コラボたかまつ 高松市市民活動センター情報誌 第49号 高松市市民活動センター事業紹介 「捨てずに活かそうネットワーク」 随時実施中! 高松市市民活動センターは、企業などがもつ資源を市民活動団体等に提供する橋渡しをします。 企業の方:新しい社会貢献としてご利用ください。(まずはお電話ください。) 市民活動団体の方:まずご登録ください。(登録者のみへの提供になります。) コラボたかまつ 高松市市民活動センター情報誌 第49号 捨てずに 活かそう ネットワーク コラボ たか まつ 高松市市民活動センター <提供例> 物品:中古オフィス機器・備品(机・イス・ロッカー・収納ラック・応接セット・文具・イベント用品残り・その他消耗品 など)中古パソコン・パソコ ン用品(デスクトップPC・ノートPC・プリンター・デジカメ など) 場所:倉庫・会議室・駐車場などの提供 2014/07 「詩と絵が出会う詩集絵本」作品展にて まちづくり学校、始動! index 高松市 協働企画 提案事業 高松市協働企画提案事業「災害ボランティア養成講座」 開催時間:18時~20時 日程と場所: 対象:災害ボランティアに興味のある人 8月21日(木)、28日(木) 四番丁スクエア 定員:先着25人 8月26日(火)、9月2日(火) 香西コミュニティセンター 参加費:無料 8月29日(金)、9月5日(金) 古高松コミュニティセンター 申し込み:開催日の1週間前まで、ファクスかEメールで高松市市民活動 センター(FAX823-2706 Eメール [email protected])へ。 9月1日(月)、8日(月) 川添コミュニティセンター お問い合わせ先: 庵谷(いたに) TEL 080-6395-3314 9月11日(木)、18日(木) 松島コミュニティセンター <高松市市民活動センタースタッフから> センター長 吉田千順 皆さまの活動を支援するため、センター職員といっしょに頑張ってい ます。ご声援をお願いします。 奥島 今年は活動に役立つ講座を開こうと、会計など2回行いました。今 後も計画中ですので、ご参加くださいね!! 杉野 地域開催の災害ボランティア養成講座が始まります。ご近所、身の 回りから確認を! 〒760-0017 e-mail [email protected] URL http://www.flat-takamatsu.net/ 開館日時 火~土曜日(年末年始・祝日を除く) 午前10時~午後7時(事前予約により延長可) 高松市市民活動センター 高松市番町一丁目5‐1四番丁スクエア1F TEL 087‐823‐2701 FAX 087‐823-2706 8 田中 世の中のいろんな壁をはずしていく、それが長期目標です☆ P.1 クリエイティブ・ディレクターの言葉 P.2-3 まちづくり学校、始動 P.4-5 障がいをめぐる取り組み P.6-7 企業CSRについて P.8 高松市市民活動センターの事業紹介 クリエイティブ ディレクターの言葉 「「学校」が、動き出そうとしています。 本年度、その学校のメイン柱は2つ。「地域づくりチャレンジ塾」と「文化祭」です。 難しく言うと、高松市自治基本条例の「協働」を促進する目的ですが、平たく言うと、地域課題に気づいて 「何かやりたい!」と着想した気持ちを育み、具体的な「マイプラン」に昇華していくというものです。その後、 組織化するもしないも、とくに問うていません。 会社にお勤めの方で、休日に何かしたいというのもいいし、リタイア後のライフワークとして、ボチボチと取 り組むのもアリだと思います。やりたい人が、やりたい時に、やれることをやる。そのうったてというか、芽を 育むのが「地域づくりチャレンジ塾」です。 幸いにも、高松市には、NPO法の施行後、たくさんの市民活動団体が活躍されておられます。そういう 方々とのネットワークを広げたり、お知恵を授かったりすることも、この塾の重要なポイントです。 なお、本塾は、四国経済産業局との共催です。「産業も、市民活動も、根っこは『地域課題』にあり!」とい う視点が、そのすべてです。島根県の雲南市や岡山県の笠岡市など、全国7カ所において同様の取り組み で実績を持つ尾野寛明氏を塾長に、運営してまいります。 初回のプレセミナーは8月24日(日曜)13時30から、玉藻公園披雲閣にて行います。ぜひ、ご参加ください。 次号では、「文化祭」の詳細もお伝えできるかと思います。こちらも、乞うご期待!です。 (クリエイティブディレクター 人見訓嘉) 1 第49号 コラボたかまつ 高松市市民活動センター情報誌 「まちづくり学校」始動! 地域づくりチャレンジ塾開講! 大豊産業株式会社 (管理本部次長 藤沢幸弘さん、 同サブマネージャー 筧直樹さん) 自社内ではこれまでに、社屋の全LED化を行い、取引先 企業が行っていた香川県のフォレストマッチング事業への 体験参加、「四国てんとう虫マラソン大会」への協力、東日 本大震災被災者のためのチャリティバザー支援金拠出など も行ってきました。 高松市まちづくり学校 とは? 既存の市民活動団体(個人)の知見を生かして、熱意や 問題意識を持った人(団体)に対する支援を行い、市民活 動の新しい芽を育てます。 長期的には、そのような問題意識とその解決能力をもつ 市民活動団体と地域コミュニティ協議会をマッチングさせ、 地域コミュニティ協議会の自主・自律的運営に寄与するこ とをめざします。 当センターの「中間支援」対象を増やし、センターへの求 心力も高めつつ、高松市における市民活動の活発な動き をめざします。 実行委員長にNPO法人子育てネットひまわり理事長の 有澤陽子氏を迎え、高松市まちづくり学校実行委員会と高 松市が協働で実施します。 「省力化」「インフラ整備」「新エネルギー」などの面で、環 境に密接にかかわる業務を行っていますが、それだけでな く、もっと幅広く社会貢献活動を行うべきという声が上がり、 今年から社としてCSRを実施する方針を決めたそうです。 今後CSRを行う際には、本社および支店周辺の地元への 社会貢献を行いたいとのことで、まずは各拠点周辺の清掃 活動を行っていく考えとのことです。 「地域のために何かしたい」という意志表明をする企業さ んが増えてきている昨今、地域と企業双方のニーズと意識 がマッチングする様々なアイディアを、市民活動センターも 出していく必要があると、改めて感じました。 お問い合わせ先 まちづくり学校 メニュー 地域づくりチャレンジ塾 コーディネーター: 人見訓嘉(市民活動センタークリエイティブディレクター) サブコーディネーター:川井保宏(四国経済産業局) ファシリテーター: 尾野寛明(有限会社エコカレッジ代表取締役、幸雲南塾) 地元ファシリテーター: 真鍋邦大(株式会社459)ほか 共催: 四国経済産業局 高松市市民活動センター事業 ・防災とボランティア (シンポジウム、展示、訓練など) 内容/会場候補 8月24日(日) プレセミナー①/会場:玉藻公園披雲閣 蘇鉄の間 9月15日(月・祝) プレセミナー②/会場:高松港・小豆島行きフェリー内 10月11日(土) 講座①イントロダクション~自分を知ろう~/ 会場:仏生山 法然寺本堂 11月15日(土) 講座②地域課題を考える~課題テーマを設定しよう~ 12月13日(土) 講座③「マイプランを描く」~プラン・アクションを描こう~ 1月17日(土) 講座④「マイプランを鍛える」~プラン・アクションを起こそ う~ 2月7日(土) 講座⑤「マイプランを磨く」~自分なりのマイプランへ~ 3月14日(土・祝) 講座⑥ 最終報告会「マイプランの発表」 ・市民活動センタークリエイティブ ディレクターによる地域ブランディン グ講座 ・インターネット番組 「高松つながっていい友」 ・NPO会計講座 ほか 11月22日(土)「まちづくり学校文化祭」 会場:四番丁スクエア 2 産業用の電気機器・材料、通信機器・材料、土木用資材、 大豊産業株式会社 計測制御機器を販売する商社として、また、オートメーショ TEL:087-841-2345 ン設備の設計施工を行うエンジニアリング会社として、環境 に与える影響を認識した企業活動、製品・サービスを提供 している大豊産業株式会社。 香川県自動車整備振興会 高松支部青年部会 香川県自動車整備振興会には、県内の自動車整備工場の 会社が会員になっており、高松市、木田郡及び香川郡で273 会員あります。こうした会社の後継者である若手が中心となって、 「青年部会」を組織しています。現在は74会員が集まり活動し ております。 高松の青年部会のなかには色々な委員会がありますが、その 中に「ボランティア委員会」という会があります。発足して10年近 く、当初から続けてきたのが、アルミ部品を集めて現金化し、必 要物品を購入して寄贈するという形で市民活動を応援する活 動です。 そのほか、地域に根差した活動として、無料のマイカー点検教 室を行っています。日常点検の実施方法、タイヤ交換の仕方、 バッテリーあがりへの対応など、自分でできる日常点検のやり方 や、アクシデントの対処方法を学んでもらう場です。小学校の体 育館や、コミュニティセンターを借りたりしながら、地域の車の安 全走行に一役買っています。 車検の年にお世話になるだけではなく、自動車整備をもっと身 近に感じられたら、より安全に近づき、当たり前のようですが、改 めて教えてくれる活動ですね。 お問い合わせ先 香川県自動車整備振興会 TEL(087)881-4321 7 第49号 コラボたかまつ 高松市市民活動センター情報誌 CSRとは? 「地域課題をとらえて活動を起こしたい!」 という小さな気持ちを、 大きく育てます! 最近、一般的にも耳にするようになった単語、CSR。直訳すると「企業の社会的責任 Corporate Social Responsibility」です。 昨今では、企業が社会の一員として果たすべき役割について語られることが多くなっています。 いつからこうした考え方が生まれてきたのでしょうか? 高度経済成長の1950年~70年代には、「公害問題」をめぐって企業責任が大きな議論の的になりました。このころの社会貢献 は「寄付」が主流で、企業によっては財団を設立して自然科学や福祉、教育分野などで助成事業や自主事業を行うところも出 てきました。 1980年代の好景気には、日本企業の国際化が進みました。世界の中で日本企業も、展開する地域に貢献を求められるように なります。 90年代、バブル経済が崩壊し、閉塞感が支配する中で、それまでと違う社会とのかかわり方が求められるようになってきました。 95年の阪神淡路大震災をきっかけに「災害ボランティア」が活躍し(ボランティア元年と呼ばれる)、企業とNPOの連携が生まれ、 企業が社員をボランティア活動に派遣するなど、自ら環境整備を行うようになったのです。 高松市内でも、CSRに積極的に取り組む企業や、取り組みが必要だと考える企業が増えているようです。今回も、いくつかの 企業に取材をしました。 地域で何かやりたいけれど、何をしていいか、どうすればいいかわからない、という方に。 講師や仲間とともに「マイプラン」を作って、活動への気持ちを高めていきませんか。 実際に活動をされている先輩とのネットワークも広がります。 自分のできる活動に、無理のない範囲で自由に取り組める地域。 これが、この塾のめざす姿です。 株式会社 ミヤプロ 代表取締役 宮嵜佳昭さんに聞く 尾野寛明(おの ひろあき) 全日本印刷工業組合連合会は、単一業界で初めてCSRの 認定制度をはじめました。 CSR=企業の社会的責任といっても、世間ではまだまだなじ みの薄い言葉かもしれません。印刷業界では、認定の基準とし て①コンプライアンス②環境③情報セキュリティ④品質⑤雇用・ 労働安全⑥財務・業績⑦社会貢献・地域志向⑧情報開示・ コミュニケーションという8項目で評価しています。 つまり、法令を遵守しているか、環境に配慮しているか、情報 管理が正しく行われているか、健康、安全、福祉など社会の必 要に叶う品質のものを作っているか、誠実に雇用状態の向上を 目指しているか、財務状況が健全であるか、地域志向の社会 貢献をしているか、情報開示を適切に行っているか、といった点 です。これらの基準を達成した会社のみ、印刷製品にCSRマー クをつけることができます。 印刷会社の信頼が高まるだけではなく、その会社に印刷物を 発注した会社も社会的信頼を得られるというしくみです。 印刷業界が積極的にCSRを行うようになったのには、あるきっか けがありました。ある印刷会社が使っていた高い濃度の溶剤が 胆管癌を引き起こしたという問題… パソコンとインターネットの時代、ただでさえ紙媒体は厳しい時 代を迎えています。その上、この事件のイメージが印刷業界に重 くのしかかりました。優秀な人材も失い、この状況を放っておくこと はできませんでした。 社会に貢献する印刷業の姿を実践すること、つまりCSR活動 が会社を救うと考えたのです。CSR研究の第一人者である横浜 市立大学の影山教授との共同設計による基準を作成、同大 学CSRセンターが審査を実施し、外部の有識者で構成される 認定委員会で判定を行うことになりました。 6 地域づくり チャレンジ塾 ファシリテーター紹介 有限会社エコカレッジ 代表取締役 NPO法人てごねっと石見 副理事長 NPO法人農家のこせがれネットワーク 理事 1982年生まれ。一橋大学大学院商学研究科博士課程修了。学生時代に起業を志し、 2001年に東京都文京区でネット古書店を創業。2006年、本社をまるごと島根県邑智郡 川本町に移転。書店跡地を利用し、ITを活用した商店街のまちおこしと障がい者雇用をめ ざす古本屋を経営する一方、都市部の起業家を地方へ呼び込む仕組み作りや地域プロ デューサー育成の仕組み作りに駆け回っている。 CSRに認定されると、「キツい」と言われる会社にも、新卒の学 生が希望して入社してくるようになりました。認定基準に照らし 合わせてみると、自分たちの会社ができていなかったことも見えて きたと言います。ちゃんとやっていると言っても、根拠が出せなけれ ば意味がないということも。 真鍋邦大(まなべ くにひろ) 株式会社ミヤプロは、香川県の「エコアクション21」にも業界四 国初で認定されました。 実は、こうした認定制度をとろうとすることは、営業利益を出さ なければならない経営者にとって楽なことではありません。しかし、 実際に認定を得ると、社内の空気が変わりました。急に売り上 げが増えるわけではない、けれど、良い雰囲気がお客様に伝わり、 上昇するスパイラルが生まれたと宮嵜社長は感じました。 株式会社四国食べる通信 代表取締役 兼 編集長 ポンカフェ オーナー 株式会社459(シマポン) 代表取締役社長 1978年、香川県高松市生まれ。香川県立高松高校卒業後、上京して 東京大学経済学部卒業(東京大学大学院修士課程修了)。 その後、複数の外資系金融会社を経て、2012年に小豆島に移住し、株 式会社459を創業(代表取締役就任)。 同社のミッションは「地域応援」。活動テーマは「シマとマチとトカイをつなぐ」こ と。地元経済に資する活動であれば、農業、観光、教育等幅広く全力で 取り組むことを信条とする。 株式会社ミヤプロが音頭をとって始めた「さぬきマーチング委員 会」という取り組みがあります。香川の風景を切り取った風景画 を通しての地域おこし。プロの画家に依頼してさぬきの風景を絵 にしてもらい、それらを展示したり、名刺やハガキ、一筆箋などに してビジネスツール等に使ったり…この絵をきっかけに新たな輪が 生まれています。 一見、印刷業に直接的に役立つように思えないことでも、それ が働く人に影響し、人からビジネスにも好循環をもたらす。一歩 引いた客観性と強い信念、行動力がもたらした果実であると感 じました。 お問い合わせ先 ㈱ミヤプロ ℡087-851-0515 「地域づくりチャレンジ塾」プレセミナー 参加者募集! 日 時 場 所 参加無料 内 容 お申し込み ①8月24日(日)午後1時30分~5時②9月15日(月・祝)午後1時集合 ①玉藻公園披雲閣②高松港・小豆島行きフェリー内 (入場料等自己負担) 地域で何かを始めたい方へ。“まち”の先輩を講師に迎えるセミナーで、マイプラン作りのきっかけが見つかります。 ①8月9日(土)まで②9月2日(火)までに高松市まちづくり学校実行委員会へ。 (高松市市民活動センター内 ℡823-2701 FAX823-2706) 3 第49号 コラボたかまつ 高松市市民活動センター情報誌 社会福祉法人 ひかりエコ・エンジニアリング会 だんしエコ作業所 社会福祉士/精神保健福祉士 山本康子さんに聞く 障がいのある人たちが働く、いわゆる「作業所」には、障がいのレベルや 利用者さんのニーズ、能力などに合わせて色々なところがあると思います。 その中でも高松市檀紙町にある「ひかりエコ・エンジニアリング会」は、明 確な目的意識をもって設立され、運営されています。 「地域社会での自立。親亡きあとも、その人が安定した生活を続けら れるように。」 このメッセージには、「障がいがあっても地域で生き生きと幸せに暮らして ほしい」という親から子への願い、そして「子どもの力を信じる気持ち」が込 められているように感じます。 キーワードは「自立」、つまり働くことです。 ひかりエコ・エンジニアリング会第一作業所だんしエコ作業所の作業場 所は2か所。それぞれに作業時間が少し異なり、長めに働きたい人、短め で体が楽なほうが良い人と、ニーズに合わせて選んでもらいます。作業内 容はパチンコ台やパソコンを手で解体し部品を分別、再利用できる形にす ることです。 立ち仕事で、決して軽くはないパチンコ台を解体していく作業は、肉体 労働でもあり熟練も要します。それらを手際よくこなしていく利用者さんたち 。入ってすぐにできる作業でないことは一目瞭然です。この作業所の仕事 の特徴は、「解体」という作業。ものを作るよりストレスを感じない人もいま す。また、一般的な作業所のように大きなテーブルを囲んで作業する形で なく、1人ひとりのブースがあり、立って作業をする点。皆でテーブルを囲むよ り、このやり方のほうが仕事しやすいと感じる方もいるようです。 いずれにせよ、ポイントは「その人に合っているかどうか」。誰しも、能力 が発揮される環境というのがあり、障がいのある人にも同じことがいえます。 知的障がいがあるけれど手先が器用な方、身体に障害があるけれど、人 をまとめる能力がありリーダーとして動ける方…当たり前のことですが、障が い者のそうした個性や個別の能力についてきちんと考えられるようになったの は比較的最近のことなのです。 障がい者の中に、自分の能力を活かす働きをする人が増えていく→ 一般社会に障がいがありながら働く人が普通に増えていく…こうした好循 環が社会に広まるためには、決意をもって具体的な行動を起こす人が1人 、また1人と出てくることが、唯一の確かな一歩なのだと改めて感じた訪問と なりました。 ひかりエコ・エンジニアリングでは、一般就労をしたかったけれど出来な かった方、してみたけれどうまくいかなかった方などが、能力を発揮して働け る場になればと考えています。 一方で、障がいのある方を雇用しながら事業を成り立たせるためには 、他にはない発想と取り組み、ネットワークが必要です。ひかりエコ・エンジニ アリングは、産業廃棄物収集運搬業の許可、古物商の許可、産業廃棄 物処分業の許可を取得し、さらに、使用済みパチンコ台が安定的に仕入 れできるよう、選定業者になることも目指しています。機械を手分解して再 利用することは地球環境に優しく、誇りに思える作業でもあります。 一般的な作業所で行われている、送り迎えもいっさい無し。ここに通う ために自転車に乗る練習をした人もいるといいます。もちろん、それができる 人ばかりではないので、通いや専門的作業が難しい方々は第二作業所ほ っとハウス等サービスが整った作業所を紹介し、逆に非常に能力が高い人 については、囲い込まずに一般企業への就労を支援し、実績をあげていま す。だんしエコ作業所で訓練を受けた利用者さんは職場への定着率が高 く、安定しているのだそうです。 だおわ 国内でこんな取り組み ベルギーの 取り組み 高松市市民活動センタースタッフが訪ねました! リポート 1979年、ベルギーにクレアムという団体が生まれました。知的 障がいのある人たちが表現する世界を引出し、高めようという取り 組みです。障がい者とアートというと、「アートによるセラピー」や趣 味の世界と捉えられることが多いのですが、クレアムの特徴は、あく まで質の高い芸術活動にこだわります。 クレアムでは、造形や演劇界からアーティストを招き、様々な創 造プログラムを行ってきて、30年あまりの経験から、知的障がいの ある人々のもつ能力が、サーカスのクラウンなどに非常に適してい ると感じたそうです。 2008年、クレアムから、同じベルギー国内にあるサーカス創作 施設「エスパス・カタストロフ」のカトリーヌに「知的障がいのある人 たちとのサーカスを通じた創作活動をしませんか」という提案があり ました。彼女は、クレアムのアーティストたちと対面してすぐ気づきま す。彼らは、ふつうのアーティストが持ちたいと願う特長、たとえば 「誠実さ」「素直な表現」「ユ-モア」「本質へ立ち戻ること」「おそ るべき的確さ」「寛容さ」「今を生きる信じがたいほどの能力」「ポエ ジー(詩情)」「あふれるほどの優しさ」 …を、生まれた時から持っているのだと。 4 クレアム(美術・演劇) エスパス・カタストロフ(サーカス) 彼らは知的障がいがありますが、演劇を長くやってきたり、もとパ ラリンピックの選手だったり…実は優れた能力を持つ人々の集まり です。何より、舞台に上がった彼らの存在感、飛びぬけた個性と 表現力に度肝を抜かれます。 障がいのある人と多様な分野のプロ フェッショナルが出会い、固定概念を覆す ような新しい表現を生みだす… 温かで限りない包容力をもつアクセル、クローディア、ヴィルジニー。 まるで針の上でバランスをとっているように繊細な怪力男、トマ。不 思議の国と現実世界をつなぐエドゥアルド。楽しくて、表現すること が大好きな根っからの俳優、リオネル…。 障がいのある人もない人も関われる美術 やパフォーマンスのアートの祭典、 第1回「横浜パラトリエンナーレ」が、 8月1日から始まります!公式HPは、 その様子をすみずみまで注意深く見渡して、みんなをまとめる 肝っ玉母さん的、カトリーヌ。彼女は彼らを障がい者とは呼ばず、 プロのアーティストであると繰り返し言い聞かせます。 http://www.paratriennale.net/ 練習や演技の最中に不安になったり、やめたくなったり、いろんな ことが起こります。しかしその度にカトリーヌは問いかけます。「あな たたちは、そこでやめて、お客さんをがっかりさせて帰していいの?」 彼らは、首を横に激しく振り、そんなことはダメだ、僕らはアーティス トだから、と言うのです。 プロの自覚、そして実力。カトリーヌが目指しているのは「出し 物」ではなく、まさしくアーティストとしての自立なのです。 © Antoinette Chaudron 5
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