環境・エネルギー・資源問題と 中国の自動車産業 2011年3月22日 日中自動車交流協会 渡部 陽 1 中国政府の自動車産業の8目標 1 2 3 4 5 6 7 8 2009年、中国政府は自動車産業について8目標を設定した。 3年間で生産・売上台数を10%成長させる 自動車消費環境を大幅に改善する 1.5リッター以下の小型乗用車のシェアを40%以上に増大させる 生産・販売能力が200万台規模の企業2~3社、100万台規模の企業 4~5社を育てる 自主ブランドの国内シェアを40%にまで伸ばす 新エネルギー車の生産能力を50万台、全乗用車販売高比率を5%に 自主開発車の燃費、環境、安全水準を世界トップレベルに引き上げる 重要部品の自主生産を実現する 産業成長・発展目標は達成 項目1-5 今後の課題 項目6-8 環境・エネルギー問題:負の問題でなく経済発展の新産業振興とする 新エネルギー車にビジネスチャンスを見出す 自主開発能力の向上 2 2 中国の自動車産業 持続的発展 中国自動車産業発展の途 環境・資源 エネルギー 産業構造改革 外資合弁 自主開発車 技術移転 中国の自動車産業 世界の工場 多国籍 部品企業 部品垂直統合 電動化技術 オープン イノベーション スマート グリッド 中国の自動車産業 グローバル企業 人材 産業構造改革 成熟市場対応 自主開発 技術 3 3 中国の景気回復と自動車産業 世界同時不況 エコカー促進 内需拡大策 ~2010 4兆元 56兆円 世界一 2010年の 自動車生産・販売 1,800万台 環境 社会整備 汽車下郷 2009年の経済成長 8~8.5% GDP 世界二位 クリ-ン電力 太陽光、風力 生産 世界一 電気自動車 4 4 第12次5カ年計画「戦略的新興産業」に指定した7分野 2011年3月中国全人代 中国のハイテク産業の生産額 05年に3兆4000億元 10年には7兆6000億元 輸出額は4160億ドル(約35兆円)輸出額には外資系が含まれる ただしハイテク産業の内容は核心技術が少ない 本目標達成のための投入予定金額 4兆元(52兆円) 世界一 (1)省エネ・環境保護 先進的な環境保護や資源リサイクルを産業化 (2)次世代情報技術 次世代の携帯電話網やインターネット網の構築,液晶パネルなどの産業基地の建設 (3)バイオテクノロジー 医薬、動植物、工業微生物菌などに関する遺伝子データベースの構築 (4)先端レベルの設備製造 新型国産航空機やヘリコプターなどの産業化推進,高速鉄道などの発展促進 (5)新エネルギー 次世代の原子力発電設備、大型風力発電機、高効率太陽光・太陽熱発電などの産業基地の建設 (6)新素材 炭素繊維、超電導材料、高性能レアアース材料、ナノテク材料などの研究開発と産業化 (7)新エネルギー車 5 ハイブリッド車や電気自動車の研究開発と大規模な商業化 5 中国の自動車産業・市場構造 強い国有企業体質 4大 第一汽車、東風汽車、上海汽車、長安汽車, 民営は4小以下 外資にマジョリティを認めない合弁 複雑な提携関係 市場規模の拡大、市場競争の促進、自主創新は阻害 2010年乗用車出荷「貨客兼用車を入れるとGMの値は2倍) 2010年累計 中国系 5,661,070 45.4 日系 2,421,010 19.4 欧州系 2,168,757 17.4 米国系 1,265,994 10.0 韓国系 935,113 7.5 合計 シェア % 12,451,944 部品産業資本自由化 独資の認可 部品産業の発展、民族系企業の周辺化 二層市場価格構造 中古市場の未成熟 購入者の60%がfirst entry 6 中国の自動車市場二層構造 BYDのF3はカローラのコピーであるがカローラの価格の12.4~20万元 の半額の6~8万元、BYDの2010年販売台数は291,011台でNO1 カローラは214,568台(5位) 価格 元 300,000 中国 ✩日本 欧米 200,000 100,000 50,000 4,000 5,000 6,000 7,000 8,000 投影面積㎡=車両全長X全幅 7 2009年乗用車セグメント別出荷台数 A 464,852 1,373,342 B 3,060,278 C 1,226,179 D E1 73,537 E2 184,586 Sports 1,027 2,070,250 B-MPV C-MPV MPV SUV 乗貨両用車 0 135,165 187,060 655,039 1,000,000 2,000,000 3,000,000 4,000,000 出所:フォーイン 8 日中ベストセラーカー(2010年) 大きな乗用車を好む中国(重視項目:燃費、安全性、居住性) モデル名 排気量L 出荷台数 モデル名 排気量L 出荷台数 1 BYDF3(B) 1.5 291,011 Prius 1.496 208,876 2 Excell() 1.6 241,154 WagonR 0.658 201,528 3 Etrantra(B) 1.6 239,449 Move 0.658 182,325 4 Jetta(B) 1.6 224,857 Fit 1.339 157,324 5 Corolla(B) 1.8 214,568 Tanto 0.658 145,432 6 Santana(C) 1.8 204,648 Vitz 1.296 117,655 7 Accord(C) 2.0-2.4 175,361 Passo 0.996 98,883 8 Etranta(B) 1.6 171,605 Insight 1.339 93,283 9 CheryQQ(A) 0.8-1.3 163,903 Corolla 1.797 90,178 2.0-2.4 156,229 Alt 0.658 87,386 10 Camry(C) 9 中国自動車産業の「自主創新」 新規投資案件には5億元以上のR&Dセンター設置の義務付け 民族企業向け 自主開発能力の向上、自主開発車義務付け 合従連衡の推進 外資企業 技術導入の促進,外資進出の抑制 民族系企業のスタンス 外資系には頼らない 外資合弁企業ブランド車 ホンダ 理念 2011年2月 第1号になる予定 VW 北京及び上海等100万都市のユーザーをターゲットと し8,000ユーロ(約7万元) 2011年初頭 GM 宝駿630 SAIC-GM ベース価格は7000ドル(約60万円)マイカーエントリー 2011年初頭 10 10 中国自動車企業の技術開発力 カーメーカーの研究開発の問題点 部品メーカーに対する製品、生産技術指導力 システムインテグレーション技術 設計技術標準が整備 電池技術の研究開発の問題点 電池管理システム及び製品のシステムインテグレーション 電池管理システム及び製品の信頼性 使用寿命及び産業化プロセス 材料の安定性と均一性 生産は人手に頼り、電池の大量生産時の品質均一性 電池企業と材料企業が分離して協力性を欠く 中国モーターの発展趨勢と問題点 コア材料を永久磁石化 制御システムのデジタル化 システムのインテグレーション化 モーター制御器とDC/DCコンバーター体積、重量が大きい 自動車用に対する環境適応に 生産企業の規模の大型化、集団化が必要 11 中国自動車に係る環境・エネルギー問題 2010年の自動車登録台数は7000万台に達し、2020年には2億台になる。すでに大 気汚染の70%は自動車によると言われ大都市での交通渋滞が問題化。CO2は米国を 引き離す。2020年までにGDP当たりCO2を05年比40-45%低減 2020年までに再生可能エネルギーを現在の8%から15%に、原発比率0.8を8%に 中国のエネルギー消費量、世界一に=日本の5倍という効率の悪さが課題 日本が1万ドルの製品を生産に必要な石油量0.1トン、米国0.21トン、中国0.9トン 単位GDPあたり消費量は前年比4%の減少、総量6%の増加 単位GDPあたりのエネルギー消費量米国の3倍、日本の5倍 原油の海外依存、史上最高の55%、自動車急増で急拡大 石油消費全体に占める海外産の依存度が64.5% 自動車燃料が石油消費全体に占める割合は現在は45%、2020年に60~70% 中国はエネルギー効率の向上と3Rによって将来エネルギー輸出大国になれる 各国のCO2排出量(08年) 韓国2 イラン2 カナダ2 日本 インド 294 億㌧ EU ロシア 米国 国際エネルギ―機関調べ メキシコ1 中国 その他 12 12 代替燃料 ガソリン原油 原油 軽油 LPガス原油 天然ガス 天然ガス 石炭 オイルサンド等 バイオマス 水素 合成ガス CO/H2 水素添加 メテル エステル化 DME 水素添加 メタノ―ル GTL,GTL. BTL BDF原油 13 エタノ―ル 13 中国のエネルギー消費構造 当分石炭に依存 原油比率が下がり新エネルギーと逆転 90 80 70 60 50 40 30 20 10 原 炭 原 油 天然ガス 20 08 20 06 20 04 20 02 20 00 19 98 19 96 19 94 19 92 19 90 19 80 0 新エネルギー 14 14 中国2020年のエネルギー消費構造 天然ガス 2.82% 2003年 水力発電 6.45% (万 kW) (万 トン) 水力発電(万 kW) 原子力, 0.90% 風力発電(万 kW) バイオマス発電(万 kW) 原油 22.71% 太陽エネルギー発電(万 kW) バイオエタノール(万 トン) バイオディーゼル(万 トン) 石炭, 67.12% 原子力 3.20% 新エネルギ- 6.50% 2020年 水力発電 10.00% 2010年 天然ガス 8.60% 石油, 20.70% 2020年 出所:国家エネルギー局「中国能源発展報告2010」より作成 石炭, 51.00% 上海交通大学 黄震 2006JARIラウンドテーブル 中国の再生エネルギー導入目標 15 15 電源別発電電力構成比 電気自動車電源のクリーン度が問題となる 世界合計 6 41 アメリカ 2 50 中国 2 日本 11 20 27 19 8 16 63 17 8 3 48 12 フランス 1 5 4 15 27 79 ブラジル 3 2 4 3 7 28 46 ドイツ 2 15 7 2 15 23 18 4 0% 16 80 ロシア 3 インド 20 3 石油 石炭 天然ガス 原子力 水力 10 83 20% 40% 60% 80% 100% 出所:中国エネルギー統計年鑑2008 16 16 16 資源戦略 レアアース問題 中国のEV生産競争優位性戦略、日本の次世代自動車戦略(6つの戦略) 生産 インド 2% ブラジル 0.30% マレ―シア 0.20% 中国 97% 埋蔵 アメリカ 11.00% その他 28% インド 1% オーストラリア 6% 米国 15% 中国 31% CIS 19% 日本 30.00% 欧州 9.31% 消費 中国 65.20% 17 17 自動車に使用されるレアメタル・レアアース 日本のレアメタル国家備蓄:Ni,Cr.W,Co,Mo,Mn,V 部材、部品 自世代自動車 一般自動車 60日分 レアメタル/レアアース モーター/ジェネレーター Nd,Dy、B 2次電池 Li,Ni,Co,Mn、MM パワーコントロールユニット 周辺コンポーネント Y,Ta,In, Ga,Zr,Mo,Ni,Dy,B 触媒コンバーター Pt,Pd,Rh,Zr LED Eu,Y,Tb,La,Ce 鋼材 N.,Cr,Mn,Mo,V、Nd 球状黒鉛鋳物 La,Ce,Mg アルミ合金/非鉄合金 Mg,Ti,Ni,Cr.Mn,V 工具 Wo,Co 18 ガラス研磨剤 Ce 18 レアメタル、レアアースと電気自動車 自動車産業における需要変動動向(国内) 用途 需要変動動向 ニッケル(Ni) マンガン(Mn) 二次電池 コバルト(Co) リチューム(Li) ミッシュメタル(Mm) モータ ネオジューム(Nd) ディスプロシウ(Dy) 単位トン 日本の需要推定量 6,800➞17,700 2019 16-18万 70➞14,200 2017 120万 580➞ 7,000 2020 15,000 15➞ 3,100 2020 13,000(炭酸Li) 1,400➞ 2,600 2009 2,600(2008) 230➞ 2,200 2020 7,000(2008) 2019 500 50➞ 240 自動車生産台数予測 ガソリン ディーゼル 次世代自動車 合計 2010 6,555,000 833,000 1,021,000 840,000 2015 6,671,000 1,325,0001 1,819,000 9,815,000 2020 6,959,000 1,226,000 22,395,000 10,580,000 出所:金属資源レポート JOGMEC 2010/9 19 19 レアアース製品の中国進出モデル(中国側の提案) 中国 中国企業 レアアース 日本 日系企業 輸入 輸入材 精製材 現地生産 現地調達 精製材 永久磁石 永久磁石 永久磁石 モーター モーター モーター 中国進出 20 20 中国レアアース産業の現状 120000 中国のレアア-ス輸出量枠の推移 中国出口量 中国消费量 100000 (万㌧) 中国商務省の資料から 80000 60000 40000 20000 0 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 新材料 農業、軽工、紡 績業11% 51% ガラス・陶磁器 発光材料7% 11% 永久磁性材料 31% 石油・化学 水素貯蔵材料 7% 11% 冶金・機械 11% 21 触媒材料7% 21 自動車に使われるネオジューム磁石 22 出所:金属資源レポート JOGMEC 2011/1 22 中国の電気自動車発展のビジョン 車両購入補助金 FCV +20,000(広州) +60,000元(杭州) 地域公共車 一般自家用車 ディーゼル 長距離商用 60000元 EV 50000元 PHEV 地域自家用車 LSEV HEV 3000元 航続距離 23 電気 電気+化石燃料 水素、軽油,代替燃料 23 日中EV戦略 市場原理で開拓する日本 技術指向 ハイブリッド車先行 ハイブリッド車の量産でコストダウン ストロングHEV PHEV EV マイクロHEV 日産はEV先行型 マイルドHEV 公共投資で普及を図る中国 EV先行 PHEV 普及指向 EV マイクロHEV マイルドHEV 中国にも存在する市場原理型のEV LSEV PHEV 24 24 中国電気自動車中期目標 2015年目標 航続距離:EVで100~150kmに,PHEVはEV走行距離で30~50km程度 電池コスト:現状の1Wh当たり4..5元(約54円)を1.5元(約18円) エネルギー密度は現状の80Wh/kgを120Wh/kg 2020年目標 自動車全体での平均燃費20km/L 石油由来のCO2排出量を20%以上減 1000万トン以上の排出量削減 中国国内で電池の生産能力;2009年時900GWhを2020年に4000GWh 電気自動車性能目標 2010年末までに,30kWh程度の電池を搭載 1充電当たり航続距離 EVで160~250km, PHEVのEV走行距離で50~70km 小型電気自動車を15万台普及 今後5年で,100以上の標準仕様を策定する 電池のエネルギー密度を250Wh/kg 400Wh/kg 出力密度は5000W/k 各社第12次5ヵ年計画 一汽}新エネ、自主開発事業に90億元追加投資、新エネ車10モデル投入 「上汽」GMと海外事業技術提携強化 「東風」30億元投入 新エネ車5万台生産体制整備 {奇瑞」海外市場への投資拡大、新エネ車、省エネ車年5万台販売生 産体制整備 「広汽」2015年新エネ車生産販売20万台 自主ブランド開発強化 25 環境重点都市(10城1000輌、13都市、25都市) 2012年までに新車販売の10%をエコカーにするプロジェクト 13都市 長春、大連、済南、北京、上海、杭州、合肥、南昌、長沙、武漢 重慶、広州、昆明、 20都市 天津、海口、鄭州、アモイ、蘇州、唐山、広州 5都市 試験対象都市は上海、長春、深セン、杭州、合肥 (上海汽車、第一汽車、BYD、吉利汽車、衆泰集団、奇瑞汽車、BYD汽車) ★ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ★ ☆ ☆ ☆ ★ ★ ★ 26 10城1000輌の実施状況 国内13都市ですでに1万2000台のエコカーが導入 杭州市の事例 2012年末までに電気自動車2万台の普及を目指す 個人所有新エネルギー購入者に対し最大6万元の補助金を出す。政府補助 金の6万元と合わせ最大12万元 インフラは市内に充電スタンド4ヶ所、バッテリー交換スタンド38ヶ所 器を3500台建設する計画 杭州、EVタクシーの運行が正式にスタート 衆泰(zotye)「朗悦」と海馬(haima)「普力馬」の2車種新EV車30台バッテリー は交換式で5分。現在、市内では古翠、西渓、城北の3ヵ所に充電スタンドが 設置されている。さらに新たに4ヵ所を建設中で、今後3000台のEVタクシーに サービスを提供するということです 充電 航続距離は80キロ 27 27 2009年中国原動機付き車両保有構成(万台) 農民車等, 1463.35, 8% 自動車, 7741.65, 41% 2輪車, 9453.07, 51% 中国汽車市場年鑑 2010 28 中国の電気自動車充電設備網 「中国は世界で最もEV充電設備網が整った国になった」 中国の電気自動車(EV)充電施設テストプロジェクトの建設が完了 87カ所の標準化充電所、5179台の充電設備 国家電網公司が12件のEV充電・電池交換に関する国家基準の制定 充電・電池交換設備基準枠組システムを構築、EV電池特性実験室 を建設し、4種類の電池の交換設備を研究・開発、114件の特許 を出願して40項目の授権を取得し 充電インフラの問題点 EV専用スタンドが営業されているが、EV路線バスや清掃車などが 利用するにとどまっている。 バッテリーやコンセントの規格がまだ統一されていない。 バッテリーの性能や航続距離も充分とは言えず、普及の足かせに なる 29 29 電動大型バス BYD K9 インホイールモータ-- EV化の先導的役割を果たしている。大手中国自動車メーカーは大型 電気自動車バスの製造を行っいる。 電動大型バスは各地で実用段 階にあり上海市を訪れると誰でも実感を持つことであろう。現在中 国の大都市は大気汚染が悪化しており、ガソリン2輪車は使用が制限 され、電動化されている。同様に市内路線電動バスの需要は多く、 電動バス産業は活況を呈している。 上海ではキャパシターバスも運行されている。最新のEVバス用電池 は、放充電回数1000回、走行距離50万キロもの電池寿命を持つ。最 高時速は110キロに達している。 30 30 低価格小型タクシー 価格は実用域に近付き電池交換式により一部の都市て実用化 衆泰 「LERIO EV」 販売価格は21万元で,政府などの補助金 を考慮すれば10万8000元(約130万円)で 購入できる 電池は中航集団の電池会社から調達 容量は32kWh 車両重量 1385kg 航続距離 約200km 萬得国際 販売価格が6万元の安価なタクシー 2011年内発売予定 中国において「年間数千台」(同社) 電池の容量は36kWhモジュールの開発 Jinzhou Jiade Energy Co., Ltd.(佳得能源) 電流容量 100Ah 車両重量 1300kg 最高速度70km/h 31 航続距離 150km 低速電気自動車 法整備によりEV普及の起爆剤として期待される 販売価格は国内向けは2.9万元、対米輸出は廉価モデルは5,000ドル、 リチュームイオン電池搭載車は11,000ドルである。これらの低速電気 自動車は都市型短距離コミューターカーであり、今後中国で増加する 高齢者や都市の主婦などがユーザー層となるといわれている。最高速 は時速50kmが多く航続距離は最低100kmで150kmをカバーしているモデ ルもある。欧米に数万台輸出されており、排ガス認証と安全試験が無 いため中国から米国に輸出される唯一の自動車である。 32 中国市場の電気自動車 出所:モーターショー撮影等 33 33 充電方式 電池 整流器 電源 送電コイル 受電コイル 車両側の整流器へ 磁束 受電コイル 交流電波 電源 送電コイル 34 蓄電ステーション 35 省エネ車燃費 排気量が1600cc以下の小型車の自動車取得税の減税、10%、5% 2010年末打ち切り 省エネ車への3000元の補助金は継続、ハイブリッド車は省エネ車扱い 2011年工業信息化部発表の「軽型自動車燃料消費量通告」には全 154社、1万1,551件の軽型自動車燃料消費量データを掲載、車種は89 車種 軽型自動車の定義は3,500キログラム以下の乗用車及び軽型商 用車 大型商業車燃費基準は導入検討中 燃費基準 車両整備質量(CM) kg 手動変速機付き車両 L/ 自動変速機付き車両 L/ CM≤750 5.2 5.6 750<CM≤865 5.5 5.9 865<CM≤980 5.8 6.2 980<CM≤1090 6.1 6.5 1090<CM≤1205 6.5 6.8 1205<CM≤1320 6.9 7.2 1320<CM≤1430 7.3 7.6 36 1430<CM≤1540 7.7 8.0 36 1540<CM≤1660 8.1 8.4 EV基幹部品の新たな技術提携 EV技術換市場を超えた新たな技術提携 共同開発 合弁 提携先企業間 無条件技術供与 提携会社間 EV車生産 知的財産権の共有 自主ブランド開発車 産学官コンソーシアム 同済大学 外資系と民族系カーメーカー 民族系カーメーカーと部品メーカー 特に電池メーカーとEVメーカー 中独各科技部、両国大学 中国民間企業連携 中国国有企業の「電気自動車産業連盟」 米中連携 トップレベル 37 37 電気自動車とスマートグリッド産業における日本の強み 要素技術の国際優位性だけに安住せずシステム分野に橋頭堡を確立 大陽光パネル 蓄電池 LED <2008年> <2008年> <2008年> その他 15% 米国 12% 台湾 12% ドイツ 17% 中国 26% 日本 18% (出所)PVNews.2009.4より 経済産業省作成 (注)生産量べ-ス その他 15% 中国 15% 日本 48% 韓国 22% (出所)IT総研資料より 経済産業省作成 (注)出荷量べ-ス 世界で最も高品質 高出力、小型化、高効率で (高効率、長寿命、低価格) 圧倒的シェア インバ-タ- その他 35% 日本 44% 台湾 6% ドイツ 韓国 7% 8% (出所)富士キメラ総研資料より 経済産業省作成 (注)出荷量べ-ス 高効率、長寿命が強み <2009年度> その他 33% 日本 28% フランス ドイツ スイス 14% 12% 13% (出所)みずほ証券エクイティ調査部資料より 経済産業省作成 (注)金額べ-ス 高い変換効率が強み 38 出所:経済産業省 38 結言 現在 中央・地方政府の高い目標と巨額の公共投資による電動化推進 計画通りの普及に慎重な一般消費者、学識経験 過熱気味のEV関連産業 電池、充電機、EV改造、低速EV 急がれる標準化:電池充電装置 中国に集まる世界の技術、資本、ビジネス 将来 10年間の実証試験を経て2020以降に一般に普及 普及は世界に先行 スマートグリッドの構築 今後のハードル:自主開発力、人材確保、環境・エネルギー・資源 不確定要素による普及の進展 予想を超えた石油危機、予想を超えた技術革新、量産効果 最大のEV市場 39 謝 謝 大 家 日中自動車交流協会 渡部 陽 (AKIRA WATANABE) [email protected] 40
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