イノベーターを活用した6次化取り組み事例 自然食品ばんだい その5 瓜生和徳氏(喜多方市) 喜多方市に住む瓜生和徳氏は従来、無農薬・有機栽培にこだわった米の生産と、インターネット等を活用 した農産物の直売を行ってきました。 こだわりの米を使った6次化商品として考案されたのが、「米粉を利 用したぎょうざの皮」です。この計画は平成24年度に6次化法認定を受 けており、すでに餡をつめた「喜多方もっちりぎょうざ」(焼き餃子)を販 売しています。この「喜多方もっちりぎょうざ」は消費者から高い評価を 得ており、「ふくしまおいしい大賞2014惣菜部門」では優秀賞を獲得し ています。 瓜生氏がぎょうざに関する事業の発展のため、次に考案したのがスー プ餃子の開発でした。しかしながら、開発にかかる費用の調達と、そのレシピ作成が課題となっており、そ れぞれの分野でイノベーターが派遣されることになりました。 資金面で助言を行ったのが小堀健太氏と増田紀彦氏です。両氏が着目したのが「クラウドファウンディ ング」でした。クラウドファウンディングとは、実施したい事業の内容や目標、事業実施計画や必要な資金 等をインターネット上で公開し、これに共感した方から寄付を集めるもので、アメリカなど海外では広く普 及している手法です。場合によっては、寄付者に完成した商品が送付されるなどのリターンがあることも あります。 瓜生氏も、商品が完成したあかつきには寄付者に送付することを約束し、870,000円の調達を目標に 掲げました。平成27年5月31日には、これを上回る875,000円の調達に成功し、資金面の準備は整いまし た。 「資金調達にとどまらず、寄付者が商品完成後も「自分が関わった商品」のファンとして継続的に商品を 購入してくれる可能性が高いこともメリットだ」と増田氏はいいます。 ここまでくれば、次にやるべきことは実際の商品づくりです。 地元食材を活かしたものを作るため、イノベーターの山際博美 氏に依頼し、レシピの作成に取り組みました。特に、スープのだし にはぜひとも「会津地鶏」を使いたいということで、地元業者と のマッチングもイノベーターが支援しました。 さらに、横田純子イノベーターからパッケージに関する助言も 受け、平成27年9月には商品が完成し、現在は道の駅等でも販 売しているほか、様々な商談会やイベントに出展し、販路を拡大 しています。
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