航空技術情報 2015 年 7 月

航空技術情報
2015 年 7 月
<INDEX>
★LOT(ポーランド)の事故で航空関連のコンピューターシステムへのサイバーテロ攻撃の脅威に対する対抗
措置の緊急性が高まる(欧州コンサル 0623)
★EU、インドネシアの航空会社乗り入れ制限を継続(アジアコンサル 0627)
★欧州の操縦士団体 ECA(欧州操縦士協会)
、小型ドローンにより低空域での安全に危険が生じると考える(欧
州コンサル 0702)
★ピーチ、エアバスの EFB「FSA」導入 マニュアル電子化でオペレーション高品質化(ウイングデイリー0709)
★エアバスの電気飛行機『E-Fan』が英仏海峡横断飛行に成功(週アス PLUS 7 月 13 日)
★アジアの航空事故、元凶は「報告しない」風土 厳罰への恐れも一因(ウオールストリートジャーナル 0714)
★ FAA が B747-8 型機にフラッター発生の危険を指摘、5 年以内の改修を命令(成田サーバー0717)
★進入角指示灯、着陸機からみて右側に設置可能に地形理由等やむを得ない場合の設置基準を新たに制定へ
(ウイングデイリー0717)
★ボーイング、リチウム電池輸送で航空各社に警告(ウオールストリートジャ-ナル 0720)
★SpaceShip Two の事故原因に関する NTSB の報告(Aviation Week0729)
★消息不明マレーシア機の一部? =インド洋の島、謎の残骸発見(時事通信 7 月 30 日)
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★LOT(ポーランド)の事故で航空関連のコンピューターシステムへのサイバーテロ攻撃の脅威に対する対抗
措置の緊急性が高まる(欧州コンサル 0623)
9/11 のテロの後、世界的に航空安全基準に新たな規則が設定され、航空の安全措置は大幅に強化された。
米国等と同様に、EU においても、一定の乗客数を超える全ての航空機に対して、航空会社が安全措置の改善
維持を行うことを命令する、多くの新たな規則が制定された。航空機のコックピットのドアは鍵で閉鎖され、
補強された。これによってハイジャックや災害は減少したが、Germanwings4U 4U9525 便の墜落事故のように、
こうした規則が新たな問題を引き起こしている。
しかし、航空機のソフトウェアに対するテロ攻撃や、航空会社、飛行場あるいは管制システムのコンピュー
ターなどに対するサイバー攻撃の脅威が増大しており、これらは全て航空機の墜落事故を引き起こす原因とな
る。実際のところサイバーテロ攻撃は航空会社に対して現実的深刻な脅威となっている。航空機のコンピュー
ターシステムに不法侵入することは殆ど不可能と考えられるが、機内エンターテインメントシステムや航空機
のシステムの他の弱点からの不法侵入に対して、航空会社のコンピューターシステムの安全性に対する疑問が
増大している。
2005 年に、エアバスが新型機の A380 の設計を行っている間に、乗客席から飛行管理システムに不法侵入を可
能にしたハッカーの存在を発見している。同社はシステム間の分離を行う再設計を行ったので、ハイジャック
攻撃は二度と発生することはない。しかしエアバスもボーイングも非常に慎重に検討すべき、多くの他のリス
クを抱えている。エアバス社のアドバイザーをしているシティ大学ロンドンの電子無線システム工学教授の
David Stupples 氏によれば、最近彼が注目しているのは、ドローンが航空機に無線信号を送り、航空機の
システムを混乱させるために使用されるリスクである。
同氏によれば、最終着地時点にある航空機に送られる信号が事故を引き起こし、航空機の近くを飛行するド
ローンが地上施設からの各種信号を過剰にする可能性があるという。ドローンを飛行場の近くで飛ばすことを
禁じる必要がある。しかし、同氏は、コンピューターのデータのハブにアクセス権を持つ従業員が、航空機の
システムに破壊工作ソフトをアップロードさせるという、遥かに大きなリスクさえも考えられると指摘する。
不満を抱えた従業員のような人間や、賄賂で買収された人間等のように意図的に事故を起こそうとする人間な
ら誰でも可能になる。
しかし、このようなサイバー攻撃の脅威はあるが、現実には殆ど不可能である。何故ならば、航空会社は、操
縦方法をごく僅かな職員しか知ることのできない、高度に複雑で特別に設計されたコンピューターシステムを
配備している。上記のような可能性が同時に発生しても、パイロットはマニュアル操縦を行うことができるた
め、ハッカーが航空機のシステムを完全にコントロールすることは殆どあり得ない。それでも、航空機を墜落
させるには、飛行管理システムを不安定にするだけで充分なのである。
いずれにせよ、2015 年 6 月 21 日に発生した、ポーランドの航空会社 LOT に対して航空機のコンピューターシ
ステムを操作し、サイバー攻撃を行ったと考えられるハッカーによる最近の墜落事故からみても、航空機への
サイバー攻撃リスクは高まっており、現行の対抗措置は充分ではない。
現在、FBI の執行官は、飛行中の商業用航空機の Wi-Fi ネットワークに不法侵入して航空機の飛行管理システ
ムのコントロールを行った、一人のハッカーの捜査をしている。One World Labs のセキュリティー専門家
である、米国のハッカーChris Roberts 氏は、機内エンターテインメントのシステムを介して、商業用航空
1
機の飛行管理システムに不法に侵入したと認めている。Roberts 氏は、機内に Wi-Fi 機器を搭載している、い
くつかの異なる航空会社の弱点のリスクを発見したと、2015 年に FBI に当初報告している。
Roberts は 2011 年から 2015 年の間に、少なくとも 15 回から 20 回はこれらのネットワークに「侵入」したと
述べている。機内のエンターテインメントシステム (IFE)に不法侵入し、飛行中に Thrust Management
Computer にコードを上書きしたと述べている。彼は上昇指示を行い、航空機の進路を若干変更することが
できた。飛行中に航空機の Wi-Fi ネットワークに不法侵入したというメッセージをツイッターで流した
Roberts は 2015 年 4 月に拘束された。彼は航空機の酸素マスクを天井から落下させようともした。
今までに、サイバー関係の専門家は、商業飛行における Wi-Fi は、テロリストに悪用されるおそれがあり、
ハッカーが自分の席から飛行中のフライトをコントロールする恐れがあると警告していた。米国連邦議会行政
監督局 (Government Accountability Office)による 2015 年 4 月の報告書では、このような航空機のコ
ンピューターシステムへのハッキング攻撃は理論的に可能であると呼びかけている。それによれば、このよう
な方法は航空機をハイジャックし、飛行管理コンピューターにウィルスを埋め込み、航法システムを妨害し、
それらによって飛行中の乗客の脅威となる。
この報告書の著者の 1 人である、Gerald Dillingham 氏によれば Boeing 787 Dreamliner と Airbus
A350 および A380 の航空機は全て、乗客が使用する同じ Wi-Fi システムと連結されている先進的なコックピッ
トであるとのこと。IP 接続などの近代的な通信技術がますます航空機のシステムに用いられ、その結果権限
の与えられていない個人が航空機の航空電子工学システムにアクセスする可能性が生じている。
しかし、こうした脅威にもかかわらず、航空機の Wi-Fi ネットワークを修理し、それをコックピットのシステ
ムと分離することはコストが嵩むために、多くの航空会社は未だにそのための投資をしていない。政府の調査
官が作成した報告書では、航空機をハイジャックするためには、ラップトップコンピューターを持った人なら
理論的には可能であると結論付けている。しかし、Dillingham 氏によれば、近代的な航空機は弱点もある
が、航空機の中にはパイロットが問題の是正を行うことのできる、多くの多重化したメカニズムが搭載されて
いるという。
2015 年 6 月 21 日にポーランドのフラッグシップキャリア(LOT)に再度サイバー攻撃が行われた。いずれにせ
よ、航空機、航空会社および航空に関連する全ての当事者に対するサイバー攻撃の脅威は、切迫したものであ
り、増大する一方である。このサイバー攻撃により、ワルシャワのフレデリック・ショパン空港で 1,400 人の
乗客が離陸できず、LOT の地上航行システムが被害を受けた。また、ワルシャワから出発する 10 便のフライ
トがキャンセルされ、12 便のフライトが遅延した。サイバー攻撃の 5 時間後に情況が回復した。
このケースでは航空機自体に被害はなく、深刻な安全問題は発生していないが、LOT はフライトプランを作成
できず、フライトはワルシャワから飛び立つことが出来なかった。LOT の公報官によると、飛行中のフライト
は全く侵入被害を受けておらず、ワルシャワ着のフライトは無事に着陸できたとのことである。空港も被害を
受けていなかった。そのサイバー攻撃は現在、当局が捜査している。サイバー攻撃の後に、LOT の社長は同社
の航空機と数百人の乗客の離陸を阻止したような、サイバー攻撃からは如何なる航空会社も安全とは言えない
と述べた。
LOT に対するサイバー攻撃は地上施設の運営にも影響を及ぼした。そして、航空会社と航空機の運営、メンテ
ナンス、安全業務とロジスチックスなどの面で重要なサービスを提供する地上レベルの複数のシステムに影響
をもたらした。こうしてみると、この最新の事故からも航空機の安全性を保証するシステムは、サイバーテロ
攻撃から我々を守るに充分なものか否かという疑問が出てくる。2014 年 12 月に国際民間航空機関 (ICAO)
は、サイバー犯罪は空の安全にとって深刻な脅威であり、いかなる大惨事の事故からも旅行者を守る「安全性
文化」を確立することを誓約した。
★EU、インドネシアの航空会社乗り入れ制限を継続(アジアコンサル 0627)
欧州連合(EU)は4社を除くインドネシアの航空会社に対する欧州乗り入れ禁止措置を継続する。インドネシ
ア国内航空産業の安全性改善が不足しているのが原因だ。欧州委員会が 25 日公表した最新の航空安全リスト
には、ガルーダ・インドネシア航空、エアファスト・インドネシア、エクスプレス・トランスオポルタシ・ア
ンタルベヌア(プレミエア)、インドネシア・エアアジアを除くすべての航空会社が含まれていた。
EU 航空安全リストは EU 領空への乗り入れ禁止または運航制限の対象となる航空会社からなる。フィリピンの
全航空会社は 2010 年にリスト入りしたが、今回除外され、欧州乗り入れを実現できるようになった。
「今日
の結果は航空産業の発達に合わせて安全性基準を引き上げられないでいる国々によい例となる」と EU のビオ
レタ・プルツ運輸担当委員は述べた。運輸省のムハンマド・アルウィ航空局長はインドネシア政府が航空安全
基準の改善に向けて最大の努力をしたと語った。5 月に米連邦航空局(FAA)がインドネシアの民間航空局を審
査したが、審査結果はまだ出ていない。
「EU の禁止はもはや全航空会社が対象ではなく、我々も一歩一歩基準改善に向けて努力している。FAA からよ
い審査結果が出れば EU の判断にも影響があると望む」とアルウィ氏は述べた。FAA は 7 年前、独自の国際航
空安全審査制度においてインドネシアの航空安全基準をカテゴリー2 に引き下げ、インドネシアが国際基準に
沿って航空会社の監督をするのに必要な制度が整っていないことを示した。
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イグナシウス・ジョナン運輸相は年央までにカテゴリー1 復帰という野心的な目標を定め、安全性基準の改善
と地位回復に努めてきた。2007 年に欧州委員会はすべてのインドネシアの航空会社を対象に、EU 領空への乗
り入れを禁止した。インドネシアの航空会社による事故が多発し、安全実績が乏しかったためだ。その後、
2009 年にガルーダ、エアファスト・インドネシア、昨年倒産したマンダラ航空、プレミエアの禁止を解除。
翌年にはインドネシア・エアアジアも欧州乗り入れ認可を得た。今もブラックリストに残るのは同国最大の格
安航空、ライオン・エアや民間のスリウィジャヤ航空、軽量飛行機専門のスシ・エアなどだ。
ライオン・エアのダニエル・プトゥット・クンコロ・アディ運航部長は現在、同社の新規路線申請を阻む運輸
省航空局の制裁が解除されるのを待っているとする一方、欧州路線の開設は検討していないと述べた。スリ
ウィジャヤ航空の広報担当者、アグス・スジョノ氏も近い将来欧州乗り入れの計画はないと語った。
★欧州の操縦士団体 ECA(欧州操縦士協会)
、小型ドローンにより低空域での安全に危険が生じると考える(欧
州コンサル 0702)
空域での事故を契機として、民間ドローンの運航を定義する規則を緊急にまとめる必要性が強調されている。
米国と EU はいずれも、空域での可能な最高レベルの安全性確保と、ドローンの自由な商品化との適正なバラ
ンスを取ることための作業をしている。
一般にドローンとして知られ、国際民間航空機関(ICAO)によって遠隔操縦航空機システム(RPAS)とも呼
ばれる無人航空機(UAV)は、操縦士が搭乗していない航空機である。ドローンを対象とするルールは、現
在、国連レベルで国際民間航空機関(ICAO)によって設定されている。例えば、分離されない空域(つまり
「人による」航空交通によっても使用される同じ空域)でのドローンの使用の許可など、各国当局が特別の許
可を与える場合に、ICAO はドローン(RPAS)の運航を許可している。
欧州では、各国の民間航空当局(CAA)が現在、重量が 150 キログラム以下の PRAS の運航を担当しており、こ
れが加盟国ごとにルールが異なる事態を招いている。このため、欧州の対応とルールの統一が必要である。
2015 年 3 月、EASA(欧州航空安全庁)が、予測される規則上のアプローチと「RPAS に関する運航コンセプ
ト」を発表することで、最初のステップが取られている。
RPAS が現在 EU 空域で許可される可能性があり、EU 空域での使用のための新たな枠組みの下に置かれる、唯一
の種類のドローンである。
「民間」ドローンの用語は、書簡の配達や海上石油プラットフォームの検査など、
民間の目的で用いられる RPAS を対象として用いられている。
無人(unmanned)ドローンは、遠隔操縦すらされない自動プログラム化されたドローンである。これらは、
ICAO によっても、EU ルールの下でも、まだ使用が許可されていない。無人航空機(Unmanned Aircraft)
は、環境管理、保安から様々な商用サービスまで、欧州社会の利益のために、幅広い可能性を提供すること
が可能である。
すでに 1700 を超える異なるタイプのドローンがメーカーによって製造されている。500 を超える世界中のメ
ーカーがドローンを製造しており、これらのメーカーの約 3 分の 1 が欧州にある。1000 人を超える運航者が
欧州で運航免許を取得している。民間ドローンのための技術は成熟しており、大きく成長し、雇用を生む可能
性がある。しかし、共通の RPAS 免許がまだ存在しないため、RPAS の運航者は、空のルールや航空機運航の原
則(特に救難飛行、国家飛行、高所作業飛行)の、非常に限られた知識しか持っていないことが多い。知識が
ないため、有人航空機に危険を与えている場合に、それを理解していない可能性がある。
米国では、連邦航空局(FAA)が、将来の技術革新に対し柔軟性を維持する一方、航空システムにおける特定
の小型無人航空機システム(UAS)の日常の使用を許可する可能性のある、枠組み規則を提案した。FAA 提案
により、娯楽でない運航を実施する小型 UAS(55 ポンド未満)に対して安全ルールが提供される。このルール
により、飛行が日中及び有視界飛行方式に制限される。
また、高度規制、運航者認定、ビジュアル・オブザーバー(監視員)利用の可能性、航空機登録及びマーケ
ティング、運航規制も取り上げられる。提案されたルールの下では、小型 UAS を実際に運航する人は「運航
者」となる。運航者は 17 歳以上で、航空知識の試験に受かり、FAA の UAS 運航認定を取得しなければならな
くなる可能性がある。小型 UAS 運航者には、さらなる民間の操縦士認定(民間操縦士免許や身体検査)は不要
となる可能性がある。
EU では現在、複数の加盟国がドローンに関する自国の規則を発表しているが、これらのルールと多数の重要
な保護規定は、首尾一貫した方法で扱われていない。スウェーデン、フランス、デンマーク、イタリア、ドイ
ツ、チェコ共和国、リトアニア、英国といった EU 加盟国は、民間ドローン、つまり遠隔操縦航空機システム
(RPAS)を扱う法律を採択している。しかし、「死者が出るか否かに関わらず目立った事故が 1 件生じるだけ
で、人々がこれらの安全を問題にするかもしれない」と EASA(欧州航空安全庁)は警告した。
「このため、
民間の RPAS の導入に対する一般人のいかなる反発をも回避するためには、注意深いアプローチが必要であ
り、取る立場を擁護するために堅固な主張が必要である」という。
こうした中、欧州理事会は 2013 年 12 月に欧州委員会に対し、2016 年以降 RPAS を民間空域へ安全に導入する
ための枠組みを作成するよう求めた。EASA は、大きさには関わらず全ての民間ドローンに対する、新たな EU
全域の規則上のアプローチを発表しつつある。
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2014 年 4 月 8 日、欧州委員会は、民間ドローン(すなわち「遠隔操縦航空機システム」-RPAS)の運航に規
則を設けるために、厳格な新基準を制定することを提案した。新 EU 基準により、安全、保安、プライバシー、
データ保護、保険、賠償責任が扱われる。目的は、この出現しつつある市場において、欧州産業が世界的な
リーダーになることを可能にすることである。
同時に EU 基準により、全ての必要な保護手段が配備されていることが保証されるべきである。安全が第一の
優先事項であるため、EU 基準は、民間ドローン(遠隔操縦航空機システム)が「有人」航空機の運航と同等
レベルの安全を提供しなければならない、という原則に基づくことになる。欧州航空安全庁(EASA)は、PRAS
に関する特別な EU 全域の基準の作成を開始している。また、民間ドローンが違法な行為になり、安全上の脅
威になる可能性があることから、EASA は必要な安全要件を作成する。欧州委員会は、遠隔操作の航空機の特
性に配慮するよう、現行ルールを修正する必要性を評価することになる。
欧州航空安全庁(EASA)が 2015 年 3 月に発表した新たな規則上のアプローチに従い、欧州におけるドローン
の商用利用は、規制が少ない「オープン」カテゴリーから始まる 3 つのカテゴリーに分けられる。計画では、
2015 年 12 月までに欧州委員会にオープン・カテゴリーに関する「具体的な」規則案を提出することが要求さ
れている。
EASA による運航コンセプトの発表に続き、2015 年 3 月 5~6 日にラトビアのリガでハイレベル会議が開かれ、
2016 年初めの欧州空域でのドローンの導入に関する 5 つの原則に関して、EU 加盟各国間でコンセンサスが得
られた。これらの原則のうち、会議出席者は、ドローンは「リスクに基づき比例したルールを伴う、新タイプ
の航空機として扱われる」べきであり、民間セクターが投資決定を行い、サービスを提供し始めることに役立
つよう、EASA が基本的な枠組み規則を「速やかに」作成すべきであると合意した。
小規模なスタートアップ企業や個人に、最少のルールに基づきリスクの低い低空の運航が可能になるよう、
ルールは単純かつ性能に基づくべきであるという。より大きなリスクのある運航は、段階的にさらに厳格な規
則や運航規制の対象とされる可能性がある。EASA によると、オープン・カテゴリーで運航を許可される「低
エネルギー」つまり小型ドローンは、運航者の見通し内で、地面や水面から 150 メートル(492 フィート)以
下での、そして空港などの特定の保護地区の外部での飛行に限られる。雲の上空の飛行は禁止されるが、運航
に携わらない人々の頭上での飛行は許可される。運航者は操縦士免許や航空当局からの許可を必要としない可
能性がある。オープン・カテゴリーの運航は現在のところ、自動車のように、むしろ警察によって監督される
可能性がある。
2015 年 3 月 16 日、欧州航空安全庁(EASA)は航空規則システムのための提案、ビジョン 20/20 を発表した。
「EASA の意見」として提出されたこれらの提案は、2014 年 9 月に開始した関係者との協議の結果である。
EASA は特に、各国当局にリソースや専門知識がない場合には、監督機能のいくつかを他の当局か EASA に委任
することができるべきであると提案している。提案には、同庁の介入範囲を、空港グランドハンドリング、
RPAS(ドローン)
、保安など、他の分野に拡大し、あらゆる航空安全関連トピックを包括的な方法で扱うこ
とも含まれている。
EASA は、撮影、農業、小包配達といった、現在産業で用いられる、無人航空機(UAV)3 件の新たなカテゴ
リーのドローンも提案している。最も低い「リスク・カテゴリー」の UAV には、模型飛行機を含む低エネル
ギー航空機が含まれ、いかなる免許も要件とならない可能性がある。欧州の取締り機関は、無人のシステムを
民間空域に取り込むことの安全性を巡って、特に小型無人航空機が商用航空機と並んで運航することによって
生じるリスクを巡って、懸念を高めていることを認めた。サイズや重量には関係なく全種の航空機にとって、
空中での衝突は一般的に破壊的な結果を持つと考えられる。小型で軽量の RPAS の影響でさえ、結果的に双方
の航空機の安全を危険にさらす可能性のある被害を与えるかもしれない。欧州の操縦士の組織 ECA(欧州コッ
クピット士協会)は、取締り機関及び航空共同体は、ドローンを安全に空域に取り込む方法を見出さねばなら
ないと述べた。
EASA の「ドローン運航コンセプト。無人航空機の規則へのリスクに基づくアプローチ」によると、ドローン
は、現行の航空システムに、安全かつ釣り合いの取れた方法で導入されるべきであり、この導入は革新的かつ
競争力のある欧州ドローン産業を育てるものであるべきだという。提案された枠組み規則により、社会に受け
入れられる安全及び環境保護のレベルが設定され、新たな産業が発展し、確信し、成熟するために、十分な柔
軟性が提供されるべきである。
安全のリスクと同時に、ドローンの運航に伴うプライバシーや保安といった他の公共の利益の保護が、取り上
げられる必要がある。運航コンセプトの ATM/ANS(航空交通管理・航空管制業務)の側面が、さらに展開され
る必要がある。規則及び適用範囲の調和は、ドローンの成功の基本である。さらに、ドローン市場の発展と技
術の発展が注意深く観察され、計画が適応される必要がある。
一方、航空機の操縦士及び客室乗務員を代表する団体、Eurocockpit は、低高度空域におけるドローンの存
在から結果的に生じる危険性に対して警告した。確かに、500 フィート未満でさえ、航空救急用航空機、警察
用航空機や消火用飛行機、空港付近の空域等、多くの航空交通が存在する。
「遠隔操縦航空機システムは、1
キログラム未満の軽量のものでさえ、衝突の場合には、重大な被害や大災害さえ生じる可能性がある」と同団
体は警告する。これは、小型のビジネス航空機や観光航空機およびヘリコプターの場合に、特にあてはまる。
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しかし、
「小型」ドローンは将来、比較的軽い EU 規則の下に置かれると考えられているが、認証システム、操
縦士への最低要件、航空当局による許可は含まれない。EASA は危険の存在を否定しないとはいえ、
Eurocockpit は、これに関連して EASA の規則のための計画を批判している。EASA は、操縦士らが表明した
懸念を認めたいと述べた。しかし、これらの懸念に対処するために、同庁は、まず、航空とドローンという 2
種の交通の厳格な分離を当てにしている。
航空交通に干渉しないよう、EASA はこれらを分離させておくことを試みるため、これらを運航する人には、
多くの要件は課されない見通しである。実際面で、EASA は、150 メートルを超える高度でのドローンの飛行を
禁止し、
「有視界飛行方式」による運航(操縦士は常にドローンを見ることが可能でなければならない)を提
案したいと望んでいる。
ドローンは、空港やヘリコプターの交通が頻繁にある病院といった慎重を要する場所から、最低限の距離を
とって運航しなければならない。しかし、この EASA のアプローチは、主に人々の良心に頼っているような印
象を与えるように思われる。法執行担当官らは、ルールの遵守を監視するよう求められることとなる。しか
し、危険は残り、悪意を持った人がそれに基づいて行動することを防止することは困難である。
このため、ECA にとって、小型ドローンへの高度規制システムを課すことなど、安全には技術的な解決策も必
要となる、この技術は「ジオフェンシング」として知られ、GPS システムから受信されたナビゲーション情報
に基づいている。ドローンが禁止地区に侵入を試みる場合、同機は着陸するか出発地点へ戻ることを強いられ
る。EASA は、これらのルールを強制化することを検討中である。
ECA は RPAS の商用運航に関して、他の交通と統合される際の低レベルの空域における安全を確保するため、
最低基準の欧州ルールを要求している。しかし、レベルや高度によって決められる基本的な分離さえ、ヘリコ
プターの運航がこの高度未満である性質のために、より高い安全性を確保するものではない。これらの運航は
空港から遠い場所で、管理された空域外で、行われることが多いことが指摘されるべきである。
相互の安全な協力を保証するために、RPAS の操縦士は訓練を受けねばならず、知識と技術のみならず自覚と
飛行士としての意識もが、有人航空機の操縦士と比較できるレベルであるような方法で、免許を取得しなけれ
ばならない。有人航空機と比較する場合、同様かつ単一の性質と考察を伴い、RPAS の運航の保安は極めて重
要な問題である。RPAS は強取され、他の空域利用者に対して武器として用いられる可能性がある。また、テ
ロリストが自身の RPAS を用いる可能性がある。誰かが RPAS を妨害し、これによって深刻に安全が危険にさら
される可能性もある。EASA は小型ドローンに関するモデル規則について協議を実施する予定である。
★ピーチ、エアバスの EFB「FSA」導入 マニュアル電子化でオペレーション高品質化(ウイングデイリー0709)
ピーチ・アビエーション(APJ)は、エアバスのエレクトロニック・フライト・バッグ(EFB)
「Fly Smart with
Airbus」の導入を決定し、タブレット端末による運航マニュアルの電子化を推進し、離着陸性能計算ソフトに
よるオペレーションの高品質化およびパイロット負担の軽減を図る。
ピーチが導入するエアバスの Fly Smart with Airbus は、iPad などタブレット端末用として開発されたア
プリ。パイロットが使用するマニュアル類をタブレットの画面を通して閲覧することができる。さらに、気象
情報や滑走路情報などを入力することで、発着時の最適な機体性能を算出できる計算ソフトが組み込まれてお
り、パイロットが行う業務をサポートする。
ピーチではこのシステムの導入効果として、電子化された情報周知媒体によって規程やオペレーションの変
更へ迅速に対応できるとしている。離着陸性能計算ソフトは、機体重量に応じた安全かつ効率的な離陸性能の
算出を容易にし、上空ではリアルタイムの滑走路状況や気象情報をもとにして、最適化された着陸性能による
オペレーションが可能となり、高品質なオペレーションの実現と、これまで以上の安全面の充実を図ることが
できる。また、コクピットに搭載される膨大な紙マニュアルを電子化することで、パイロットの負担軽減に貢
献するほか、ソフトウェアの更新によりマニュアルの差し替えも容易に。そのほか環境面では機体への重量負
荷軽減による燃費向上などにも寄与することになる。
ピーチは、ソフトバンクモバイル社の協力により iPad を導入し、エアバスの全面的なバックアップにより、
同システムの本格導入を進めていく考え。まずは関係当局の認可を得た後、保有全機に iPad を搭載して、試
用期間として 6 ヵ月以上従来書類と併用する。その後、効果が認められた際に従来の書類から EFB へ完全に移
行する。
★エアバスの電気飛行機『E-Fan』が英仏海峡横断飛行に成功(週アス PLUS 7 月 13 日)
Airbus Group は、電気飛行機『E-Fan』で英仏海峡横断飛行に成功したと発表した。7 月 10 日に実施された
海峡横断飛行時間は約 36 分で、これは 1909 年 7 月に達成されたルイ・ブレリオによる『Bl�・riot XI』で
の史上初の海峡横断飛行時間と同じ。
電気飛行機『E-Fan』は翼長 9.5 メートルで、120 セルのリチウムポリマーバッテリーにより 60 キロワットを
出力。飛行時間は 45 分から 1 時間で、最大速度は 220 キロとなっている。
電気飛行機は飛行時間こそ短いものの騒音や飛行時の振動が少なく、メンテナンスも容易。充電が済めばすぐ
飛び立てるという利点を生かして、パイロット養成の飛行訓練などへの応用が検討されている。
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★アジアの航空事故、元凶は「報告しない」風土 厳罰への恐れも一因(ウオールストリートジャーナル 0714)
・インドの民間航空最大手ジェット・エアウェイズのボーイング 777 型機は昨年、約 760 メートル急降下する
という事故を起こしたが、その原因は機長が居眠りし、副操縦士がタブレット端末に没頭していたことだった。
これは「アルティチュード・バスト」という、指定された高度から外れる重大な事故で、ジェット・エアの航
空機は誤った空域を飛行して別の飛行機と衝突する可能性すらあった。
ジェット・エアとその操縦士らは、この事故を当局に報告しなかった。インド民間航空管理局(DGCA)の耳に
入っ...
・年間の旅客数を見ると、インドとインドネシアでは過去 10 年間に 200%以上、中国では 300%以上増加して
いる。 国連の専門機関である国際民間航空機関(ICAO)によると、アジアでの離陸回数は 2013 年に 3920 万
回に上り、欧州では 3566 万回、北米では 5149 万回となった。
・米規制当局の指導の下、アジアの国にも告発制度が設立されたが失敗に終わった。ただ、日本では比較的う
まく機能したもよう。
★ FAA が B747-8 型機にフラッター発生の危険を指摘、5 年以内の改修を命令(成田サーバー0717)
米国連邦航空局(FAA)は現地時間 15 日、ボーイング社の新鋭機・B747-8 型機で大きな重力がかかった状
態で、一定のシステムエラーが起こった場合に、機体の破損に繋がりかねないフラッター現象が起こる可能性
がある、と発表しました。このため、同機を運航している航空会社には、来年から 5 年以内に翼の改修を義務
付ける、としています。
日本の航空会社では日本貨物航空が貨物型を運用しています。
★進入角指示灯、着陸機からみて右側に設置可能に地形理由等やむを得ない場合の設置基準を新たに制定へ
(ウイングデイリー0717)
航空局は地形的理由など、やむを得ない理由によって進入角指示灯(PAPI)設置基準に準拠することができ
ない場合の設置基準を新たに制定する。現状の設置基準では、着陸しようとする航空機からみて左側に設置す
ることになっているが、8 月から、地形的理由等やむを得ない理由などがある場合には、航空機からみて右側
に設置することができるようにする。
この新たな基準を制定する動きは、成田空港の空港処理容量拡大を図るため、B 滑走路に高速離脱誘導路を
整備することが、方策の一つとして挙がっていることを踏まえたもの。
2020 年の東京オリンピック・パラリンピック開催までに、首都圏空港処理容量を向上させていく方針にあ
るなか、その機能強化に向けて交通政策審議会航空分科会の小委員会などにおいて、B 滑走路の高速誘導路整
備が取り上げられていた。
既設の進入角指示灯は、現行規則に基づいて着陸機の左側に設置しているが、高速離脱誘導路を新たに整備
する場合、その高速離脱誘導路の位置と重複してしまうという。そのため、着陸機の右側に進入角指示灯を設
置する必要があった。
なお、飛行場灯火の設置基準は、国際民間航空条約第 14 附属書に準拠するかたちで、航空法施行規則のな
かで定められている。地形的理由ややむを得ない理由がある場合に関しても、国土交通大臣が別に定める基準
によって設置することができる。
★ボーイング、リチウム電池輸送で航空各社に警告(ウオールストリートジャ-ナル 0720)
旅客機の貨物室に大量に積み込んだリチウム電池に発火のリスクがあるとされる問題で、米ボーイングは
17 日、世界各国の航空会社に対して初めて正式に警告を発した。同社はより安全な包装方法や改善された輸
送手段が導入されるまで、積み荷として大量のリチウム電池を積載するのを控えるよう要請した。
同社の広報担当者は 18 日、こうした警告が各航空会社に送られたことは認めたが、詳細については明かさな
かった。
★SpaceShip Two の事故原因に関する NTSB の報告(Aviation Week0729)
国家運輸安全委員会(NTSB)は、副操縦士が予定よりも早く可動式の尾翼の固定を解除したことが、2014
年 10 月 31 日に発生した Scaled Composites が製造した SpaceShip Two(SS2)における死亡事故の推定原因
であるとの見解を採択しようとしている。
28 日に NTSB が審議することとしていた報告書では、SS2 の 4 回目の動力飛行中の事故の数日後に NTSB が発表
した予備的な所見の内容を確認している。この報告書には、事故の発生に寄与した要因として、(尾翼を展開
させる)フェザーシステムが早い持期に作動することを自動的に防止するための抑制装置がなかったことも記
載されている。
Scaled Composites の乗員の手順についても取り上げられており、Virgin Galactic に SS2 を引き渡す前
の飛行試験の最終段階において、Scaled Composites はフェザーハンドルの固定を解除する前に乗員間で声
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による相互確認を行うことを求めていなかったと記載されている。
この報告書に記載された飛行の最後の状況は次のとおりである。SS2 を上空まで運ぶ WhiteKnight Two
(WK2)から SS2 が切り離されて約 9 秒後の 10 時 27 分 28 秒に、SS2 はロケットモーターによってマッハ 0.92
まで加速された。これは、SS2 が尾翼の固定が解除できる最低速度であるマッハ 1.4 に到達する 14 秒前であ
ったと推測されている。遠隔で記録された操縦室内の画像及び音声のデータにより、マッハ 0.92 を超えたと
ころで Michael Alsbury 副操縦士が「固定解除」を宣言し、SS2 はその後 4 秒以内に分解した。
Alsbury 副操縦士が早くフェザーメカニズムの固定を解除した理由については不明であるが、NTSB の
Katherine Wilson 調査官は、試験を早期に終了しなければならないリスクを低減しようとしたことが可能
性の一つとして考えられると述べている。試験内容を記したカードには、当日の試験の条件として、試験が中
止になるのを防ぐために遅くともマッハ 1.8 までに尾翼の固定を解除しなければならないと記載されていた。
この試験では、ロケットモーターに点火してから 38 秒後にはマッハ 2 で 13 万 5,000ft に到達し、初めて超音
速で尾翼を展開して大気圏に再突入することが予定されていた。
フェザーシステムは、もともと Scaled Composites の設計者である Burt Rutan 氏が SpaceShip One の回
収のための心配のない安定した再突入を実現する方法として考案したものであり、機体が降下を開始する前に
大気圏外で作動させるように設計されていた。フェザーシステムは、機体の 2 本のテールブームを上向きに
65 度まで回転させ、再突入後に進入・着陸のためにテールブームが水平になるまで下方向に回転させるよう
になっている。
SS2 が遷音速であるマッハ 0.8~1.2 を通過する際(この速度領域では尾翼にかかる上向きの荷重がフェザー
システムのアクチュエーターの力を超える。
)の構造の健全性を確保するため、フェザーシステムには固定
フックが装備されている。これらのフックは、乗員がアンロックハンドルを操作することによって外れるよう
になっている。パイロットがフェザーシステムを作動させる場合には、アンロックハンドルに加えて、フェ
ザーハンドルを操作しなければならない。SS2 の以前のフェザーシステム展開した飛行試験においては、これ
らの操作は、10 月 31 日よりも高く空気の薄い高度又はより遅い速度で行われていた。
NTSB に提出した文書の中で、Virgin Galactic は、SS2 の 2 号機には、安全上重大なフェーズにおけるフェ
ザーシステムの固定及び固定の解除を自動的に抑止するための装置を取り付け、さらに、チェックリスト及び
オペレーションハンドブックに早期の固定解除の危険性についての警告を追加し、WK2 の運航において既に用
いられている形式化されたクルーリソースマネージメント(CRM。これには、コールアウト及び声による相互
確認の手順も含まれることになる。
)を SS2 の運航にも取り入れることとしたと述べている。報告書に CRM の
問題が寄与した可能性のある要因として挙げられていることから、Virgin Galactic はコックピットのディ
スプレイシステムの改修は計画していないとのことである。
また、SS2 の 2 号機には、人間による一つの操作に対する脆弱性に対処するためのその他の改修もなされてい
る。さらに、外部安全評価チームが設置され、SS2 の機体並びに Virgin Galactic 及び TSC のエンジニアリ
ング飛行試験並びに運航についての初期的なレビューが行われており、飛行試験の再開及び商用運航の開始ま
でに、更なるレビューが行われることになっている。
Virgin Galactic は、飛行試験及び商用運航におけるパイロットには、テストパイロット養成所の課程を修
了し、高性能の軍用ジェット機による飛行時間が 1,000 時間以上で、多発機で推力が中央軸になく、複数の乗
員が乗務する航空機又は/及び宇宙船の操縦経験を求めることになると述べている。
SS2 プログラムの継続にとって最も重要なことは、NTSB の報告書が事故当日に初めて飛行試験が行われたポリ
アミド系のハイブリッドロケットモーター燃料が、事故の発生に関係がなかったと確認したことである。
Virgin Galactic は、NTSB への提出文書の中で、ロケットモーターは「期待どおりまたはそれ以上にス
ムーズに作動し、過去のすべての飛行の中で最も振動が少なかった」と述べている。
★消息不明マレーシア機の一部? =インド洋の島、謎の残骸発見(時事通信 7 月 30 日)
【サンタンドレ(レユニオン島)AFP=時事】インド洋に浮かぶフランス海外県レユニオン島の海岸で 29 日、
正体不明の残骸が打ち上げられているのが見つかった。
2014 年 3 月に南シナ海で消息を絶った後、インド洋南部で墜落した可能性が強まっているマレーシア航空機
の一部ではないかとの見方が出ており、仏航空当局が調査を始めた。
飛行機の翼の一部のようにも見える大きさ約 2 メートルの残骸は、海岸を清掃中の住民が発見した。目撃者は
「貝殻に覆われていたので、水の中に長い時間漬かっていたようだ」と話している。仏航空専門家は「不明機
の翼と見つかった残骸には、驚くほど類似点がある」と指摘した。
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