2003.12.13.Sat. JFSシンポジウム「がんばっている日本を世界はまだ知らない」NO.1 〇シンポジウムの主旨 多田: 皆さん、こんにちは。今日は大変お天気になりまして、お忙しい中、お越しいただきましてあ りがとうございました。今回のシンポジウムの隠しテーマとか趣旨は、また後でご説明しますが、 私どもジャパン・フォー・サステナビリティという環境NGOの1周年記念のシンポジウムでご ざいます。タイトルは「がんばっている日本を世界はまだ知らない」ということで、頑張ってい る日本のさまざまな取り組みを海外に発信するという去年の8月に設立した私どもNGOのミッ ションがここに入っております。 今日は2時間という非常に限られた時間ではございますけれども、日本の向かう持続可能な社 会というのを今回のエコプロダクツ展という場を1つの素材にしてみんなで議論をしたいと思い ます。今日は堅苦しい場ではなくて、楽しい場なので、是非楽しんでいっていただければと思い ます。私はこの団体の共同代表を務めております多田と申します。今日の進行役を務めさせてい ただきます。 資料ですが、お手元にシンポジウムのご案内という資料と、持続可能な日本を作るためのアン ケートというのをお手元にお配りしています。もしよろしければ是非書いていただければ、我々、 後々国際企画もやっていきたいと思っていますので、是非お願いします。それから今日のシンポ ジウム自体へのアンケートと、私ども団体のご案内ということで、4枚、お手元にございますの でよろしくお願いします。 それでは時間もございませんので、このアジェンダに沿って進めさせていただきます。まず私 どもの共同代表を務めます枝廣の方から主催者側のごあいさつをさせていただきます。それでは、 枝廣さん、よろしくお願いいたします。 枝廣: 皆様、こんにちは。今ご紹介いただきましたジャパン・フォー・サステナビリティの多田と一 緒に共同代表をしています枝廣と申します。今日はこのセミナーの方に来ていただいて本当にあ りがとうございます。1周年という話が今ありましたが、このジャパン・フォー・サステナビリ ティというNGOは去年の8月に立ち上げました。 なぜこのNGOを立ち上げたかというと、日本で今、いろいろ環境の取り組み、エコプロ展1 つを見ても、またはその中で展開されているいろんな活動を見ても、本当にいろんな取り組みが 今、環境で行われているんですが、その情報がほとんど世界に発信されていない。世界の人たち から見ると日本からの情報がない、ということは日本は何もやっていないに等しいというふうな 見られ方をしています。それは非常にもったいないと思って、日本でいろいろやっていることを 英語にして世界の人たちに届けていこう。それを世界の人たちにもいろいろ役立てていただこう。 そのような思いで立ち上げました。 実際に今、4人の中心のスタッフと、それから事務局のスタッフ、そして私たちの活動は 200 人ぐらいのボランティアの方々に支えられています。200 人ぐらいのボランティアの方々がいろ 1 んなチームを作って、有機的にそれを連合することでこの活動を支えてくれています。 そして 30 数社の法人会員と、それから 200 人ちょっとの個人サポーターの方々から資金的な援 助をいただいて、まだまだそれでは実は足りないのですが、何とか1年回すことができました。 このジャパン・フォー・サステナビリティという団体の名前ですが、真ん中にあるフォーは2 つの意味を持たせています。1つは持続可能性に役に立つための日本。持続可能性のための日本。 日本のいろんな情報を世界に発信して役立ててもらおう。それが最初のミッションです。この活 動をこの1年間、一番基礎的な活動ということで作りだしてきました。 一番最初に考えていたように、おかげさまで月に 30 本、日本のさまざまな活動を日本語と英語 にして発信できていますし、毎月ニュースレターを今 143 カ国の海外の何千人かの方々に送り出 しています。 今日のシンポジウムを1つのキックオフとして、ミッションの2番目のもう1つのフォーの活 動をこれから始めようと思っています。これは持続可能性へ向かっての日本ということで、 「持続 可能な日本というのはどういう形になるんだろう。何ができれば持続可能と言えるんだろう。 」そ の持続可能な日本のビジョンを作っていきたい。私たちが作るわけではないですが、それを作る ための場を提供していきたいと思っています。 多分ここにいらっしゃる方はそれぞれ環境意識が高い、いろいろ活動されている方だと思いま すが、今一番大きな、何とかしなくてはいけない問題だと私が思っているのは、一般的に地球環 境が非常に悪化している。その一方で一般の人々の意識がまだあんまりない。そのギャップが今 どんどん広がっているなあと思っています。そこのギャップを少しでも縮めるために私たちが1 つのツールとしてこれから使おうと思っているのが指標です。 例えば皆さんはGDPが上がったとか下がったとか、それから例えば株価指数が上がったとか 下がったとか、世の中の人たちがそれで一喜一憂しているのをごらんになっていると思います。 あれは1つの指標なんですね。そこにどういう意味があるかというのは、実はあんまりよく知ら なくてもGDPが上がったらうれしいと思う。下がったら困ったと思う。そういうふうにもう指 標というのを見るようになっています。 それと同じように、これが上がったら、「あ、いい方向行ってるな」、これが下がってきたら、 「あ、このままじゃ環境まずい」。そういうふうな役割が持たすことができるのが指標です。 例えば今、世界でそういう動きがあるのですが、それぞれの地元で指標を作る動きがあって、 シアトルでは、これは有名な話なのですが、いくつかの指標の中には、その町の中を流れる川に さかのぼってくるサケの数を指標としています。それが増えると町の人たちはうれしい、環境が よくなったと思う。そんなふうに実感に基づいた指標を含めて考えていきたいなと思っています。 その指標を含めて、日本のビジョンを作る1つの準備運動のような形で、今、日本の環境プロ フィールを作っています。例えばいろいろな白書が日本の役所から出ています。それをいろいろ つなぎ合わせると日本の環境の姿が少し見えてくるのですが、なにせ縦割りであちこちに情報が 分散しています。それを一目見れば、 「あ、日本の環境って今こういうふうになっているのか。こ ういうふうに変わってきたのか。」それがわかるような指標を集めたようなページを今作ろうと思 って、後でその話を少し報告させていただきます。 その日本のビジョンというのは多分共通のものが多いと思うのですが、そこに至るアプローチ というのはその一方で多岐多様だと思います。それは人の感性であるとか好みであるとか、自分 2 の得意なパターンがあります。そういう意味で今日は4つの切り口で、4つのアプローチでエコ プロ展という1つの会場を見てくださった4人のツアーコンダクターの方々をお招きしてシンポ ジウムをしようと思っています。 誰が行っても1品しか出さないレストランよりも、メニューがたくさんあって、それぞれ好き な物を選んで、食べて、栄養になっておいしいと思う、そういうレストランの方が多分はやると 思うんですね。ですから1つの切り口ではなくていろんな切り口。そして皆さん、それぞれの切 り口をエコプロ展、そして今後の活動でも何か見つけていただけたらと思っています。 今日はお天気なのにこういう室内でのセミナーにたくさん来てくださって本当にうれしいです。 最後まで楽しんでください。よろしくお願いします。 3 2003.12.13.Sat. JFSシンポジウム「がんばっている日本を世界はまだ知らない」NO.2 〇持続可能な日本の指標プロジェクトのご紹介 多田: はい。枝廣さん、ありがとうございました。それでは、またアジェンダに戻りますけれども、 今日のシンポジウムの隠しテーマというのはちょっと大げさですけれども、枝廣も今、触れてい ましたけれども、 「進化する風景」というのを1つ隠しテーマに入れております。これはエコプロ 展、もう既にごらんになった方が多分大半だと思うんですが、我々、あれを別に悪口で言ってい るわけではなくて、おもちゃ箱を引っ繰り返した状態ということで、もう何でもありなんですね。 本当にある種、アジアのマーケットというか、雑種文化みたいな形になってまして、私も全部 見きれないんですけれども、見た中でびっくりしたのは、初日に日野皓正さんがいらっしゃって、 トランペット吹いてましたけど、その横で背広を着た企業の人が真面目なプレゼンテーションを やって、その横に何かNGOのブースがあって、その横で何かアジアンカフェみたいなのがあり、 企業のブースの隣で僕はかぶと虫の幼虫で置いてあるブースがあってですね(笑)、本当に何でも ありで、八百万の神宿る、という感じなんですけれども。 もう1つは、これはエコということをテーマにしていますから、今現在の社会でなかなか実現 できていないような、ちょっと大げさに言えば近未来の風景が内在化されて凝縮された1つの場 のはずなんですね。ただあまりにいろんなテーマが雑然とあるものですから、なかなか一般の人 がこれを見ても消化しきれないということもありまして、それで今回のパネリストのお1人にも なってくださっている飯島さん方とブレーンストーミングを随分やりました。じゃあちょっと切 り口を作ってみようと。4つぐらいの切り口による、午前中、実はその宝探しの旅を4人のツア ーコンダクターの方がそれぞれやってくださいまして、この宝探しでどんな物が見つかったと。 これは多分エコプロの新しい楽しみ方になるんじゃないかなということで、1つの知の冒険と 私は書きましたけれども、新しいスタイルのシンポジウムだと我々思っております。 それで、4つの切り口ということで、切るためにはやっぱり価値観がないといけないんですね。 4つの切り口というのはデザイン、スローライフ、センスウェア、ソーシャルウェア。もうこの 言葉自体が非常に大きな新しい価値観を含んでます。それから今、枝廣が申し上げた指標という のも、これもある価値観がないと可視化ができませんので、今後我々のプラットフォームでどれ ぐらいお役に立てるかわからないんですが、こういう価値観が統合化され、総合化されるとこれ が1つのビジョンになって、そこで初めて持続可能な日本の姿というもののグランドデザインが できるんじゃないかなと。今日はこういったことを皆さんと議論したいというのがこのシンポジ ウムのコンセプトでございます。 それでは最初に、多分早くこの切り口の議論を聞きたいということで、皆さんウズウズされて いると思うんですが、盛り上がっちゃうとちょっと後で戻れなくなります。最初にこの指標プロ ジェクトについて、今、我々がどういうことをやろうとしているかを、私どもの若いスタッフの 小林というのと原田がやっていますので、代表して原田の方からちょっとその触りを数分ご紹介 させていただきます。では、原田さん、よろしく。 1 原田: ご紹介に預かりましたJFSの原田と申します。今回はJFSによる、今紹介させていただき ました、持続可能な日本の指標プロジェクトについて簡単にご紹介させていただきたいと思いま す。 まず、今までも指標という言葉は何度も出てきましたけれども、改めて指標というのは何かと いうことを考えてみますと、ある分野における最終的な目標である、と同時に、その目標に対し ての距離を確認するための現在、自分がその目標に対してどこにいるかという距離を確認するた めの数値であるとも言えると思います。 この定義に合わせてみますと、JFSによる持続可能な日本の指標プロジェクトとしましては、 最終的な目標として、その持続可能な日本はどんな姿であるかということを可視化したいという ことです。そしてその目標に対して、今、日本の現状ではどのくらいの状況になっているのか、 日本はどれぐらい持続可能になっているのかということを測っていくような指標を考えていきた いということになっております。 そして、JFS指標の目指すものということをまとめてみますと、可視化、つまり、見えない もの、見えづらいものを見えるようにしていく、日本中に散らばっているさまざまな環境情報を 1箇所に集めて可視化することによって、多くの人々の気づきを促していく。そして最終的には 社会を動かすようなムーブメントにつなげていけたらいいなと考えております。そういった場を 提供していきたい、プラットフォームとなっていきたいと考えております。 そこで私たちはその第1段階としましてボランティアの方々の力をお借りしまして、日本中に 散らばっているさまざまな統計情報、日本の環境情報というのを集めていくことにしました。そ の時のまず基本的なコンセプトとしましては、このような考えに基づいてそのデータの収集を行 っていきました。 まず中心には人間が生活している人間圏があるのではないか。そこで一番人間にとって大切な 衣食住というカテゴリー、またその回りには経済活動、社会生活があり、それらが自然圏とのや り取りの中で成り立っていると考えております。そういったコンセプトに基づきまして、赤丸で 示していますように、いくつかの大きなカテゴリーを設定いたしました。例えば人口、食糧、水、 などは衣食住に関連するカテゴリー、また経済活動、社会生活に関しましては運輸、経済、土地 利用、エネルギーなど、また、それを取り囲む自然圏に関しましては廃棄物、化学物質や資源、 大気、生物多様性などが関連するだろうというふうに設定いたしました。 そしてこれらのカテゴリー、それぞれについて、例えば食糧に関しては食糧自給率であるとか、 1人当たりの消費カロリー、また漁獲高など、細かな項目を設定いたしました。これらは、例え ば人口、水、食糧に関してはそれぞれいくつかずつ項目をピックアップしていったんですけれど も、ここでは漢字も多いことですし、簡単にお見せするだけにいたします。これらについてはJ FSの中でもコアのスタッフが集まりましてブレーンストーミングの結果、ピックアップした細 かな指標になっております。 ここではこれらのうちの1つ、最近も注目されております食糧自給率について簡単にご紹介し たいと思います。食糧自給率というのは、出所は農林水産省でありますが、日本の食糧自給率は 何%かというのはご存じの方も多くいらっしゃると思います。2001 年度でカロリーベースで 40% となっていますけれども、例えば1番下に書いてあります農水省で発表しております都道府県別 2 の食品自給率というところに注目をしてみますと、北海道、東京、千葉など3つをここではピッ クアップしたのですけれども、非常にばらつきがある。例えば北海道では全国で1番高く、181% であるのに対し、東京は1%、また千葉県では 29%といったようにかなり都道府県によってばら つきがあるということもよくわかります。 こういった、例えば食品自給率というのを日本という切り口で切った時には 40%ですけれども、 それをもう少し詳しく見ていくと、これだけ日本の中でもばらつきがあるということを私たちが 実感した次第です。 実際にボランティアの方々にご協力いたしましてこういった日本の統計情報というのを検索し ていきますと、非常にいろいろなことに気づかされました。やはりこれは、もちろん予想してい たことではあるんですけれども、データソースが多岐に及んでおり、環境情報といっても環境省 だけにはもちろんとどまっておりませんで、そのデータを探すには農林水産省のデータソースに アクセスする必要もありますし、例えばスチール缶のリサイクル率を調べたい時にはスチール缶 のリサイクル協会などにアクセスする必要がある、といったように日本人でも非常にそのデータ を探すのには苦労をしたということが実感としてあります。 これが例えば英語しか解さない外国人の場合には、おそらく日本の例えばスチール缶がどれぐ らいリサイクルされているのかといったことを知りたいといった場合にも、そこにアクセスする には非常に時間と労力を要するということが容易に考えることができます。 また、始めにブレーンストーミングでピックアップしました日本の環境情報の指標として考え たものの中でも、つまり数値としてわかりやすいものとして何を使ったらいいのかということが、 わかりにくいデータというのがありました。例えば環境ホルモン、化学物質過敏症、健康被害、 また水の安全性、生物多様性などを指標として示すにはどんなデータを使ったらいいのか、とい うことがデータ検索をしていくうちにわかってきたことの2つ目になります。 また最後に、このデータはあるのではないかと思って探していたんですけれども、例えば水の 自給率、食料の安全性指標、また食品別のエネルギー、ビタミン含有量、推移などは結局、私た ちの力ではそのデータのもとにアクセスすることができなかったということで、今後ばこれを、 また別な切り口で関連する情報を探していくといった努力や、別なデータを用いてこういった同 じような情報を表現するような工夫などをしていきたいというふうに考えております。 JFSの指標、持続可能な日本の指標プロジェクトの今後の展開というのを簡単に紹介させて いただきたいと思います。まず、今回、ボランティアの方々にご協力いただいて集めた日本の指 標データというのを、先ほど枝廣さんからも紹介がありましたとおり、ウェブにまとめて発表し たいと考えています。これは近々、先ほどあまり漢字が多いので飛ばしてしまった項目、全てで はないんですけれども、ほとんどについてデータが集まっておりますので、それをまとめて日本 語、英語においてウェブで公開したい、そしてそれを国内、海外の人たちに広く紹介していきた いと考えています。 そこで情報を出したことによるフィードバックというのがありますので、そういった情報も合 わせて公開していき、多くの人にこの指標、日本の今の現状というのをどうとらえていくかとい うプロジェクトに関わっていっていただきたいと考えています。 また、この指標、持続可能性指標に関してはシアトル市以外の例もたくさんありますので、そ ういった指標に関する勉強会の企画、また講演会の企画をJFSでやっていきたいと考えていま 3 す。 また、それぞれ、そういった指標について国内・海外の事例を集めまして、どのような違いが あるのかといったような比較ということも行っていきたいと考えています。 最後に私の発表のまとめといたしまして、JFSの日本の持続可能性を示す指標プロジェクト の概要といたしましては、現在の日本の環境情報というのは非常にばらばらに存在しておりまし て、個々の点になっているということで、それらを持続可能な日本のビジョンはどういうものか というところに収斂させていきたいと考えています。 以上で発表を終わらせていただきます。 (拍手) 多田: はい。原田さん、どうもありがとうございました。短い時間でしたけれども、指標プロジェク ト、今後、私どものニュースレターやウェブで随時ご案内していきますし、また勉強会もやりま すので、ご関心ある方は時々、私どものウェブを覗いてみてください。 4 2003.12.13.Sat. JFSシンポジウム「がんばっている日本を世界はまだ知らない」NO.3 〇パネル討論「日本の向かう持続可能な社会とは∼いまとこれから」【1】 多田: そうしましたら、お待ちかねのパネルディスカッションをしたいと思いますので、パネリスト の方々、ではそれぞれお席の方にご着席いただけますでしょうか。よろしくお願いいたします。 それでは、今日のパネリストの方々、もう本当に日本でも著名な方々ばかりですけれども、せ っかくの機会ですので簡単にプロフィールを紹介させていただきます。では、枝廣の隣ですね。 辻さんです。よろしくお願いいたします。 辻さんは文化人類学者、環境運動家でいらっしゃいまして、現在、明治学院大学の国際学部で 教鞭をとられていらっしゃいます。環境省の「環の国暮らし会議」等の公職も務めながら、100 万人のキャンドルナイトの呼び掛け人代表、それから特に有名なのはスローというコンセプトを 軸に、スロー・イズ・ビューティフルという概念を出されて、さまざまなご著書もあり、NGO ナマケモノ倶楽部の世話人を務めていらっしゃいます。これからよろしくお願いいたします。 それから続きまして赤池学さんです。赤池さんはユニバーサルデザイン総合研究所の所長をさ れていらっしゃいまして、科学技術ジャーナリストという肩書がありましたけれども、そういう 肩書を越えて、非常に幅広く社会システムデザインを行ったり、ユニバーサルデザインに基づい た製品開発ですとか、地域開発のさまざまなプランニングをなさったりしておりますし、その他 中国の対外経済貿易大学の客員教授等、教鞭もあちこちでとられていらっしゃいます。それから 非営利の活動法人としてエコリビング推進認証協議会の理事長も務めていらっしゃいます。ご著 書は非常にたくさん出されていて、例えば「トヨタを知るということ」 、 「温もりの選択」 「株式会 社ダーウィン商事」等々、非常に多くのご著書を出されています。赤池さん、よろしくお願い申 し上げます。 それから3人目が飯島ツトムさんでいらっしゃいます。飯島さんはコンセプターでいらっしゃ いまして、CO−WORKSの代表、それから環境を考えるプランナーの会にご所属でいらっし ゃいます。飯島さんも非常に幅広い方でして、伝統的な地場産業を現代的なデザインに蘇らせる ようなお仕事をなされるほか、企業や自治体のさまざまな開発、商品コンセプト作りのプランナ ー、デザインコンサルタントとしてもご活躍していらっしゃいます。実はジャパン・フォー・サ ステナビリティを立ち上げる際も非常にご援助をいただいて、私どもの今のロゴデザインはこの 飯島さんが作ってくださったものになっております。飯島さん、よろしくお願いいたします。 それから、最後になりましたが、竹村真一さんでいらっしゃいます。竹村さんは生命科学、そ れから地球環境学とか情報社会学など、竹村さんも非常に間口が広くいらっしゃいまして、非常 に広範な学識を踏まえてトータルな人間学を構想する傍ら、ご自身でデジタルメディアの可能性 を開拓するさまざまな実験的なプロジェクトを手掛けてらして、これは多くのプロジェクト、皆 さん、テレビやさまざまなメディアで存じあげていらっしゃると思います。 例えばNHKのBSパソコンネットのレギュラー解説者をされたり、政府のさまざまな情報政 策審議会の委員ですとか、グッドデザイン賞の審査員など、多数歴任されたりしています。著書 1 も『呼吸するネットワーク」』ですとか『22 世紀のグランドデザイン」』 『ひとのゆくえ」』等多数、 出されていらっしゃいます。竹村さん、よろしくお願い申し上げます。 ではこれに私どもJFSの枝廣を加えまして、5名でディスカッションをしたいと思います。 先ほど冒頭にもありましたように、赤池さんがセンスウェア、辻さんがスローライフ、飯島さん がデザイン、それから竹村さんがソーシャルウェアという切り口で、今日の午前中、あのおもち ゃ箱のエコプロ展を切ってまいりましたので、そのご報告をいただきたいと思います。最初はそ れぞれどこを回ってらしたかということと、あのおもちゃ箱からどんな宝物を探してきてくださ ったかというご報告をいただこうと思います。 ではまず、赤池さんからよろしくお願い申し上げます。 赤池: センスウェアツアーを担当させていただきました赤池です。センスウェアって多分、耳慣れな い言葉に感じられる方、おられるんじゃないかと思うのですが、実はこの言葉を最初にお作りに なられたのは、後ほどお話あるかもしれませんけど、竹村真一さんなんです。竹村さんは多分こ のセンスウェアという言葉にもっと多様な思いを込めてお作りになられたと思うのですけれども、 ご紹介がありましたように、僕はいろんなメーカーさんと環境対応とかユニバーサルデザインに 基づく製品開発のお手伝いをしている観点から、このセンスウェアというのはこれからのものづ くりを考える時に非常に大切な考え方だなということで使わせていただいているんです。 これはどういうことかと言いますと、今までのものづくりというのはハードウェアとソフトウ ェアのプランニングとかデザインをすることによって卓越した機能というものを生み出して、こ れを品質としてものを売ってきたわけです。これからもいろんなテクノロジーの進化を含めて新 しい機能、あるいはより高度な機能を求めていくのは、ものづくりである以上、当たり前のこと なんですけれども、多分もうこの機能という品質はものづくりにおける、多分必要条件のような ものになってしまうんじゃないかと考えています。多分 21 世紀を迎えた今、この機能以外の第2 第3の新しい品質を作り込んでいくことによって持続可能性のようなものを成果として現出させ るようなことができるのではないかということなんです。 日本語でこのセンスウェアを僕なりに訳すと、それは「五感と愛着に基づく品質」ということ なんです。要するに「これはリサイクルで作ったぞ、以上。」ではなくて、そのプロダクトそのも のに愛をずっと感じ続けていけるように開発する。愛着を持ち続けていければ、当然廃棄物にな る時間を猶予できますし、機能面だけではないものに対する愛着を注いであげることで、ものを 大切に使っていくようになる。結果としてリサイクルを含めて循環的に利用していくという、も う1つのデザインがあり得るんじゃないかなというふうに思っているわけです。 そういう観点から、じゃあどこを今回回ったかと言いますと、積水化学工業さんとイナックス さんとトヨタ自動車さんなんです。実際それぞれで何を見たかというと、実はエンジニアリング・ ウッドだったり、タイルだったり、車の中のマットだったりです。どこがそれが愛着なのよ、と いうことなんですけれども。実はそういう愛着を成り立たせるその向こう側に、卓越した日本の 技術とか、実は後ほどお話しますけれども、伝統的な先人の知恵とかがそこにこもっているんで すね。センスウェアというのはものづくりのキーワードであると同時に、そうした建材を使って 家を建てる施主さんとか、車に乗るユーザーの方々に対しても、実はこのセンスウェアという、 2 その技術や素材の向こうに何を見いだすか、感得するかということが同時に求められているんだ ということなんですね。 積水化学工業さんでは、木質の廃材と、樹脂系の素材。これをリサイクルさせたエンジニアリ ング・ウッドをまず見ていただきました。いわゆる業界にお詳しい方は、同じようにエンジニア リング・ウッドでパーティクルボードのようなものをさまざまなメーカーさんがお作りになって いることをご存じだと思いますけれども、積水さんは実はこのリサイクルをしたエンジニアリン グ・ウッドを柱とか、梁とか、いわゆる構造材として使えるに耐え得る強度を確保したリサイク ル材として開発したのです。 同時に積水さんは今まで鉄のフレームのユニット工法で家を作ってきているわけですね。これ、 ユニット工法、デザイン的に四角い箱ですから、チャーミングかどうかというのはまた別の議論 なんですけれども、積水さんがこの工法を発想したのは、1戸の家が老朽化する。でも使用頻度 の高い部屋ほど老朽化しちゃうわけですね。じゃあ家全部解体しないで、そのユニットだけ新し いものに取っ替えてあげればいいじゃないかと、こういう考え方での環境住宅作ってきたんです。 そして今、お話した樹脂と木質廃材をリサイクルして作られる構造材、従来は鉄のフレームだっ たものを、それに置き換えていきましょうという、こういう発想が背景にあるんです。 実はこの積水さんのエンジニアリング・ウッドは簡単にいうと、木造建築でたくさんの寺院や お寺が作られているわけですけれども、例えば4階建てのマンションも、いわゆる廃材を活用し た構造材で建てられちゃうじゃないかと。こういうものを建ててあげると、まさにこれはコンク リートの居室みたいに、実は木をリサイクルしているものでありながら、間に柱がない、非常に フレキシブルで、子どもの生育に応じて変えられる間取りの空間なんかを形にできるんだという ことなんです。 もう一つ、積水化学工業さんというのはもともとプラスチック屋さんなわけです。実は家の下、 地面の中の技術を持っているんですね、塩ビの下水処理関係のパイプですとか、浄化槽ですとか、 今そうしたものを今度は天水を利用する、できるようにしよう。中水を利用できるようにしよう と。実は積水さんは家の新しいエコ建材を作ると同時に地面の中の環境技術も作っています。同 時に不動産の事業部を持っていますので、実は町そのものを作っていく。これは後ほど、2回目 に回ってきたらさらに詳しいお話差し上げたいと思うんですけれども、実はこれからの環境デザ インというのは個々がリサイクルのプロダクトだとかということではなくて、今お話したように 1つのシステムとして作っていく。僕はこのエコプロダクトを読み解くための重要なキーワード というのは、このシステムという発想だと思います。 同じように、次に回りましたイナックスさん。こちらではソイルセラミックという、玄関の、 いわゆるエクステリアに敷く、煉瓦、タイルを見ていただきました。これはどうやって作られて いるものかというと、いわゆる 1,200 度ぐらいの温度をかけて、焼成して成型をしているんでは なくて、簡単にいうと蒸し焼きで作ったタイルなわけです。これは生産段階でも非常にエネルギ ーをかけないという意味でエコロジーなんですね。 さらに、蒸し焼きして固めているだけなので、これはカイワレの種なんか蒔いちゃうと、植物 がしっかり生えてしまうタイルでもあります。さらに、意匠性も含めて、土にわらすべのような ものを入れて作っているんですね。これは昔の日本の家作りをご存じの方には、 「なんだあれって、 三和土(たたき)じゃん」という話なんですね。実は三和土(たたき)の技術に新しいテクノロ 3 ジーを参画させながら、さまざまな機能を持ったセラミックのタイルを作っています。 あるいは、壁材としてのエコカラット。これは鹿沼土のような土を使ったいわゆる壁材なんで すけれども、担当の方がシュッシュッと霧吹きを吹くと、その水がどうなるか実験していただい たんですけれども、非常に湿度の調音性がいいわけですね。水分を出したり入れたりしてくれる わけです。 あるいは土ですので、採光をうまく取り入れてあげると蓄熱体になりますので、非常に省エネ 精度も高めることもできるわけです。これも、 「なんだ、昔の土蔵作りじゃん」ということなんで す。 すばわち2つ目のポイントというのは、イナックスさんはそういう過去の先人の知恵に学び直 すものづくりを行っている。そして、同時にその土をベースにいろんな環境材を作っておられる という意味では先人と自然に学ぶものづくりといった可能性が、イナックスさんの取り組みの中 に見えてくるわけです。 最後はトヨタ自動車さんを訪問しました。新型プリウスだけが置かれているあのブースです。 トヨタさんがグローバルスタンダードとしてお作りになられたハイブリッドの環境性については 問題意識の高い皆さん方は、十分にご存じだと思います。 皆様方もご存じの燃料電池というものがあるんですけど、燃料電池単体と、また燃料電池とガ ソリンをハイブリッドさせた時にどういうトータルな環境性能が出るのか。そういうお話も伺い ました。 もっと細部を見てみると、先ほど、マットというお話しましたけれども、新型プリウスに敷か れているあのマットは、マスコミ等でご存じのように、お芋を含めた植物から作った生分解性の プラスチックです。車の中というのは意外に子供たちの食べた食べくずとか、あるいはシートか ら出てくるいろんな揮発性の有機化合物が多い。実はアレルギーの温床でもあるんです。シック ハウス症候群は皆さんご存じだと思いますけど、実はシックカー症候群というのがあるんですね。 そうしたアレルギー問題を解決するために、きちんとフィルターの技術を搭載しましょう。あ るいはアレルギー反応の強い方のためには抗アレルギー性能を持つシルクの蛋白をシートに練り 込んであげましょう。実は細部にもそういう技術がこもっているんです。 すばわち、イナックス同様、トヨタ自動車の中にも、自然に学ぶものづくりと言いますか、そ れこそ、畑から作られたマテリアルみたいなものを自動車が身にまとうようになってきているん です。 エコプロダクトのさまざまな展示の中に、先ほど三和土(たたき)だ、土壁だ、というお話を しましたけれども、日本ならではの伝統的な匠の技とか、日本が誇るべき、シルクの(ような) 大切な生物資源とかが多分、展示の向こう側に隠れているんじゃないか。逆に言うと、そういう ものを大切にしながら、新しいテクノロジーとの出会いで進化させておられるような企業さんの 環境技術こそ私たち生活者が身近に引き寄せるべきですし、その持続性を海外に訴えていくべき なんだろうなと思っています。 多田: ではデザインで切っていただいた飯島さん続きましてお願い致します。 4 飯島: はい、では赤池さんに引き続きましてちょっと駆け足でご説明をします。 私達のグループはデザインという切り口です。デザインという切り口、定義は色々とあります けれども今日は皆さんにこういう風にご説明をしました。 エコプロダクトですから「プロダクトのデザイン」、そしてもう一つが「コミュニケーションの デザイン」です。この二つのデザインの切り口から、この二つのデザインが融合しているかどう かも含めて、これからの社会を造るのにデザインに出来ることを中心に皆さんと体験を共有しま した。 まさしくこのデザイン体験、ユーザーの方々と一緒にデザイン体験をするというところも一つ のデザインの一部であるという風に私は捉えています。 一番最初に回ったのがリコーさんです。リコーさんはプリンターやFAXそういう機械が多い んですけれども、私達のグループは実は風力発電の装置を見に行きました。この風力発電はなか なかとぼけた風力発電で、リコーさんのネオンサインというか広告塔ですが、LEDの広告塔を 照らす為の電源を取っているんですけれども、風が吹かないと映らない広告塔ということなんで すね。これはかなりユニークな広告塔だという風に思いました。つまり、リコーさんの広告が出 ていない時は「風が無いんだよ、風力発電をしていないんだよ」ということがメッセージされる、 かなりプロダクトがモノを語っているというところで、宣伝がそこでは普通は電源(予備電源) をつけて広告を続けるのですけれども、広告が映らないということを加味した風力発電の広告塔 ということです。 ネーミングがまたユニークで「天気しだいで動きまんねん」という関西の言葉で商品名 になっています。これは「ご当地ネーミング」というんですけれども、大阪でやるときは「まん ねん」ということらしいんですね。あとは没になったネーミングとしては博多で「天気しだいで 動くとよ」と博多弁でネーミングをしていたり、更にダジャレが進んでこれもまた没になったら しいんですけれども「天気しだいで動いチャイナ」という風に中国バージョンも作ったそうなん です。これも少し真面目に話すと地域ブランディングにとってプロダクトが、普遍的なプロダク トがそのご当地と愛着を持ってやはり呼ばれるようになるような一つの試みだと考えまして、ひ ねり技ですけれども最初はリコーさんの広告塔、風力の広告塔ということを見ました。 2番目にナショナルさんに行って頂きました。ナショナルさんは御承知のとおりノンフロン冷 蔵庫です。ここでの切り口は徹底的に素材から考え直したというところです。先程赤池さんがお っしゃったように、素材の中に実はエコ的に転換する可能性のあるものが一杯あった、つまりエ コのアプローチでは無かったのだけれどもこういう切り口を使うとエコに非常に役立つという素 材が一杯あったということです。 特にナショナルさんのノンフロン冷蔵庫はもう一つ、環境NGO「グリーンピース」と5年位 の話し合いのうちそれらを作っていったと。最初に皆さんの中から「環境NGOは恐くなかった ですか?」という風に質問がありました。 「最初はとてもビビりました」という風にナショナルの 担当者さんはおっしゃっていましたけれども、まさにそういうところから新しい回路を持ってデ ザインをしたということでナショナルのノンフロン冷蔵庫というものを皆さんと一緒に体験をし 5 てみました。 続きまして3つ目です。ここは赤池さんとバッティングしましたけれども、実はイナックスさ んです。私達はトイレを見ました。トイレも実は多くの素材の根本的な見直し、それから我々が ふつうは目に見えないところの「水」のデザインをしています。素材の徹底的な追求は排泄物が スムーズに流れるような表面素材を開発しています。キーワードは「スムーズ」ですね。スムー ズにしていくということ、それから水流、水の形をデザインすることによってよりよく排泄物が 流れる、効率的よく流れる、そのことによって水が少なくて済むというようなエコに貢献すると いうようなデザインになっています。全てこれはエコにしようと思ってやった訳ではない、むし ろもう少し色々な意味でスムーズであるとか、私達の暮らしが暮らし易いようにというところか ら発想して結果がエコとなっているようなものだと思います。 そしてトイレはですね、私は「哲学堂」と呼んでいるんですが、座りながらモノを考えるのに 非常にいいスペースなんですね。私達が出したモノの行く末を考えたり、私達が食べたものは何 かと想いを巡らす場所でもありますので、トイレというのはなかなか特別な場所であるという風 に思ってトイレのデザインを皆さんと共有させて頂いたということです。 4番目にブラザーさんに行きました。ブラザーさんはプリンターとかFAXといったオフィス 機器、それから古い方にはミシンということで有名ですけれども、基本的にはプリンターやFA Xというのはモノの名前で、ブラザーさんは「アウトプットソリューション」という言い方をし ています。つまりミシンで縫って例えばパッチワークをやる、それからモノを縫うということも アウトプットの一つのプロダクトとして捉えています。ですからそれはプリンターでもFAXで も皆「アウトプットをする」プロダクトのメーカーさんです。 で、アウトプットのメーカーさんでどういうことを基調に考えているかですが、ここは直接デ ザイン担当、つまり今回のエコプロ展のブースを全部担当した環境部の森下さんという方にお話 を伺いました。手作りで全部のブースを自分達で素材を作り上げたのは多分ブラザーさんだけだ と思います。森下さんはこうおっしゃいました。 「自分達で全部作ったから全部のことを説明でき ます。」と。ひとつひとつのギブアウェイから展示から、色々な仕掛けから自分達のデザイングル ープで作り上げた、つまり自分達の作り上げたものを全部ストーリーを持って伝えてゆくことが 出来るというところが大きなブラザーさんのポイントでした。こういうのは多分エコプロの中で は唯一であろうと思います。 そして5番目です。最後はカシオさんです。カシオさんは環境報告書の最終的な第三者評価を させて頂いたという関係もありますけれども、より深く企業文化に迫ることが出来ました。カシ オさんはテーマとしては「小さい」、キーワードは「軽・薄・短・小」ですね。「軽い、薄い、短 い、小さい」という技術です。 これもカシオの本社に行きますと一番最初に、カシオ計算機というのが社名ですけれども、こ ーんなに大きな計算機、重くて数トンもある計算機、その計算機を実は小さくしてゆくといった 企業文化をお持ちであったという会社です。私達は今、G−ショックとかエクシリムという小さ いデジカメで有名ですけれども、実は会社の創業当時は大きなモノを小さくしてゆくという、先 6 程赤池さんからありましたように、 「雛」のデザイン、つまり小さく小さくしていくというのは日 本人のやはり特性だという風に思います。これも実は大きな計算機を小さくしたという技術以上 に、日本の文化、私達のDNAの中に入っている細やかな日本人の文化が入っているんだろうと 思います。それが「軽・薄・短・小」ということそしてプラス、近代は「ローパワー」、つまり少 ないパワーで動くものということです。 そしてG−ショックでお馴染みのプラス「タフ」です。つまり長続きするものということです けれども、この「軽・薄・短・小」と「ローパワー」と「タフ」というところで新しいデザイン の切り口といいますか、日本の伝統また技術、日本人の感性に根ざしているけれども新しいこと が出来るというような切り口を見つけました。 駆け足ですけれどもデザインにできることということで今回皆さんとツアーをしました。2ラ ウンド目でまたお話したいと思います。宜しくお願いします。 多田: 駆け足になってすみません。これだけの方本当にもっとゆっくり話して頂きたいんですけれど も時間が限られていて本当に残念です。違う切り口ですけれども、かなり赤池さん、飯島さん共 通する部分があったように私は聞いていて思いました。 7 2003.12.13.Sat. JFSシンポジウム「がんばっている日本を世界はまだ知らない」NO.4 〇パネル討論「日本の向かう持続可能な社会とは∼いまとこれから」【2】 多田: では3つ目のスローライフというテーマで、ご本人はもうかなりお忙しくて全然スローじゃな いという話もしておりますけれども、辻さん、お願いします。 辻: そんな噂が流れてますか?(笑)僕が今回のツアーでまず選んだのは、いわゆる一般的な意味 での企業とは少し違う組織なんですね。敢えて言えば非ビジネスと、ビジネスとの接点の辺りに ある3つの組織です。 最初が、バイオマス産業社会ネットワークという、これは研究コンサル型と言っていいんでし ょうか。2番目が多治見市です。自治体の多治見市です、岐阜県の。3番目がスローウォーター カフェ。これはまあ一応はビジネスはビジネスなんですけれどもまだ赤ん坊のような生まれたば かりの小さな会社です。普通の企業は営利を目的にした企業としてまず成立して、その後お金が 儲かったらちょっといいこともしようかなというふうに、社会倫理とか企業倫理のことは後から 議論されるのが普通の筋道ですけれども、このスローウォーターカフェは逆に世の中にいいこと、 環境にいいことをする為に企業を作っちゃおうというそういうタイプのちょっと変わった企業で すね。ということでその3つを駆け足で回りました。 まず最初のバイオマス産業社会ネットワークです。これはやはり何よりも研究コンサル型です から今後ここが大きな影響力を企業に対して持つようになって、企業がそこから多くを学んで活 性化してゆくということがおそらく期待されていると思います。赤池さんもこれのメンバーです ね。 そこで新しいバイオマス産業の例として、あのベンツが出てきました。ベンツがブラジルでと れる自然素材の植物繊維を、内装に使うというような例です。 それからもう一つは麻ですね。大麻、麻、ヘンプなどとして知られているものです。これが日 本でも 1940 年代に、それまで古代から続いていた伝統が断ち切られてしまう訳ですね。その復活、 再生ということが今バイオマス産業のひとつのテーマになりつつある。もう世界中の様々な場所 でそれが活発に動いているようです。 キーワードとしてアグロフォレストリという言葉が出てきました。今までは農業と言えば大体、 元々あった森を全て伐採してその広大な土地に単一栽培で同じ商品作物を大量に植えてゆくとい う形が多かった訳ですけれども、それに対してむしろ森林を守って、生物の多様性を維持しなが らその中で多品目の作物を作っていくというやり方です。まさにこのバイオマス産業社会ネット ワークというものを理解する一つのキーワードだと思います。日本で言えば里山のあり方。そこ における木材の利用であるとか、炭の生産であるとか、肥料を作り出して農業に生かすやり方と か。森や里山を背景にした、そういう循環型の農業のあり方を勉強しました。 また他にもペレットストーブであるとかバイオディーゼルなどが注目されています。菜の花を 使ったバイオディーゼルの話もうかがいました。最後に製紙ではケナフ、麻等を利用した非木材 紙のことをうかがいました。 次に多治見市なんですが参加者の中からはちょっとプレゼンテーションがお粗末だったという 不満の声も後で出ていました。お役所的で縦割りなんですね。環境課の方がそれなりにいい説明 をして下さったんですけれども、細かい事件の数々の後ろ側に「サステナビリティ」というトー タルなビジョンみたいなのがなかなか見えてこない。 多治見というのは元々素晴らしい工芸の伝統文化を持った街ですね。そしていわゆる都市近郊 の農業、これも重要な産業です。こういう伝統的なものも含めた産業との関係で一体どういう環 境施策が為されているのかがなかなか出てこなくて、最初のうちはちょっとイライラもしたわけ ですけれども、このプレゼンテーションには自治体というものが今目指そうとしていることの可 能性と限界というか、その両面が見えているようで非常に面白かったと思います。 僕は今、多くの自治体が日本中でスローとか、スローライフとかをキーワードにして動き始め ていることに注目しています。多治見も実はそのひとつなんです。多治見がスローライフと言う その場合には、実はその背後に持続可能な産業社会を地域から作り出そうというビジョンの元型 みたいなものがあるはずだと思います。 例えば僕が特に注目しているのは岩手県なんですけれども、そこでは県が自治体としてスロー ということをコンセプトにして地産地消とか、エネルギー自給を大胆に掲げて持続可能な地域づ くりに取り組んでいます。先程出たペレットストーブなどのバイオマス産業でも先進県です。地 産地消について言えば、自給率が 100 パーセントを越える岩手県ですから、今後、自治体と民間、 自治体と企業、NGOが組んで動き出したときに、地域にはこれまでなかなか見えなかった大き な可能性が開けるのではないかと期待しています。 それから3番目のスローウォーターカフェですが、これはひとりの若者が南米のエクアドルで、 3ヶ月間電気も無い村に暮らして、そこでの経験をコアのコンセプトにして作り上げた。自分の 中に物語を作って、その物語の周囲に企業という形を練り上げてゆくという実験です。いいこと をして食っていきたい、環境にいいことをして、そしてそのエクアドルの人々に繋がるような形 で企業を作りたいというその若者の願いが、今ようやく形になったところです。キーワードは「有 機無農薬コーヒー」と「フェアトレード」です。まずエクアドルのこの地方に鉱山開発の話がも ち上がった。普通IMFだとか世界銀行が指導する時には一番お金になり易い方法、借金返すに あたって一番手っ取り早く、外貨が稼げる方法としてすすめるのが、鉱山です。 そういうその鉱山開発に対して「NO」と言った住民達が、自分達はコーヒーを、さっきの話 にもあった森林農業で作っていきたいんだと、それを何とか助けてもらえないかということで成 り立ったのが、この有機無農薬コーヒーのフェアトレードです。これがスローウォーターカフェ の軸になっていまして、他に無農薬カカオのチョコレートの輸入、販売。それから更に、この水 筒ですね。さっきブランディングの話しが出ましたけれども、水筒(すいとう)というのは博多 弁で「I LOVE YOU」っていうことなんですよ。 (笑、会場から「うまい!」の声) ということで、スローウォーターカフェでも水筒を早速作った。新潟県の地場産業でもありま すアウトドアの「スノーピーク」という企業と組んで、素敵な水筒を作りました。で、代表の藤 岡亜美さんはそこにロゴマークとしてハチドリをあしらっている。そのハチドリはカナダのイン ディアンの友達がデザインしてくれたんですけれども…。 えー、その話は、また後にしましょう(笑)。竹村さんの時間が無くなっちゃうんで。若い人達 が今、これまでのいわゆる経済成長一辺倒という巨大な物語が破綻する中で、今、どういう風に 自分たちなりの物語を編み始めているかという、その一つの例だったと思います。一応、今はこ こまでにしときます。 多田: はい。辻さんありがとうございました。 赤池さん、飯島さんが回られたのは全部企業だったんですが、辻さんは自治体ですとか、NG O的企業とか、ある種研究機関的なところ、ちょっとまた違うところを回って頂いたんで、一層 切り口の多様性がここで増したように思われます。 ではお待たせしました、竹村さん、宜しくお願い致します。ソーシャルウェアという観点です。 竹村: はい、こんにちは。 ソーシャルウェア、聞き慣れないと思います、当然。赤池さんが先にちょっと説明をしかけて くださいましたけれども、センスウェアとソーシャルウェア、私は基本的にセットで考えていま す。今までの時代というのはハードウェア、ソフトウェアまでだった。それプラス、センスウェ アとソーシャルウェアを考えて、4つのウェアでこれから考えていこうよということを、赤池さ んと共に色々と考えていきたいと思うんですね。 例えば分かり易い例で言うと車。車で今まではどちらかというとハードウェアの進化でした。 より速く、より強く、より安全まで入れてもいいかもしれません。更にソフトウェアとして、ま あもうすごいダッシュボードに色々なスイッチとか、インディケーターがついていて最近はIT Sとか、ETCとか色々なソフトウェア部分が進化しています。 しかしそれだけでいいの?というところで、第3のセンスウェアということについて赤池さん にお話しいただきました。もっと人間と車の関係性を上手くプロデュースしていく、その場合に は五感に訴えるような側面とか、人間と車が共に育っていって、愛着が育っていくような歴史性 をプロデュースするような機能とか、色々な部分が出てくるでしょう。そういう部分がセンスウ ェアとして満たされていかないと、本当の意味での車の進化とは言えないんじゃないか。 で、更に第 4 に、車が社会の中でどのような位置付けにあるか。例えばプリウスというのは、 まあ燃費リッター35 キロ、私はトヨタの回し者でも何でもございませんけれども、地球上に近未 来に 10 億台の車が走ると言われています。この 10 億台の例え5パーセントでも 10 パーセントで も、10 億台だったら 10 パーセントで1億になる訳ですが、そういうハイブリッド基準のCO2 排出とかエネルギー基準、消費基準になったとしたら、これは地球環境に対する大変な貢献です よね。社会的に見て車というものがどういう位置付けにあり、ソーシャルアイテムとして車をど のように位置付け、デザインするか。そういう観点も同時に必要になるだろう。或いは、そうい う排出とかエネルギー効率の問題だけじゃなくて、廃棄物の問題でLCM(ライフサイクルマネ ジメント)をどうプロデュースして、地球の物質循環の中で車をどう位置付けていくか、そうい う問題も当然ソーシャルな問題として出てきます。 それから共同利用とかですね。車をどこまで乗って、パーク・アンド・ライドを上手く整備し て、都心部のどこでは車を使わない社会を作るとか、或いは多元的な車のあり方をどうデザイン して、高齢者とか色んな方が多様なニーズに合わせて、多様なシーンに応じて使い分けられるよ うな多種類のビークルをどう社会的にアクセス可能にするか。作るだけじゃ駄目です。必要な時 に必要なところで利用できるようなシステム、貸し自転車のようなシステムを含めて、そういう 部分も実は車社会のデザインということに入ってきます。 今までは、どっちかっていうと車のデザインが大事でした。けれども、これからは車社会のデ ザインです。車社会のデザインを具体的にどういうシステムでやっていくのというところを、私 は主にソーシャルウェアという風に言ってるんですね。 ですからエネルギー消費とか、そういう地球大の規模で考えた車という細胞、地球という生態 系の中で自動車というのは、まごう事無き 10 億個の細胞ですよ。この細胞が地球生態系の循環の 中でどのように位置づけられていくか、というのをトータルにデザインするというソーシャルウ ェアもあるし、それから今の共同利用システムとか地域の中での多元的なビークルの連携、ネッ トワークシステムをどうデザインするか、これもソーシャルウェアです。 それから辻さんが紹介されたブラジルのメルセデス・ベンツの「パラ・プロジェクト」あるい は「ポエマ・プロジェクト」ですね。ブラジルでは森を切らないと食っていけない。で、森を切 って何とか食っていくことを政府も促進するような、そうするとエコノミーとエコロジーが二律 背反になります。で、何とか森を守れという掛け声だけではどうしようもない。そこで森を守っ た方が得になる、エコロジカルに行動したほうがエコノミーにもなるという構造を、どうデザイ ンするかが決め手な訳ですね。 そこでメルセデスは先鞭をつけた訳ですが、赤池さんなんかもご著書で随分紹介されています が、結局その森のプロダクト、森が健全にあって初めて得られるような植物性の素材とか、ココ ナッツの廃材とか、そういうものを自動車の部品にして使っていくと。そうやって自動車産業を 支える森になることによって、森を持続可能な形で維持する、或いは森を再生するほうが経済に も繋がるという構造を作った。自動車社会のソーシャルウェアとして、その製造部門において、 非常にバイタルなソリューションであったんですね。 ですから車という身近な素材一つを考えても、本当にハードウェア、ソフトウェアの進化だけ ではなく、センスウェアと、そして今挙げたようなソーシャルウェアの進化が、これから非常に 重要になる。 しかし残念ながら、私もデザイン学部のある大学で教えておりますけれども、プロダクトデザ イン、グラフィックデザイン、それから環境デザインぐらいまではある。けれどもソーシャルデ ザイン学部ってないんですよね。 それから、本当に人間と物の関わりを、旧来の意味での人間工学を超えたレベルでいろいろ考 えていくようなセンスウェアをデザインする学問もありません。そういう意味では、本当に私た ちが 21 世紀の未開拓の、しかし本当になきゃいけないデザインの領域というものを、今こういう 形で可視化したいと思って、こういうフォーラムをやっている部分もあると思うんですけど、そ ういう視点から取り上げていくとなると、当然取り上げられる題材も数も少ないけれども、成熟 度も、もちろんプロダクトデザインとか、ずいぶん昔からリサイクルマテリアルとか、リサイク ルデザインとか、LCMをちゃんと考えたプロダクトとか、もうすでに山ほどあるでしょう。そ れで、これほどエコプロダクト展が華やかなわけですが、ソーシャルウェアという観点からした ときにどうか。 さっきの辻さんのフェアトレードなんかも、もちろんそうですね。いいものを持続可能な形で 農業やるって形だけじゃなく、それを北と南の関係の中でどう支えるか、これもソーシャルウェ アです。 そういう視点から、いくつか取り上げてみたのが私のところでは 4 つ取り上げさせていただい たんですが、まず、「Think the Earth」、これはよくお聞きになると思います。腕時計ですね。地 球がここに見える、本当にリアルタイムで動いている地球がぽこっと自分の腕の上にある、そう いう腕時計を作っていることで有名ですけれども、その地球型の腕時計を作るために作ったとい うよりも、いかにこの地球に生きているということをリアルな実感として持てるような回路を日 常の中に作っていくか、という問題意識の中で、たまたま最初に腕時計という形のソリューショ ンを唱えた。そして同じく、しかし腕時計というのは実際に物理的な地球がこの中で自転して回 っていくだけですので、ほんとに太陽が作り出す光と影、ナイト・アンド・デイみたいなものを リアルタイムに表示するというのは、まだまだ腕時計ではできない。 そこで携帯電話というものを使って、さらにそういう今の地球のリアルというのを自分の手の 中で、電話をかけようと思ってディスプレイを見た瞬間に、いつもリアルな地球、宇宙から見た 地球というのが手の中にあるという、そういうような、ある種のセンスウエア的な部分の非常に 強いわけですが、こういうようなプロダクトを、あるいはそういうソフトウェアを社会に提案し ながら、同時に『百年の愚行』とか、そういうご本をお出しになって、20 世紀というのはどうい う時代だったかというのを一冊の本で俯瞰できるような仕組みを作ったり、非常に面白い活動を されています。 『一秒の世界』といって、一秒「あ∼」と言った瞬間に私たちの細胞がどのくらい 入れ替わるのかだとか、いろいろなそういう指標を出す形でやられている。すべて、やっぱりこ の地球の中に生きているということをもっとビビッドに感じながら、それを抽象的な数値とかで はなく、日常の等身大の実感値に下ろしていこうという、そういうような視点からやられている プロジェクトだと思います。 次に取り上げたのが、 「オープンハウス」といいまして、と言っても、私も初対面でよく存じて いるわけでもないんですが。 非常に注目したのは、エコプロダクト展、これだけおもちゃ箱になっているぐらい、たくさん エコな素材はあるんですね。しかし、それが社会的に十分に可視化されていない。エコプロダク ト展に来ないと、この世にはこんなものがあったのか、この地域には土着の、赤池さん流に言え ば、伝統の知恵に学びながら、こんなすばらしい素材があるのかということが十分に可視化され ていないわけですね。ですから可視化するプラットフォーム作りというのがものすごくこれから 大事になってくる。せっかくすばらしい宝が日本中にあるのに、実は新しい 21 世紀のジャパンバ リューの種はいっぱいあるのに、それが十分に可視化されていない。 じゃあ可視化されるプラットフォームをどう作るかというときに、このオープンハウスという のは、ずいぶん前からインターネット上にしっかりしたデータベースをお作りになり、日本の中 のそういうエコ素材、エコ・マテリアルの整ったデータ、ちゃんとした評価が入ったデータベー スを用意するとともに、イギリスとかいろいろな諸外国のそういうデータベース作りをやってい る大学、研究所と連動して国際的なデータベースをお作りになっている。ということで、地球上 にあるエコ・マテリアルを可視化するプラットフォーム作りをやっている。 ですから、オープンハウスの代表でいらっしゃる益田さんは本職はプロダクト・デザイナーで いらっしゃるし、新しいプロダクトの提案とか地場産業の活性化とか、そういうことをやってお られる方なんですが、同時にボランティア活動として、この世にあるエコプロダクトのたくさん の宝物を皆さんと情報共有できるような土俵作りをやっている。こういう活動というのは非常に ソーシャルウェア的な活動として非常に重要だな、というふうに思いました。 同時に、強調されていた大事な点は、世界大、地球大でそういう素材のありかを可視化する。 けれども、グローバルに見るんだけれども、グローバルに可視化はするんだけれども、行動はあ くまでローカルに。つまり、わざわざ地球の裏側にすばらしいものがあるからといって、地球の 裏側から輸入しようと考えるよりも、それをヒントにして、地場で、近いリージョナルなところ で、それをヒントにして同じような素材はないだろうか、捨てられている素材を利用して同じよ うなものは作れないだろうか。やっぱり地場で調達することを基本に考えていくという、グロー バルに考え、ローカルに行動するということ。この場合は、グローバルに可視化しつつローカル なソリューションを探るという、そのバランスが非常にとれた活動だなあという感じがしました。 三つ目、「自然エネルギー市民ファンド」。これは、風車ですね。デンマークとかドイツではす でに風力発電が相当進んでいるということは、皆さんご存知だと思うんですね。もう相当、実用 可能な基幹的なエネルギー・リソースとして以前のイメージとは全然違うメジャーな段階にきて いますが、デンマークとかドイツでそれを支えている、たとえばデンマークの場合は風力発電の 80 パーセントを支えているのが、たとえば国とか企業というよりも、ローカルな市民が出資して ボトムアップで作っている市民ファンドのような形なんですね。 こういうあり方を日本でも導入しようということで、先鋭的にやっていらっしゃるのがこの「自 然エネルギー市民ファンド」でありまして、青森、そして秋田、そして北海道、今のところこの 3基、風車を建てて、それぞれ1億数千万のお金を集めるのに地場から1口 10 万円とか、中には 10 口とか出す方もいらっしゃるわけですが、かなりの部分を地域枠、あるいはせいぜい県内枠か ら集めて、しかしそれでも全国枠からもかなりの応募があって、4∼5千万は全国枠から集めら れたということをおっしゃっていました。こういう形で、地元の人は当然、自分たちがそうやっ て作られたエネルギーを利用できるわけです。 これは、仕組みは、もちろん風車で発電した電力だけでは足りませんし不安定ですから、いっ たん電力会社に買っていただいて、それで結果的には自分たちの風車で作った電力も含めたもの を、もちろん電力会社から買うというシステムになっているわけですが、その出資の仕組みを日 本で先鋭的に作っているというところが、非常に重要な動きだろうなというふうに思いました。 実際そうやって成功されているわけですね。そうやって実際に3基動いていて、また、これから もどんどんどんどん募集をかけていく。まあもちろん、法的な部分とか、日本でまだまだ未整備 なところはいっぱいある。その辺の課題はたくさんありながらも、日本で少なくとも3基そうい う形で動いている。 それから、おもしろいのは地域レベルで自分たちが受益者として明確にわかる、あの風車が作 っている電力の、自分たちが建てたものだし自分たちがその電力を使うんだという実感値がもて る地域枠以外に、全国枠の方々は自分の出資した風車がどこにあるか、知識ではわかっていても 実際に見る機会もなかなかないし、遠い存在であるはずなんです。それにもかかわらず、さっき 言いましたように5千万ぐらいのお金が、1口 10 万ですからね、そういうレベルで集まってきた というのは、そういう形で非常に関心が高いということと同時に、こういう形でお金を出資して エコロジーとエコノミーを統合していくという活動に対して、かなりの方々がモチベーションを 持っているんだな、新しい経済が始まっているんだなという実感が非常にいたしました。 最後、四つ目、「アースデイマネー」というものを取り上げさせていただきます。「アースデイ マネー」は有態に言うと地域通貨のひとつであります。ただ、それを「アースデイマネー」とい うような形で言っているのは、実は始まったのは渋谷川といいまして、ご存知でしょうか、明治 神宮とか新宿御苑を源流として、ずっと代々木、原宿のあたり、明治通り沿いに、ずっと実は流 れている小川があります。これは今、暗渠(あんきょ)になっていて、表参道キャットストリー トというふうに言われて表参道と直交する遊歩道になっておりますが、その遊歩道をずっと渋谷 駅のほうまでたどっていきますと、渋谷駅の南口のガード下で突然暗渠が切れて顔を出します。 見たところは、もうどぶ川ですけれども、実はずっと今も流れている川なんですね。それが恵比 寿を経由して古川橋、古川になりまして、浜松町あたりから東京(湾)に注いでいるという東京 の水系のひとつですね。 そこをもう一度よみがえらせようと、「春の小川」という歌のモチーフになったということで、 もう一度「春の小川」という風景をほうふつとできるような、きれいな川に戻そうよという活動 をずっとしてきているグループと組みまして、そういう川の清掃とかですね、エコロジカルな活 動に参加してくれた人には「r」という地域通貨を発行する。その「r」を使って、渋谷川周辺 のいろんなカフェでコーヒーを飲んだり食事をしたりすることができる。ボランティア活動に対 してそういう地域通貨が支払われて、それがその地域の中の小さな経済を作っていくという仕組 みで始まったんです。 けれども、そういうローカルな活動はローカルな活動として、ちゃんとやるけれども、一方で、 もう少し広く、そしてまた、こういうおもちゃのお金みたいな地域通貨を物的にやり取りするだ けではなく、こういうネットワーク時代なわけですから、ネットワークを生かし、地球的な規模 でなんかこういう活動ができないかというところに、今新しい展開を求められていて、まさに「ア ースデイマネー」という名前らしく地球的な規模でやろうとしていることは、たとえば携帯電話 からワンクリック募金のような形でボルネオとかいろいろなところに植林をする。あるいは、タ イ料理のレストランなんかとジョイントしてタイの子どもたちを学校に行かせるような形に、そ ういうワンクリック募金が使われるような仕組みを作っていく。 そういうようなことに今広げておられるんですが、非常にユニークな企画として、完全にまだ 実用化されているわけではないですが、やろうとなさっているおもしろいことは、2次元バーコ ードというのをご存知でしょうか。チェッカーマークみたいなものが時々あります。ああいうも のを、たとえば携帯電話のカメラで読むと、すぐにそれに関するサイトがぽんと携帯電話の中に 立ち上がったりする。そういう、ひとつのコミュニケーションツールとしての2次元バーコード ですね。まあ、普通のバーコードと思っていただいてもけっこうです。バーコードを読む機能が 携帯電話に今付き始めていて、来年の4月ぐらいにはそれが普及すると、かなりの人たちがバー コード・リーダー機能付きの携帯電話を持っているという状態を前提にして考えたときに、いろ んなところに行ってそういうバーコードを見つけて携帯で読む。そしてそのサイトが出てきたら、 自分で「これ、タイの子どもたちを学校に行かせるのに使われるんだな」と思ったらワンクリッ ク募金をする。 そういうような活動をしていきながら、たとえば、そのクリックをするバーコードから何か情 報を得るという行動をいちばん促進したいのは、実は携帯電話のキャリヤーですよね。ドコモと かauとか。ですからドコモとかauとかJフォンみたいなところを出資者として巻き込んでい く。携帯電話会社を巻き込んでいく。 そうすると、どういう仕組みになるかというと、個人が2次元バーコードを見てクリックをす る。そうすると、そのクリックした分の情報がauとかキャリヤーのほうにいって、キャリヤー からその分の、たとえばワンクリック 10 円だったらワンクリック 10 円のお金が実際にNPO、 タイの子どもたちを学校にやるNPOとかそういうものに流れる。で、その企業から実際にお金 が流れると同時に、そのワンクリックした 10 円分の「r」という地域通貨が個人の携帯電話のお 財布に入って、個人の携帯電話に入ったその「r」を使って、渋谷とかでそういう食事を楽しん だりすることもできる。 そういうような形で、携帯ネットワーク、それからバーコード消費みたいなITの最先端とそ ういうような地域通貨とエコロジカルな活動というこの三つをうまく連携させるようなシステム まで、今実用化寸前までもってきておられる。こういう意味でも、僕はやっぱり本当に、ITと いうのは使い方を間違えると本当にいろいろな弊害をもたらす部分もありますが、でも今まで出 会えなかったものすごく広域のいろいろな人々を、ひとつの活動に向けてつなげる大きな力に、 使いようによっては成りうるものがITだと思うんですね。そういうITの可能性というものと、 地球大のそういう環境活動というものと、そして等身大のそういう地域通貨に代表されるような 地域の経済を、ちゃんと結び付けていこう。これは本当にまだまだ始まったばかりですし、難し い問題も多いかもしれませんけれども、やっぱりやる価値のあることだし、どっかから始めてい かなきゃいけないことではないかと、こういうふうに思っています。そういう意味で非常に勇気 のある先進的な試みとして評価したいというふうに思います。 何にしてもソーシャルウエアというのは、今地域通貨の話が出ましたが、たとえばシルビオ・ ゲゼルとかシュタイナーが提案した 1920 年代の地域通貨でも、たとえば「老化するお金」と。つ まり、お金は貯めておくほど利子が付いてふくらむから貯めるんだと。貯めておくほど価値が目 減りするお金を作れば、もっとみんな使うじゃないか。社会の血液が循環するじゃないか。とな ると、お金が足りないのは、お金が足りないんじゃなくて、お金のデザインが悪いんだと。お金 のデザインを変えればもっと社会の血液は健全に流通すると。 そういう意味で、お金という一見本当に自明で所与のものに見えるものも、私たちが想像力を めぐらせば、違うお金に成りうるのだと。そういう発想を変えていくことですね。私たちの想像 力を働かせて、お金とか、いろいろな一見自明に見える、固定して変わらないように見えるもの までも自分たちで変えることができるんだ。人間が作ったものである限り人間が変えることがで きる。そういう形で社会の根幹の仕組みまでもリデザインしていく。そういう想像力の代表がこ の新しいお金だと思うんですが、そういう形でソーシャルウエアというのはいろんな次元で考え ていくことが、これから本当に必要だと思っています。 とりあえず、ここまでにしたいと思います。 多田: はい、ありがとうございました。 4人の達人に、いろいろ切っていただきました。それぞれみなさん、たくさんのものを持って いらっしゃるんで、いっぱいいろんなものが出てきました。おもちゃ箱の中から今、4人でトー タル 15 の団体から出てきて、かなり重なるキーワードもあるかと思います。 たとえば、経験をストーリーにしていく、ストーリーを持った形で手作りブースを作っていく とか、やはり人と自然に学ぶ、伝統の中から新しいものが生まれるですとか、それからシステム とかトータルデザイン、あるいはグラウンドデザイン、ローカルなものを大事にしながらもそう いう全体とつながっていくとかですね。切り口が違っても、やはりあるコンセプトを持っている と、表層化されるそのキーの概念というのは共通項がかなり出てくるかなと、私は感じました。 2003.12.13.Sat. JFSシンポジウム「がんばっている日本を世界はまだ知らない」NO.5 〇パネル討論「日本の向かう持続可能な社会とは∼いまとこれから」【3】 多田: では枝廣さん、4人の話を聞いて、ちょっとコメントをいただけますか。 枝廣: はい。午前中参加された方は、それぞれ本当におもしろい経験をされたんだろうなと思います。 世界的に見ると、エコプロダクツ展そのものは非常にユニークなんですね。他の国には、こうい う試みはないです。いろいろな自治体、そして業界、そしてNGO。いろんな人たちがそれぞれ 出し合って、そこに学校からもそれから一般の方も、いろんなところから見にきてみんなで刺激 しあって学びあう。こういう機会は本当に世界にもないです。世界の人に話すとびっくりします。 その中で、確かに中身はおもちゃ箱をひっくり返したようなんですが、この本当に、これ以上な いほどすばらしいツアーコンダクターの方々に午前中いろんなところを回っていただいたんだな あ、というふうに思いました。それぞれツアーについたスタッフのほうから、本当に参加された 皆さん熱心にいろいろと議論されたりメモを取られていた、というふうに聞いています。 私のほうから今4人の方のお話しを聞いていて、いくつか思うことを感想として述べたいと思 います。 まず、製品とか、物と自分との関係。大体は自分の目の間に製品がある。目の前にものがあり ますから、それと自分との関係だけを普通意識すると思います。でも今のお話を聞いていて、そ の関係の後ろにあるもの、そのものの後ろにあるもの、そういった関係性の広がりをすごく感じ ました。それはたぶん自分と物、自分と製品と1対 1 だと、それをどうしてやるとか、それにど うされてしまうという関係になってしまうんですが、関係性が広がることで、たとえば執着心も 薄れるし、もっと違うだろうなと思います。 私自身も本業が通訳者なんですが、今回のツアーコンダクターの方は、そういう意味で言うと、 普通に回っていたんではなかなか見えない、そういったものを見えるような形で、インターフェ イスのような形でお話をしてくださったんだろうな、というふうに思います。 今、多田のほうからもまとめが少しありましたが、伝統とか先人の知恵とか、三和土(たたき) とか土壁とか出てきました。あと、自然に学ぶ、生物資源。こういうものを考えると、私は元々、 たとえば大げさな言い方ですけれども、たとえばひとりの人生を考えたときにも、過去というの は自分の後ろにおいてきたものではなくて、今の中に過去はある。それぞれの人の過去というの は現在の中にあるってよく思うんですが、お話を聞いていて本当にそう思いました。日本のいろ いろな先人の知恵とか伝統というのは、昔においてきたものではなくて多分現在の中にあって、 今それをもう一度大切にしていこうという動きとか企業が出てきている。それは本当にすばらし いなと思いました。 1 それから、愛着とかストーリーとかセンスという言葉も、キーワードとして出ていたと思いま す。これまで、なんかほんとおかしいな、しっくりこないなというふうに思っても、論理的に、 もしくは理論で負かされてきた。言い負かされてきて、こういう経済が発展するのがいいんだと か、これを作ることがいいんだとか言ってこられたと思います。ただ、今はそうではなくて、理 性とか頭ではなくて感覚とか感性とか心とか、多分それをもう一回大切にすることができるよう な動きになっているのかなと思います。 あと、最後にひとつ。たとえば素材とか地面の下、水の流れ、目に見えないもの、生物の動き もそうだと思います。そういったところにこそ、いろいろなヒントとか、これからの活路がある というお話をうかがって、私たちの足元にあるんだなというふうに思いました。 このJFSを作ったいちばんの動機が、環境というと、すぐヨーロッパの事例とか、アメリカ は進んでいるとか、それを日本人は学ぼうとする。でも、日本にもいい動きがいっぱいあるじゃ ないという動きから私たちはJFSを作ったので、多分同じような動きを感じました。物とか技 術だけではなくて、考え方とかアイデアとかコンセプトとか、それもきっとヨーロッパではあれ が出てきた、アメリカではこう言っているではなくて、足元とか、これまでの歴史の中にいっぱ いあるんだろうなと。そういったものを、たくさん掘り出して、日本の中にも、また海外にも伝 えていきたいな、というふうな思いを新たにしました。 本当はそれぞれの方に 90 分ずつぐらい語っていただきたいところですが、今お聞きした中で、 感想です。 多田: はい、ありがとうございました。私自身も、まだ自分で発見しきれていない宝物がずいぶんこ の中にあるので、このシンポジウムは本当は初日かなんかにアレンジして、このシンポジウムを 聞き終わって、また宝探しに行けばよかったかなと思いました。でも今日、これは3時半で、5 時まで1時間半ありますから、また終わってですね、皆さん、 「あ、こんな宝物あったんだ」とい うところを、またブースに戻って見ていただく時間もあるかなと思います。 そうしましたら第2ラウンドということで、また各パネリストの方々から一巡目に言い足りな かったことですとか、1 ラウンド目はそれぞれ個別に回ったところのご紹介をいただきましたけ れども、第2ラウンド目はもう少し広げて、持続可能な日本を作っていくために何が足りないか とか、どういうことをやっていったらよいか、これはもう、ほんとに枝廣が言いましたように、 ひとり 90 分ぐらいお話いただきたいような大きなテーマなんですが……。 はい、辻さん、ではどうぞ。 辻: ちょっとここで、僕は懸念していることがあって。希望に満ち満ちていて、すべてポジティブ で、「あ∼、じゃあ問題ないんだ」という雰囲気に、今なりかけているような気がするんですよ。 僕は最近6週間の旅をして帰ってきたところなんですけれども、僕が行ったところは大体貧し くてGDPの指標なんかから見たら最貧国と言われるようなところなんですが、感動して帰って 2 くる。そこにある美しさとか、豊かさ、安らぎ、これは一体何なんだろうという感慨をもって帰 ってくるわけです。帰ってきてみたら自衛隊を今度は派兵するというので、日本はもう崖っぷち だなあと。年末ですしね。結構、不安定な気分で今日、来ているわけです。僕も含めてですけど も、皆さんの話を聞いていると、 「すべて大丈夫」というような感じもしてくる。そこがちょっと 僕は心配するところなんですね。 エコプロダクツの全体を見わたしてみると、本当にそんなにすごいのかというと、結構つまん ないのが多いんじゃないかなあという気も一方ではしましてね。どこが欠けているのかというと ころは、ぜひ話を持っていきたいなという気もしてくるんです。 多田: わかりました。そういうところの足りないものも含めてと、今私は言ったつもりなんですけれ ども、そういうところも含めて、もうちょっと大きな視点で、それぞれまたご発言いただければ と思います。特に順番は決めていないんですけれども、ではまた赤池さんからお願いしていいで すか。 赤池: 一番足りないものは、お金を払う私たちを含めた生活者の学びと気づきが、決定的に足りない ということです。 実は、先ほど三つ回りました積水さんですが、一緒に回った方々に、展示されていないけれど も積水が取り組んでいるあるプロジェクトについて、ちょっとお話をしました。さっきお話しま したように、地面の下の環境技術、機能性の材料を作る技術、家をつくる技術、分譲する技術を 持っているので街づくりができる。 実は今、積水化学工業さんは「美しい丘」と書いて、 「サステナブルコミュニティ・美丘(ビオ)」 というプロジェクトを、来年度以降から始動させるための具体的な設計構想を今開発しています。 これはどういうことかというと、さまざまな環境技術、燃料電池のような新しい電力供給の技術、 あるいは家庭菜園というものが町の中に盛り込まれている。あるいはそこで基盤整備されるいわ ゆる樹木は全部食べられる、実がなる木しか植えないとか、そういう考え方で町づくりをしてい る。でも一番のポイントはですね、その美丘という町には、町づくりの条例が最初からセットさ れている部分です。みんなで中水を利用するためのインフラの掃除はみんなでしましょうね、実 がなった季節には住民がみんなで収穫しましょうね、エネルギーシステムのメンテも地域の人た ちが自らやりましょうね、あるいは、作物リストが全部、美丘の住民には配られまして、必ずそ この住民はその作物リストから 2 品目以上を選んで庭で農業をやらなければならない。そういう ことが全部決められた分譲を実験してみようということです。 そこで、まず何に気づいてもらわなければならないかというと、ビオトープがありますね。た くさん実のなる街路樹がありますね。すなわち、これは町の共用部分にコストをいっぱいかけて いる。要するに、ぜんぜん住人の不動産資産にはならないわけです。従来「俺の持ち物にならな い所に金なんかかけてくれるなよ」 。たぶん、こう思っている生活者がたくさんいたので、ひとつ のまとまりとして環境性の高いコミュニティみたいなものが、この国に根付いてこなかったので す。でもこれは見方を変えると、引っ越して売ろうとしたときに、周りが殺伐として、そんな共 3 用部分しかないような町は絶対高く買ってくれないわけです。こういう当たり前の不動産意識、 所有意識みたいなことに、例えば目覚めて欲しい。そういう気づきの教材が、実は積水の構想の 中にあったのです。 あるいはイナックスさん。サティスというタンクの無いトイレがある。でも是非時間があれば、 その向かいの洗面台の蛇口について説明員について質問してもらいたい。実はあの中で水車が回 っている。要するに水道の水流を回せば、パイプの中で発電ができてしまう。水回りの電源とい うのは、目に見えない蛇口の中で回っているマイクロ水車で発電されているんだ。こういうこと がわかってくると、その先でエネルギーっていうのは、燃料電池のコジェネレーション住宅って いうのが 10 年先くらいで出てくるかもしれないな。でもその手前の省エネだけじゃない、エネル ギーについて考えなければいけないきっかけってたくさんあるんだ。すなわち、そのエネルギー を民主化していく、そういう感性みたいなものを学ぶ教材が、やはりイナックスさんのところに はあるのです。 そして、トヨタ自動車さん、プリウス。いい車です。でも今の町の現状をもう一度見てくださ い。道路には松葉杖の人が歩いていたり、車椅子の人がいたり、あるいは福祉対応の電動カート が走っています。自転車を含めて、今あげた車は全部道交法上道路を走ります。でも、その横を どうですか。数トンの大きなディーゼル貨物が平気で走っているわけです。こういう現実をどう するか。もはや個々の自動車の環境性とか技術の向上とかというところではないデザインが必要 なのです。冒頭でシステムという話をしましたけれど、こういうコンパチブル対応の車や交通を、 どう安全を含めてコントロールしてあげる仕組みを考えていくのか。多分、ここが竹村さんがお っしゃったソーシャルウェアのようなものにつながっていくわけです。プリウスの中に搭載され たハイブリッドの技術のすばらしさ、これは評価してあげるべきなのですが、これが町に走り始 めたときに、うちの老いた糖尿病のおばあさんが、どういう風に町の道路の中で歩いていくのか を併せて考えるべきなのです。 要するに、これは民営化のうるさ型の方々だけに日本の道路を考えさせるのではなく、地域の 現実を私たちは感じたり見たりしているわけですから、私たち自身で、自分たちの道路というの はこうあるべきだとか、警察の利権でその横にコインパーキングがあって車を止められていて、 その周りを福祉車両が走ってトラックが走っているわけですから、そんな警察利権やめてくださ いよとか、そういうことを僕たちがきちんと声を上げていくことが求められているのではないか と思います。 多田: はい、ありがとうございます。では、飯島さんお願いします。 飯島: ありがとうございます。赤池さんのセンスウェアと竹村さんのソーシャルウェアに挟まれてい ますから、僕も何かウェアを言わなければならないと思っていまして、実は今、赤池さんに解説 していただきました、この中にキーワードがありまして、実はユースウェアです。使い方ですね。 4 私たちはそれをどう使うのか、ユースウェアを今日挟みたいと思います。 ユースウェアの話は、ちょうど持続可能な日本の構築に何が足りないか、多分密接に結びつく と思います。私たちは道具を使ったり、それから社会システムを使ったりして効果を求めます。 効率を求めます。それだけでは私は不十分だと考えています。スタンリー・キューブリックの「2001 年宇宙の旅」の最初で、私たちの最初の道具は、確かマンモスの骨を拾って持ち上げて上に投げ る、大きな骨が映画の中に出てくるのですが、それが人類が最初に使った道具だと映画の中では 語られています。それ以来、人間はそれを武器に使ったり、もちろん自分たちの食糧を得るため に使ったりしています。 その時に、これからとても大切なことを言います。動物を倒したり、食糧を得たり、敵を倒し たりということ以上に、実は先ほど赤池さんが言われたようにセンスウェア、つまり自分たちの 感覚の中に何かが落ちてきます。つまり、人間は物を使うことによって自分を発見していきます。 そして自分の体というものを発見していきます。自分の感覚というものを発見していきます。実 は道具が持っている機能以上に、実は自分たちの感覚を決めてしまう大切なものだということで す。 ですから、みなさんが使ういろんな道具がありますが、もう一度今日の話を聞いて、自分の中 に、自分の感覚に何が起こったかということを観察して欲しいと思います。私たちは前のめりの 社会で道具を使うことによって、効果だけを求めました。そのために私たちの中身は空っぽです。 辻さんが指摘するように、私たちは今空っぽな人間になっています。しかし人間がどういう風に 人間になってきたかということを、私はトイレの中で考えました。トイレの中には全て流れのデ ザインがあり、物事は流転していくものがあり、かなり哲学的な部屋なのです。私たちはそうい う文化を、トイレの中で考えている文化を持っていますし、先ほど言った経済の流通からスムー ズに流れるにはどうしたらよいか。私たちは排泄物というデザインされた物、建築物と人工物を 見ていますけれど、人工物はいろんな批判はするけれど、何を食べてどう消化してきたというこ とは、あまり考えない。ところが、私たちの体の健康も含めて、私たちは今何を食べて、どうい う風に楽しく食べて、それをどういう風に消化していくかということに注目すべきではないかな という風に思います。 そして私たちは道具を使うことによって、私たち自身、私たちの体を発見していくのです。こ れと同時に、デザインも、私たちは使うことによって新しいデザインを発見してくのです。つま り、デザインはあてがわれた物を使うのではなく、皆さん一人一人、私たち一人一人が実はデザ インを発見していくというところにあるのではないかと思います。前倒しの文明からもう一歩引 き下がって、自分自身の体、または感覚というものを少し気をつけながら、赤池さんの言ってい る気づきと言うものに導いてほしいなと思います。そして、つなげられるならば、私たち一人一 人が自分の中に感覚を見出しやすいような社会を作って欲しいとということです。人が感覚を自 分自身の中に掘り起こすということを、他人同士が保障しあうという社会です。今まではお仕着 せの教育やお仕着せのデザイン、社会制度という中で私たちは甘んじて受けてきました。ところ が私たちは今、情報通信やこういうディスカッションや新しい知恵の中で知恵を交換することが できます。願わくば、根本的な話は竹村さんの話に通じますが、優れた社会を作るにはいい感覚、 いい感性、いいという言葉には語弊があるかもしれませんが、それをお互いが保障することです。 自分がゲットするよりも、人がそういう感覚を持ってもらうように自分たちの日常のコミュニケ 5 ーション、日常のコミュニティ、それから自分たちが働くこと、学ぶこと、暮らすことにおいて 他人の感覚を保障するような生き方ができないかということです。ここにおいて初めてフェアな コミュニケーション、こういう風にすればフェアなコミュニケーションが生まれるんだという感 覚が初めて生まれます。 僕は今一方的に話していますが、一方的でない、お互いが感覚の共有点を探し出していくよう なコミュニケーションができないかどうか。これが先ほど辻さんが話していたような、フェアな コミュニケーションが成立すれば、フェアトレードが成立していくだろう。異文化交流とかとい うレベルで止まらないで、もっとお互いの感覚を保障しあうような社会のコミュニケーション、 またはデザインが生まれてくるといいなと思っています。これがまだまだ日本には足りない。日 本はまだまだ裸の王様であるという事実からスタートすれば、まだまだ夢があると思っています。 多田: 飯島さん、ありがとうございました。次は辻さんどうですか。 辻: 僕は自分のことを環境運動家と名乗っていますが、皆さんも、よくご存知のように運動家とい うのは、あまり人気がない。少なくとも 1960 年代以降は全く人気がない。みなさんもここに座っ ているからには、環境問題をなんとかしなくては、社会問題をなんとかしなくてはと思っていら っしゃる方々で、そういう意味では広い意味でみなさんも運動家なんですね。でも、そういう風 に名乗りたくない。名乗ると人気がなくなるから。 どうして人気が無いのかと思うと、やはり環境運動家と言われた人たちにも問題があったのだ と思う。まず、その人たちは非常にせっかちな人たちだったのですね。もちろんそれは問題をそ れだけ深くつかんでいて、問題がいかに逼迫しているのかをよく知っているからなんですが。と もかく、いつも急いでいるのであまり楽しそうではない。いつも忙しそうで、余裕がないので、 あまり美しさとか安らぎと縁が無い。結局、僕らが生きていくうえで文化的な存在として何を求 めているかというと、美しさ、楽しさ、安らぎだと思います。環境運動とは本来の楽しさとか、 美しさとか、安らぎとかの価値を取り戻していくことだと思います。それなのに環境運動が、あ まりこうした楽しさや美しさや安らぎと縁がないように見えるとしたら、それは不幸なことです。 逆に、環境を破壊している大企業のほうが、楽しさや美しさや、安らぎを一手に引きうけて提供 するという風に言ってますし、僕らもそれを信じて、お金でそのおこぼれにあづかろうとしてい る。僕は悔しいんです。で、少なくとも自分は、環境運動を楽しさや安らぎや美しさを取り戻す ためにやっていると言ってます。何が持続可能な日本の構築のために足りないかというと、まさ にこの三つなのではないでしょうか。 僕らは豊かさという言葉に踊らされて今まで突っ走ってきたわけですが、その豊かさが僕らに 与えてくれたものは、まさにこの三つの価値の欠如だったのです。文化砂漠という言葉をよく使 っていましたが、この前モロッコへ行った時、砂漠というのは美しいものだと怒られたので、も う使いません。とにかく、僕たちは今、極端な文化の貧国の中にいるという気がします。 第三世界の問題について先ほどちょっと言いましたが、よく第三世界を旅してきた人が、現地 6 の人々の目が皆輝いているとか、美しいとか言うわけです。あれは何なのかということを、そろ そろ真剣に考えた方がいい。僕も含めて人類学者は、やっぱりそのことに答えていかなくてはい けないのではないか。自分たちの国の子どもたちの目が活き活きしていないというのは一体どう いうことなのか。 GNH という言葉がありますね。この前ミャンマーへ行ってきたのですが、そのそばにブータン という国があって、そこの王様が言ったそうです。うちは GNP とか GDP でなく、GNH でいく。つ まり、プロダクツの P に対してハピネスの H を置いた。つまりモノやお金の量を基準にするので はなく「幸福度」を指標にする。さっき JFS の発表にありました。何を指標にするのか。僕たち は豊かさを GDP や GNP で測ってきた。そして今、行き詰まっている訳です。何を指標にするのか、 そこだと思います。エコプロ展にたくさんのいろんなプロジェクトがあって、それぞれそれなり にワクワクするのですが、やっぱり僕たちがもう一度安らぎだとか、美しさ、楽しさ、当たり前 すぎて話すのもばかばかしいような、そういう価値にもう一度戻っていくしかないのではないか。 エコプロの中でも僕が期待したいのは、地域に根をはった中小企業、物づくりに携わっている 人々、職人、工芸家、農民。新しい産業のキーワードは、そういうところにあるのではないでし ょうか。やはり大企業の成功によって一喜一憂するような、そこに依存しすぎる体質というのは おかしい。大企業の中にもすばらしい大企業があり、僕も期待しています。しかし、スモール・ イズ・ビューティフルとシューマッハがちょうど 30 年前に言ったように、組織が大きくなりすぎ るとつながりが切れるということが確かにある。それに対して地域とか人間関係とか自然とのつ ながりとかの中でしか生きていけないのが、地域の産業であり、中小企業です。 ですから、これからはつながりをこわすしかないファーストな、加速する、競争的な産業のあ り方から、つながりを育むような、つながりを再生するような産業のあり方を僕たちは探ってい かなければいけないと思います。 最近、地方の中小企業の経営者たちの組織である JC(青年会議所)とお付き合いさせていただ いているのですが、その中にすばらしい若い経営者たちが現れてきていて、それを見ているだけ でワクワクします。そういうところに希望を見出したいなと思っています。 多田: 辻さん、どうもありがとうございました。では竹村さんお願いいたします。 竹村: 辻さんが三つの大切なこととおっしゃったのに連歌取りをして、私も三つのエコロジーという のを言ってみたいと思います。物質的なエコロジー、そして象徴的というか文化的なエコロジー、 そして社会的、ソーシャルウェア的なエコロジーです。 物理的なエコロジーについては、自動車もハイブリッドとか燃料電池のような大きな革命が起 こっていますし、赤池さんの本当によく紹介してくださる動きを見ていても、相当それがいろん な方向に進んでいるなという実感を持つのですが、その一方で文化的な次元、社会的な次元とい うものが十分に認識されているかどうか。 例えば文化的な次元ということで言えば、私たちと森との関わりということになると「森を大 7 切に」とか「植林」とか言われるのですが、例えば私たちがなぜ花見をするのか、ということが 今日本人の中でどれだけ共有されているのか。もちろん民俗学の中でもいくつか説はありますし、 一概にはいえませんが、花見というのは単に花を見ることだけでは日本人にとってはなかった。 「花狩り」と昔は言っていて、 「狩る」というのは要するに生命のやりとりをする、要するに生命 エネルギーを還流する。だから「動物を狩る」というのは単に動物を殺すことではなく動物の生 命エネルギーを自分にいただくこと。だから「花狩り」というと花のエネルギーを自分にいただ くことですね。 それを一番象徴しているのが「さくら」ということでありまして、 「さくら」は咲くから「さく ら」ではなく、「さ」「くら」、「さ」というのは早乙女とか皐月とか五月雨とか全部「さ」という のは稲の神、山の神が春になるとひたひたと里に下りてきて、稲の神に変わる。それで稲を実ら せる。それが降りてくるから「さつき」なんですね。その季節を皐月と言って。それが降りてく る頃を、さおりちゃんの「さおり」と言って、再び冬になって帰って行くのを「さのぼり」と言 ったのです。そういうエネルギーが増えてくるから「ふゆ」、張り切ってくる季節を「はる」と言 っていたわけですね。 そうやって降りてくると山と里の中間にトランジットの場所があって、その時に見えないエネ ルギーが一時的にふわっと可視化される。それが「さ」が宿る座としてのくら、さくらなんです ね。さくらにふわっと可視化されるまでは目に見えない。だけれども、ひたひたとさおりちゃん が降りてきている。そういう小さな花の中に、ものすごく大きな生命循環が見ていて、そういう バランス感覚の中でエコロジカルなエコノミーを作ってきたという文化的な OS が私たちの中に あるし、決してロマンチシズムで片付けるべきものではなく、それをちゃんと迎え撃つ現実的な 戦略とか、技術的な成熟がそろそろできてきているし、日本のストックとしての水田とか里山の 再認識も進んでいる。そこで物理的に、そういうものをもう一度メタレベルの、もう一段上の価 値に、ジャパンバリューとして作り上げていくときに、なぜ私たちは花見をするのか。私たちと 森とか樹木と人間との関わりと言うのは、どんな次元で OS として作られてきたのか。ちゃんと再 生していく必要があるのではないか。 春頃にはこういったことを書いた本を出す予定ですが、もう一度、エコロジーといったときに、 エコプロダクト展で展開されているのは主に物理的なエコロジーの豊穣な成果だと思うのですが、 そこに文化的、精神的なエコロジーが加わり、更に社会的なエコロジー、さっき言いました、僕 はソーシャルウェアとしてさっきは紹介したのですが、もう一歩ソーシャルというのを突き詰め て考えると、例えばこういうことです。 私の木という感覚が森の民の中には普遍的にある。僕自身もいろんな講演とか行くと、自分と 相性のいい木というのに出会ったり、あるいは私が生まれたときに植えられて一緒に育ってきた 木、自分と属人的な絆を持っている木というのがあると思うんですね。二コルさんなども、自分 が子どもの頃に森に行って抱きついて悩みを聞いてもらった兄弟みたいな木というのがある。そ ういう兄弟の契りを結ぶ木というのが、非常に諸民族の伝統の中にある。 何でこういうことを強調するのかと言うと、例えば森を守れ、あの里山の森が破壊されるとか 言っても、そこに自分が長年抱きついて兄弟のように付き合ってきた一本の木があるかどうかで、 その深刻さはぜんぜん違うと思うのです。つまり私は心の投錨点と読んでいますが、自分が匿名 的な森を守れではなく、自分が俗人的な絆、名前が付けられるような、サン・テグジュペリ的に 8 言えば、「私に名前を付けて、私を飼ってくれたら、その花は特別な花になる」、そういう感覚。 そういう部分の絆と言うのは、抽象的な、さっき言ったような文化性、推進性とはまた違うレベ ルの社会的な絆を、しかし非常に属人的な顔の見える固有な関係として作り出す部分で。そうい う属人的、社会的な絆が、どこかの森に投錨点としてあるかどうかというのが非常に重要なので す。 ですから、もちろん植林活動の中でも自分の名前を書くとか、私の植えた木はこれよ、とか、 一応ソーシャルウェアとしてはあるのですが、もっともっとそれを踏み込んで、一人一人が一本 の木と属人的な関係を持っていくような次元と言うものを、どう社会的に再生していくか。その へんが非常に、これから問われていくでしょう。 それは実は、JFS へのお願いにもつながるのですが、指標としてだされた、非常に貴重です。 私もこういったことで新しい日本の指標を作っていくことに非常に関心がありますので、先ほど の活動をたいへん評価します。でもあの指標があると同時に、もっと属人的な指標というものを 作る必要がある。 どういうことかというと、あれは第三者的な客観的な指標なのです。マクロな指標です。それ に対して、もうひとつの属人的な指標と言うのは、私の飲んでいる水はどこからくるのか、どこ の水源か。今、私が食べているえびはマレーシアなの、どんな人が作っているの。実は時間がな いので、あまり紹介はできないのですが、野菜を手に取ったときに野菜についている番号を自分 の携帯に入力すると、その作り手の顔とか志とかが見えてくる、野菜そのものに生産者が見える 窓をつけてやろうという活動と言うのを今作りつつあります。私が現実に今いる場所は、どんな 歴史物語を秘めているのだろうとか、この野菜は誰が作ったとか、そういった属人的な絆がちゃ んと見えてくる。そして私が今払っているお金のどのくらいが誰に届いているだろう。そういう 指標作り。そういうレベルでの基準作り。位取りや評価の基準作り。先ほどの指標作りが A 面だ ったら、もうひとつ B 面として非常に重要になるであろうということを申し上げておきたいと思 います。後で時間があったらそのへんをもう少しやりたいところですが。 多田: すみません。本当に時間が押して残念です。じゃ、枝廣さん、今の第 2 ラウンドの 4 人のコメ ントを聞いてどうですか。 枝廣: そうですね。私自身も足りないものというのを考えたときに、それぞれのお立場で言っていた だいたと思うのですが、たぶん共通する部分がたくさんあると思うのですが、一人一人が腑に落 ちる感覚、それから自分の選ぶ力、少なくとも自分の選ぶ力があるという意識、それが今一番足 りないのかなと思います。例えば今、いろんな物とかいろんな状況に出会ったときに、自分はそ れが腑に落ちているのかどうなのかという、これは立ち止まらないと絶対わからないわけですね。 立ち止まる時間もないような生活が多いので、そうすると自分にすとんと腑に落ちているのか考 えたり、確認したりする時間が無く、物との刹那的な付き合いをするという連続が非常に多いの ではないかと思います。 9 この間、あなたは買い物をする時どういうことに気をつけますか、というあるインタビューを 受けた時に、その買った物が 7 年後に自分とどういう関係を持っているか、ちょっと想像するよ うにしてみます、という話をしたことがあります。普通そういう悠長なことをして買い物をしな いのですが、その時いいとか必要だと思ってぱっと買うのですが、でもそれが 7 年後に、7 年後 でなくても別に良いのですが、それがそこにあるのかな、自分はどうやって使っているのかな、 まだ自分は大切にしているのかな、ちょっと先を見る、バックキャスティングにつながるのです が、今だけではなくて少し視点を伸ばしてやることで本当に自分に必要な物なのか、腑に落ちる 感覚があるのか。そして、また自分には広告が勧めていようが人が進めていようが買う必要が無 い、自分は選ぶ力があるんだ、そういうことだと思います。 例えば先ほどご紹介がありましたが、電力を自分で買うというオプションがでてきています。 ですから選ぶ力があることさえ気がつけば、いろんな意味でグリーンな物を選んだり、自分の腑 にあった物を選べるという風に思います。 あともう一つ、これはここにいらっしゃる方とか、エコプロ展の場で言っても仕方がないこと ですが、今一番足りないのは、ここに来ない人。エコプロ展に出展していない 700 万の企業。400 社位が今エコプロ展に出展していて、多分今回 12 万人くらいが人手として来ていると思いますが、 これは日本の全国人口の 0.1%、遠くて来られないと言う人がいるとしても 1%くらいだと思いま す。会社の数にしたら微々たるものです。ですからここに出展したり、いらっしゃったりしてい る方々を越えてですね、もっともっとたくさんの人たちに、どうやってアウトリーチ、いろんな ことを伝えていけるのかということを一番考えています。 先ほど辻さんがおっしゃった楽しさとか美しさとか安らぎと言うのは、そういう意味でも切り 口になっていて、辻さんや竹村さんと一緒にキャンドルナイトというのをやらせていただいてい ますが、そちらのほうは楽しさとか美しさとか安らぎと言うことで、別に環境とか省エネとかを 前面に出さないで、だからこそ夏至にやった時は 500 万人の人が参加したんですね。これは竹村 さんたちのチームが作ってくれたキャンドルスケープと言うもので、携帯とかパソコンから「今 回のキャンドルナイト参加するよ」と言ってくれた人たちが郵便番号を入れるんですが、それで その場所がわかるのです。今 1,060 人の参加表明があります。こういった形で、自分ひとりでは ない、こんなにあちこちつながっているんだ、ということを感じながら、この楽しい活動に参加 してもらう。ローソクでスローな夜をという切り口で、それは別に何をしていても良いし、その ローソクの光でゆっくりとした時間を過ごそうねというだけのキャンペーンなので、これだけ広 がったのではないかと思っています。 ですから足りない物と言うことに話を戻すと、エコプロの中の数字を上げていくことも大切で すが、ここに来ない人たち、これを知らない人たちにどうやって広げていくかと言うことを、こ の中にいる意識の高い人たちが、もっともっと考えて推し進めていく必要があるのではないかと 思います。以上です。 多田: ありごとうございました。キャンドルとてもきれいですよね。何か蛍が光っているみたいだし、 何か本当に魂が光っているみたいで、きれいだなと思って今見せていただきました。 10 2003.12.13.Sat. JFSシンポジウム「がんばっている日本を世界はまだ知らない」NO.6 〇パネル討論「日本の向かう持続可能な社会とは∼いまとこれから」【4】 多田: それでは本当に残念ですが、今日はデザインの話がいっぱい出てきましたが、場のデザインと いう観点からですが、この場をもっと長く時間を取ってデザインすべきだったかと JFS サイドで は反省していますが、最後にお一人 1 分程度で今後のこととか、JFS への期待していることとか、 期待してないよと言われてしまうとちょっと切ないですが、言っていただいて、後、私のほうか らラップアップのチャートが 2-3 枚あるので、それをお見せして終わりたいと思います。終了予 定時間を少し過ぎてしまいますが、お時間ある方は出ていただいて結構ですが、後 10 分位、もし お時間ある方はお付き合いください。 赤池さん、よろしいでしょうか。 赤池: 大丈夫です。海外発信を含めてでしたら、是非日本国憲法を改めて環境マインドで、こういう 機会ですから読み直してもらいたいと思います。是非、第 9 条だけではなくて、その他条文の文 言の中に、持続可能な居住権や景観権など、日本が世界に訴えて誇るべき環境理念とか哲学とか 考え方とかが、無尽蔵にこもっています。どうでもよいマスコミ人の憲法をどうするかではなく、 まさに属人的に日本国憲法のすばらしさみたいなことを是非学びなおしてもらいたいなと思いま す。 多田: ありがとうございました。では飯島さんお願いいたします。 飯島: コメントと言うよりも今みなさんの話を聞いていて思いついた言葉をちょっと話したいと思い ます。 ステークホルダーという言葉ありますが、ステークホルダー、今ひとつ僕らはわかりませんが、 今ひらめきました。ステークホルダーをキャンドルホルダーに変えたいと思います。一人一人が キャンドル、こころの光を持つことによって日本を照らす、というようなことがいいのではない かと思いますので、是非使っていただいて、と思います。ちょっとクエーカーらしい話ですが。 最後に、今までの話で僕は 4 つのキーワードです。一つはほぐす。そして、つなぐ、気づく。 そして、超えるです。デザインと言う行為も、自分自身が超えていくという行為として、何か形 作るとか自意識の表出ではなくて、自分自身ひとりひとりが超えていく行為としてとらえて欲し いというふうに思います。そこに超える行為にいたる、ほぐしてつないで気づいて、そして超え ると言うプロセスをみんなと共有したいと思います。 1 それから指標について 3 つ申し上げたいと思います。一つはものさしを提示する、竹村さんは まだ話し足りないと思いますが、僕が話したいのは 2 番目、つぼです。つまり先ほど話した属人 性、私のどこにものさしがきいてくるのというつぼの話をしてもらいたい。最後は押し具合です。 なにやら指圧の話になってきましたが、まさにものさしをきちんと提示して、ひとりひとり自分 自身のつぼをとらえて、そして適切な押し具合、その人の状況にあった、年齢にあった、民族に あった押し具合ということをやること。そして、それで辻さんがおっしゃった生きる喜びと言う ことにつながるのではないかと思います。 ですから指標にとどまらず、つぼと押し具合をよろしくおねがいしますということで、僕の話 を終えます。 多田: ありがとうございます。では、辻さん、すいません。一言お願いします。 辻: 指標と言うのがキーワードですね。僕が呼ぶところのファーストな社会では、生産性だとか効 率性だとかスピードが、指標の基準だったわけです。それが、つながりを絶ってきたとさっき言 いましたが、そのつながりとは、命のつながりだったんじゃないか。その命のつながりをもっと 豊かにしていく、再生していく。それが、これからのビジネスであり、運動のあり方じゃないか な、と思います。 スローって何か?とよく聞かれるのですが、一言で言えば、命のつながりのこと。つながると 言うことは、時間がかかるのです。面倒くさいのです。しかし、だからこそ我々は生きているの ですね。スローだからこそ、私達の人生は生きるに足るのではないかと思っています。 祭儀に、このシンポジウムにひとつだけケチをつけさせていただくと、 「がんばっている日本を 世界はまだ知らない」という題は好きではありません。実は、がんばりすぎている日本を世界は 良く知っています。僕が世界に知って欲しいのは、がんばらない日本なのです。これまでのファ ーストな、グローバル化する経済の中で、がんばり、がんばりすぎて、人に迷惑をかけてばかり いた日本ではない日本、がんばらない日本を、僕は知ってもらいたいと思います。 多田: がんばらないようにがんばっている日本かもしれませんね。すいません。最後に話し足りない 竹村さん、お願いいたします。 竹村: 辻さんに反対するようですけど、僕はポジティブなことばかり語ると言うのは、ベースに本当 にもう、やるせない哀しみがあるからなんです。やるせない哀しみを何十年も抱えていると、2 4時間ポジティブなことを語るだけでも足りないという感じになるわけです。ですから、もうポ ジティブなことしか語らないのはベースが勿論そうだからです。 そういう意味で、がんばるでもがんばらないでもなく、センシティブでセンシブルな、もうち 2 ょっとまっとうに、僕はこんなことばかりしゃべっていますが、本職は人類学なんです。人間学。 人間って何かというと、考えていくのが本職で、そういう視点から言うと、ほんとに人間ってい うとてつもない可能性を持ったものに生まれながら、人間らしいポテンシャルをほとんど活かせ ない、開発できない社会に我々は生きている。それが勿体無くてしょうがない。 だから、もうちょっとまっとうに人間が人間として生きられる社会を作ろうよというのが動機 ですよね。で、そういう風になった時に、エコは自然についてくるという話なのですが、同時に そういう次元からやっていった時に、さっきの2つ目、3つ目のエコロジー、文化的・精神的・ 社会的なエコロジーも置いてきぼりにならずに、トータルなエコロジーが実現するのではないか という感じがしています。もっと元気な日本、元気と言うかセンシブルな日本を活性化したいと いうことで、キャンドルナイトも、ああいう活性化のプログラムを作ったり、今、アグリスケー プと言いまして、日本で本当にまっとうでセンシブルな農業をやっている人たちがこれだけいる んだと、マスコミってネガティブで厄介なことしか書きませんから、当たり前に日常的にセンシ ティブなことをやっている素晴らしいポジティブな日本って、全然可視化されないのですね。 ですから、僕はこれから1年、2年、徹底的にポジティブなセンシブルな日本を可視化してい くことに賭けたいという風に思っています。農業とかも含めてです。そういうことに力を入れて 行きたい。 一方で、しかしそういうことと、ITとかゲノムとか最先端のことは、けして実は対立しない で本当に、お互いにシナジーになりうるんだと言うことを最後に一言、言っておきたいです。一 言二言では言えないですが、ゲノムと言うこと、遺伝子と言うものを勉強していけばいくほど、 あるいはそういう研究者と付き合っていけばいくほど、遺伝子と言うのは、我々が考える機械的 なプログラムではなくて、膨大な無駄をはらんでいたり、自らの中に元本を保証しながら、新規 投資で新しい進化の可能性を作り出していくような内在的な進化のメカニズムを持っていたり、 ものすごく本当にそこから学ぶことは大きいのです。ですから遺伝子は、特許とか厄介な問題が ありますが、明日も夜、BSでそういう番組をNHKでやるのですが、でも基本的に遺伝子が教 えてくれている価値と言うのは、次の環境世界、次の人類社会を作っていくのに、ものすごく大 きなヒントを内在している。だから、遺伝子は危険、ITは危険だと食わず嫌いをしないで、そ ういうものもトータルに含みこんだ新しい可能性の中で、次のエコロジー社会と言うのを是非、 つくっていこうじゃないですかと言うのを、僕は最後に呼びかけて行きたいです。 辻: 本当に1分で終わります。 さっきのハチドリの話。スローウォーターカフェのハチドリ。あるアンデスのキチワ民族の民 話からきています。ある時、森が燃えていました。山火事ですね。普段威張っている動物達はみ んな、われ先にと逃げてしまう。すると1羽のハチドリだけが水場に行って、くちばしの先に水 を1滴含んでは、火の上に行って落としてくる。また水場に行って、火の上に落とす。それを見 ていた動物達が笑うんですね。「そんなことやって何になるんだ」するとハチドリはこう言ったそ うです。「私は私にできることだけをしているだけ」。この民話がスローウォーターカフェのロゴ になって行き始めたのです。 3 枝廣: 一言だけ。さっきの辻さんの「がんばらない日本」に関してですが、よく私が思うのは、土俵 ということなんですね。 私たちが JFS を立ち上げて、月に 30 本、ボランティアの方々に協力していただいて、いろんな 情報を出している。それは何のためにやっているかというと、単に今の日本はこうですよと世界 に報告をするためではないんです。日本からそういう情報を出すことで世界を動かしたい。まあ、 すごく大げさな言い方ですが、世界を動かしたいと思ってやっています。 たとえばアメリカという国がどんなに環境的に遅れた動きを取っているか、ご存知だと思いま すが、アメリカをたとえば何らかの私たちのような小さな NGO でも動かせるとしたら、やはり相 手の土俵に立って情報を出す必要があります。その時に、日本はスローだとか、まっとうな人々 がこんなに沢山いるんですという情報では、ぜんぜん届かない人たちがアメリカにはいっぱいい るんですね。そういう人達には、たとえば日本の企業は環境を切り口にこんな競争力が増してい ますとか、こんなにコストを削減していますとか、そういう情報だったら、 「あ、環境って、実は 競争力に関係するのか、自分たちもうかうかしててはいけないかもしれない」、そういうふうに気 がついてくれる企業が1つでもないかなと思って、そういう情報も出しています。 私たちは WEB ベースですから、出す情報に限りが無いです。まあ、今はいろんな意味で月 30 本に限っていますが、そういう意味で企業の人に、環境に気付いてもいない、もしかしたら経済 のことばかり考えているかもしれない企業の人にも読んでもらえる。またはスローライフとかス ローフードとか、そういう情報も NGO の草の根の活動も情報として発信しています。そういう情 報で動いてくれる人もいるだろうと。 ですから、がんばっている日本を前面に出すというよりも、まあそれが 1 つの今、世界に訴え る時の土俵として適切かなと思っています。ですから、日本の中にも情報発信して、日本の中も 動かしたいところがあるし、世界も動かしたいということで、まあ常に土俵をいくつか持ちなが らやっているので、外から見たら、おもちゃ箱をひっくり返したようで、何やってるんだろう、 いろんな情報が出ているなあと思われるかもしれません。想いとしてはそういうことで、そうい う意味では企業寄りの情報も出すし、環境技術の情報も出すし、まったく違う情報も出して、こ れからやっていきたいなと思っています。 4 2003.12.13.Sat. JFSシンポジウム「がんばっている日本を世界はまだ知らない」NO.7 〇持続可能な日本のこれから 多田: これでもうラップアップします。これで適切なラップアップになるかわかりませんが、私ども は今日、エコプロダクツ展という実体空間を使って、枝廣が言っていた、WEBみたいものと組 み合わせて、ささやかな場の提供をさせていただきました。 まあ環境と言うのは本当に広くて、更に持続可能性は環境が母であるみたいな言い方もありま すが、この上には、温暖化ですとか化学物質とか日本の伝統とか匠とか、いろんなテーマが乗り ます。大体NGOとかNPOとかは特定のテーマを深堀りして行く、まあ我々は垂直型のNGO と言っているのですが、そういうNGOが非常に多いです。我々は水平型のNPOという言い方 をしているのですが、まあ環境に関する問題意識ですとかテーマとか専門知識、別にNGOだけ でなく企業とか自治体が乗っていただいてもいいわけですけども、そういう人たちに乗っていた だいて、そういうものがクロスオーバーして、そこから新しい価値を生み出すようなまあ、開か れたプラットフォームでありたいと思っています。 指標プロジェクトも我々は、閉鎖的にやるつもりは無くて、ある形になったら全部オープンに して皆さんからいろいろご意見とか、場合によって、研究会に入っていただいて一緒にこういう ものを育てて行きたいと思っています。 あと2枚で終わります。それで、これはたまたま、ナレッジマネージメントで有名な野中先生 の話を聞く機会があって、まあ彼の資料のなかに佐伯啓思さんの『経済成長の終焉』と言う本が 紹介されていて、私は著者の方とはご面識は無いのですが、そこに日本に求められていると言う ものが書いてありまして、これは今日のパネリストの方々と示し合わせたのでは無く、私が勝手 に昨日切り抜いてきたのですが、同じようなことをおっしゃっていますね。やはり何よりも先ず、 日本社会が歴史的に保持してきた文化とか価値に即した形で、国家という言葉が適切かどうかわ かりませんが,ここでは、国家の将来像を描く以外にないと、西欧的なものに常に開きつつ日本 独特のものを構想する点にこそ我々、近代以降の日本の構想があったことは疑い得ないだろうと いうことで、若干、論点がずれるかもしれませんが、まあこんなものも紹介しておきます。 最後に、私は萃点(すいてん)という言葉をJFSを紹介する時によく使わせていただきます。 萃点と言うのは、われわれオリジナルな言葉ではなくて、実は、私は日本で初めてのエコロジス トと思っていますが、南方熊巣が南方曼荼羅という彼独自の曼荼羅を描いた時に使った概念で、 真ん中のところに書いてあるのですが、新しい価値創造を目指す人たちの止まり木になって、横 文字で言えば、多分クロスオーバーポイントになるのでしょうが日本における環境とか持続可能 性の萃点になりたいと思います。で、今までの価値の創造というのは、差異をベースにしていた のですね。あるものとあるものの値段の差とか情報の差だとか、しかし、差をベースにした価値 構造をいうのは、さっき辻さんもおっしゃっていたように、南北格差だとか収奪につながりやす いビジネスモデルになりやすいと僕は思っています。21世紀の創造はいろいろあると思うので 1 すが、多様なものとか異質なものが互いにつながり合う、つなぐというのが今日のキーワードで したよね。だから、こういうことを、私はJFSを粋点にして我々がオーナーというより、皆さ んがそこに止まっていただいて、そこで知恵を絞る場が日本に出来て、それが日本を基点にした 持続可能な社会のデザインに貢献して行けば、我々こういうものをささやかですけれど、枝廣と つくった意義あるかなあと思っています。 これだけの方に来ていただいて、時間が本当に短くて申し訳なかったのですが、アンケート記 入してお帰りいただければ・・・最後に枝廣からちょっと補足の情報があります、最後最後とい ってずいぶん引き伸ばしていますが、これで本当に最後です、すいません。 枝廣: 本当に長い時間ありがとうございました。今日いろいろ聞いていただいて、皆さんの方からも きっとコメントやご質問があると思います。この時間ではお受けできなかったので、アンケート の方によろしくお願いします。これから2年目に入ってJFSの方でも、今お話したような指標 プロジェクトはじめ、いろいろと進めていこうと思っています。持続可能な日本のデザインと共 に持続可能なJFSのデザインもしないと、本当に大変だということで、先ほどご紹介しました 法人会員そして個人サポーターの会費で私達はまわしています。今日、個人サポーターや法人会 員の方も来てくださっていてとても嬉しく思っています。もし、まだだけど応援してあげようか なという人がいらしたら、是非個人サポーター、それから会員のほうになってください。 それから私達の理事の1人がレスターブラウンですが、レスターブラウンの一番新しい『プラ ンB』という本、これ英語です。日本語の方は、今日青山ブックセンターが出ていましてそちら で売っています。レスターが今回JFSのためにサイン入りで30冊ほど送ってくれています。 これを英語版16ドルですが、送料・サイン込みで2000円と言うことで受付で売っています。 これもJFSの資金にさせていただきたいと思うので、私達も持続可能なJFSのデザインをし つつ、持続可能な日本のデザインを築いていきたいと思っています。山本先生、今日は理事の山 本先生がいらしているので、もし良かったら一言だけ最後に。 山本: 展示会の実行委員長の山本です。今日は、私よりは年齢が下だと思うのですが、若手の方の論 客のご意見を沢山勉強させていただきました。私の手帳で6ページになりましたので、今後の展 示会の発展に役立たせていただきます。是非まだ時間がありますので、展示会の方をご覧になっ ていただきたいと。 多田: 最後に今日、お忙しい中を駆けつけていただいた4人のパネリストの方々に拍手を送って終わ りたいと思います。どうもありがとうございました。これで本当に終わりますので、長時間あり がとうございました。 竹村: すいません、キャンドルナイトをさっき紹介しましたが、カードをお配りしています。携帯か 2 PCから登録していただくとさっきの日本地図帳のろうそくの火の1つになります。是非、皆さ んの参加をお待ちしていますのでよろしくお願いいたします。 以上 3
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