JSR DYNARON® 水添ポリマー 石化事業部 TPE部 東京都港区東新橋1-9-2 〒105-8640 汐留住友ビル Tel:03-6218-3625 Fax:03-6218-3697 http://www.jsr.co.jp 本資料の記載内容は、現時点で入手できた資料・情報、データ等に基づいていますが、物理的性質、危険・有害性等に関して 保証するものではありません。また、本製品の使用にあたっては、用途に対応する法規制、および用途への適合性・安全性等を 試験・確認ください。 はじめに JSR DYNARON ®は、JSR株式会社の永年にわたる優れたポリマー合成技術により 生み出された独特の構造を持つ水添ポリマー群です。 JSR DYNARON ®は、大きく下記の5つのタイプに分類されます。 HSBR 水添スチレンブタジエンラバー SEBC スチレン・エチレンブチレン・オレフィン結晶 ブロックポリマー CEBC オレフィン結晶・エチレンブチレン・オレフィン結晶 ブロックポリマー SEBS スチレン・エチレンブチレン・スチレン ブロックポリマー f-DYNARON 極性基変性DYNARON 目次 1.JSR DYNARON®の特徴と実用例 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 ® 2.JSR DYNARON の代表物性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 3.JSR DYNARON®の基本特性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 4.HSBR の特徴 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 5.SEBC の特徴 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 6.CEBC の特徴 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 7.SEBS の特徴 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 8.f-DYNARON の特徴 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 2 1.JSR DYNARON®の特徴と実用例 ◎特 徴 特 徴 タイプ HSBR 1. HSBRはポリプロピレン(PP)に超微分散し、可塑剤フリーで柔軟性・透明性・ 難白化の改良が出来ます。 SEBC 1. SEBCはポリエチレン(PE)に超微分散し 、可塑剤フリーで柔軟性・透明性の 改良が出来ます。 CEBC 1. CEBCはポリプロピレン(PP)とエチレン系ポリマーの相容性を向上し、耐衝撃性を 改良できます。 2. 高油展が可能であり、耐油性・流動性に優れたコンパウンドが得られます。 SEBS 1. ポリプロピレン(PP)とスチレン系ポリマー(PS等)・芳香族系ポリマー(PPO等)との 相容性を向上させます。 2. ポリプロピレン(PP)に超微分散し、可塑剤フリーで柔軟性・透明性の改良が 出来ます。 f-DYNARON 1. ポリオレフィンと極性ポリマー(PET, PMMA等)との相容性を向上させます。 ◎JSR DYNARON® コンパウンドの実用例 クリアファイル ●特徴:高透明性・柔軟性・難白化 液晶用保護フィルム ●特徴:自己粘着性 マッサージ器具 ●特徴:柔軟性 《その他の実用例》 ●医療用バッグ・チューブ ●車の内装表皮材 ●ホース・フィルム等 3 2.JSR DYNARON®の代表物性 成形条件:プレス成形 熱板温度:160~170℃ HSBR 性 質 スチレン含量 密度 単 位 準拠試験方法 デュロ A 引張強さ f-DYNARON DYNARON ® DYNARON ® DYNARON ® DYNARON ® DYNARON ® DYNARON ® DYNARON ® DYNARON ® DYNARON ® DYNARON ® DYNARON ® DYNARON ® DYNARON ® 1320P 1321P 2324P 4600P 6100P 6200P 6201B 8600P 8300P 8903P 9901P 4660P 8660P JSR method 10 10 16 20 0 0 0 15 9 35 53 10 25 g/㎤ JIS K7112 0.89 0.89 0.90 0.91 0.88 0.88 0.88 0.90 0.88 0.92 0.97 0.89 0.91 3.5 10 10 5.5 0.6 2.5 30 7.0 10 3.3 10 10 g/10min JIS K7210 4.2 230℃,98N 硬さ SEBS % 230℃,21.2N MFR CEBC SEBC 度 JIS K6253 MPa 0.5 42 41 50 78 88 66 73 48 47 49 98 83 66 8.0 7.1 10 17 22 5.9 7 10.3 8.4 17 14.3 7.3 8.7 990 1030 880 680 550 1100 600 900 880 640 420 620 830 -50 -50 -50 -45 -55 -52 -50 -50 -54 -27 -50 -56 -50 f-SEBC f-SEBS JIS K6251 破断伸び % ガラス転移温度 ℃ JIS K7121 ポリマータイプ HSBR SEBC CEBC SEBS 3.JSR DYNARON®の基本特性 ●JSR DYNARON® 電気特性 単位 体積抵抗率 * Ω・cm 準拠試験方法 ●JSR DYNARON® 耐薬品性 DYNARON ® DYNARON ® DYNARON ® DYNARON ® DYNARON ® DYNARON ® DYNARON ® DYNARON ® DYNARON ® 1320P 1321P 4600P 6200P 1320P 1321P 4600P 6200P 8600P 10%塩酸 ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ 10%水酸化ナトリウム ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ トルエン × × △ △ × n-へプタン × × △ △ × メチルエチルケトン △ △ △ △ △ アセトン ○ ○ ○ ○ ○ メタノール ◎ ◎ ◎ ◎ ◎ ガソリン × × △ △ × 16 16 16 16 ASTM D257 1×10 以上 1×10 以上 1×10 以上 1×10 以上 誘電率 103Hz - ASTM D150 2.37 2.38 2.45 2.35 誘電正接 103Hz - ASTM D150 0.0012 0.0014 0.0013 0.0014 *直流電圧500V印加、1分後に測定 *JIS K 6301準拠、室温、24時間浸漬後、状態を観察した。 ◎:不溶 ○:ほとんど不溶 △:一部膨潤 ×:完全溶解若しくは膨潤 4 4.HSBR の特徴 1.PP/DYNARON®1320P フィルム物性 性 質 単 位 準拠 試験方法 PP/DYNARON®1320P PP/EP 85/15 85/15 25.5/23.5 17.7/14.7 21.6/17.7 62.8/46.1 56.9/45.1 56.9/31.4 660/810 620/850 670/710 560/540 280/270 440/390 PP 降伏強度 MD/TD MPa 引張強さ MD/TD MPa 破断伸び MD/TD % 弾性率 MD/TD MPa エレメンドルフ引裂荷重 MD/TD N JSR法 0.5/2.0 0.8/9.4 1.3/6.2 0℃ KJ/m JSR法 5.3 28.4 34.3 -20℃ KJ/m 0.9 24.5 10.8 120℃ N/15mm JSR法 0.1 0.1 0.3 130℃ N/15mm 1.6 2.7 2.7 8.7 3.1 フィルム衝撃強さ ヒートシール性強度 ヘイズ % JIS K7127 JIS K7105 6 ◎MD : Machine Direction(縦方向) ◎成形条件 : 単層T-ダイ フィルム ◎TD : Transverse Direction(横方向) ◎成形機 : 単軸押出機 ◎PP : ランダムタイプポリプロピレン(MFR:7g/10分(230℃、21.2N)) ◎シリンダー温度 : 180~210℃ ◎EP : EPM (MFR:3.6g/10分(230℃、21.2N)、エチレン含量:75%) ◎ダイス温度 : 200~220℃ ◎フィルム厚み : 50μm PP/DYNARON®1320P フィルム物性 《ヘイズ》 PP/DYNARON®1320P フィルム物性 《弾性率》 HSBRタイプは、オイルを添加しないでポリプロピレン(PP)の透明・軟質化を可能にし、ポリプロピレン(PP)の耐熱性を保持します。 PP/DYNARON®1320Pの電子顕微鏡写真 PP/DYNARON®1320P =70/30 PP/EP=70/30 HSBRタイプは、ポリプロピレン(PP)に超微分散します。 5 5.SEBC の特徴 1.LDPE/DYNARON®4600P ブレンド物性 性 質 硬さ(デュロA) 単 位 準拠試験方法 LDPE 度 JIS K6253 50%引張モジュラス Mpa 引張強さ Mpa 破断伸び % ヘイズ(厚さ2mm) % JIS K6251 JIS K7105 LDPE : (MFR=1.1g/10分(190℃,21.2N)) LDPE/DYNARON ®4600P 90/10 75/25 50/50 25/75 99 98 97 92 86 9.4 8.4 7.0 5.0 3.4 12.9 12.7 13.3 12.6 12.3 640 710 680 680 670 69 67.9 57.4 47.1 18.2 コンパウンド方法:ロール 150℃ 成形条件:プレス成形 熱板温度:160~170℃ ◎LDPE/DYNARON®4600P基本特性 《ヘイズ》 EP:EPM(MFR=3.2g/10分(230℃、21.2N)、エチレン含量:71%) SEBS:ステンレス含量:13% ® ◎LDPE/DYNARON 4600P基本特性 《引張強さ》 DYNARON®4600PをLDPEに添加することによって、LDPEの強度を保持したまま透明性が改良されます。 6 6 CEBC の特徴 1.PP/PE/DYNARON®6200P 電子顕微鏡写真 1μ 1μm Homo-PP/LLDPE=70/30 Homo-PP/LLDPE=66.5/28.5/5 CEBCタイプは、ポリプロピレン(PP)とエチレン系ポリマー(PE、EEA、EVA)の相容化材として優れた効果を発揮します。 2.耐油性オイル配合コンパウンド(DYNARON®6201B/PP/オイル=40/20/40) 配合1 DYNARON®6201B (Mw=27万) SEBS-2 (Mw=13万) パラフィンオイル 滑剤 配合3 40 SEBS-1 PP 配合2 40 40 RandomPP、MFR=1.8 20 20 20 PW60 40 40 40 エルカ酸アミド 0.3 0.3 0.3 単位 準拠試験方法 配合1 配合2 配合3 MFR 230℃、21.2N g/10min JIS K7210 30 0.3 220 硬さ デュロA 度 JIS K6253 67 68 72 引張強さ Mpa 34 156 42 破断伸び % JIS K6251 (500mm/min) 550 700 310 % JIS K6262 21 23 43 64 47 108 40℃、72時間 %(⊿W) JIS K6258 ASTM No.1 7 6 45 40℃、72時間 %(⊿W) JIS K6258 IRM903 52 48 113 40℃、22時間 %(⊿W) JIS K6258 FuelA 43 40 130 圧縮永久歪 耐油性 23℃、22時間 70℃、22時間 CEBC系の油展コンパウンドは、SEBS系と比べて流動性と耐油性のバランスに優れます。 7 7. SEBS の特徴 1.PP/DYNARON® 8600のブレンド物性 単 位 準拠試験方法 PP/DYNARON®8600 =70/30 PP/一般SEBS =70/30 g/10min JIS K7210 12.6 4.3 曲げ弾性率 Mpa JIS K7171 530 850 引張強さ Mpa 20.3 19.9 670 110 67 90 性 質 MFR 230℃、21.2N 破断伸び % 曇価(HAZE) % JIS K7113 JIS K7105 PP/DYNARON®8600Pの電子顕微鏡写真 PP/DYNARON®8600P =70/30 PP/一般SEBS =70/30 SEBSタイプはポリプロピレン(PP)に超微分散し、PPの引張伸び・柔軟性・透明性を向上します。 2.PS/PP/DYNARON®9901Pのブレンド物性 PS/PP =70/30 PS/PP/ DYNARON®9901P =66.5/28.5/5 PS/PP/一般SEBS =66.5/28.5/5 28 29 28 % JIS K7113 (500mm/min) 8 230 (kgf・cm/cm) JIS K7211 1.6 330 25 JIS method 変化なし 変化なし 変化なし 単 位 準拠試験方法 引張強さ Mpa 破断伸び 性 質 落錘衝撃強度 耐サラダ油性 22 DYNARON®9901Pは、ポリスチレン(PS)とポリプロピレン(PP)の相容化材として働き、耐衝撃性を改良します。 PS/PP/DYNARON®9901Pの電子顕微鏡写真 PS/PP=70/30 PS/PP/DYNARON®9901P =66.5/28.5/5 PS/PP/一般SEBS =66.5/28.5/5 DYNARON®9901Pは、ポリスチレン(PP)とポリプロピレン(PP)の相容化材として優れた効果を発揮します。 8 8.f-DYNARON の特徴 1.PET/PP/DYNARON®8660Pのブレンド物性 性 質 シャルピー衝撃試験 ロックウエル硬さ 引張強さ 破断点伸度 単 位 PET/PP=70/30 PET/PP/ DYNARON®8660P =63/27/10 KJ/㎡ 2.5 12 度 106 82 Mpa 46 33 % 6 98 DYNARON®8660Pは、PETとポリプロピレン(PP)の相容化材として働き、耐衝撃性を改良します。 PET/PP/DYNARON®8660Pの電子顕微鏡写真 PET/PP/DYNARON®8660P =63/27/10 PET/PP=70/30 DYNARON®8660Pの添加により、ポリプロピレン(PP)の分散粒径が大幅に低下します。 2.PET/PE/DYNARON®4660Pのブレンド物性 性 質 シャルピー衝撃試験 ロックウエル硬さ 引張強さ 単 位 PET/PE=70/30 PET/PE/ DYNARON®4660P =63/27/10 KJ/㎡ 4.8 11 度 71 69 Mpa 36 29 DYNARON®4660Pは、PETとポリエチレン(PE)の相容化材として働き、耐衝撃性を改良します。 PET/PE/DYNARON®4660Pの電子顕微鏡写真 PET/PE=70/30 PET/PE/DYNARON®4660P =63/27/10 DYNARON®4660Pの添加により、ポリエチレン(PE)の分散粒径が大幅に低下します。 9
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