する役員の任期
2015年総会開催日(2015年6月頃)から
2017年総会開催日(2017年6月頃)まで
3.選出時期および選出方法
○選出時期……2014年11月10日(月)~ 2014年12月
26日(金)
○選出方法……理事立候補者が13人を超える場合に
は理事立候補者名簿の中から、正会
員による郵便投票によって、票数上
位13人を候補者とし選出する。
4.立候補の受付
○立候補受付期間……2014年10月1日(水)~ 10月23
日(木)
郵送によることとし、締め切り日の
消印を有効とする。
○受付先……〒160−0004 東京都新宿区四谷1−13
カタオカビル2階
公益社団法人日本社会福祉士会選挙
管理委員会宛て
5.立候補者の要件
(1)立候補者は、正会員を構成する社会福祉士であ
ることを要する。
(2)立候補者は、正会員の推薦があることを要す
る。なお、各正会員が推薦できる立候補者は、
理事定数の3分の1を超えない数とする。
6.立候補の方法
○立候補に必要な書式(「(公社)日本社会福祉士会役
員立候補届」および「(公社)日本社会福祉士会役員
ネットワークを活用したソーシャルワーク実践
事例から学ぶ「地域」実践力養成テキスト
■編集:社団法人日本社会福祉士会 ■2013年6月発行 ■B5判・190頁 ■定価2,625円(本体2,500円+税5%)
地域ケア会議を機能させ、
有機的なネットワークを構築するために必要な知識を整理。
「個別」
「組織」
「地域」
の3つの視点から考える地域ニーズへのアプローチと課題解決の方法を提示。
市町村・都道府県のための
養介護施設従事者等による高齢者虐待対応の手引き 帳票・事例編
■編集:社団法人日本社会福祉士会 ■2013年8月発行 ■A4判・244頁 ■定価2,940円(本体2,800円+税5%)
『市町村・都道府県のための養介護施設従事者等による高齢者虐待対応の手引き』
に基づいた
対応例を収載。養介護施設での高齢者虐待に、
虐待対応帳票を用いて対応した4事例を紹介。
市町村・都道府県のための
養介護施設従事者等による高齢者虐待対応の手引き
■編集:社団法人日本社会福祉士会 ■2012年7月発行 ■A4判・128頁 ■定価2,310円(本体2,200円+税5%)
関係機関との連携、虐待対応の要綱やマニュアルの整備、
養介護施設の適正化、
再発防止の各
ポイントをフローチャートで示す。
具体的な対応方法が時系列に一目でわかる。
Tel.03-3379-3861 FAX.03-3379-3820
〒151-0053 東京都渋谷区代々木2-27-4 http://www.chuohoki.co.jp/
立候補者推薦書」)は、本会会員専用ホームページ
からダウンロードして使用すること。
○立候補は「(公社)日本社会福祉士会役員立候補
届」および「(公社)日本社会福祉士会役員立候補
者推薦書」をあわせて提出(郵送)することにより
行う。
○封筒の表面には、必ず「立候補届在中」と朱書きす
ること。
7.禁止事項
(1)連続4期(8年)を超えての選任の禁止。(定
款第19条第1項))
(2)選挙管理委員は立候補できない。(規則第6条
第3項)
8.留意事項
○立候補者および推薦者の氏名、会員番号、所属県
士会名、「主な活動歴」、「立候補の理由・抱
負・本会において取り組みたい事項」について
は、会員専用ホームページやニュース等で公開し
ます。
○立候補の受け付けは郵送のみです。FAX・宅配
便・Eメールや直接持ち込みは、規則上受付には
なりませんので、十分ご注意ください。
○立候補届と推薦書は、それぞれ押印のうえ必ず一
括して発送してください。
○立候補受付締切日間近に立候補届を発送する場合
は、「速達」で発送してください。
○立候補届の提出期限に間に合わなかった場合や届
出書類に不備または虚偽が発見された場合には、
立候補は認められませんので、十分にご注意くだ
さい。
9.補 足
○選挙管理委員会は、役員選挙にかかわる事務を所
管します。
○立候補者名簿は、選出期間開始日までに、正会員
へ送付します。
○監事候補者は、規定により理事会において選出し
ます。
○選挙管理委員会は、役員候補者名簿を整え総会に
提出し、総会において役員の選任(承認)を行い
ます。
以上
視覚障害のある会員の方に本ニュースのテ
キストデータをEメールでお送りしています。
ご希望の方は、会員番号と氏名を明記の上、
本会事務局にEメールでお申し込みください。
Eメール:[email protected]
13
日本社会福祉士会ニュース №172(2014年9月)
2014年9月3日
6.候補者推薦書の受付 ≪細則第3条第2項≫
・受付期間 2014年11月1日
(土)~ 30日
(日)の1カ
正会員を構成する社会福祉士 各位
綱紀委員会委員選考に関する 「公示」
月間。
・送 付 先 〒160-0004 東京都新宿区四谷1-13
カタオカビル2階
公益社団法人日本社会福祉士会
公益社団法人日本社会福祉士会 綱紀委
綱紀委員会委員選考委員会
員会委員選考委員会 宛て
以下のとおり、公益社団法人日本社会福祉士会綱紀委員
会規則(以下「規則」)ならびに公益社団法人日本社会福祉
7.委員候補者の要件
士会綱紀委員会委員選考に関する細則(以下「細則」)の規
・正会員を構成する社会福祉士である委員候補者は推
定に基づき、綱紀委員会委員候補者の選出を行いますので
薦期間の初日(2014年11月1日)現在において正会
公示します。
員に5年以上在籍していること。(2009年10月以前
下記により選考に関する取り組みを開始いたしますの
に正会員に在籍している方)
で、正会員を構成する社会福祉士の皆さまのご理解とご協
力をお願い申し上げます。
8.推薦の方法 ≪細則第4条≫
・「
(公社)日本社会福祉士会綱紀委員会委員候補者推
記
薦書」に推薦理由等必要事項を記入し、署名(自署)
1.選出する委員候補者区分および人数
捺印の上選考委員会宛てに提出(郵送)する。書式
≪規則第3条第1項≫
(1)正会員を構成する社会福祉士である委員
(定数=7人以内)
(2)外部の委員(定数=3人以内)
は、会員専用ホームページからダウンロードしてご
使用ください。
・正会員を構成する1人の社会福祉士が推薦できる委
員候補者は1人に限られます。
・封筒の表面には、必ず「綱紀委員候補者推薦書在
2.選出する委員の任期 ≪規則第4条第1項≫
中」と朱書きしてください。
2015年4月1日から2017年3月31日までの2年間
9.禁止事項
3.選出の方法 ≪細則第3条≫
(1)連続4期(8年)を超えての選任の禁止。≪規則
(1)正会員を構成する社会福祉士である委員
(7人以内)
………正会員を構成する社会福祉士が候補者を
「選考委員会」に推薦する。
(2)外部の委員(3人以内)
………「選考委員会」が候補者を推薦する。
第4条第1項≫
(2)選考委員会の委員は、綱紀委員には選考されな
い。≪細則第2条第4項≫
(3)推薦者は複数の候補者を推薦することはできな
い。≪細則第4条≫
(4)推薦書は、郵送で届けられたもの以外は受け付け
ない。≪細則第4条≫
4.選考委員会 ≪細則第2条≫
選考委員会は、委員候補者選出にかかわる事務を所
管します。
※留意事項
・委員の選考過程に関しては非公開です。お問い合わ
せにはお答えできません。
【選考委員名簿】
(4人)
(副 会 長)
松山 茂樹
(理 事)
柏 浩文
(理 事)
柳瀨 恵子
(事務局長)
小笹 知彦
・推薦書の受付は郵送のみです。FAX、Eメール、
はがき、あるいは直接事務局への原紙持ち込みは一
切受理されませんのでご注意ください。
・推薦書の提出期限に間に合わなかった場合や、記載
の不備、ひとりで複数人の推薦があった場合、また
は記載内容に虚偽が発見された場合には、無効とな
りますので十分にご注意ください。
5.選考に関するスケジュール
2014年7月 「選考委員会」発足
以上
【お問い合わせ先】
9月 委員選考に関する公示
11月 正会員を構成する社会福祉士から選考委
員会へ推薦書提出期間
2015年2月 理事会で候補者を指名(候補者の決定)
3月 総会で承認、「選考委員会」の解散
14
(公社)日本社会福祉士会 事務局 (担当:上原)
〒 160-0004 東京都新宿区四谷1-13 カタオカビル2階
TEL 03-3355-6541 E-mail [email protected]
日本社会福祉士会ニュース №172(2014年9月)
2014年度補助金・助成金事業
生活困窮者自立相談支援機関における主任相談支援員を
対象とした現任研修の開発及び試行事業
この事業は、平成26年度セーフティネット支援対
策等事業費補助金(社会福祉推進事業)の一環とし
て実施します。
2015年度からスタートする生活困窮者自立支援
制度にむけて、国において人材養成(平成26年度
自立相談支援事業従事者養成研修)が進められてい
ます。この研修は、自立相談支援機関に配属される
「主任相談支援員」「相談支援員」「就労支援員」
の3職種を対象に、6日間のプログラムで実施され
ています。
一方、生活困窮者自立支援法案に対する衆議院厚
生労働委員会附帯決議(平成25年12月4日)では、
「社会福祉士等の支援業務に精通する人員を十分に
配置することを検討し、適切な措置を講ずること」
とされており、特に、ソーシャルワークの視点が求
められる主任相談支援員のさらなる力量向上への取
り組みは急務となっている現状があります。
そこで、本事業では、国で実施する「平成26年度
自立相談支援事業従事者養成研修」の修了者を対象
に、主任相談支援員として配置される社会福祉士等
の力量を強化することを目的に、現任者向けの研修
プログラムを開発、実施します。
具体的には、これまでに本会が開発したツール
を、自立相談支援機関において、地域ネットワーク
づくりで活用するツール等への見直し・開発を行
い、実践現場における試行、検証を行います。そし
て、検証結果を踏まえた開発ツールを、研修プロ
グラムで活用する予定です。開発された研修プログ
ラムを通じ、主任相談支援員の「社会資源開発と地
域づくりを行う能力」「相談業務マネジメント能力
(スーパーバイズ能力等)」「高度な相談支援能
力」を高めることを目指します。
司法分野における社会福祉士の関与のあり方に関する
連携スキーム検討事業
本事業は、平成26年度セーフティネット支援対
策等事業費補助金(社会福祉推進事業)の交付を受
け、平成25年度に実施した「被疑者・被告人への福
祉的支援に関する弁護士・社会福祉士との連携モデ
ル事業」を踏まえ、弁護士との連携モデルをさらに
一歩進めるとともに、広く関係機関と連携し、「司
法分野における社会福祉士の関与のあり方に関する
連携スキーム」を構築していくことを目的として実
施します。
事業内容は、都市部における司法分野との連携モ
デル事業として、弁護士、関係機関との連携のも
と、逮捕時および裁判段階において、福祉的支援を
必要とする高齢者、障がい者などに対して、社会福
祉士が関与し、「接見」「アセスメント」「更生支
援計画書の作成」「居住環境の調整」「福祉・医療
サービスの利用調整」等を、平成25年度にモデル実施
した大阪、神奈川に札幌を加えた3カ所にて実施しま
す。また、平成25年度に取り組んだ事案の追跡調査を
行い、再犯防止にむけたあり方の検討を行います。
さらに、関係機関を対象に、啓発のためのシンポ
ジウムを開催し、モデル事業の成果を確認するとと
もに、課題提起を行い、全国への普及を目指してい
きます。「司法分野における連携スキーム」を構築
していくことにより、これまで先駆的に実践されて
いる事業もあわせ、再犯防止にむけたスキームの1
つとして、全国的に構築していく予定です。
認知症高齢者に対する意思決定支援としての成年後見制度の
利用促進の政策的課題と活用手法に関する実証的研究
本会は、平成26年度老人保健事業推進費等補助金
(老人保健健康増進等事業分)事業として「認知症
高齢者に対する意思決定支援としての成年後見制度
の利用促進の政策的課題と活用手法に関する実証的
研究」事業を実施します。
成年後見制度については、このたび我が国が批准
した障害者の権利条約が「平等な法的能力の享有」
「法的能力の行使にあたっての支援」等の原則を明
確にしており、後見類型における包括的代理権や取
消権等について制度的な見直しも要請されています。
本研究では、認知症高齢者の権利擁護にとって重
要な制度である成年後見制度において権利制限の緩
やかな補助、保佐類型の活用が本来的に望ましいと
いう観点から、その利用率が低い実態や事例の分
15
日本社会福祉士会ニュース №172(2014年9月)
析を通じて、補助、保佐類型における本人意思の確
認、代理権・取消権の行使や関係機関とのネット
ワーク活用等後見活動に必要な視点、手法を検討し
ます。その上で、認知症高齢者に対する意思決定支
援を軸とした成年後見制度の利用促進を図るために
必要となる担い手、支援機関、費用等のシステムの
再構築と公・民の役割分担等に関する政策的課題に
ついて実証的に検討します。
「家族・地域のつながりの再構築」にむけた介護保険施設
相談員の支援のあり方に関する調査研究
本事業は、平成26年度老施協総研調査研究助成事
業の一環として実施します。
要介護高齢者を支援する社会システムである介護
保険制度の給付には、「居宅サービス」と「施設
サービス」があります。居宅サービスについては介
護支援専門員(ケアマネジャー)に関するさまざま
な研究がなされていますが、施設サービスに関する
研究は十分に蓄積されているとは言いがたい現状が
あります。また、近年、地域包括ケアシステムの構
築の必要性が論じられており、その中には高齢者の
住まう場所として「施設」もあげられています。
本研究では、介護保険施設において、施設入所し
た要介護高齢者が自宅に一時帰宅(盆帰省等)す
ることを支援している実践例を収集し、「家族」や
「地域」とのつながりを維持・再構築するための
支援手法を分析・整理し、その成果を全国に普及さ
せ、相談員職の資質向上を図り、地域包括ケアの実
現に資することを目的としています。
滞日外国人支援に携わる人材の養成に関する調査研究
本会は、平成26年度日社済社会福祉助成の助成金
を受け、滞日外国人支援に携わる人材の養成に関す
る調査を実施します。
本事業では、自治体や職能団体などで実施されて
いる多文化ソーシャルワーク実践者の養成研修に関
する実態調査および分析を通じて、多文化ソーシャ
ルワークに携わる人材養成のあり方を提言すること
を目的としています。
外国人の福祉サービスの利用率は一般の日本人よ
り高く、不就学児童、日系人労働者問題などの統計
でも滞日外国人の福祉問題が顕在化しています。し
かし、過去の調査結果より、支援者養成の場が不足
しており、その一因に研修の実施自治体が少なく、
各機関や地域として応じた研修の運用の参考となる
情報や資源が得られていないことが挙げられます。
現在のところ、多文化ソーシャルワークに携わる人
材養成研修に関する実態調査は少なく、研修の評価
研究も未着手です。本会では2005年より多文化ソー
シャルワークに関する調査研究、社会福祉士を対象
とした研修、学会発表や書籍出版を行い、2013年度
には認定社会福祉士制度の研修認証を受けました。
これらの活動を通じて人材養成のあり方の検討およ
び研修に関する知見の発信の必要性を認識しまし
た。
そこで、多文化ソーシャルワークに関する研修の
分析を通じて多文化ソーシャルワークに携わる人材
養成のあり方について提言を行うことで、社会福祉
専門職や滞日外国人支援に携わる機関における研修
の向上に貢献したいと考えます。今後は、IFSWの
国際ネットワークを活用し、諸外国の多文化ソー
シャルワーク研修の実態を調査し、日本と比較分析
することも行う予定です。
障害者虐待防止・権利擁護指導者養成研修事業
本会は、厚生労働省からの委託を受けて「平成26
年度障害者虐待防止・権利擁護指導者養成研修」事
業を実施します。
本事業は、障害者虐待防止法の円滑な施行を図る
ため、国において「障害者虐待防止・権利擁護指導
者養成研修」を実施することにより、都道府県にお
ける障害者の虐待防止や権利擁護に関する研修の指
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導的役割を担う者を養成することを目的に開催する
ものです。
本研修は、次の3つのコースで実施します。
(ア)都道府県・市町村障害者虐待防止担当職員研修
(イ)障害者福祉施設設置者・管理者研修
(ウ)虐待防止マネージャー養成研修
日本社会福祉士会ニュース №172(2014年9月)
認定社会福祉士認定要件の経過措置にかかる旧生涯研修制度における
専門分野別研修4単位の取り扱いについて
都道府県社会福祉士会および同会員から「専門分野別研修4単位」の単位取得をしやすくすべ
きとの意見が多く寄せられたことから、2014年度第3回理事会において認定社会福祉士認定要件
の経過措置にかかる旧生涯研修制度における専門分野別研修4単位について新たな取り扱いを決
定いたしました。
現在、本会主催で認定社会福祉士制度の分野専門科目研修として認証された研修を旧生涯研修
制度の専門分野別研修として扱うことができますが、これに加えて、都道府県社会福祉士会主催
で認定社会福祉士制度の分野専門科目研修に認証された研修についても旧制度の専門分野別研修
の単位とすることとなりました。
旧制度の専門分野別研修4単位の対象となる研修については、本会ホームページをご覧ください。
生涯研修センター情報
以下に掲載している研修会の受講要
件、プログラム、申し込み方法などの詳
細は、本ニュース同封の開催要項また
は、本会ホームページをご覧ください。
情報
研修センターニュース『ぴっと』夏号で
すが、発行をお休みします。次号は、日
本社会福祉士会ニュース11月号に秋号
として同封いたします。
その他の情報
「2014年度地域包括支援センター全国
実践研究集会」のご案内
訂正とお詫び
2025年に向けた地域包括ケアシス
前号ニュースに同封いたしました研修
テムの構築が喫緊の課題になっていま
誌『社会福祉士』第22号の研究論文・
す。ニーズに合わせて新たな法律が整備 【定員】250人
実践報告の募集要項に以下の誤りがあり
ました。訂正して、お詫びいたします。
「2014年度障がい者の地域生活支援研
○原稿執筆上の諸注意
していますが、新たな制度の狭間に落ち
修」のご案内
(誤)事例を取り扱う際には、別紙「会
る人も現れてしまうという現実もありま
されたり、現行制度の改正が図られたり
す。地域包括支援センターは、一人の生
本研修は、障がい者権利条約の批准を
員が実践研究等において事例を扱う際の
活者を支えるために、制度の枠を超えて
したことについて、私たちはどのように
ガイドライン」をご参照ください。
横断的に、多くの関係機関と連携する必
受け止めなければならないのか、差別的 (正)事例を取り扱う際には、別紙「正
要があります。
取扱の解消、合理的配慮について考え、 会員及び正会員に所属する社会福祉士が
そこで本年度の「地域包括支援セン
障がい者の地域生活支援を実践するため
実践研究等において事例を取り扱う際の
ター全国実践研究集会」では「生きづら
に必要な社会福祉士の力量を向上するこ
ガイドライン」をご参照ください。
さ、生活のしづらさを支える地域包括ケ
とを目的に開催します。
○挟み込みの別紙のガイドライン名
アシステムを考える~」をテーマとし、 【期日】2015年1月31日(土)
制度の枠組みを超えた実践を通じて、こ
~ 2月1日(日)
(誤)社団法人日本社会福祉士会正会員
及び正会員に所属する社会福祉士が実践
れからの地域包括ケアや地域包括支援セ 【会場】タイム24ビル 研修室203
研究等において事例を取り扱う際のガイ
ンターのあり方について考えていきます。 (東京都江東区)
ドライン
【期日】2014年11月8日(土)
~ 9日(日)
【会場】文京学院大学・本郷キャンパス
(東京都文京区)
【定員】100人
『ぴっと』夏号の発行はお休みします
本ニュースに同封を予定していた生涯
(正)公益社団法人日本社会福祉士会正
会員及び正会員に所属する社会福祉士が
実践研究等において事例を取り扱う際の
ガイドライン
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ハンセン病回復者支援・見学研修のご案内
日 時:2014年9月27日(土)PM ~ 9月28日(日)AM(宿泊、日帰り自由)
場 所:草津重監房資料館および集会室(群馬県吾妻郡草津町)
プログラム:資料館・栗生楽泉園見学、案内者や当事者の話、交流会ほか
参加対象:ハート相談センター相談員、社専協会員希望者
費 用:参加費無料(交通費、宿泊代は自己負担)
申込み方法:本会ホームページにて申込用紙をダウンロードし、メールまたはFAXでお申し込みください。
(公社)日本社会福祉士会 担当:小幡
E-Mail:[email protected]
FAX:03-3355-6543
*電話でのお問い合わせ先:ハート相談センター 03-5302-2234(水・金14時~17時)
主 催:社会福祉専門職団体協議会ハンセン病委員会「ハート相談センター」
四谷事務局だより
行 事 予 定 ・ カ レ ン ダ ー 9月
04日
(木)障害者虐待防止・権利擁護指導者養成研修検討
委員会
公益社団法人設立記念式典・祝賀会
06日
(土)~ 7日
(日)都道府県社会福祉士会会長会議
07日
(日)国際・滞日外国人支援委員会
07日
(日)~ 8日
(月)虐待対応専門研修~アドバイザー
コース~ WG
14日
(日)~ 15日(月)全国生涯研修委員会議
15日
(月)実習指導者研修委員会
20日
(土)災害支援プロジェクトチーム
地域包括ケア推進委員会(高齢施設班)
21日
(日)独立型社会福祉士委員会
24日
(水)~ 26日
(金)障害者虐待防止・権利擁護指導
者養成研修(厚生労働省委託事業)
研修Ⅰ(東京会場)
10月
18日(土)業務執行理事打合せ
第7回理事会
19日(日)生涯研修制度整備委員会
25日(土)~ 26日(日)子ども家庭支援委員会
04日(土)~ 5日
(日)独立型社会福祉士養成研修(大阪会
都道府県社会福祉士会 会員情報
場)
05日
(日)
生涯研修制度整備委員会
成年後見委員会
13日(月・祝)
地域包括ケア推進委員会(高齢在宅班)
意思決定支援と成年後見利用促進に関する
研究委員会
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7月31日付 会員数
37,762人
7月中 入会 会員数
316人
登録者総数 176,722人(6月末現在)
組織率 21.37%
番地 カタオカビル2階 TEL03‐3355‐6541 FAX03‐3355‐6543 [email protected]
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06日
(土)第6回理事会
27日
(土)~ 28日(日)認定社会福祉士特別研修・集合
発行人 鎌倉 克英 発行所・事務局 公益社団法人日本社会福祉士会 〒160‐0004 東京都新宿区四谷1丁目
ハンセン病回復者とその家族の支援活動については、本会は、日本精神保健福祉士協会、日本医療社会福祉協会、
日本ソーシャルワーカー協会とともに社会福祉専門職団体協議会ハンセン病委員会「ハート相談センター」として活
動しています。
草津の療養所内の重監房(懲罰用建物)は、国の隔離政策や差別問題の象徴として基礎部分が残っています。この
たび、跡地などの資料を基に、ハンセン病問題の理解促進、差別解消の拠点として「重監房資料館」ができました。
再度、ハンセン病の方々の置かれて来た歴史を振り返り、今できるソーシャルワーカーによる支援をさらに深めるた
め、以下の研修会を企画しました。