平成24年度第 1 回通常総会挨拶 会長 宮下充正

平成24年度第 1 回通常総会挨拶
会長
宮下充正
「歩け歩けの会」から始まり「日本歩け歩け協会」、そして「日本ウオーキン
グ協会」と改称しながら、2012 年には創立以来 48 年という半世紀近い歴史を持
つ協会となりました。
現在、地方協会との間にネットワークを持ち、年間数え切れない大小のウォ
ーキング・イベント、ウォーキング研修会が開催され、300 万人近い人びとの参
加を得ています。
そして、総務省の発表によれば、合計すると 3,020 万人と推定されるウォー
カー愛好者たちの中核となる全国組織となるに至りました。
出発点は、それぞれの地域でのウォーカーが“楽しく歩く”というものであ
りましたが、その後、それぞれの“歩く会”が手を結びあって、成長・拡大し、
今日では厚生労働省、環境省から認可される社団法人となるまでに成熟したの
です。
このように、多くの人びとに楽しさを与えるというウォーキングは、生理・
生化学的な基礎研究、疫学的調査・研究によって、国民の健康保持に有効であ
ることが重視されるようになりました。
例えば、生活習慣病、メタボリックシンドロームの予防・解消、運動器のリ
ハビリテーション、そして、うつ症状の軽減、認知症の予防などの分野で効果
があることが実証されるようになったのであります。
しかしながら、本協会は「健康のため、環境のため、歩くことを通じ歩ける
ことに感謝し、大人も子どもも歩くマナーを守り、日本と世界へその楽しみを
広げよう」という運動指針を掲げる一方で、その運動を支える財政面で、時代
の変革に遅れてしまいました。
その結果、次のような事態を招くことになりました。
①各地方協会との情報交換や運営方針の共有を怠り、中枢機能の役割を失って
しまったことです。
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そこで、私は、昨年 6 月末の会長就任以来 1 年間、できる限り全国のウォー
キング大会へ参加してまいりました。各大会の実行委員会の方々が厳しい経済
状況の下で、自治体や民間企業からの支援を受けて、参加者が満足できる大会
が開催されていることを間近に知ることができました。
また、地元の新しい参加者が増えつつあること、そして、若い年齢層が増え
てきていることも、今後の見通しが明るいものではないかと感じた次第です。
②会員の高齢化が進み、退会者が毎年続くという事態に対応し、新しい会員
加盟を促す努力を怠ってきたことです。
そこで、「Walking
Life」を通して会員のみなさんへ、新しい人たちの入会
を促すことをお願い申し上げました。私も、微力ですが働きかけ、鹿児島から
北海道までの知人約 30 名が新規に入会してくれました。会員の方々が 1 人でも
2 人でも、勧誘してもらえれば、心強い限りであります。
本協会が現在直面している最重要課題は、法人改革にともなって「特例民法
法人」から「公益社団法人」への移行であります。これは、来年の 11 月までと
いう時限付きでありますから、待ったなしに取り組まなければなりません。
既に、新しい「定款」と、それに伴う諸規定の改定について、厚生労働省、
環境省および内閣府と協議し、関係性を保ちながら着々と準備を進めていると
ころであります。
最大の難関は、現在抱えている未払い金額であり、未払い金の返済を確かな
方法で行なえるという信証を内閣府へ提出することが、必須な要件であります。
そのためには、先に述べたように個人、団体を問わず正会員を増やすことがあ
げられます。年額 1 万円を納入する正会員を 3000 人増やせば、年間 3000 万円
の収入増が見込まれます。
次に、関連企業の製品について、公認、推薦などの名目で、収入を得ること
です。この点に関しては、現在営々と努力しているところであります。
加えて、ウォーキング大会を主催あるいは共催している多くの市町村長から
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「ウォーキング大会は市民を活性化させ、健康増進に極めて有効であること、
そして、その大会を統括する役割を果たしている日本ウオーキング協会は、
真に公益法人として相応しい」という応援メッセージを、連名で内閣府へ提出
してもらうことが、大きな力となると信じております。
私は、本協会の目標は、
“多くのウォーキング愛好者から、歩く楽しみを失わ
せない”、
“ウォーカーが集うウォーキング大会の開催に支障のないようにする”
の 2 つであると思っています。
この目標達成のために、協会が「公益社団法人」へ移行することが有効であ
ることは申し上げるまでもありません。
その支えとして、様々な人たちから理解を得て支援をしてもらうこと、
そして、ウォーキングの望ましい普及を図るウォーキング指導者を育成するこ
とが挙げられます。
本総会に出席された皆様方のご理解とご協力をお願いし、私の挨拶といたし
ます。
以上
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