上野児童図書館計画 -階段による空間構成について

上野児童図書館計画
――階段による空間構成について
町田芽久実
Megumi Machida
2010 年度修士設計 優秀賞
□本の部屋
3つ並んだ本の部屋は開口と部屋内部の階段が延長して繋がる
上野不忍池付近の斜面地における児童図書館の計画で
ある。
現在の児童図書館の空間は、水平な床面に本棚が並ん
でいるものが多い。
しかし、そういった空間ではなく、子供が本を探す過
程も楽しめるような、背の高い本棚でも自分で本を取
れるような、子供のための図書館を『階段』を工夫し
ながら立体的に考える。
階段のスケールを徐々に大きくしていき空間の要素を
構成することで、全体を階段として捉えられるような
空間を考える。そしていろいろな場所を隅々まで巡れ
るような空間を実現する。
この建物の中にはいくつも階段が存在する。中でも、
建物内部、そして内部だけに留まらず外部においても
広がる空間をひとつに纏め上げている螺旋状の階段は
この空間の最大の特徴である。
螺旋状の階段は静止と運動、相反する空間体験を実現
しつつ、内部と外部を繋ぎ纏めることによって様々な
面から身体感覚を刺激する。
メディアが多様化し、簡単に情報を得ることのできる
現在において、身体感覚を伴って情報を探す体験が、
子供が本と親しむきっかけとなることを期待する。
GL+4200 - GL+6300 Plan
Master's Diploma Project ¦
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