阿久比町立南部小学校

第21集
平成22年度
教育実践記録
阿久比町立南部小学校
目
刊
Ⅰ
学
1
校
運
次
行
に
よ
営
せ
て
・・・・・・・・・・・・・・ 1
教育の基本方針
(1)
(2)
(3)
本校の教育目標
経営方針
本年度の重点努力目標
《各学年の重点努力目標》
(4) 学 級 の 状 況
(5) 1 年 間 の あ ゆ み
Ⅱ
現
1
2
3
4
5
6
Ⅲ
職
教
育
の
概
要
・・・・・・・・・・・・・・ 7
はじめに
主題設定の理由
研究の方法
本年度の研究推進
授業実践
研究の成果と今後の課題
各
学
年
の
授
業
実
践
・・・・・・・・・・・・・ 15
1年生の実践
2年生の実践
3年生の実践
4年生の実践
5年生の実践
6年生の実践
Ⅳ
そ の 他 の 記 録
平成22年度 学校予算等
平成22年度 工事・修繕の記録
学校職員名簿
・・・・・・・・・・・・・・ 45
刊行によせて
子どもたちの確かな学びを実現するためには,目を輝かせて学習に
取り組む児童の姿勢が大切です。「なぜ?どうして?」から始まり,
「へえ,そうなんだ」といったつぶやきが聞かれるような,児童がわ
かる喜び,できる楽しさを味わうことのできる授業でありたいもので
す 。 そ こ で , 平 成 20年 度 か ら , 現 職 教 育 の テ ー マ を 「 わ か る 楽 し い 授
業づくり」とし,よりよい授業を創造する教師の技量を高めるため,
副題を「授業力の向上をめざして」と設定して,3年間にわたり,実
践を積み上げて参りました。
授業前に知らなかったこと,できなかったことが授業後に分かった,
できたという喜びを積み上げていくことが,児童の自信を少しずつ育
て,自尊感情を育成し,向上心を高めていくことになると考えていま
す。
つたない授業実践ではありますが,教師一人一人の技量を一つでも
二つでも向上させることができたと考えています。研究実践前にでき
なかった指導が,実践後できるようになる成功体験を教師も味わい,
その上で自信をもった学習指導ができるようになってきた姿が一番の
成果であると思います。研究協議会を通じて,①学習過程の工夫,②
教材・教具の工夫,③話し方・教材の提示の工夫,④体験的な活動の
工夫,⑤賞賛の仕方等それぞれの視点で授業を見直し,教師のひとこ
とが大きく授業展開を左右することを学びました。
研究仮説「『わかる楽しい授業』を行えば,児童は自主的・主体的
に学ぶであろう」と打ち立てて,授業実践を積み重ねてきました。こ
うした視点での取り組みは一定の成果を上げてきたと思いますが,教
師の発問と子どもの意見の取り上げ方,指名方法,机間指導と机間巡
視,板書の工夫,発表方法と話型,学習規律の確認など,学習基盤の
確立こそが急務であると気づきました。わかる楽しい授業づくりには,
こうした教師力の確立が喫緊の課題です。
平成23年3月
阿久比町立南部小学校長
河
合
健
治
Ⅰ
学
校
運
営
1
教育の基本方針
(1)
本校の教育目標
自他の生命や価値を尊び,心身ともに健康で,豊かな人間性をもち,たくましく
生きる児童を育成する。
校訓
・強
く
・明 る く
・より高く
(2)
⇒
教育目標
心身ともに健やかで,たくましく生きる児童
(たくましい子)
思いやりの心をもち,互いに励まし助け合う明るい児童
(心豊かな子)
常に一歩高い目標をかかげて,自ら学ぶ意欲のある児童
(努力する子)
経営方針
「知・徳・体」の調和のとれた児童の育成を目指し,全職員の創意と協同
の精神により,温かく活力に満ちた教育活動を推進する。
ア
安心・安全を基盤に,子どもを主体とした学ぶ喜びを味わえる楽しい学校づく
りを目指す。
イ 心身ともに健康で,笑顔であいさつのできる豊かな人間性と優れた社会性を育
む。
ウ
子どもたち一人一人の生きる力を増強させる特色ある教育活動を推進する。
エ
家庭・地域とともに築く魅力ある信頼される学校づくりに努める。
(3) 本 年 度 の 重 点 努 力 目 標
ア
楽しく,生き生きとした学校生活を送るために
励まし,褒める,叱るをモットーに,共感的な立場で接し,子どもと心の糸
を結ぶ。
○ 一人一人の子どもの自尊感情を育成し,その子その子に応じた判断を促すよ
う心がける。
○ あらゆる場面で,素早く・誠意ある対応を心がけ,いじめ・不登校を根絶す
る。
○
イ
豊かな人間性と優れた社会性をもつ子どもを育てるために
挨拶・返事など,基本的な生活習慣の確立を通して,心身共に健康な体づく
りを目指す。
○ 異学年交流を通して,認め合い,助け合う,心通う学校づくり・人づくりを
目指す。
○
ウ
特色ある教育活動のために
新学習指導要領の精神を理解し,「生きる力」を増強する教育活動の創造に
努める。
○ 幼保小中一貫教育「目指す子どもの姿」の具体像を念頭に,その実現に努め
る。
○ 基礎的な学力の定着を図るとともに,子どもたち一人一人の学習適正を的確
にとらえ,個性の伸長に生かす。
○
- 1 -
エ
○
○
家庭・地域との連携のために
学校だよりやホームページ等の充実を心がけ,情報発信に努める。
地域の教育力と保護者ボランティアなど,学習活動への支援と協力態勢の具
現化を図る。
《各学年の重点努力目標》
学年
努
目
標
努
力
事
項
なかよくする子
・げんきよくあいさつをしよう。
・みんなとなかよくしよう。
・しっかりはなしをきこう。
元気でがんばる子
・大きな声であいさつをしよう。
・みんなと力をあわせよう。
・さいごまでやりとげよう。
たすけあう子
・明るくあいさつをしよう。
・みんなとたすけあおう。
・さいごまでやりとげよう。
たくましい子
・笑顔であいさつをしよう。
・みんなで協力しよう。
・最後までやりとげよう。
5
考え実行する子
・自分の思いを素直に表現しよう。
・相手の気持ちを考えて行動しよう。
・何事にも挑戦する気持ちをもとう。
6
協力し前進する子
・何事にも負けない強い心をつくろう。
・相手の立場に立って行動しよう。
・進んで取り組み,やり通そう。
1
2
3
4
(4 )
力
学級の状況(児童数は平成23年2月 )
1
年
1
2
1
2
3 1
2
1
2
1
2
稲
國
柴
嶋
深
真
鈴
都
青
大
垣
吉
田
谷
谷
鍋
木
築
木
男
17
16
15
15
15
16
16
13
女
12
12
14
12
13
21
22
計
29
28
29
27
28
37
38
組
2 年
3年
4年
5 年
6年
特 学級数
3
1 2
4 15学 級
影
平
寺 知
榊
村
近
野
田 﨑
原
12
12
12
11
15 16
1 202名
23
24
16
15
16
19 19
1 239名
36
36
28
27
27
34 35
2
69
2
担任
441名
学年
57
84
75
72
- 2 -
82
(5 )
1年間のあゆみ
4月
1日 (木 )
赴任者
校
長
河合
(鬼崎南小より)
校 務 主 任
林
(英比小より)
教
諭
鈴木
(西浦北小より)
教
諭
嶋谷
(新規採用)
教
諭
影近
(新規採用)
非常勤講師
田中
非常勤講師
伊藤
6日 (火 )
平 成 22年 度
入学式
7日 (水 )
一学期始業式
新 1年 生
男 子 33名
女 子 24名
1年 生 を 迎 え る 会
8日 (木 )
通学団会
9日 (金 )
給食開始・学力テスト
12日 (月 )
1年 生 給 食 開 始 ・ 保 護 者 補 助 (~ 16日 (金 ))・ 体 位 測 定
13日 (火 )
知 能 テ ス ト (2,4,6年 生 )・ 体 位 測 定
内 科 検 診 (高 学 年 )フ ッ 素 洗 口 開 始 (2~ 6年 生 )
14日 (水 )
なんブックさんの会・学区会評議員会
15日 (木 )
委員会・歯科検診
16日 (金 )
離任式
離任者
榊原
(退職)
印東
(東部小学校へ)
安井
(退職)
山本
(大府小学校へ)
石川
(乙川東小学校へ)
坂野
(加木屋南小学校へ)
20日 (火 )
内 科 検 診 (低 )
21日 (水 )
眼科検診
22日 (木 )
PTA総会
授業参観・学級懇談会
クリーンセンター見学
23日 (木 )
4年 生
耳鼻科健診
家 庭 訪 問 (~ 30日 (木 ))
26日 (月 )
地震避難訓練・家庭訪問・クラブ紹介
27日 (火 )
心 電 図 (1,4年 生 )・ 家 庭 訪 問
30日 (金 )
な か よ し 遠 足 (弁 当 )
(1・ 4年 : 丸 山 公 園 , 3・ 5年 : 卯 ノ 山 公 園 , 2・ 6年 : 南 吉 記 念 館 )
5月
8日 (土 )
P T A 地 区 対 抗 球 技 大 会 (ド ッ ジ ボ ー ル )
- 3 -
11日 (火 )
体力テスト
低学年
12日 (水 )
体力テスト
高学年
14日 (木 )
学 校 訪 問 (瀧 塚
指導主事)
4-1研 究 授 業
都 築 先 生 (理 科 )
5-1研 究 授 業
大 村 先 生 (図 画 工 作 )
18日 (火 )
耳 鼻 科 健 診 ( 3,4,6年 )
19日 (水 )
町陸上大会
21日 (金 )
不 審 者 対 策 避 難 訓 練 ・ グ リ ン ウ ェ ー ブ 植 樹 (音 楽 室 西 ド ン グ リ 5本 )
26日 (水 )
修学旅行
28日 (金 )
6年 生
奈 良 (~ 27日 (木 ))
小 学 生 国 際 交 流 会 (フ ェ ン シ ャ ン 小 学 校
児 童 10名
マ リ モ フ ァ ー ム (イ チ ゴ 狩 り )
6月
1日 (火 )
交 通 教 室 (3,4年 生 )
2日 (水 )
交 通 教 室 (1,2年 生 )
4日 (金 )
田植え
7日 (月 )
風水害避難訓練
8日 (火 )
プ ー ル 清 掃 (5年 生 )
9日 (火 )
プ ー ル 清 掃 (4年 生 )
11日 (金 )
救 急 法 講 習 会 (職 員 )
12日 (土 )
親子ふれあい学級
15日 (火 )
ホタル学習
5年 生
2-3研 究 授 業
指導:梛野さん
3年
JA女 性 部
公開授業
(加 川 先 生 )・ 居 住 地 交 流 ( 石 垣 )
深 谷 先 生 ・ 今 井 先 生 (算 数 )
16日 (水 )
フッ素説明会
給食試食会
17日 (木 )
民生児童委員との懇談会
18日 (金 )
あ い さ つ 運 動 (~ 24日 (木 ))
21日 (月 )
読 書 キ ャ ン ペ ー ン (~ 7/2日 (金 ))
22日 (火 )
キャンプ説明会
24日 (木 )
6年 生 菊 植 え
講師:竹内さん
7月
1日 (木 )
学校保健委員会
2日 (金 )
特別支援学級交流会 名古屋港水族館
3日 (土 )
親子ビーチボールバレー大会
5日 (月 )
1-1研 究 授 業
6日 (火 )
4年 浄 水 場 ・ ガ ス エ ネ ル ギ ー 館 見 学
稲 垣 先 生 (国 語 )
11日 (日 )
参議院選挙
12日 (月 )
個 人 懇 談 会 (~ 14日 (水 )) ・ 地 域 へ の 苗 配 布 (コ ミ ュ ニ テ ィ )
16日 (月 )
4-2研 究 授 業
20日 (火 )
1学期終業式
21日 (水 )
水 泳 教 室 (~ 26日 (月 ))
26日 (月 )
小 学 生 海 外 派 遣 事 業 (~ 31日 (土 ))
28日 (水 )
野外教育活動
青 木 先 生 (算 数 )
5年 生 (~ 29日 (木 ))
- 4 -
児 童 6名
引 率 2名 来 校 )
8月
2日 (月 )
6年 出 校 日
菊の植え替え
4日 (水 )
町現職教育全体会
6日 (金 )
特別支援教育校内研修
講師:竹内さん,新海さん
22日 (日 )
P T A 除 草 作 業 ・ 5・ 6年 出 校 日
23日 (月 )
全校出校日
9月
1日 (水 )
2学期始業式
大地震想定引き渡し訓練
2日 (水 )
給 食 開 始 ・ 起 震 車 体 験 1・ 2年
4日 (金 )
半 田 消 防 署 見 学 4年
7日 (火 )
1年 フ ッ 素 洗 口 開 始
16日 (木 )
後期児童会役員選挙
25日 (土 )
運動会
30日 (木 )
2-2研 究 授 業
嶋 谷 先 生 (道 徳 )
10月
5日 (火 )
2年 ビ ー チ ラ ン ド 見 学
6日 (水 )
稲 刈 り 5年
7日 (木 )
1-2研 究 授 業
12日 (火 )
就学時健診
13日 (水 )
5-3研 究 授 業
14日 (木 )
校 区 探 検 2年
17日 (日 )
OBビーチボール大会
18日 (月 )
阿 久 比 町 親 子 ふ れ あ い 読 書 キ ャ ン ペ ー ン (~ 11月 13日 (土 ))
22日 (金 )
3-2研 究 授 業
25日 (月 )
秋 の 読 書 週 間 (~ 11月 12日 (金 ))・ 下 校 パ ト ロ ー ル
5-2研 究 授 業
國 吉 先 生 (国 語 )
平 野 先 生 (国 語 )
鈴 木 先 生 (図 画 工 作 )
影 近 先 生 (国 語 )
26日 (火 )
福 祉 実 践 教 室 5年
29日 (金 )
阿久比町幼保小中一貫教育実践発表会
30日 (土 )
あぐい教育の日・授業公開
講演「子育てdoするⅢ」
11月
2日 (火 )
ぶんぶんさん読み聞かせ
2-3
深 谷 研 究 授 業 (阿 久 比 町 生 活 科 部 会 )
4日 (木 )
租 税 教 室 6年
5日 (金 )
1, 2年
生活科「あきをさがそう」:しあわせ村
社会見学
3年 : 名 古 屋 市 農 業 文 化 園
4年 : 木 曽 山 川 公 園
5年 : ト ヨ タ 自 動 車
6年 : リ ト ル ワ ー ル ド
6日 (土 )
親子ふれあいウォーク
8日 (月 )
6-1研 究 授 業
寺 田 先 生 (国 語 )
9日 (火 )
2-1研 究 授 業
柴 田 先 生 (学 級 活 動 )
- 5 -
10日 (水 )
火災避難訓練
15日 (月 )
マ ラ ソ ン 運 動 (~ 12/1日 (水 ))
16日 (火 )
6-2研 究 授 業
18日 (木 )
あ い さ つ 運 動 (~ 24日 (水 ))
25日 (木 )
学校保健委員会
25日 (木 )
収 穫 祭 2年
30日 (火 )
3-1研 究 授 業
知 﨑 先 生 (社 会 )
真 鍋 先 生 (体 育 )
12月
1日 (水 )
祖 父 母 に 学 ぶ 会 (3年 )
2日 (木 )
校内マラソン
13日 (月 )
個 人 懇 談 会 ( ~ 15日 (水 ))
22日 (水 )
2学期終業式
7日 (金 )
3学期始業式
14日 (金 )
阿久比中学校
24日 (月 )
給 食 週 間 ( ~ 28(金 ))
25日 (火 )
C R T 4年
1月
入学説明会
性 教 育 (2年 )
2月
1日 (火 )
な わ と び 運 動 (~ 14日 (月 ))
4日 (金 )
町現職発表会
7日 (月 )
下校パトロール
8日 (火 )
見守り隊感謝の会・交流給食
民生・児童委員との懇談会
9日 (水 )
阿 南 ま つ り (イ ン フ ル エ ン ザ に よ り 延 期 )
15日 (火 )
学 校 公 開 ・ な わ と び 集 会 ・ 1/2成 人 式 (校 内 )4年 ・ 携 帯 安 全 教 室 6年
17日 (木 )
家 推 協 芸 術 鑑 賞 会 「 チ ロ ヌ ッ プ の き つ ね 」 (人 形 劇 )
18日 (金 )
入学説明会
22日 (火 )
阿 久 比 町 1/2成 人 式 4年 (エ ス ペ ラ ン ス 丸 山 )
24日 (木 )
児童会役員選挙
2日 (水 )
6年 生 を 送 る 会
3月
なんブックさん感謝の会
4日 (金 )
愛 校 作 業 6年
7日 (月 )
通学団会
10日 (木 )
平 成 23年 度 見 守 り 隊 出 発 式
17日 (木 )
6年 生 給 食 終 了 ・ 卒 業 式 準 備
18日 (金 )
卒業式
22日 (火 )
給食最終
24日 (木 )
修了式・学区会理事会
- 6 -
Ⅱ
現
職
教
育
の
概
要
わかる楽しい授業づくり
-授業力の向上を目指して-
1
はじめに
「先生,縄文人はどんな言葉を話していたか知ってる」と得意そうな顔で児童が問い
か け て く る 。 単 に , 教 科 書 の 内 容 に と ど ま ら ず, 学 習 し た 内 容 か ら 飛 び 出 し , 様 々 な
視点から学習をして,自主学習ノートに6年生が取り組んでいる。時には,先生がたじ
たじとなってしまうこともある。
児童の確かな学力を高めるためには,児童自ら課題をつかみ解決しようとする学習が
行われることが必要である。主体的な学習態度や学ぶ意欲を引き出すには,様々な工夫
が 必 要 で あ る 。 本 校 は 平 成 20年 度 か ら 3 年 計 画 で 現 職 教 育 の テ ー マ を 「 わ か る 楽 し い 授
業づくり」,副題を「授業力の向上を目指して」として研究を進めてきた。3年間の研
究で明らかになってきたことをまとめる。
研究の中で,児童の確かな学びを実現するためには,教師一人一人の授業力アップを
進めること,教師としての力量を向上させること,児童の基本的な生活習慣,学習習慣
を確立することが大切であることを確認したい。
2
研究のねらい
児童が主体的に学ぶ態度や意欲的な学習活動を引き出すためには,「わかる楽しい授
業」をすることが大切であると考えた。そこで,児童にとってわかる楽しいとはどんな
ものかを明らかにし,授業実践の中に実現することをねらいとした。
(1)「 わ か る 楽 し い 授 業 」 と は
○児童が生き生きと活動し,参加したくなる授業
○児童が目を輝かせる授業
○感動がある授業
○児童が学ぶ喜びにあふれる授業
○知的好奇心を刺激する授業
○学んだことが役に立ち意欲がわく授業
(2)児 童 が 目 を 輝 か せ , 学 ぶ 喜 び が 味 わ え る よ う な 授 業 実 践 の 方 策 と は
○指導過程の工夫
○教材・教具の工夫
○話し方・教材提示の工夫
○体験的な活動の工夫
○賞賛の工夫
3
研究仮説
「わかる楽しい授業」を行えば,児童は
自主的・主体的に学ぶであろう。
4
水 な ん て 怖 く な い
学ぶ楽しさの構造
2年間の研究を進める中で,学ぶ楽しさの階層構造が明らかになってきた。
- 7 -
(1)
学ぶ過程の中にある楽しさ
(学ぶ内容に関わらない)
○活動する楽しさ
○成功する喜び
(2) 興 味 を 引 く 内 容 を 学 ぶ 楽 し さ
○知る楽しさ
○できる喜び
○発見する喜び
(3) 自 ら 課 題 を 見 付 け 解 決 す る 楽 し さ
○課題発見の楽しさ
○生活に生かす楽しさ
学ぶ楽しさの構造図
下の表は,この構造図に従ってこれまで
に実践してきた授業を整理したものである。
わ か る 楽 し い 授 業 「 楽 し さ 」 の 類 型 と 具 体 的 な 手 立 て (一 部 抜 粋 )
類型
認められる楽しさ
活動する楽しさ
意欲をもた せる教材
学ぶ過程の中 にある楽しさ
見た目の
楽しさ
段階
面白さ
学年 教科 単元
手立て
想像する楽しさ
1年 国語 くじらぐも
視 覚的提 示
見付ける楽しさ
1年 算数 ながさくらべ
なぞなぞのような感覚で学習を進める。
できる楽しさ
3年 算 数 3 位数 の たし ざん ひき ざん
3位数の加減をお金の模型,お菓子の空き箱を使って視覚化させる。
認められる楽しさ
1年 国語 自動車比べ
発表 の上手 だった児童 にメダルをあげ る。
学んだこと を生か す楽しさ
1年 国語 「は」「を」「へ」を
ジェスチャーを見て文を当てる。
校 内L A N・ グー グルア ー スを使 ってく じ らぐ も に 乗った感 じ を味 わわせる 。
つかって かこう
表現する楽しさ
2年 国語 だいじなところに気
場面を4コマの絵にして整理して読み取を深め,会話文を考えさせる。
を付けて読もう
見付け出す楽しさ
2年 国語 漢字を正しく読んだ
トランプゲームで漢字を考えさせる。
り書いたりしよう
できる
楽しさ
分かる・発見
する楽しさ
興味を引く教材
内容を学ぶ楽しさ
形を作 る楽 しさ
4年 算数 面積
表現する楽しさ
5年 外国語活動
解き方が分かる楽しさ
2年 算数 かくれた数はいくつ
自分たちが問題をつくり,それをみんなで解いていく。
言葉の広がりの楽しさ
3年 国語
伝言ゲームをする。
発見する楽しさ
3年 社 会 店 で はた らく 人びと の しご と
子ど も店長になったつ もりで発表す る。
知る楽しさ
6年 理科 土地のつくりと変化
化石の観察を観察させる。
発見する楽しさ
4年 国語 白いぼうし
色に関わりる言葉を探す
パズル的な活動
言われたとおり
くわしくする言葉
形作りの活動を通して,周囲の長さと面積について考えさせる。
ジェスチャーをする。
「白いぼうし」を色に着目して物語を読み
進めさせる。
発見の楽しさ
4年 算数 折れ線グラフ
水を加熱する実験を行う
気付く楽しさ
6年 国語
友達の発表を聞く
うれしい気持ちにさせる言葉を見付け,言葉の
働きに気付かせる。
課題を発見
する楽しさ
5年 理科 電流が生み出す力
磁石と電池,リード線1本,鉄釘1本でモーターを作る 未来の自動車
をデザインする。
発見する楽しさ
6年 図工 水彩画
観察し概念を変える。手をよく観察させ,色の違いに気付かせ,重ね
ぬりの手法で,手をかかせる。
生活に生か
す楽しさ
自ら課題を見付け解決する楽しさ
発展教材
工夫する楽しさ
実験の面白さを知る楽しさ
6年 理科 水溶液の性質
ナスの漬け物の汁を使った実験をする。
創造する楽しさ
5年 社会 米 づくりのさかんな地域
各 自 が 農 家 に なっ た つ も り で ,こ れ か ら 自 分 が ど ん な 農 業 を し て い く か に つ い て 考 え る。
見て・感じて・考える楽しさ
6 年 図 画 工 作 自 信 を も っ て (鑑 賞 )
ブレーンストーミングを用いて価値の多様性を引き出す。
聴いて・感じて・考える楽しさ
6 年 図 画 工 作 自 信 を も っ て (版 画 )
ス チ レンボ ー ド 版画 を用いて色 に 対 する 感覚や 形の 構 成力を高 め,価 値の 多 様性を 引き 出す。
- 8 -
5 研究の進め方
(1) 低 ・ 中 ・ 高 学 年 の 3 部 会 に わ か れ て , 発 達 段 階 に 応 じ て 授 業 研 究 を 進 め る 。
(2) 各 部 会 で 指 導 案 の 検 討 を 行 い , 全 員 が 1 年 間 に 1 回 以 上 の 研 究 授 業 を 行 う 。
(3) 児 童 が 楽 し い と 感 じ , 学 習 意 欲 を も て る 授 業 展 開 を 工 夫 す る 。
○児童がわかる楽しいと感じる場面
○指導の力点に「わかる楽しさ」を明記
○具体的手立ての記述
(4)A 4 用 紙 1 枚 の 簡 易 指 導 案 を 作 成 す る 。
(5)授 業 後 に 各 部 会 で 研 究 協 議 会 を 行 い , 授 業 法 の 工 夫 に つ い て 検 証 す る 。
6 各部会での授業実践
(1) 低 学 年 に お け る 授 業 研 究
低学年には学ぶ過程の中にある楽しさから迫る。
ア 学年・教科領域・単元
○1年生
○国語
○「は」「を」「へ」をつかってかこう
イ 育てたい力
○内容を実感する力
○文を構成する力
ウ 学んだことを生かす楽しさ
○活動する楽しさ
○言葉と活動を結びつける楽しさ
エ 具体的手立て
○文を動作化する
どんな言葉を入れようかな
オ
授業の様子と児童の変容
文を書くときに心配されたのが,文字を書くことで作文が滞ってしまうことであ
った。やっと平仮名を一通り学習し終えたばかりのこの時期なので,すらすらと書
くことができないことが心配された。この時期に,作文を書かせることは難しい。
そこで,単純な動作をさせることやワークシートを工夫することによって児童の学
習 へ の 意 欲 化 を 図 る こ と を ね ら っ た 。 本 単 元 は 4 時 間 完 了 で, 「 ○ ○ は ○ ○ を ○ ○ す
る」の文の表記や発音などを学習した。本時をこの単元の第4時に位置付け,ゲー
ム開始前に表記や発音を確認した。
まず,児童の内容を実感する力,活動する楽しさを味わわせる工夫として,具体
物を用いた簡単な動作をさせ,それを文章化するといったゲームを取り入れた。
ゲームの説明の場面では,ワークシートを用いて,「せんせいが
おかしを
た
べる」の実演を見て,文作りを体験した。「学校の授業中にお菓子を食べる」とい
う タ ブ ー に 遭 遇 し 児 童 は , 「 あ っ 。 本 当 に 食 べ た 」 「 え っ。 い い の ? 」 な ど と 大 き な
反応を見せ,活動に対する興味関心を喚起することができた。また,全ての児童が
難なく文を作ることができる課題でスタートできたため,自信をもってゲームに臨
む気持ちをもつことができた。
今回,使用する必須アイテムとして用いた物は,ひも・鏡・本・帽子・鈴・さい
ころ・スカート・かばん・電話・折り紙の十種類である。児童にとって身近な物で,
その物を用いると,その後に続く動詞が複数出てくる考えやすいと思われる物を選
んだ。実際に,授業で児童のワークシートを見てみると,こちらが予想していなか
った動詞を考えて記入している文もいくつか見られた。特に「ひも」は「むすぶ」
- 9 -
「ほどく」「しばる」「のばす」など,いくつ
もの動詞を考えることができた。
次に,本時は文型を学習することが本題であ
るため,作文ができるだけスムーズに進められ
るようにワークシートを工夫して援助した。表
面に4つ,裏面に4つの枠を仕切り,表面を目
標に作文をさせた。多少文字の書き方に問題が
あったものの,わずかな援助で活動を進めるこ
とができた。身近な物を使い,児童も生活の中
でよく見たり行ったりしている動詞を考えてい
これを使って文を作りたい人は?
たためとも思われる。
グループでの話し合いの活動を初めて経験さ
せた。活動の援助として,物の名前のカードを
使い,落ち着いた態度で進めることができた。
「 まず,みんなが1つずつやりたい物を選ぼう」
「じゃんけんで選ぶ順番を決めよう」などと,
リーダーシップを発揮して話し合いを進める児
童の姿も見られた。
話し合いがまとまると,すぐにそれぞれ作文
に入った。作文がどんどんできる児童は,ワー
うまく伝わるかな?
クシートを使って他の児童が選んでいない物を
用いて,時間を持て余すことなく作文を堪能できており,ワークシートの工夫は,
適切であったと思われた。また,作文が得意ではない児童も,まずはワークシート
に用いる物の名前を「○○を」の○○に書き込んでからそれに適した動詞を考えて
いた。中には,たくさんの動詞を思いついて,どれを書こうか迷ってしまっている
児童の姿も見られた。そこで,考えられた文をどんどんワークシートに記入してい
くように伝えるほどであった。
まとめの場面で,代表がジェスチャーで出題する活動を取り入れた。他の児童が
そのジェスチャーを見て,出題者が考えた文を予想して答えることができ,自分の
考えたことが伝わったり,相手が考えたことが分かったりすることに喜びを味わう
ことができたようであった。
カ
成果と課題
今回は,昨年度の授業の検証をする取り組みとして授業実践を行った。昨年度の
反省を生かして,作文の時間を十分に取るようにした。自分の考えた様子を文に表
すという,日常の生活につなげるような活動をすることができたことは第1の成果
と言える。
本時の指導の力点を「学んだことを生かす楽しさ」を達成できたとは言い難いが,
「楽しく学ぶ」「想像する楽しさ」は十分味わうことができたと思われる。
1 年 生 の こ の 時 期 は , 文 型 が ・・・と い う 理 屈 だ け で な く , と に か く い ろ い ろ な 言 葉
に触れ,語彙を増やし,それらを実感し,自ら使えるツールにしていくことが大切
である。
これから,国語の授業だけでなく,朝の会のスピーチなどで,話形を意識した発
表の機会を設けて,自分の伝えたいことをより詳しく正確に伝えられる力を育てて
いきたい。
- 10 -
(2)
中学年における授業研究
中学年では興味を引く教材で迫る。
ア
学年・教科領域・単元
○4年生
○理科
○「電気の働き」
イ 育てたい力
○電気について知ろうとする意欲
ウ 「発見の楽しさ」
○身近なものの中に電池になるものを発見する
楽しさ
エ 具体的手立て
○果物電池の実験を体験させる。
オ
備長炭とアルミホイルで回ったよ
授業の様子と児童の変容
4年生1組・2組で事前アンケートをしたと
ころ,8割の児童が理科が嫌いと答えた。特に
「電気」は興味・関心が低かった。
そこで,単元の導入として,自分は何をした
いのか,何を確かめているのかとい
う目的意識をはっきりさせることで,「知りた
い・追究したい」という意欲を高め
鳴っているよ。本当だよ。
たい。そこで,身近なものが電池になる実験を
させることで,発見の楽しさを味わ
わせ,関心をもって実験に取り組ませる手立てとした。児童の驚きや発見について
の発言を大切にすることで,身の回りの事象に対しても関心をもたせたいと考え,
本単元を計画した。
まず,導入の段階では,前時に行った電気に関するアンケートの結果を示した。
「もしも,電気がなくなったらどうなるか」,「電気を起こす方法には,水力や風
力 発 電 も あ る」 な ど , 生 活 体 験 を 通 し て 電 気 に つ い て 調 べ た も の を 一 覧 に し て 示 し た 。
また,乾電池を使って,豆電球を点灯させることを前学年で学習してきているの
で,もっと身近なものを使って電池の代わりになるものはないかと考え,果物電池
を使う計画を立てた。
学習課題を確認した後,教師が,備長炭と食塩水だけを使い,モーターを回して
プロペラを飛ばすことができるかを見せた。見せる前は,果物で電子メロディーは
鳴るのかどうかについては,ほとんどの児童が「鳴らすことはできない」と予想し
ていた。予想に反して,プロペラが回ったときは児童の驚きの顔と歓声が見られた。
児童に興味・関心をもって授業に臨んでほしいという目標は達成したと考える。
次に,もっと身近なものを使って乾電池の代わりになるものはないかと考えさせ,
果物が電池になるか問いかけた。班を4人で構成し,班で一つは果物を持ってくる
ように指示しておいた。すると,リンゴ,キウイ,ミカン,バナナ,レモンなど,
様々なものを準備していた。そこで,まず持参した果物を使い電子メロディーを鳴
らす電池ができるかを個人で予想させてから,班で話し合わせた。話し合いの後,
結果を全員の前で班ごとに確認した。ほとんどの班が「果物では鳴らせない」と予
想していた。
次に実験を班で行わせた。実験に入る前には,注意すべきことをはじめ,実験の
手順を黒板を使い説明した。説明した後は,班でどんどん実験を進めていった。
- 11 -
全ての班で電子メロディーが鳴り,驚き
の表情を見せた。中には,亜鉛板や銅板を
深く突きさすと,電子メロディーの音が大
きくなることを発見したり,野菜でも鳴る
のではと考える児童も現れた。
最後に,教師が両手に食塩水をつけ,電
子メロディーを鳴らす人間電池を見せた。
身の回りのもので電池に代わるものがある
ことを確認し,プリントで自己評価させて
まとめた。
みかんで電子メロディーがなっているぞ
成果と課題
本時の学習課題をしっかりもたせて,さ
らに備長炭や身近な物を電池に見立てて,
モーターを回したり,音を鳴らせたりする
こ と で, 児 童 に 感 動 や 驚 き を 与 え ら れ た こ
と , そ し て, 「 自 分 た ち も や る ぞ 」 と い う
気持ちにさせたことは,「身近なところに
実験の面白さがあることを知る楽しさがあ
る」という本時のねらいに対して有効であ
ったと考える。
また,どの児童も予想をきちんと書き,
「どうかな」とメロディーに耳を当て,鳴
身近にあるものばかりだね
る瞬間を待った。鳴った瞬間の児童の笑顔
が達成状況に反映していると考える。
さらに,野菜,人間の実験で,身近なもので電流を作り出せるということに関心
をもったこと,感想の中には,単に「面白さかった」ではなく「いろいろ調べてみ
る」,「他にどんな発電があるかな」,「乾電池以外で物を動かしたい」など見ら
れたことも成果があったと考える。また,検証授業として,同じ指導案で自分のク
ラスではなく,隣のクラスの児童でも授業を行ったことである。
自分のクラス
で,児童の興味・関心を高められたが,他のクラスの児童も同じように,興味・関
心をもつことができた。
自 己 評 価 の 結 果 や 感 想 を み る と , ほ ぼ 全 員 の 児 童 が 「 楽 し か っ た」 と 答 え , 「 家 に
帰 っ て か ら も い ろ い ろ 調 べ て み よ う と 思 っ た 」, 「野 菜 で も 調 べ て み よ う と 思 っ た 」 ,
「電池に代わるものが,身近なもので作れるのに驚いた」などの児童の感想を両ク
ラスから見られたことで,本時の目標は達成できたと考えたい。
事後にも理科が好きかをアンケート調査したところ,8割の児童が好きと答えて
おり,児童の大きな変容をもたらした。
カ
(3)
高学年における授業研究
高学年では発展教材で迫る。
ア 学年・教科領域・単元
○6年生
○図画工作
○「自信をもって」
イ 育てたい力
○芸術表現の中には,様々な表現があり,多様な価値があることを知る
○積極的に作品を鑑賞しようとする態度
ウ 「見て・感じて・考える楽しさ」
○自由な発想から表現する楽しさ
- 12 -
○感じたことを言葉で表現する楽しさ
エ 具体的手立て
○作品の配置を操作してよりよい配置を考え
させる。
○原寸大の屏風を提示し,作品の迫力を感じ
させる。
オ 授業の様子と児童の変容
本時は,すぐに風神雷神図を鑑賞をするの
ではなく,作品の顔の一部を見せることでど
んな画面だったのか想起させることから始め
た。風神雷神図は,児童にもなじみのある作
風神・雷神の恰好はどうだったかな
品である。しかし,風神雷神の配置がどうで
あるのかといった事実については詳しく知る
児童は少ない。
そこで,部分から全体を概観することで,
作者のねらいに迫ろうとした。はじめにそれ
ぞれの顔をアップにした画像を掲示すると,
「見たことある」「確か右が風神だったかな
あ」など思いつくことをつぶやきながら,興
味を示した。そこへ,発問として「では,風
神雷神の恰好がどうだったのか,覚えている
人はあるかな」と投げかけ,実際に風神雷神
きっとこんな配置だろうな
の恰好をさせた。
これにより,児童はきっとこんな風だっただろうと想像を膨らまし,作品のそれ
ぞれの神の配置がどうだったのか,実感のこもった疑問に変わった。その疑問をも
とに神の配置をグループで話し合うことにした。風神・雷神はあらかじめコピーし
たのものを用意して,屏風にどのように配置されているか話し合いをした。
絵を描くのが苦手な児童も,コピーした紙を自由に動かして配置できるので,楽
しそうに話しながら,どの辺りにおけばバランスが良いか,どの配置が効果的な画
面になるかを真剣に話し合っていた。
班の意見には,「向き合っているので,真中に何かいると思う」「下を見下ろし
て人々を見守っていると思う」「雷は上から落ちてくるから雷神は上で,風神は下
にいる」など多様な意見が出てきた。実際の画面がよく分らないからこそ自由な発
想で発言できたのだと思う。
そして,お互いの意見を確認をした上で,原寸大の屏風を児童に見せた。そのと
きの表情は,こんなに大きいんだという圧巻に近い表情をした。実物のサイズだか
らこそ感じられる驚きと感動を味わっていた。
ここで,作品に対する感想カードを書かせた。「配置は私の予想とは違った。形
や大きさは結構大きくて迫力があった。全体を見て ,いろいろな疑問と発見があっ
た」「雷神が蹴っているような恰好で,風神が走っているような恰好している。屏
風なのに横ではなく縦に長いので,とても不思議に思った」など作品の構図に関わ
る感想や疑問を書く児童が多かった。
原寸大の作品を鑑賞することで,積極的に画面に関わろうとする児童が増え,近
づいたり離れたりいろいろな場所から鑑賞していた。
そして,教師から宗達独自に見られる雷神の色,配置と構図,雲の表現に使われ
た「たらしこみ技法」など代表的な技法を伝えて,授業を締めくくった。
- 13 -
カ
成果と課題
事前アンケートによると,図画工作の授業で,絵を描いたり,物を作ったりする
制作は好きであると答えた児童が9割以上いるのに対して,鑑賞の授業があまり好
きではないと答えた児童は3割近くいることがわかった。そこで,児童が主体的に
鑑賞に取り組めるように画面配置をグループで話し合い,理解を深めた。それが,
授業後のアンケートでは,全員が鑑賞は楽しいという感想に変わった。つまり,た
だ漠然と鑑賞していては,何をポイントに観察すればいいのか,どんなことを中心
に感想を書けばいいのか分からないという反応があったのに対して,目的意識をも
ってみんなで考えを共有しながら問題解決に向かったことが成果として表れたでは
ないかと思われる。
また,授業が終わった後には,児童が駆
け 寄 っ て き て ,「お 寺 で 本 物 を 見 た こ と が あ
るけど,すごいね。もう一度見てみたい」
などの感想を寄せた。この様子からも,こ
れからの発展的な探求が期待される。
しかし,グループの話し合いでは,代表
が報告する形式をとったので,全ての意見
が全体の場に反映されないこともあり,少
人数での話し合いをどう有効に活用してい
くかが課題として挙げられた。
原寸大の屏風は,すごいな。
7 成果と今後の課題
3年間「わかる楽しい授業」をテーマに,児童に基礎・基本の定着はもとより,学び
の質を高め,児童に学ぶ喜び・わかる楽しさを保障することを目指して取り組んできた。
その中での授業実践では,どの児童からも学習に対する追求意欲が高まった様子が報
告 さ れ る よ う に な っ て き た 。 本 論 文 で は , 3 つ の 授 業 実 践 を 紹 介 し た が , 3 年 間 で 100
回を超える授業実践を行い,その一部ではあるが,目を輝かせ主体的に学ぶ姿も見せる
ようになってきた。授業後も学習した内容を繰り返し追求したり,家庭に帰ってから学
習を深める児童も見られるようになった。
この研究実践を通して,「この教科・この単元では,こうやって授業すればよい」と,
少しずつではあるが,自信をもって授業に取り組めるようになってきた。
「わかる楽しい授業づくり」といった視点で,「感動のある授業」,「児童が学ぶ喜
びにあふれる授業」,「知的好奇心を刺激する授業」など,授業の手立てを具体的に検
討していくうちに児童の受けたい授業はどんなものであるかといった児童の目線での指
導がなされるようになってきた。
今後の課題として,「わかる楽しい授業」を展開する上で,教師の発問,板書の工夫
と言った教師の授業力の向上や児童の発表話形の工夫や授業規律と言った学習基盤の確
立が必要であることが見えてきた。
このような具体的な手法は,これまで先人が積み上げてきた優れた実践の中に学ぶこ
とができる。新学習指導要領の改訂に伴い授業時数や内容の増加が示される中,児童の
健やかな成長と確かな学力の育成が求められている。私たちは,一人一人の学ぶ喜び,
わかる楽しさを保障し,児童の学びの質を高め「生きる力」を育成するような授業を展
開できるように研修を深め,教師一人一人の力量を高め,よりよい授業を創造していき
たい。
- 14 -
Ⅲ
各
学
年
第1学年1組
1
2
の
授
業
実
践
国語科学習指導案
単
元
学習の計画
第1時
第2時
第3時
平成22年
「は」「を」「へ」を
つかって
7月
5日
月曜日
第3時
かこう
助詞「は」「を」の表記と発音を理解する。
助詞「へ」の表記と発音を理解する。
助詞「は」と「を」,「は」と「へ」をそれぞれ使った2つの文
を一つにする。
第 4 時 (本 時 ) 助 詞 「 は 」 と 「 を 」 を 使 っ た ジ ェ ス チ ャ ー ゲ ー ム で 文 の 内 容 を 実
感する。
本 時 の 目 標 ( 4/4)
3
○ゲームを通して,助詞「は」「を」を使った作文の習熟を図ることができる。
4
学習過程
段
階
つ
か
む
学
1
習
活
「あいうえおで
る。
時
間
動
10
(2)教師主導によるゲームを見る。
ぶん あて げえむ を しよう
20
求
す
る
ま
と
め
5
導
上
の
留
意
事
項
あそぼう」を音読す
2 ゲームをする。
(1)助詞「は」「を」の使い方を確認す
る。
追
指
(3)ゲームをする。
○ルール
・配膳台にある物を必ず使う。
・班で同じ物を選ばない。
①文を作る。
②ジェスチャーで表した文の内容を当
てるゲームをする。
3 他の例を示し,本時の学習のまとめを
する。
40
○唇をはっきり動かして,文字と音を結び
つけられるようにする。
○それぞれ「Ha」「Wo」と読まない,
また,「わ」「お」と書かないことを確
認する。
○教師のジェスチャーがどんな文の内容を
表しているのか,ゲームのやり方に合わ
せて考えさせる。
○机をグループ学習の形にして,班のメン
バーで同じ物を選ばないように話し合わ
せて,同じ文に偏らないようにする。
○本時は文を構成することが目標なので,
文字自体にはあまりこだわらないように
する。
○2つ文ができたら,他の班員が使わない
物を使って,たくさん文を作らせる。
評助詞「は」「を」を使った作文をするこ
とができる。
(プリント)
○出題する児童に文の内容をジェスチャー
させ,他の児童には文を当てさせる。
○教師が「を」を使った他の例を出題し,
答えさせる。
45
指導の力点・・・
学んだことを生かす楽しさ
ま だ 平仮名もきちんと書けない児童もいるが,日常生活では会話などでそれなりに文を作っている。
ただ,それを作文しているという感覚はほとんどない。文を動作化することによって,文の構成 ・内
容を実感させると共に,実生活に生かしていこうとする意欲を高めたい。
- 15 -
6
授業の実際
ゲームの前に,「○○は○○を○○する」の文の表
記や発音などを確認した。
ゲームの説明では,ワークシートを用いて,「せん
せいが おかしを たべる」の実演を見て,文作りを
した。「学校の授業中にお菓子を食べる」というタブ
ーに遭遇し
た児童たちは,「あっ。本当に食べた」「えっ。いい
の?」などと大きな反応を見せ,興味・関心を喚起す
ることができた。また,全ての児童が難なく文を作る
ど んな 言葉を 入れ よう かな
ことができる課題で,自信をもってゲームに臨む気持
ちをもつことができた。
グループでの話し合いは,物の名前のカードを使って,落ち着いた態度で進めること
ができた。「まず,みんなが1つずつやりたい物を選ぼう」「じゃんけんで選ぶ順番を
決めよう」などと,リーダーシップを発揮して話し合いを進める児童の姿も見られた。
話し合いがまとまると,すぐに作文活動に入った。ワークシートの枠を両面にたくさ
ん印刷したので,作文が得意な児童は,他の児童が選んでいない物を用いて,時間を持
て余すことなく作文活動を堪能できた。また,作文活動が得意でない子も,まずはワー
クシートに用いる物の名前を「○○を」の○○に書き込んで動詞を考えていた。
今回,使用する必須アイテムとして用いた物は,ひも・スカート・帽子・鏡・本・鈴
・かばん・電話・さいころ・折り紙の十種類である。実際に,授業で児童のワークシー
トを見てみると,こちらが予想していなかった動詞を考えて記入している文も見られた。
文を書くときに心配されたのが,文字を書くことで,作文が滞ってしまうことであっ
た。やっと平仮名を一通り学習し終えたばかりのこの時期なので,すらすらと書くこと
ができないことが心配されたが,多少文字の書き方に問題があったものの,わずかな援
助で活動を進めることができた。ジェスチャーで出題・解答する活動では,出題する児
童がかなり緊張して 恥ずかしがってしまい,やや盛り上がりに欠けたが,自信をもって
発表できるように,少し支援を加えながら発表して,他の児童がそのジェスチャーを見
て,文を考えて答えることができ,自分の考えたことが伝わったり,相手が考えたこと
が分かったりすることができた喜びを味わうことができたようであった。
7
成果と課題
今回の授業は,昨年度の反省を生かして,作文の時間をたっぷり取ることができ,自
分の考えた様子を文に表すという,日常の生活につなげることができる活動ができたこ
とが成果と言える。しかし,作文に盛り上がるあまり,ジェスチャーで出題する活動に
入るタイミングがなかなかつかめず,ジェスチャーによる出題の活動に入るのが遅くな
ってしまい,時間は十分とれたとは言えない。作文が苦手な児童がジェスチャーのやり
とりで学習を効果的に定着させることも考え,作文に偏りすぎないようにすることも大
切だと思われた。
本時の指導の力点を「学んだことを生かす楽しさ」
を達成できたとは言い難いが,「楽しく学ぶ」「想像
する楽しさ」は十分味わうことができたと思われる。
1年生のこの時期は,文型が…という理屈だけでな
く,とにかくいろいろな言葉に触れ,語彙を増やし,
それらを実感し,自ら使えるツールにしていくことが
大切である。
これから,国語の授業だけでなく,朝の会のスピー
チなど,話形を意識した発表の機会を設けて,自分の
うまく伝わるかな?
伝えたいことをより詳しく正確に伝えられる力を育て
ていきたい。
- 16 -
第1学年2組
国語科学習指導案
平成22年10月
7日
木曜日
第2時
1 単
元
くらべてよもう (じどう車くらべ)
2 学習の計画(8時間完了)
第1次
第1時
自動車について知っていることを発表する。
第2時~第5時 「しごと」「つくり」を読み取り,いろいろな車のクイズを作る。
第2次
第6時~第7時 好きな自動車について調べ,クイズを作り読む練習をする。
第8時(本時) 自動車クイズ大会をする。
3 本時の目標 (8/8)
○適切な声の大きさで話したり,最後まで友達の話を聞いたりすることができる。
4 学習過程
段
時
学
習
活
動
指 導 上 の 留 意 事 項
階
間
1 本時の学習課題をつかむ。
○クイズ大会の隊形にしておく。
じどう車クイズたいかいをしよう
○発表するクイズの原稿を前時までに書かせ,読
2 クイズ大会の方法を知る。
む練習をしておく。
つ (1)クイズのやり方を確認する。
①クイズをだす。
○クイズを出す順番を挙手で確認する。
②クイズにこたえる。
○答えが分かってもクイズを最後まで聞いてから
③はんのだいひょうをきめる。
手を挙げることを確認する。
か
④だいひょうがクイズをだす。
○班の中で一人一人が,一番大きい声だと思った
⑤チャンピオンをえらぶ。
児童を選ぶようにさせる。
(2)話し方や聞き方で気を付けることを確認する。
○メダルを渡すことを伝え,児童の意欲を高める。
○はなしかた……大きなこえ
○話し方と聞き方で気を付けることがいくつか出
む
○ききかた………しずかに
た場合,「大きなこえ」と「しずかに」を黄色
○えらびかた……大きなこえではなせた子
のチョークで書いて強調させる。
○掲示してある「声のものさし」に注目させ,場
10
によって声の大きさに気を付けさせる。
3 班ごとでクイズ大会を行う。
○必要に応じて話し方・聞き方の助言をする。
(1)班の中で,一人ずつ時計回りでクイズを出
○声の大きさ,やり方でつまずいている児童がい
追
す。
たら,個別に支援する。
(2)答えが分かった人は手を挙げる。
○代表をなかなか選べない班に支援する。
求 (3)クイズを出した児童が挙手して児童を当て
○早くクイズが終わった班から,代表がよりよい
る。
発表になるように練習させる。
す (4)班の代表を決める。
20 評友達に分かりやすく話すことができる。
4 班で代表の発表練習をする。
(発表,活動観察)
る (1)班員が代表にアドバイスをする。
(2)代表はアドバイスを生かして練習をする。
25
5 代表がクイズを発表する。
○代表になった児童を前に出し,順番に発表させ
(1)全体の前で代表がクイズを出して,その他の
る。
児童がクイズに答える。
○同じ班の代表のクイズには答えられないことを
深 (2)チャンピオンを選ぶ。
伝える。
め
○チャンピオンにチャンピオンメダルとその班員
る
に班メダルを渡す。
評静かに話を聞いてクイズに答えることができ
40
る。
(発表・活動観察)
ま 6 本時の学習を振り返り,まとめをする。
○自分の発表や友達の発表で良かったところを発
と
表させる。
め
る
45
- 17 -
5 指導の力点・・・ 伝え合う楽しさ
自分の伝えたいことが正しく伝わったとき,伝え合う楽しさを感じることができる。メダルという目標によ
り,意欲を喚起し,班メダルをもらうために発表をよく聞き,ふさわしい児童を代表に選ぶと考えられる。ま
た,発表が苦手な児童のために班で発表する場面を設定し,得意な児童には全体の前で発表する機会を与え,
発表をする活動に対する自信をもたせたい。
6 授業の実際
本単元は検証授業ということで,前回の授業で反省点として挙げられた点の改善を心がけた。
前回と変えたところ
① 時間短縮
前回班から班にクイズを出して時間が足りなくなったとの反省
があったため,クイズの時間を短くした。今回は班の中で発表を
行い,班の中で代表を選んだ。4人の発表と移動0回と代表選び
1回の時間で,時間を前回の半分以下に抑えられるようにした。
② メダルを渡すタイミング
前回はクイズ大会の説明をした後,クイズを始める前に班長に
班でクイズを出し合う児童の様子
メダルを渡していた。そして,クイズの発表の上手な児童に班長
がメダルを渡した。メダルをさわってクイズを聞けない児童や,
みんなの前の発表でさわってしまう児童がいたとの反省から,メ
ダルはクイズ大会の一番最後に教師が渡すことにした。
③ 発表の上手な児童の選び方
前回「話し方・聞き方」を確認する時にたくさんの意見を板書
したために気を付けることが強調できなかった。選ぶ基準が明確
でなかったという2点が出てきた。今回は,本時の目標にあわせ
全体のクイズ大会での児童の様子
て,「話し方…大きな声で,聞き方…静かに」とそれぞれ一つず
つにしぼった。また,発表の上手な児童でなく好きな子選びにな
りやすいとのことから,発表の上手な児童を選んでその児童がチ
ャンピオンに選ばれると班メダルをもらえるようにした。
7 成果と課題
<成果>
・時間内に学習内容が収まるようになった。
話し方・聞き方のポイント
・クイズを出し合う時,発表に集中できるようになった。
・選ぶ基準が簡単になり,一人一人が一番発表が上手だと思う児童を選びやすくなった。
<課題>
・メダルは,最後に渡すより,班の代表に選ばれた時点で渡す方が喜びが大きく,次の発表への意欲が高まる
と考えられる。
・班の児童がそれぞれ発表の上手な児童をばらばらに選んだ場合,どのようにして班の代表を決めるのかを明
確にしておけば児童が迷わずにすんだ。
・クイズを出す時に,原稿で顔が隠れる児童がいた。発表の場での姿勢や原稿の持ち方など指導が必要だった。
- 18 -
第2学年1組
学級活動指導案
平成22年11月
9日
火曜日
第2時
1
2
主 題 名
「いただきます」について考えよう(感謝・生命尊重,食育)
主題設定の理由
本学級では,給食を最後まで残さずに食べようとしている児童が多い。しかし,食材
そのものへの意識はしていない。そこで,身近な食物の生命を大切につなげていくとい
う食事に目を向けさせる。日本人が食事のときにするあいさつ「いただきます」の意味
について考えさせ,生命を大切にして感謝の気持ちをもち食べようとする気持ちを養い
たい。
この資料は,朝日新聞日曜版に掲載されていた漫画『ハーイあっこです』みつはしち
か こ 作 ( 朝 日 新 聞 日 曜 版 2001年 10月 7日 ) で あ る 。 他 の 生 き 物 の 命 を い た だ い て 生 き て
いることを気付かせてくれる資料であると考え,これを取り上げて授業を組み立てるこ
とにした。
3 本時の目標
○「食」を通して生命のつながりに気付き,「いただきます」の意味を考え,生命ある
ものを大切しようとする心情を育てる。
4 指導過程
段
階
学
習
活
動
時
間
導
上
の
留
意
事
項
1
価
値
の
把
握
朝食で食べてきたものを紹介し
合う。
(1)食べてきた物を発表し合う。
(2)肉,魚,野菜など食材ごとに分
類する。
(3)本時の学習課題を知る。
なぜ「いただきます」って言うの?
指
○出てきた食材などを分類しながら貼る。
○どうして食べるのか考えさせ,元気な体を
作るためにいろいろな食べ物を摂ることが
大切であることを確認する。
○学習のめあてを黒板に貼る。
10
2
資料の紙芝居を見て「食べる」
ということについて考える。
(1)紙芝居の前半と動画を見る。
価
値
(2)吹き出しの中に入るハーちゃん
の言葉を予想し,プリントに記
入し発表する。
(3)食べないとどうなるか,話し合
う。
(4)残りの紙芝居を見る。
30
の
3「いただきます」という理由を話
し合い,意味を知る。
(1)「○○○をいただく」の中に入
る言葉を考える。
(2)「いただきます」の意味を知る。
追
求
35
4
ま
と
め
今日の学習を通して,自己を見
つめる。
(1)教師の話を聞く。
金子みすゞの詩『大漁』を聞く。
(2)今日の学習を振り返り,プリン
トに感想を記入し,発表する。
45
○紙芝居の1枚目を読んだ後,ライオンの補
食の動画を見せ,「食べる」ということに
目を向けさせる。
○紙芝居の1コマ1コマをテレビに1枚ずつ
提示していきながら,読むようにする。
○記入状況を確認・把握し,まだ記入してい
ない児童には声かけをする。
○できるだけ多くの児童に発表させる。
○人も動物も食べないと生きていけないこと
を確認する。
○実際の吹き出し入りの紙芝居と,紙芝居の
後半をテンポよく続けて見せる。
○「いただきます」は何をいただくのかを投
げかけ,「他の命をいただく」という意味
であることを理解させる。
○動物だけでなく植物も生きていて,人間は
その恩恵を受けている動物であることや全
てを独占し,地球上の様々な動植物を我が
物顔で食い散らしていることにも,目を向
けさせるようにする。
○「いただきます」には,命が入っている食
事にありがとうという感謝,野菜や肉を作
った人,料理してくれた人や運んでくれた
人などへの感謝の気持ちでいただくという
意味でもあることをつかませたい。
評「いただきます」の意味を理解することがで
きる。
(話し合いの観察)
○詩を朗読し,本時の学習のまとめとなる話
をする。
○プリントに今日の授業の感想や思ったこと
などを自由に書かせる。
○プリントへの記入に困っている児童には食
べ物に対してどう思うようになったか,気
持ちの変化を書くように言葉をかける。
- 19 -
5
指導の力点・・・
気 付 く 楽しさ
日頃の食生活に目を向けさせるために,朝食での食べ物や弱肉強食の資料映像を用い,
意欲をもたせるようにする。また,紙芝居・動画を利用することで,児童が資料の内容
を理解できるようにする。
6
授業の実際
導入として,児童が今朝食べてきた食事のメニューについて話し合った。食べるとい
ことを意識させ,興味付けをさせるためであった。すき焼き,ハンバーガーやラー油な
ど,朝から様々なおかずを食べていることが分かり,「へえー」,「おー」という驚き
の声が上がっていた。
次に,飢えたライオンが子鹿を襲い,餌食にする四コマ漫画の新聞の記事を,紙芝居
のように液晶テレビをスクリーンとして写し出して見せた。その中で,紙芝居で描かれ
た捕食のシーンを実際の動画でリアルに見せ,さらに実感をもたせるようにした。児童
はスクリーンをじっと見つめていた。
続いて,主人公のハーちゃんは,ライオン
に襲われた子鹿の場面を見た後に,何と言っ
たのか,吹き出しに予想させる活動をした。
「 お 肉 を 食 べ な い 」, 「私 た ち は , ラ イ オ ン と
同 じ こ と を し て い る ん だ 」「ラ イ オ ン と 人 間 を
同じにしないでよ」など,主人公になりきっ
て,本音に近い言葉を書いているものが多く
あった。
続いて,なぜ「いただきます」というのか
話し合いをした。食事を摂るということは,
「 他 の 生 き 物 の 命 を い た だ い て い る 」 「食 自 身
の命をもらっているということ」,という意
味があること,そしてもう1つの「作物や商
品 を 作 っ て く れ た 人 へ の 感 謝 」, 「 魚 や 貝 な ど
を捕ってくれた人への感謝」など,「いただ
しっかり感想が書けてるね
きます」には,たくさんの感謝の意味が込め
られていることに気付いた。
本時の授業の振り返りとして,「今日の学習で,思ったことを書こう」という課題に
対しては,「給食を残さず食べたい」,「好き嫌いをせずに食べる」,「感謝して食べ
よう」,いただきますの意味が分った」など,数多くの本時のねらいに迫る感想が書か
れていた。
7
成果と課題
今朝の朝食のおかず,紙芝居,動画などの手
立てを通して,多くの児童に「気付く楽しさ」
を味わわせることができた。授業での話し合い
やワークシートの感想からも,本時の目標が十
分に達成できたと考えられる。
この「食について考える」という教材は,2
年生の児童にも,具体的で自分の考えが出しや
すく,一人一人が「食べるということ」をじっ
くり考えることができた。
ただ,食べ残すことは,多くの命を捨てるこ
とにつながることに気付かせることができなか
った。もう少しじっくり話し合いの時間を取れ
ば,気付かせることができたかもしれない。
この授業は,昨年度の授業の検証をする取り
組みとして授業実践を行った。昨年度の反省を
生かし,3年生対象の学習内容であったので,
これを2年生に適した内容に修正・精選し,展
開方法も再考し,児童の考えを書く時間を十分
に取るようにした。さらに,合わせてワークシ
ートの記入内容の修正も行った。
検証授業として,ほぼ同じ展開の指導案で2
つの学年にまたがっても,学習内容や展開方法
などを修正することにより,同じように興味・
関心をもたせることができ,学習内容の適性
(良さ)が検証できたように思う。
児童が記述したワークシート
最後に,今後の課題は,この学習を通して,
実際に感謝の気持ちを込めて「いただきます」
と言うこと,好き嫌いをせずに食べること,残さずに食べることなど,学んだことを継
続して実践・定着・習慣化できるようにする方法を探っていきたい。
- 20 -
第2学年2組
道徳学習指導案
平成22年
9月30日
木曜日
第2時
1 主 題 名
よこはいり(明るい心):(1-(3)勇気)p73-75
2 本時の目標
○正しいことを言ったり行ったりするときには勇気がいることに共感する。
3 学習過程
段
階
学
習
活
時
間
動
つ 1 本時のねらいをつかむ。
(1)ブランコを複数で使う時のルールを考え
か
る。
(2)本時の資料を読む。
む
よこはいりの不正を正す
追
求
す
る
深
め
る
ま
と
め
2 内容を確認する。
(1)絵を見て登場人物を発表する。
(2)状況を思い出してよこはいりのやりとり
を発表する。
3 ロールプレイをする。
おさむ「ちょっと かして くれ。」
1年生「おにいちゃんずるいよ。ブランコ,
かえしてよ。」
わたし「おりなさいよ。ひどいじゃない
の。」
おさむ「うるさいな。じゃまだぞ。」
わたし「かえしなさいよ。いけないこと
よ。」
おさむ「かえせばいいんだろう。」
5
指 導 上 の 留 意 事 項
○日頃どんなルールを決めて順番に遊具を使
っているかを想起させる。
○「明るい心」を見させず,教師がゆっくりと
読む。
○集中して聞くことで場面や状況を把握させ
る。
○挿絵を黒板に貼り,登場人物を確認する。
○1年生が並んでいることを押さえる。
○色分けした台詞を貼る。
○本学級の児童に似ているなどという意見が
出た場合は,軽く否定し,個人攻撃にならな
いように配慮する。
○3人で1組になり,椅子にブランコの絵を貼
って場面を作る。
○正確な台詞は求めない。
○配役を変えて全ての台詞を言わせる。
○自分の感じたことを明確にするためプリン
20
トへ思いを記入させる。
4 気持ちを考える。
(1)おさむさんになって「じゃまだぞ」と言
ったときの気持ちを考える。
・気持ちいい。
・あっちへいってほしい
(2)主人公が注意したときの気持ちを考え
る。
・きもちいい。
・どきどきした
(3)自分ならどう注意をするかを考える。
・1年生がかわいそうよ。
・順番になかよく使おうよ。
40
5 感想を発表する。
・注意してみてたのしかった。
・みんなで仲良く遊べるようにしたい。
45
○注意しようかやめようかと悩む主人公の葛
藤を十分に話し合わせて考えさせる。
○もっといい注意の仕方はないかを考えさせ
る。
○劇をした感想や日頃の遊び方,1年生への
対応などを考える。
評正しいことを主張する活動を通して,感じ
た気持ちを書くことができたか。
(机間指導)
4 指導の力点・・・ 劇をする楽しさ
ロールプレイを実施し,全ての配役を演じさせてそれぞれの立場を交互に経験させ,気持ちを深く
考えていけるようにした。
- 21 -
5 授業の実際
授業では児童全員にロールプレイを実施し,1
年生とおさむさんとわたしの3役を交互に体験さ
せ,それぞれの立場にの時に思いがどのように変
化するかを体験させた。
まず,内容を確認しながら,黒板には配役の絵
と色分けした台詞を貼った。はじめに教師がおさ
む役を,そのほかの役の見本を募るとすぐに数名
が挙手し,前で児童が見本をみせた。その様子を
見てやってみる気になった児童もいた。3人一組
になるようにカードを配ってグループごとに,カ
ードの色と同じところの台詞を言うようにした。
ブランコの席には絵に描いたブランコを貼った。
カードを交換して配役を交代させた。
椅子をブランコに見立てて体を揺らして台詞を
言う児童や役になりきって,自分で付け加えた台
詞を言っている児童もみられた。役になってみた
ことで全員が3人の思いを記入することができ
た。
ぼく たち が見本 だよ
6
成果と課題
教室内でも日常的に自分勝手な行動をする児童
の姿が見られ,「仕方がない」「怖いから黙って
いる」ような現状は,資料の中の子どもたちに重
役に なり きっ て言え るか な
なる部分がある。資料の登場人物になって,勇気
ある言動を考えさせるのには良い時期であったと考える。
児童の記述を見ると1年生が2年生のおさむに「ひどいよ」と感じることや2年生と
して1年生に優しくしなくてはと思う気持ちが記述されていた。しかし,授業では積極
的な発言が得られず,それぞれの思いを深めることができなかった。
児童のつぶやきを拾いながら適宜,補助発問
を入れていけるようにして,しっかり考え,児
童同士が意見を知ることによる相互作用により
もっと深まりのある授業実践にしていきたい。
また,学習後でも注意の仕方について低い価
値観に留まっている児童の意見に対しては,授
業の中で特に取り上げることができなかった。
今後の道徳の時間や学級活動,日常生活の中で
少しずつ指導していきたい。
表1
自 分 なら どの よ うに 注 意す るか
記 入の 内容
1年生 にやさしくしようよ 。1年生がかわい そう。
2 年生 だ から かわ ろ う。
こうた いしよう。まってい るよ,かわってあ げてよ。
や さし く しろ 。
先 生に 言 うよ 。
お こる よ 。
あ っち へ いけ 。ど け 。ば か。 な ぐる ぞ 。
1 年生 の 立場 で書 い てい る。
人数
7
3
3
1
1
1
6
2
- 22 -
児童 が記 述した プリ ント
第2学年3組
算数科学習指導案
平成22年
6月15日
火曜日
第4時
1
2
単
元
たし算とひき算のひっ算
学習の計画
(9時間完了)
第1 次
第1 時~ 第 4時 (2 位数 ) +( 2位 数 )の 計 算を 筆算 で する 。
第2 次
第5 時
(2 位数 ) -( 2位 数 )で 繰 り下 がり の ない 筆算 を する 。
第6 時( 本 時) (2 位数 ) -( 2位 数 )で 繰 り下 がり の ある 筆算 を する 。
第7 時
たし 算と ひ き算 の相 互 関係 に 着目 した 答 えの 確か め をす る 。
第8 時
(2 位数 ) -( 2位 数 )の 筆 算の 練習 と 適用 題を す る。
第9 時
確認 問題 を 解い て単 元 の学 習 の確 かめ を する 。
3 本 時 の 目 標 ( 6/9)
○(2位数)-(2位数)で繰り下がりのある筆算ができる。
4 学習過程
段
学
習
活
動
指 導 上 の 留 意 事 項
階
時間
1 本時の学習課題をつかむ。
○筆算の式は,位をそろえて書くことを確
つ
認する。
か
○ 53-26の計算を考える。
○3-6は引けないことに気付かせ,その
む
一のくらいがひけないひっさんの
場合にはどのように計算するか考えよう
しかたをかんがえよう
5
という問題意識をもたせる。
2
追
求
す
る
繰り下がりのある筆算の仕方を考え
る。
(1)タイルを操作して考える。
○引くにはどうするか話し合う。
・10のタイルを借りればよい
・タイルを変身させる。
○タイルの操作と筆算の仕方を整理
する。
(2)計算の順を確認しながら,筆算の仕
方を言葉でまとめる。
○計算の時の大事な言葉を知る。
○一緒に言いながら空書きをする。
(3)ノートに53-26の計算を自分で
解き,筆算の仕方を確かめる。
3
練習問題をする。
4
本時の学習のまとめをする。
ま
と
め
る
5
○たし算の時に行ったタイルを使った操作
活動を生かして考えさせる。
〇隣・班の子と相談させる。
○十の位から1本一の位へ下ろすと計算で
きることを話し合いからまとめる。
○同時に筆算の式の数字に斜線を引いたり
補助的な数字を書いたりして具体物の操
作と数字を対応させる。
○計算の仕方を言いながらできるように言
葉をしっかり言わせる。
○どこで斜線や補助の数字を書くかを空中
で書いて練習をする。
○計算の仕方を声に出して言わせて筆算の
式をノートに書かせる。
評繰り下がりのある計算の仕方が分かる。
25
(ノート)
○計算の仕方を言いながら,自分の力で解
かせる。
○答えが一桁になる場合や,引く数が一桁
の場合の筆算は,一斉指導で押さえた後
自力解決させる。
○筆算の計算で大切なことを押さえる。
45
指 導 の 力 点 ・・・・・・ 分 か る 楽 し さ
声に出して手順を確認しながら計算し,やり方をノートに書くことで筆算の仕方の定
着を図る。手順をしっかり身につけさせることで確実に計算できるようにしたい。
- 23 -
6
授業の実際
昨年度の山本さつき先生の追試の授業を行った。子どもたちが苦手としている,繰り
下がりのある筆算のひき算の学習である。昨年度はワークシートによる指導を行ったが,
本年はノートに書かせること,声に出して読み上げることを主に指導を行った。
つ か む 段 階 で は , 前 時 に 学 ん だ 計 算 の 復 習 を し た 後 に 本 時 の 「 53- 26」 を 板 書 し , 前
の時間との違いを見付けさせた。すぐに「一の位が3-6で引けない」に気付き,本時
の学習課題をつかむことができた。
昨年度とは違い,計算の仕方を考えさせるときにどんなやり方がいいか,近くの友達
と話し合う時間をとった。しかし,児童の手元にタイルを持たせなかったために,児童
同士の話し合いでは具体物がないので理解が深まるところまではいかなかった。
全体でやり方の確認をするときは昨年同様,黒板でタイルを使って考えさせた。黒板
に引かれる数をタイルで置き,引く数を数字で書き,見やすくした。しかし,タイルを
十 の 位 か ら 1 繰 り 下 げ て く る と き に 1本 の タ イ ル を ば ら ば ら に し て 考 え る こ と が 理 解 で
きない児童もいた。また,声を出してやり方を確認するところでは,黒板にカードを使
って声を出し復唱しながら行わせた。
ノートに書く活動ではノートに書く前に空書
きをしそれからノートに実際に書かせた。ノー
トの書き方指導と書く手順を同時に行ったた
め,53-26=27と書くだけだったのだが,繰
り下がりの理解が浅く,かなり時間がかかって
しまった。
最後に練習問題を行い,全体でやり方・答え
を確認した。復唱する回数が少なかったため,
手順を理解できずに練習問題に取り組む児童も
いた。ノートに書くということが負担になって
いる児童もいて,時間内に多くの問題を解くこ
繰り下がりはできるかな
とができなかった。
7
成果と課題
「授業に集中できなくなるかも」という児童の実態を考えて手元に児童用タイルなど
を持たせずに行った。しかし,追求する段階では手元に教具を置き,半具体物で作業さ
せることで理解がより深まったのではないかと考えられる。
また,全体で確認するときには,タイルで確認するだけでなく,理解を深めるために,
TV画面で数字を繰り下げる様子を見せるべきであった。幸い,阿久比町にはデジタル
コンテンツに良い教材があるので,翌日それを使って学習をしたところ分かりやすく多
くの児童が理解できた。また,計算の仕方を復唱して理解させるつもりであったが,ノ
ートに書くことが負担になり,授業内に計算のやり方が定着しない子もいた。
この単元は,新しいことを学ぶので,児童用のタイルの準備が必要である。また,書
くことが苦手な児童もいるのでノートに書く作業は負担になってしまった。書く作業の
負担を少なくし,且つ,多くの練習問題に取り組ませるためにも昨年のようにワークシ
ートを使った学習のほうが能率的に多くの練習問題に取り組んで学習できる。
今回の授業はTTで行った。深谷が全体,今井が下位の子のフォローをしていたが,
TTでどの子を見るという分担があいまいだったので,TTで行う授業の研究を進める
必要がある。
- 24 -
第3学年1組
体育科学習指導案
1
単
元
2
本時の目標
平成22年11月30日
火曜日
第2時(体育館)
器械・器具を使っての運動(マット)
( 2/6)
○ひとつひとつの技をていねいに,正確に動かすことができる。
3
学習過程
段
階
学
1
つ
か
2
習
活
動
時
間
準備運動をする。
指
導
上
の
留
意
事
項
○マット運動では,柔軟性が必要なこ
・ポニョストレッチ
とと,けが防止のためしっかりと行
・手首・股関節等のストレッチ
わせる。
本時の学習課題をつかむ。
○世界一周マット旅行を行うためにも
う少しでできる技や新しい技に積極
む
できそうな技や新しい技に挑戦し
的に挑戦させるとともに,安全に十
よう
分注意するようにさせる。
10
3
深
いろいろな技を練習する。
○グループごとで行い,お互いに見合
・前ころがり
ってアドバイスしたり,補助しあっ
・後ろころがり
たりさせる。
・足を開いてころがる
め
○できるようになった技は,脚を閉じ
・カエルの足打ち
たり,膝を伸ばしたりしてきれいに
・壁さか立ち
行うことを意識させる。
・肩倒立
4
もう少しでできそうな技の練習
○グループを解体して,それぞれの技
をする。
を練習する場へ行き,練習する。
・それぞれの場へ行き,練習す
る
○お互いに見合ってアドバイスした
る
り,補助しあったりさせる。
評ひとつひとつの技をていねいに,正
42
ま
と
め
5
反省し,まとめる。
(観 察 )
○世界一周マット旅行を行うために,
・できるようになった技を確認
できるようになった技の組み合わせ
する。
を考えさせる。
る
4
確に動かすことができる。
45
指導の力点……
できる楽しさ
肥満気味の児童や体が硬い児童は,どうしても苦手意識をもちやすいので,自分がで
きる技やもう少しでできる技を練習させることで意欲をもたせたい。また,器械運動で
は,学年が上がるにつれてだんだん高度な技に挑戦するようになるので,安全面につい
ても意識をもたせたい。
- 25 -
5
授業の実際
本時は,単元の目標である「世界一周マット旅行」
を行うために「できる技」を増やし,その技をひとつ
ひとつていねいに実施することを目標とした。
まず,準備運動に普段行っているポニョストレッチ
に加え,首,手首,足首,股関節などのストレッチを
2人組で行わせるようにした。これは,体ほぐしを取
り入れながらマット運動に必要な柔軟性を高めるとと
もに,けがの発生を防ぐためにしっかりと行わせた。
次に,いろいろな技を練習させた。以前練習した技
体ほぐしの運動
をまず行うことによってマット運動に慣れ,実施の際のポイントを思い起こさせた。そ
して,新しいわざについては,ひとつひとつの技を示範し,児童が視覚から体の各部位
の動きが分かるように説明した。
児童どうしが,互いに良いところや直した方が良いところをアドバイスし合えるよう
にマットの横から見るような練習体型にした。ただし,このとき安全のために,マット
か ら 必 ず 50cm以 上 離 れ る こ と を 指 導 し た 。
その後は,グループを解体して,苦手な技をできるようにしたり,得意な技にさらに
磨きをかけるために各技のための練習の場を設けた。前ころがりや後ろころがり,足を
開いた前ころがりの習得しやすくするためにマットの下に踏み切り板を入れて傾斜を造
った。また,肩倒立を練習するために二人組を作って互いに補助をし合わせたり,アド
バイスをさせたりした。
また,マットの準備や片付けは安全を最優先しながらも,効率よく行えるよう配慮し
た。
6
成果と課題
本単元の授業にあたって,なるべく多くの示範をす
ることを心がけた。子どもは,物まねの天才であり,
言葉で説明するよりも視覚に訴えることが一番である
と考えている。見せたことで児童の意欲が高まり,そ
の後の練習に積極的になれたと思う。
また,互いに見合わせアドバイスをさせることで,
肩倒立
友だちへのアドバイスが自分自身へのアドバイスにな
り,技の習得・できばえが良くなってきたと思う。できるようになった技を自慢げに披
露してくれる児童がいたり,もう少しでできそうな児童が頑張って練習したりしていた。
課題としては,予定していた「カエルの足打ち」や「壁さか立ち」ができなかったり,
苦手な技の練習や得意な技に磨きをかける練習の時間が,短くなってしまったりしたこ
とがある。準備運動に時間をかけすぎたことと,示範に時間をかけすぎたことが原因で
あると思うが,実際に授業をやってみて,準備運動と示範・説明は必要であったと思う
ので,内容をもっと精選すべきだったのかもしれない。
今後は,欲張りすぎず,1時間の授業内で確実に身につけさせたいことを見極めて授
業内容にしていきたい。
- 26 -
第3学年2組
図画工作科学習指導案
1
単
元
2
本時の目標
平成22年10月22日
金曜日
第2時
(図工室)
アートゲーム「わたしの絵をさがして」(鑑賞)
(1/2)
○進んで名画を選び,作品の特徴から相手に分かるようなヒントを考えようとする。
○アートゲームつくりを通して,名画に親しむ。
3 学習過程
段
学
習
活
時
動
階
間
1 アートゲームにチャレンジする。
つ
○アートゲーム「わたしの絵をさがして」に
(1)三つのヒントをもとに絵をさがす。
挑戦させる。
①私の名前は,ドガです。
か
○三つのヒントを与え,それに合った作品を
②女の子の絵を描きました。
さがさせる。
③女の子は気持ちよさそうに踊ってい
む
指 導 上 の 留 意 事 項
○すべてのヒントを聞き終えてから,答えさ
ます。女の子の白いスカートがお花
せる。
のように広がって見えます。
○解答後,簡単に作品と作家の解説をする。
(2)本時のねらいをつかむ。
○名画カードは全部表向きにして,後方の机
アートゲームをつくろう
8
の上に並べておく。
選 2 アートゲームのための絵を選ぶ。
○名画カードの中から好きな絵を選ばせる。
ぶ
○ヒントカードを配る。ヒントカードは三つ
・好きな物・色合い・様子から選ぶ
の観点で記入できるようにしておく。
見 3 アートゲームのヒントを考える。
○名画カードの裏面を参考にして,作者にな
付
①作者
ったつもりでヒントを考えさせる。
け
②描かれているもの
る
③色や様子,絵から感じ取れること
評選んだ名画の特徴を見つけ,ヒントを考え
25
4 グループでアートゲームを試す。
試
す
トを出させアートゲームを試させる。
出題者 : ヒントを言う。
○グループごとに,児童が選んだ絵とそれ以
その他 : 絵を答える。
外の絵を混ぜた名画カードを数枚配る。
(2)ヒントが絵の特徴を伝えているかどう
○ヒントが的確かどうか検証させる。
かグループで話し合う。
評友達のヒントを聞き,絵の特徴が表され
40
ま 5 本時のまとめをする。
(1)感想を発表する。
め
(2)次時の予告を聞く。
る
4 指導の力点・・・
(ヒントカード)
○グループで一名ずつ出題者を指名し,ヒン
(1)出題をして答える。
と
ようとしている。
ているか確かめようとしている。 (観察)
○好きな絵を見つけ,考えたヒントから特徴
が伝えられたかどうかたずねる。
○次は,学級のみんなでアートゲームをする
45
ことを伝える。
見付ける楽しさ
名画に興味や関心をもたせるために,アートゲーム「わたしの絵をさがして」を取り入れる。絵
さがしのヒントを考えるために,注意深く名画カードを見つめ特徴をさがしたり,友達の考えたヒ
ントを聞いて絵をさがしたりすることで,いろいろな絵の見方を楽しませる。
- 27 -
5
授業の実際
導入でアートゲーム「私の絵をさがして」に挑戦させ
た。「ある画家さんから先生のところに手紙が届きまし
た。無くしてしまった絵を探して欲しいというお願いで
す」
10枚の絵を見せ,「この中にあるようです。もう1枚
の手紙にヒントが3つ書かれています。一緒に探してく
ださい」と伝えると,児童は,「挑戦状だ」と目を輝か
せた。
ヒントを一つずつ読んでいくと,二つめのヒントで,
10枚の絵を見つめていた児童たちの中から,「絞り込ま
アートゲームに挑戦
れたね」とつぶやきが聞かれ,三つめのヒントでは,ほ
とんどの児童が見つけることができたようだった。
「アートゲームは楽しいね。今日はこれをやるの?」と
たずねる児童に,「今日はこのアートゲームをみんなに
作ってもらいます」と提案すると,児童の中から,「え
~」と驚きと不安の声が出た。
始めに,90種類の名画カードの中からゲームのクイズ
が考えやすそうな名画を一人1点ずつ選ばせた。今回は
90種類で2枚ずつ合計 180枚の名画カードを用意した。
さて,目当ての名画カードを見つけて三つのヒントを
書き始めると,児童の手が止まってしまった。ヒント①
好みの名画を選んで
作者の名前,ヒント②描かれているもの,ヒント③色や
様子,絵から感じ取れること。
児童は,名画カードを裏向けてヒント作りに入ってい
たので,名画そのものを見るのではなく裏に書かれてい
る解説をじっと見ることになってしまったのだ。教師が,
ヒント作りに入る前に,「絵を見せると,お友だちに分
かってしまうから裏を向けておくといい」と言った言葉
が児童混乱をさせる原因となってしまった。途中,「②
には作品名を書くのですか」と質問されて気づき,作業
を中断させて作業内容の再確認を試みたが,混乱したま
児童が考えたヒントカード
まの児童が少なくなかったように思われた。
それでもなんとか,うまく課題をクリア出来ていそうな児童をチェックして,生活班ごとにア
ートゲームを試してみることにした。
出題者となった児童には,正解となる名画に似たようなその他の作品を9枚選ばせ,合計10枚の
名画カードを並べてゲームを始めるように指示した。
最後に,出題者となった児童に,自分の考えたヒントが友だちに伝わったかとたずねたところ,
全員が伝わったと 満足そうであった。
6 成果と課題
いわゆる名画と呼ばれる作品に触れる機会は,美術館に足を運ばない限りなかなかもてない。
手軽な名画カードを使うことで,児童にも名画のよさを感じてもらいたいと考えアートゲームの
実践を試みた。本学級の児童は,今回のアートゲームの他に絵合わせゲーム(二枚の絵の共通点
を見つける)や題名あてゲームを楽しむ中で,ドガ,マグリットなどの作家の名前を覚えた。ま
た,写真のような写実的な絵だけではなく,あり得ない世界が描かれている作品があることや,
不思議な色遣いにも気づくことができた。しかし,小学3年生に,今回の名画探しのヒントを考
えさせる学習は困難であったと反省。低学年は名画にたっぷり触れることから始め,名画に十分
慣れてから,今回のように内容を探る学習を経験させるように考えていこうと思う。
- 28 -
第4学年1組
1
単
2
本時の目標
理科学習指導案
元
平成22年
5月14日
金曜日
第2時(理科室)
電気のはたらき
(1/13)
○果物を使った電池を作り,電子メロディーを鳴らす活動を通して,電気について知ろ
うとする意欲をもつことができる。
○銅板と亜鉛板を使い,身近な果物が電池になることを知る。
3 学習過程
段
時
学
習
活
動
指 導 上 の 留 意 事 項
階
間
問 1 電気について話し合い,本時の学習問
題
題をつかむ。
○事前に行ったアンケート結果を示し,電気の
を (1)電気について知っていることを発表す
大切さを知らせる。
つ
る。
○乾電池や光電池など使わずに,電池を作るこ
か (2)本時の学習問題をつかむ。
とを確認する。
む
身近なものを使って電池を作り,
○学習課題を黒板に貼付し,確認させる。
電池博士になろう
3
見 2 身近なものが電池となり,モーターを
通
回したり音を鳴らしたりすることができ
し
るか予想する。
を (1)備長炭を使ってモーターが回るか予想
○教師が食塩水とアルミ箔と備長炭を使い,モ
立
し,話し合う。
ーターがまわる実験を見せる。
て (2)備長炭でモーターが回ることを確認す
○実験の前に予想させる。
る
る。
13
3 果物を使って電池を作る実験をする。
○果物に銅板,亜鉛板をさして,電子メロディ
検 (1)実験の説明をする。
ーが鳴ることを確認させる。
証
赤…銅板 黒…亜鉛板
○児童の新たに気付の発言があれば,紹介す
・ (2)実験の準備をする
る。
考 (3)実験の予想を立て,班で話し合う。
評予想を確かめるために,実験に進んで参加す
察 (4)実験をする(各グループで一つ)
る。
(行動の観察・発言)
す
・リンゴ
・キウイ
○グループごとに実験結果をノートにまとめさ
る
・みかん
・レモン
せる。
・バナナ
・ナス
○板書を使って確認させる。
(5)実験結果を発表し合い,まとめる。
評銅板と亜鉛板を使い,果物電池になることが
42
分かる。
(発表)
つ 4 日常生活の経験を思い出しながら,さ
な
まざまな電池に目を向ける。
○人間電池の実験を見せる。
げ (1)生活の中で電池になるものを考える
銅…左手 亜鉛…右手
る (2)次時の学習を確認する。
45 ○自己評価プリントを書く。
4
指導の力点・・・
発見の楽しさ
自分は何をしたいのか,何を確かめているのかという目的意識をはっきりさせること
で,「知りたい・追究したい」という意欲を高めたい。そして,身近なものが電池にな
る実験をさせることで,発見の楽しさを味わわせ,関心をもって実験に取り組ませる手
立てとした。子どもたちの驚きや発見についての発言を大切にすることで,身の回りの
事象に対しても関心をもたせたい。
5
授業の実際
事前アンケートから,1組・2組とも理科嫌いが見られた。特に「電気」は興味・関
心 が 低 か っ た 。 (2 割 程 度 が 好 き ・ ど ち ら で も な い )
- 29 -
そこで,力点で示したように,興味・関心・目的
をもって取り組んでほしいという思いと,これから
の学習の中で,発展的な学習,気付き,工夫が生ま
れるきっかけになればということから本単元を計画
をした。
まず,導入の段階では,電気に関するアンケート
の結果を示した。「もしも電気がなくなったらどう
なるか」,「電気を起こす方法に,火力の他に水力
や風力発電もある」など,生活の中で気付いたもの
が多かった。
また,乾電池を使って,豆電球を点灯させること
果 物で電 子メ ロデ ィーは 鳴る のか な
を前学年で学習してきているので,もっと身近な
ものを使って電池の代わりになるものはないかと
考え,果物を使う計画を立てた。
学習課題を確認した後,教師が備長炭と食塩水
だけを使い,モーターを回してプロペラを飛ばす
ことができるかを見せた。見せる前は,ほとんど
の児童が「回すことはできない」と予想してい
た。予想に反して,プロペラが回ったときは,児
童の驚きの顔を見ることができた。
次に,もっと身近なものを使って乾電池の代わ
り に な る も の は な い か と 考 え , 家 か ら 果 物 を 持 っ 身 近に あるい ろい ろな もので ・・ ・
てくるように話を事前にしてある。また,班は4人で構成し,班で一つは持ってくるよ
うに指示しておいた。リンゴ,キウイ,みかん,バナナ,レモンなど,様々なものを児
童は用意していた。そして,児童が持参した果物を使い,電子メロディーを鳴らすこと
ができるかを予想させ,班で話し合った。話し合いの後で,結果を全員の前で班ごとに
発表させ確認した。ほとんどの版が「果物ではメロディーは鳴らせられない」と予想し
た。
次に実験を班で行わせた。実験に入る前には,注意すべきことをはじめ,実験の手順
を黒板を使い説明した。全ての班で電子メロディーが鳴り,驚きの表情を見せた。中に
は,亜鉛板や銅板を深く突きさすと,電子メロディーの音が大きくなることを発見した
り,野菜でも鳴るのではと考える児童も現れた。
最後に,両手に食塩水をつけ,電子メロディーを鳴らす人間電池を見せ,プリントで
自己評価させてまとめた。
6
成果と課題
本時の学習課題をしっかりもたせて,さらに備長炭や身近なものを電池に見立てて,モ
ーターを回したり,音を鳴らしたりすることで,子どもたちに感動や驚きを与えられた
こと,そして,「自分たちもやるぞ」という気持ちにさせられたことは,「身近なとこ
ろに実験の面白さがあることを知る楽しさがある」という本時のねらいに対して有効で
あったと考える。
また,どの児童も予想をきちんと書き,「どうかな」とメロディーに耳を当て,鳴る瞬
間を待った。鳴った瞬間の児童の笑顔が達成状況に反映していると考える。さらに,野
菜,人間の実験で,身近なもので電流を作り出せるということに関心をもったこと,感
想の中に,単に「面白さかった」ではなく「いろいろ調べてみる」,「他にどんな発電
があるかな」,「乾電池以外で物を動かしたい」など見られたことも成果があったと考
える。
し か し , 13時 間 の 単 元 全 体 を 見 て , 電 池 の 直 列 つ な ぎ ・ 並 列 つ な ぎ , 光 電 池 と 関 連 づ
けて導入は考えていなかったため,単に興味付けの授業になってしまった。理科嫌いを
なくしたい思いが強く,単元全体の流れの位置付けが間違っていたことは課題である。
- 30 -
第4学年2組
算数科学習指導案
1
単
元
2
本時の目標
平成22年
7月16日
金曜日
第2時
垂直・平行と四角形
(12/14)
○四角形の対角線の特徴を見付けようとする。
○四角形の対角線に着目して,それらの性質を調べることができる。
○四角形の対角線の性質を理解する。
3
学習過程
段
学
習
活
動
階
1 対角線について知る。
(1)対角線の用語を知る。
つ (2)四角形に対角線を引く。
か (3)平行四辺形に対角線を引く。
む
2 本時の学習課題について考える。
対角線のとくちょうを調べよう
時
間
指
導
上
の
留
意
事
項
○「対角線」の用語を知らせる。
○四角形には対角線が2本あることを知ら
せる。
○大きさの違う平行四辺形の対角線に共通
点があることを知らせる。
○知っている四角形を発表させる。
7
3 いろいろな四角形に対角線を引く。
(1)グループをつくる。
(2)ワークシートの四角形に対角線を引
く。
4 四角形の対角線の性質を調べる。
(1)各グループで,四角形の対角線の特徴
追
を見付ける。
求
す
(2)対角線の特徴をワークシートにまとめ
る。
る
(3)まとめた特徴を発表する。
5
ま
と
め
る
4
本時のまとめをする。
平行四辺形
○それぞれの対角線の真ん中で交わる。
ひし形
○それぞれの対角線の真ん中で交わる。
○対角線が垂直に交わる。
長方形
○対角線の長さが等しい。
○それぞれの対角線の真ん中で交わる。
正方形
○対角線の長さが等しい。
○それぞれの対角線の真ん中で交わる。
○対角線が垂直に交わる。
指導の力点・・・
○4人グループにする。
○各グループに2種類の四角形のワークシ
12
ートを用意する。
○対角線の「長さ」や,「交わり方」「交
わっている場所」を方眼マスに注目させ
考えさせる。
25 ○定規,コンパス,分度器を使って計測さ
せる。
○調べた対角線の特徴を発表させる。
30
○同じ意見でも,発表させる。
評平行四辺形やひし形,長方形,正方形の
対角線について,定規やコンパス,分度
器を使い測定しようとする。
(観察)
評平行四辺形やひし形,長方形,正方形の
対角線に着目して,定規やコンパス,分
度器を使い測定することができる。
40
(観察・ノート)
○今日の授業で分かったことを発表させる。
評平行四辺形やひし形,長方形,正方形の
対角線の性質についてプリントにまとめ
ることができる。
(ノート・発言)
45
見付ける楽しさ
対角線を引き,調べる活動を取り入れることによって,視覚的に自分たちで対角線の性質を見
- 31 -
付け出すことができるようにした。また,同じ種類の四角
形でも大きさの違うものを班の中で比較させ,児童に自分
たちで四角形の対角線の性質を見付け出す楽しさを味わわ
せたい。
5
授業の実際
本時は,いろいろな四角形の対角線の特徴を見付けるこ
とが目標である。児童は,垂直や平行という2本の直線の
関係は学習している。対角線という用語を学習するところ
先生見つけたよ
から本時はスタートした。
まず,導入の段階で,一般的な四角形に対角線を引くこ
とから始めた。黒板で対角線を1本引いて見せ,「まだ同
じような線は引けますか」と問いかけた。すると,多くの
児童が挙手をし,もう1本対角線を引くことができた。そ
の後,黒板の平行四辺形に対角線を引く練習をした。この
練習のおかげで,配布したプリントの四角形に対角線を引
くことが全員できた。
次に,対角線の特徴を見付ける段階に入る。対角線の特
徴を見付けるためのヒントとして,対角線の「長さ」「交
グループになって
わり方」「どこで」の3つを提示し,調べさせるようにし
た。それぞれのグループにプリントを配布し,「長方形・ひし形」「正方形・平行四辺形」を各
班で担当して調べるようにした。調べる活動の中で,どんなことを調べればよいのかや,どこを
比べればよいのかなど,四苦八苦しながら調べ,プリントに書き込んでいた。
調べ学習が終わり,発表の段階に入ると,各班で発表という形にしたが,なかなか意見が出て
こなかった。原因としては,調べ学習の段階で,「長さ」「交わり方」「どこで」という発問で
は,どこを調べればよいのかが具体的に伝わりきっていなかったことが考えられる。
6
成果と課題
この単元の授業をするのは,2年目である。昨年の課題は,「平行四辺形・ひし形・正方形・
長方形」の4つの四角形を調べることで時間切れになってしまったことと,4種類の四角形を1
つずつ調べるだけでは,対角線の特徴を見付けにくいのではないかということである。そのため,
今年は,①調べる四角形を各グループで2種類にする。②各四角形で大きさの違うものを3つ用
意する。という手立てをとった。
①調べる四角形の量を半分にしたが,今年も時間切れになってしまった。また,調べる四角形が
それぞれの班で違うため,説明の時に混乱がおきた。調べる四角形を各班で1つにして,じっ
くり考えさせる方が,落ち着いて学習できると考えられる。
②同じ四角形でも,大きさの違うものを3つ用意することで,対角線の特徴を見付けやすくなっ
たと考えられる。しかし,他の種類の四角形を調べることができない。
課題としては,時間が足りなくなること。調べることが,ヒントを3つ提示するだけでは十分
伝わらないことである。この2つの課題を解決する方法として,1時間の授業で本時を完成させ
るのではなく,本時を2時間に分ける。1時間目に,平行四辺形を全員で調べる。その中で,調
べること,調べ方をしっかりと伝える。2時間目に,1時間目で学んだことを生かし,それぞれ
の対角線の特徴を自分たちで見付けさせる方法が考えられる。
- 32 -
第5学年1組
図画工作科指導案
平成22年
1
2
5月14日
金曜日
第4時(図画工作室)
単
元
感じたことを画面いっぱいに
単元設定の理由
(1) 児童の実態
本学級の児童は,指示されたことには素直に従おうとするが,自ら進んで表現しようとする意
欲的な態度があまり見られない。そのため,自分に自信がもてず,進んで考えを述べたり,表現
したりすることを苦手とする児童が多い。
その一方,アンケートによると図工の制作に対しては,意欲的な数値が見られ,自分なりに工
夫しようとする態度も感じられる。そこで,本題材では自分の思いついたことをすぐに試せるス
チレンボード版画を扱い,自由な発想で自分らしい表現を十分楽しませたい。
(2) 教材のねらいと分析
新年度の始めは,子どもたちがやる気に満ちあふれ,新しいことを試みたくなったり,挑戦し
たくなったりする時期である。このやる気の芽を伸ばすためにも,年度始めの取り組みはとても
大切である。そこで,この春の満ちあふれる陽気を表現しているビバルディの「春」の曲からイ
メージを膨らまし,画面いっぱいに表現をさせたいと思う。
また,高学年になると写実的な表現を好むため,絵を描くことに苦手意識をもってしまう児童
がいる。芸術表現の中には,様々な表現があり,多様な価値を知る意味でも,本教材は表現活動
の広がりを感じ,これからの図画工作の活動にも反映されていくことを期待したい。
そして,ここでの活動は,学習指導要領「A表現(2)イ表したいこと」に合わせて,材料や
用具の特徴を生かして使うとともに,表現に適した方法などを組み合わせるようにさせたい。
(3) 学習過程の構想
聴いて・感じて・考える楽しさ
スチレンボードは,版そのもが柔らかく,ひっかく,型押し等の活動が容易にでき,版の分離
や再構成も思いのままであるので,多様な表現ができる。作品例を紹介して,いろいろな表現方
法に関心をもたせ,自分のイメージにあった方法を選択させたい。また,刷りにおいても色の発
色がよく,短時間に何度でも刷ることができる。刷った作品の中から,お気に入りの作品を作り
出せれば,自己表現に満足すると思われる。色の使い方,版の押し型,版の構成など,様々な方
法を試行錯誤する中で,色に対する感覚や形の構成力を高めていきたい。
さらに,本題材では,絵を描くことが苦手な児童にも楽しめるように,写実的な表現方法では
なく,抽象的な表現方法をとった。そのため版を作る際には具体物にとらわれず,聴いた曲のイ
メージを大切にして表現させたい。しかし,抽象的な表現に触れるのは,おそらくあまり機会が
ないと考えられるので,カンディンスキーの「コンポジションシリーズ」やクレーの「フーガ」
など,音楽からインスピレーションを受けた絵画を紹介して,発想や表現の幅をもたせたい。曲
から受けたイメージは一人一人異なるはずなので,制作過程で友達の作品を鑑賞し合い,それぞ
れの作品を認め合い,自分の思いを表す楽しさを感じさせ,自信につなげさせい。
3 単元の目標
(1) 曲のイメージを版に表す活動に意欲をもち,スチレンボードの特徴を生かして版づくりや刷り
を楽しむ。
(2) 刷り方を予想したり,写ったものから想像を広げたりしながら,自分のイメージに合った表現
方法を考える。
(3) 版づくりや刷りを繰り返し,自分のイメージを効果的に表現するように工夫する。
(4) 自分や友達の版で表したよさや工夫を感じ取る。
4 評価計画
観点
評価規準
評価項目
造形への関心・意 O曲から感じたイメージを版に表わ
A 曲のイメージを積極的に言葉や
欲・態度
そうとしている。
画像に表わそうとしている。
B 曲のイメージを大切に言葉や画
像で表わそうとしている。
発想や構想の能力 O曲から生まれるイメージを膨らま
A イメージを膨らまませ,仕上が
- 33 -
せ,版に表している。
創造的な技能
O版づくりから,自分のイメージに
合った表現方法を見付け出してい
る。
鑑賞の能力
O自分や友達の作品を鑑賞して,作
品のよさを認めている。
5
りを予想して,構想を練ることが
できる。
B イメージから湧いてくる構想を
考え,表現をすることができる。
A 刷り方をよく考え,自分のイメ
ージに合った効果的な表現方法を
選択できる。
B 刷り方を知り,イメージに合っ
た表現方法を試すことができる。
A 友達の作品の工夫している箇所
に注目して,今後の制作に生かそ
うとしている。
B 友達の作品を見て,よい所を見
付けようとしている。
学習の計画 (6時間完了)
第1時
曲を聴いて,イメージを膨らまし,感じたことをスケッチや言葉で表す。
第2時~第3時 スチレンボードの特徴を知り,練習用に自分が試したい表現方法で刷る。
第4時
練習で試した方法を生かして,版づくりをする。
第5時 (本時)版に手を加えたり,刷りを工夫したりして,イメージに合う作品をつくる。
第6時
友達の作品を鑑賞して,お互いのよいところを認め合う。
6 本時の学習指導
(1) 目
標
○曲のイメージを版に表し,材料の特性を生かした版づくりや刷りを楽しむ。
○版づくりや刷りを繰り返すことで,自分のイメージを膨らまませ,効果的に表現するように工
夫する。
(2) 準備・資料
児童……版をつくるための材料(フォーク,釘,プリンカップ,ねじ,貝殻,粘土べら等)
教師……スチレンボード,新聞紙,版画インク,ローラー,練り板,ばれん,刷り紙,布,カ
ッター,カッターマット,版をつくるための材料
(3) 関
連
3年「広がれ生きものワールド」(紙版画)
5年「ほって刷って-刷ったものに色をたすと-」(木版)
6年「色を選んで-木版で表すと-」(木版)
(4) 学習過程
段
時
学
習
活
動
指 導 上 の 留 意 事 項
階
間
1 曲から受けるイメージを確認する。
○前時のイメージを想起させるために,
つ
(1)前時に用意した言葉やスケッチを基
少し曲を流す。
に,さらにイメージを膨らます。
○曲を聴いて感じた言葉やスケッチを基
か
(2)課題を確認する。
にして,彫り進めることを指示する。
自分のイメージをもっともっと広
○彫りは,スケッチの中でも気に入って
む
げて刷ろう。
いる箇所を中心に画面構成を考えるよ
3
うに指示する。
2 版づくりをする。
○版に手を加えたり,刷りを工夫したり
○スケッチを基にしてもよいが,即興的
して,イメージに合うように作品をつ
に面白さい形や構成が思いついた場合
くる。
は,それに従って進めてもよいことを
〈彫る〉
知らせる。
広
・新たに版を付け足して彫る
○刷り紙とインクの発色の違いなど,い
- 34 -
・イメージに近づけるように,新た
に彫りを加える
〈刷る〉
・版の色を変えて刷る
・版を置く位置を考え,重ねて刷る
・色の組み合わせを考えてグラデー
ションで刷る
〈切る〉
・版を切り離し,いろいろな角度で
組み合わせる
げ
る
25
3
深
友達の作品を参考にして,刷りを完成
させる。
(1)進んでいる児童の作品や,面白い作品
を知り,参考にする。
め
(2)仕上げの刷りをする。
る
35
ま
と
め
る
4 作品を鑑賞する。
(1)刷った作品の中から,気に入ってい
る作品を選ぶ。
(2)友達の作品を鑑賞して,お互いのよ
さを認め合う。
45
くつかの表現方法の参考作品や作り方
の分かる資料を掲示しておく。
○制作が止まっている児童には,個別に
支援する。
○机間指導をしながら,個々に合った指
導助言をしていく。
○全体と部分のバランスを感じ取らせなが
ら,画面構成を考えさせる。
評曲のイメージを表し,材料の特性を生
かした版づくりや刷りを楽しんでいる。
(スケッチ・版・作品・観察)
○活動の途中で,自分の意図しているも
のが表現されているか,確認させる。
○友達の作品の変容を追うことで,版づ
くりや刷りの参考にさせる。
○全体の色の調子やバランスを整えなが
ら,作業をさせる。
評版づくりや刷りを繰り返し,自分のイ
メージを効果的に表現するように工夫
する。
(作品,観察)
○刷りが納得いかない場合も,本時で刷
った中では,どれがよいか選別させる
○友達の作品の中からよいところを見つ
けて,感想を発表する。
○自分の作品に対する思いやその気持ち
を確認する。
(5) 本時の評価規準
○曲のイメージを版に表し,材料の特性を生かした版づくりや刷りを楽しむことができる。
(スケッチ・版・作品・観察)
○版づくりや刷りを繰り返すことで,自分のイメージを膨らまませ,効果的に表現するように工
夫できる。
(作品・観察)
7
備
考
○板書計画
感じたことを画面いっぱいに
自分のイメージをもっともっと
広げて刷ろう
○刷り方の参考作品
・彫りを付け足す
・グラデーション
・彫り進んで重ねる
・少しずらして重ねる
・左右を反転して重ねる
・切り離して組み合わせる
○インクと刷り紙の相性チェック
- 35 -
8 単元を通した授業の実際
学 習 活 動
〈6時間扱い〉
指導・支援等
◇曲から受けるイメージを言葉や
・曲調を確かめながら,絵に描き
絵に描き表した。(曲の題名は
表させた。
知らせてない。)
① ・手が止まっている児童には,優
◇曲のイメージをつかむため,何
しい曲か,リズミカルな曲なの
回も聴いて,体で感じた音を表
かとらえた感想をもとに表現さ
現した。
せた。
◇スケッチを基に,版を作った。
《評価方法》
◇版を作るための材料を利用して 「音を表すのは,難しいけど面白い」
曲調にあったイメージを描いて
制作をした。(フォーク,釘,
いる。(スケッチ)
貝殻,粘土べら等)
・絵に書き表したことや,表せな
◇先の尖った物でひっかいたり,
かったことも含めて,言葉でイ
ふたや瓶で型押しをたりして
メージを書き止めさせた。
版を作った。
② ・小さな版で試し彫りをしてから
◇版に手を加えて刷り,イメージ
本番の版を彫らせた。
に合っているか確かめた。
「イメージに合わせ,夢中に彫っちゃった」
③ ・スケッチの中でも気に入ってい
◇「彫る」,「刷る」を繰り返し
る箇所を中心に画面構成を考え
イメージに合わせていった。
るように指示した。
◇色を変えるときは,版を水で洗
・即興的に面白い形や構成が思い
って,雑巾でふいた。
ついた場合は,それに従って進
◇色見本を見て,色を調節した。
④
めてもよいことを知らせた。
◇版がうまく刷れたら,重ねて刷
・全体と部分のバランスを感じ取
ったり,反転させて刷ったり,
らせながら,画面構成を考えさ
刷りの工夫をした。
「たくさんの色で刷れて楽しい」
せた。
◇色の深みを出すのに,2色以上
⑤ 《評価方法》
使って,刷りを重ねた。
材料の特性を生かした版づく
◇友達の作品を参考にして,刷り
りや刷りをしているか見る。
を完成させた。
・友達の作品のでよいところを見
◇お気に入りの作品を紹介し,互
つけて,感想を発表させた。
いの作品を鑑賞した。
⑥ ・自分の作品に対する思いやその
◇お互いの作品のよさや工夫して
気持ちを確認した。
いる点を認め合った。
「わぁ,どの作品もすごくきれい」
9 成果と課題
左の作品を見れば分かる通
り,今回の作品づくりでは,
たくさんの種類の作品ができ
あがった。音楽の捉え方が千
差万別であるように,版の表
現も多様に富んでいた。この
ように,本単元の最大の成果
違う版を重ねた作品
グラ デー ショ ン を用 いた 作品
2色で刷った作品
は,容易に表現選択ができた
ことが,大きかったと考える。そのための版として,スチレンボードは最適であった。
また,版画の短所でもある,刷りの時間,色数の少なさなど,障害となりかねない要素を克服したことも大
きな要因であったと考える。個々の思いを十分に反映して版に表現できた。そして,これらの作品が秘める可
能性としては,版として止めるだけでなく,パッケージデザインに利用したり,新たな作品の背景模様として
活用も考えられる。こうした発展教材の可能性も含め,さらに追究をしていきたい。
課題には,友達の作品を参考にする指示のタイミングが上がった。このタイミングでは,残り時間を考える
と制作に没頭していた児童の思考を停止させてしまったのではないかという点だ。せっかく他の児童の作品を
参考にする時間を与えたのに,制作の阻害になってしまっては本末転倒である。制作を振り返る調度よいタイ
ミングをはかることも,大切だと考えられる。
- 36 -
第5学年2組
国語科学習指導案
平成22年10月25日
1
2
月曜日
第2時
単
元
人物の考え方や生き方をとらえよう「わらぐつの中の神様」
学習の計画
(8時間完了)
第1次 第1時~第2時 全文を読んで,人物の人柄や考え方にふれる感想をもつ。
第2次 第3時~第7時 登場人物の考え方や生き方,かかわり合いを読み取る。
第3次 第8時
方言や共通語の違いとそれぞれのよさについて理解し,関
心を深める。
3 本時の目標(5/8)
○大工さんの人柄やおみつさんとのかかわり合いについて本文を味わいながら読み取ることがで
きる。
4 学習過程
段
時
学
習
活
動
指 導 上 の 留 意 事 項
落
間
1 本時の学習課題をつかむ。
(1)前時までの学習を振り返る。
つ
○おみつさんのわらぐつがどのように描かれ
○おみつさんが見た自分の作ったわらぐつの様子
ているか考える。
を思い出させ,前時の学習を振り返らせる。
か
・不格好,不細工
○おみつさんのわらぐつの様子を表す言葉を黒板
・右と左の大きさがちがう。
に貼り,児童に意識付けさせる。
む (2)本時の課題をつかむ。
大工さんの人柄やおみつさんとのかかわり合
いを読み取ろう。
8
2 大工さんの人柄について読み取る。
(1)学習場面を音読する。(役割読み)
○おみつさん役と大工さん役を指名し,役割読み
(2)おみつさんが作ったわらぐつに対する大工
させることで誰の言葉なのか理解しやすくす
さんの考えを会話文から読み取る。
る。
考
・とてもじょうぶ
○おみつさんが編み上げたわらぐつが大工さんの
・いいわらぐつ
目にはどのように写っているのか,短い言葉を
(3)大工さんの仕事に対する考え方を読み取る。
抜き出させワークシートに書かせる。
え
・いい仕事は見かけで決まるものではない。
○大工さんの言葉から仕事に対する考え方がわか
・使う人の身になって作るのがほんとのいい
る文を教科書から抜き出させ,ワークシートに
仕事である。
書かせる。
る (4)大工さんはわらぐつの何を見ているのか
○ワークシートに自分の言葉で書かせる。
考える。
○書けていない児童には,おみつさんは何を見て
・作り手の心
「不細工」と言っているのか比較して考えるよ
・おみつさんの一生懸命わらぐつを作る気持ち 30
うに助言する。
3 大工さんとおみつさんの関わり合いを考える。
評大工さんの人柄について本文をもとに読み取る
(1)大工さんの仕事に対する思いとおみつさんが
ことができる。
(ワークシート・発言)
深
わらぐつを作るときの思いを比較する。
○おみつさんが大工さんの話を聞いている様子を
・はく人がはきやすいように
真似させ,大工さんの考えに共感していること
・あったかいように
を気付かせる。
め
・少しでも長持ちするように
○前時の内容を振り返らせ,教科書からおみつさ
(2)大工さんがおみつさんに結婚を申し込んだ理
んの思いが分かる文に線を引く。
由を考え,発表する。
○板書を用いて大工さんとおみつさんの思いが共
る
・見かけはよくないかもしれないが,使いやす
通していることに気付かせる。
く,じょうぶで長持ちするように作ってある
○大工さんの言葉がどういう意味をもつのか発問
ことがわかったから。
をし,おみつさんに結婚を申し込んでいるとい
・使う人の身になって仕事をしているおみつさ
うことに気付かせる。
んはきっとやさしい人だろうと思ったから。
○教科書の言葉に自分の考えを加えて,ワークシ
・自分をおみつさんのような人になりたいと思
ートにまとめさせる。
ったから。
評登場人物の関わり合いから,大工さんのおみつ
42
さんに対する思いを読み取ることができる。
ふ 4 本時の学習まとめをする。
(ワークシート・発言)
- 37 -
り
返
る
(1)板書を参考に本時を振り返る。
(2)次時の予告をする。
○板書から大工さんはおみつさんの仕事ぶりか
ら,見かけではなく内面に惹かれていったとい
うことを押さえる。
○次時は第三場面(現在)で,マサエの心の変化に
45
ついて学習していくことを話す。
5
指導の力点・・・ 登場人物の思いにふれる楽しさ
大工さんの人柄とおみつさんとのかかわり合いについて本文をもとに読み取っていく。
その際,本時では3つの工夫を行う。①音読をする際,役割読みにすることで登場人物
の心情を読み取っていきやすいようにする。②ワークシートを使い「書く活動」を取り
入れ自分の考えを明確にまとめられるようにする。③板書を使いながら視覚的にも登場
人物の思いをとらえていけるようにする。
6
授業の実際
本時では,大工さんの人柄やおみつさんとのかかわり
合いを読み取っていくことを目標に授業を行った。その
ために,両者の心情を比較しながら読み深めていく手立
てをとった。
まず,「おみつさんは自分の作ったわらぐつをどのよ
うに見ているのかな」という発問から始めた。すると,
児童からは「不格好」「左右の大きさが違う」などわら
ぐつの外見についての発言が出てきた。そのようなおみ
つ さ ん の 思 い を 児 童 に 確 認 さ せ て 本 時 の 内 容 に 入 っ た 。 大 工さん はど んな 人だろ う?
音読では,おみつさんと大工さんの会話部分を引き立てるために,それぞれの役を児
童一人ずつに代表で音読をさせた。おみつさん役の児童も大工さん役の児童も気持ちを
込めて読むことができていたが,語り手を句点読みにしてしまったため,登場人物を際
だたせるという点では不十分なように感じられた。
次に,おみつさんが作ったわらぐつについて大工さんはどのように見ているのかとい
うことを読み取らせた。大工さんの仕事に対する思いを押さえてから,「大工さんはお
みつさんのわらぐつの何を見ているのかな」という発問をすると,児童からはわらぐつ
の「使いやすさ」「作り手の気持ち」「作っているときの心」などわらぐつの内面につ
いての意見が出た。
おみつさんと大工さんがそれぞれわらぐつの何を見て
話をしていたのかを比較することができた。そして,お
みつさんが大工さんの話をどのように聞いていたのか,
児 童 に 実 演 さ せ た 。 う な ず き な が ら ・・ ・ と い う 動 作 か ら
相手に共感しているということを押さえ,おみつさんが
どのような気持ちを込めてわらぐつを作っていたのか,
教科書の文章に線を引かせた。前時で学習した場面から
見付け出すことができ,おみつさんも大工さんの仕事に
対する考え方と同じ思いをもっていたことに気付くこと
結婚を 申し 込ん だ理由 は?
ができた。
それから,大工さんがおみつさんに結婚を申し込んだ理由を考えさせた。「わらぐつ
にこめた思いが伝わってきたから」「熱心にわらぐつを作っている姿を見たから」とお
みつさんの人柄に惹かれたという意見が出た。両者ともに見かけではなく使う人の身に
なって仕事ができる人であるということとつなげて考えることができた。
7
成果と課題
成果として,おみつさんの心情と大工さんの心情とを比較しながらとらえていくこと
で,互いの思いについて迫ることができた。大工さんがおみつさんに結婚を申し込んだ
理由から,両者の仕事に対する考えが共通しているという点を押さえることができた。
しかし,発問に対して自分の意見に自信をもって答えられていない児童もいた。これ
からの授業で,発問の仕方から板書を簡潔にすることなどをしっかり考え,児童の意見
がより活発に出てくるような展開をしていきたい。
- 38 -
第5学年3組
国語科学習指導案
1
単
元
2
学習の計画(8時間完了)
平成22年10月13日
水曜日
第3時
人物の考え方や生き方をとらえよう「わらぐつの中の神様」
第1次
第1時~第2時
全文を読んで,人物の人柄や考え方にふれる感想をもつ。
第2次
第3時~第7時
登場人物の考え方や生き方,かかわりを合いを読み取る。
第3次
第8時
方言や共通語の違いとそれぞれのよさについて理解し,関
心を深める。
3
本 時 の 目 標 ( 2/8)
○第1場面を読み,人物の人柄や考え方に触れる感想をもつことができる。
4
段
階
つ
か
む
追
求
す
る
ま
と
め
学習過程
学
習
活
時
間
動
1 本時の学習課題をつかむ。
(1)前時までの学習を振り返る。
(2)本時の課題をつかむ。
登場人物の人柄や考え方を読み取り,感想
を書こう。
2 第1場面を読み取る。
(1)辺りの様子が分かる表現を見付ける。
・雪がしんしん
・しょうじがガタガタ
・雪がサラサラ
(2)会話や行動から分かる人柄を読み取る。
・「お母さん,わたしのスキーぐつ,かわ
いてる。」
・「おやおや,なにが迷信なもんかね。」
・お母さんもこたつの中へ入っていきまし
た。
指 導 上 の 留 意 事 項
○前時の学習内容を確認させる。
○第1場面を読ませ,人物を確認させる。
○ワークシートと教科書を使うことを知らせる
5
○情景がわかるところに線を引かせる。
○「こたつ」「スキー」などから冬であること
を確認させ,寒さを想像させる。
○会話文などから3人の人柄を読み取り,ワー
クシートに書かせる。
○何事も母親に頼っているマサエの性格をとら
えさせる。
○マサエに対し,優しく語りかけるおばあちゃ
んであることを読み取らせる。
○会話や行動から温かい家庭であることに気づ
20
かせる。
3 わらぐつに対するおばあちゃんとマサエの
○マサエとおばあちゃんのやりとりから,わら
見方の違いを読み取る。
ぐつについての考え方の違いを読み取らせ,
【マサエ】
ワークシートに書かせる。
・みったぐない
○マサエの見かけで判断し,決めつけるような
・だれもはいている人ないよ
考え方をおばあちゃんと比べさせる。
【おばあちゃん】
評わらぐつについて,2人の考え方の違いを書
・いいど,あったかくて
くことができる。 (ワークシート・観察)
・軽いしすべらん
4 わらぐつに対する自分の考えを書き,どち
○わらぐつに対する自分の考えを書くことによ
らに近いのか発表する。
りマサエと読み手である自分との共通点に気
○あなたの意見はマサエとおばあちゃんの
付かせる。
どちらか,その理由を付けて発表しよう。
○わらぐつ本来の良さを知っているおばあちゃ
んの考え方もあることを伝える。
評2人の考え方の違いをとらえ,自分がどちら
に近いか理由をつけて書くことができる。
43
(ワークシート・発表)
5 本時の学習のまとめをする。
○ワークシートで振り返りをさせる。
○次回は,第2場面を学習することを確認させ
45
る。
- 39 -
5
指導の力点・・・
人物の気持ちを読み取っていく楽しさ
雪国での暮らしを背景にしたマサエとおばあさんの人柄について対比させて,叙述を
もとに考えさせる。その際,会話文を手がかりにして,マサエとおばあちゃんのわらぐ
つに対する気持ちを気付くようにワークシートにまとめて明らかにさせたい。
6
授業の実際
クラスの多くの子どもたちは,定期的に図書館に通い,
本を借りてくる。また,朝の読書タイムでも熱心に本を読
む姿が見られる。では,国語の授業 に結びついているだ
ろうか。教科書には物語,説明文,詩などさまざなジャン
ルの読み物がある。教師の実感として,読み取不足を感じ
ることが多々ある。
「わらぐつの中の神様」という単元は,それぞれの人た
ちの思いの深さや誠実さなど心に迫る読み取が重要なポイ
ントになる。ただ読むだけでは心情に迫ない。そこで,3
マサエの人柄は…
人の人柄や気持ちを読み取っていくために,授業や宿題で
多くの音読をさせた。何度も音読を進めていくうちに,子
どもたがマサエ・おばあちゃん・おかあさんの3人が,そ
の場面ではどんな気持ちで話しているのだろうかというこ
とに気付き,音量や話すテンポなどを工夫して読み進めて
いく姿が見られた。そして,授業の音読では,上手に読む
ことができる子どもたちが,場面によって声の強弱を工夫
したり,人に聞く会話文では文末を上げて読んだり,また
おばあちゃんの話し方では,優しく語りかけるように読ん
だりすることで,さらに気持ちや人柄を感じ取れる手立て
にもなった。
こうした音読が繰り返し続けていくことで,マサエ・お
読み取ってきたぞ!
ばあちゃん・おか あさんの3人の人柄や気持ちを聞く問
いかけにも「あっ!あそこだ!」と気付く子どもたち児童が多く,読み取りができてい
たように思う。また,日頃うまく読み取りができなかった子どもたちでも「ここかなぁ
…」と的を絞るところまで到達できた。
しかし,マサエとおばあちゃんのわらぐつに対する見方の違いを読み取る場面では,
マサエに共感する子どもたちがあまり多くはいなかった。もっとマサエに共感すること
で最後の感動につながるので,第1場面だけを音読させたほうがよかったのではないか
と感じた。
7
成果と課題
物語には,登場人物の会話や行動が描かれる。読み手は,それらを読みながら共感し
たり反発したり,あこがれを抱いたりする。会話や行動に注意して読むと,その人物の
人柄・考え方・心情をとらえることができる。
「わらぐつの中の神様」の第1時では教師が本文を1度だけ読み,子どもたちに初発
の感想を書かせた。子どもたちは物語の結末を知っている。また,今後どんな展開にな
っているか少なからず理解している。そして,本時である第2時を迎えることになる。
第1場面ではマサエは「わらぐつなんかに神様なんて
いるはずない」とおばあちゃんに話している。それに対
し,読み手である子どもたちも「マサエの言う通りだ」
「神様なんているはずない」とマサエに共感する。
しかし,結末を知っているので,マサエの「神様なんて
…」という反発もある中,一部の子どもたちには「ちゃ
んと神様は存在するんだよ」とか「おばあちゃんは間違
っていない」のいう意見も見られた。教師が「第1場面
に限定する」指示をしなかったためであると考える。
物語を味わうとき,構成にもっと注意をしていかなけ
ればならないと痛感した。
「マサエの言う通りだと思います」
- 40 -
第6学年1組
国語科学習指導案
平成22年11月
8日
月曜日
第3時
1
2
単
元
表現を味わい,豊かに表現しよう「やまなし」
本 時 の 目 標 ( 6/16)
○「五月」と「十二月」の川底の様子や登場するものの行動や情景を比べ,違いや考え
をもつことができる。
3 学 習 過 程
段
時
学
習
活
動
指 導 上 の 留 意 事 項
階
間
つ 1 本時の学習課題をつかむ。
か (1)前時の復習をする。
む (2)本時のめあてを知る。
○本時の学習課題を確認させる。
「五月」と「十二月」の情景を比べよう
3
2「五月」と「十二月」の情景想像しながら比べ
る。
○季節,気温,様子(草木)など,比べる視点
(1)自然環境の「五月」と「十二月」を比べる。
をつかませる。
・春と冬,暖かい寒い,若葉とかれ木等
(2)どんなところで比べたり,違いをみたりする
○比べること,違いをみる時の視点を全体で確
ことができるか考える。
認させる。
考
・登場するもの ・川底の様子等
(3)「五月」と「十二月」の情景を想像しながら
○「五月」と「十二月」の情景を比べながら読
各自で全文を読む。
ませる。
え (4)線を引いたところを見ながら,「五月」と
○比較できる言葉や文章に線を引かせる。
「十二月」をみんなで比べる。
○「五月」と「十二月」を絵に表わしたワーク
「五月」
「十二月」
シートを参考に話し合わせる。
る
・日光(昼)
・月光(夜)
○登場したものを中心に話し合わせる。
・かに
・かにの成長
・かわせみ
・やまなし
・クラムボン
・出てこない
・魚
・出てこない
25
3 「かわせみ」と「やまなし」の関係について
○「 かわせみ」と「やまなし」を取り上げ,
考える。
具体的に比べさせる。
深 (1)「かわせみ」と「やまなし」をくわしく比べ
○種類,登場の仕方,その後などの視点から比
め
る。
べさせる。
る
・動物と植物
・
・急に入ってきた,落ちてきた
評「五月」と「十二月」を比べ,比較できる言
・魚の命を奪う,いいにおいとお酒を与えて
葉や内容を見付けることができる。
ま
くれる等
(話し合い・観察)
と (2)「五月」と「十二月」が表す世界の違いに気
○「五月」と「十二月」を,何の世界と何の世
め
づく。
40
界とに表すことができるか考えさせる。
る 4 本時のまとめをする。
○本時を振り返り,考えたことや思ったことを
45
まとめる。
4
指導の力点・・・ 「五月」「十二月」を比べながら読む楽しさ
「やまなし」は,作者独特の世界感あふれる作品であるが,児童には読み取りにくい
作品でもある。「やまなし」は対比する2つの世界で構成されている。「五月」と「十
二月」の情景を比べることで,比べながら読むという読み方を体験させ,2つの月に描
かれているものの違いを読み取らせる。
- 41 -
5
授業の実際
本単元は,これから学習する「やまなし」の作
者,宮沢賢治の生き方と作品の出会いから学習を始
めることにした。何気ない田園風景にひまわりの花
を咲かせたことや,農業に対する情熱,若くして病
気と闘った姿は,宮沢賢治の作品を理解することに
もつながっていくと考えた。宮沢賢治のものの見方
や考え方は,児童にとっても新鮮に映ったようだ。
「五 月 」か に の 兄 弟 が ク ラ ム ボ ン の こ と で 話 し て い
る。そこへ魚が現れクラムボンを殺してしまう。そ
「恐怖の世界」と「生命の世界」
の魚もかわせみに殺されてしまう。それをこわがる
兄弟にお父さんのかにが,心配はいらないと優しく
話しかける。
「十二月」かにの兄弟があわの大きさを比べてい
る。そこへ「トブン」と何かが落ちてきた。かわせ
みかと思ったらお父さんのかには,それが「やまな
し」であることを教え,親子三匹が追いかける。お
いしいお酒になることを楽しみに巣穴へかえってい
く。
2つの季節の情景を比べることを確認し,全文を
五月・十二月
読ませた。対比する言葉に線を引くという作業を入
れて読ませたが,予想以上に難しかったようだ。ほとんどの児童が線を引けずに終わっ
たので,2つの場面絵を描いたワークシートをもとに,対比することにした。児童は情
景に合った絵を描いていて,想像力を働かせていることが分かった。児童の発表をもと
に,五月と十二月を対比しながら板書する。机間巡視をしてみると,絵と対比表現も書
かれていたので安心していたが,なかなか発表までに至らず,発言する
ことへの自信のなさがうかがえた。対比表現を書き出すためのワークシートを用意して
おいたので,使うべきだったと反省している。しかし,情景描写・出来事・かにの兄弟
・季節と分類することによって,範囲対象が狭められ少しずつ対比表現に気付くことが
できた。2つの季節が表す世界の違いについては,次の時間に持ち越しとなったが,
「恐怖の世界」「生命の世界」と全体でまとめるに至った。
6 成果と課題
<成果>
・「やまなし」の内容がわからない,わかりたいという児童の初発の感想が,少しずつ
宮沢賢治の生き方を理解することによって,授業に意欲的に取り組むことができた。
・物語の展開に従って順に課題を見付け読み取る活動ではなく,五月と十二月の場面を
対比させるという,作品全体を見わたすような学習活動は,児童にとっては新しい試
みで戸惑いもあったが関心をもって取り組んでいた。
・「対比」の効果を考えながら作品を読み,ワークシートにまとめることができた。五
月の世界,十二月の世界を読み比べることで,見えるものがあることに児童が気付く
ことができた。
<課題>
・授業の中では,しっかり音読の時間が確保できなかった。
・自分が読み取ったことを表現するために,となりの人と話し合う場を設けたりしたが,
「聞き手に届く声で話す」「話し手の声に反応しながら聞く」など,互いに認め合う
安心感のある学級にしていく必要がある。
・学んだことが自分のためになったという実感がもてる授業を考えていきたい。そして,
学ぶことが楽しいと思う児童を育てていきたい。
- 42 -
第6学年2組
社会科学習指導案
1
単
元
2
本時の目標
平成22年11月16日
火曜日
第2時
明治維新から世界のなかの日本へ
( 1/8)
○資料から学習問題をつかみ,追求意欲を高めている。
○資料から必要な情報を読み取ることができる。
3 学 習 過 程
段
学
習
活
時
動
階
指 導 上 の 留 意 事 項
間
つ 1 本時の学習課題をつかむ。
○これまでの江戸時代について振り返る。
か
○江戸幕府は鎖国をしてきたことを確認し,本
黒船が来て日本がどうなったか
時の学習課題を伝える。
調べたいことを考えよう。
む
5
2 資料を読み取る。
○他の人が見付けないようなものを探すように
○資料からわかることを10個さがす。
助言する。
・黒船が来た
○見付けたものに順位をつけさせることで発表
・アメリカの旗が立っている
考
意欲を高めさせる。
・船に煙突が付いている
○出された意見を,陸上と海上とにわけながら
・日本の船は小さい
板書をする。
・日本にはたくさんの旗がある
○より詳しく資料を見るために,一つのものに
・武士が集まっている
え
焦点化して発言させていく。
・大砲を打とうとしている
評資料から必要な情報を読み取ることができ
・弓矢を用意している人がいる
る。
・米を運んでいる
20
3 読み取った内容から調べたいことを考える。
○黒船が来て日本がどうなったか,調べたいこ
・黒船はどうして日本に来たのか
る
(ノート点検・発表)
とを考えさせる。
・幕府はどう対応したのか
○グループ分けをするために,意見を整理しな
・新しい国づくりはどうしたのか
がら板書する。
・強い国にするためにどうしたのか
評資料を読んで,調べたいことを見付けること
・どのようなきまりを作ったか
35
ができる。
(ノート点検・発表)
4 グループで相談し調べるテーマを決め,学
計
習の計画を立てる。
画
(1)調べたいテーマを選ぶ。
す
(2)何を調べるかを分担する。
○生活班を作る。
40 ○班で相談してテーマを決める。
る 5 次時の予告をする。
○調べ学習をし,グループで新聞を作ることを
45
4
指導の力点・・・
予告する。
資料を読む楽しさ
一枚の資料をじっくり見ていくことで,たくさんの情報を手に入れることができる楽
しさを味わわせたい。本時では,黒船来航の様子を見せ,そこで得た情報から,自分た
ちが調べられることを見付けることで次時からの調べ学習の意欲を高めさせたい。
- 43 -
5
授業の実際
本学級の児童はこれまで,国語や総合的な学習
において自分で設定した課題を解決するための調
べ学習を行ったところ図書資料やインターネット
を使用して意欲的に取り組む姿が見られた。しか
し,社会科で戦国時代の学習後信長,秀吉,家康
のうち一人を選択して人物新聞を作るように課題
を与え調べ学習をさせたところ,追究意欲は低く
資料に書かれた内容を写して終わりという状態で
あった。
そこで,単元の導入で多く疑問がもてる資料を
与えることで,子ども自らが問題をもち,それを
提示した資料
追究する意欲が高まるのではないかと考えた。
本時ではペリーが来航してから大日本帝国憲法
ができるまでを調べ学習の範囲とねらって行っ
た。児童に与えた資料は黒船の来航とそれに驚く
人々の様子を描いたものである。この資料を読み
取らせることで生まれる疑問を学習問題として追
究させようとした。
資料からわかることを10個探しノートに書か
せた。その際「誰も見付けないようなことを探そ
う」「発表したい順位をつけよう」と声かけした
ことで,どの児童も真剣な様子で取り組んでい
た。児童から出された意見は黒船に注目したも
資料の読み取りの様子
の,陸の人物に注目したものであったが,「黒い
船がある」「大砲がある」など表面的なものが多く,「大砲はあるけど弾が出ていな
い」「武士が慌てた様子をしている」といった深く読み取った意見が出されなかった。
そのため,調べたいことを考えさせると「黒船は何をしに来たのか」というものがほと
んどであった。そこで,教師が「黒船が来たことで日本はどうなっていくのだろう」と
投げかけたところ,「幕府がどう対応したのか」「戦争したのか」などの意見が出され
た。出なかったテーマについては教師が補足し,グループでテーマを一つ選ばせた。
6
成果と課題
資料を読み取る際の板書で,海側と陸側を分けた。そうすることで,児童に資料を読
み取る視点を与えることができた。まずは海側でわかったことを発表させ,船に着目さ
せた。「黒船がある」とだけ書いた児童にも,「船を見て気付いたことがありますか」
と問うことで,「周りの船に比べて大きい」「アメリカの旗がついている」などより詳
しく資料が見ることができるようになったが,人々の表情や動きから伝わる雰囲気など
深い読み取まではできなかった。しかし授業後ノート点検をすると,数名の児童が「み
んな慌てている」「いらいらしてる様子がある」と書いていた。そこで机間指導の際に,
教師が引き出したいと考えている意見をもつ児童を把握し,取り上げることで児童に資
料の読み取り方を指導していきたい。深い読み取ができていればねらいとする学習問題
も出されたであろう。
また,ねらいとする学習問題が出されなかった原因がもう一つある。それは資料不足
である。本時で使用した資料からでは児童の意見を引き出すのに限界があった。例えば
江戸時代の人々の様子と文明開化後の人々の様子を表す資料を提示することで,なぜこ
のような変化が起きたのか児童が問題をもてるようになる。このように,もし教師がね
らいとする意見が出されなかった時に備えて資料を用意しておく必要があった。
最後に,個々に学習問題を決めさせずグループで選ばせたのは,調べる学習問題の偏
りをなくすためであったが,これでは本当に自分が調べたいことを選べない児童が出て
意欲を高めさせることができなかった。個々に学習問題を選び,意欲をもって調べ学習
を行うためには,だれも調べない学習問題や,出されなかった学習問題については授業
を進めていく中で教師が取り上げ,学級全体で追究していくなどして対応していきたい。
- 44 -
Ⅶ
そ
(1)
の
他
の
平成22年度
費
目
報 償 費
需 用 費
役 務 費
委 託 料
使 用 料 等
原 材 料 費
備品購入費
負 担 金 等
合
計
◎
◎
◎
◎
◎
記
録
学校予算
(2)
予算額(単位千円)
10
4,187
118
80
6
30
257
160
4,848
特別予算による購入備品
・壁掛け扇風機
・消火器
・保健室ノートパソコン
・特別支援学級備品
健康診断票整理箱
どこでもわなげ
箱庭療法導入セット
折りたたみ作業台
回転式ホワイトボード
平成22年度
①
外壁爆裂補修工事
6月
外壁の爆裂により,コンクリート片が
落ちて危険であったため,補修工事を行
った。
②
配膳室換気扇設置
9月
1回配膳室の室温が上昇し,保冷庫の
運転に支障を来すので,新たに換気扇を
設置した。
③
遊具全面改修工事
10月
遊具の老朽化が激しく,ほとんどの遊
具が使用できない状況であったため補修
工事を行った。
④
配膳台修繕
10月
配膳台の足が折れてしまったので,2
台分まとめて溶接修繕を行った。
⑤
音楽室渡り廊下屋根修繕
2月
体育館から音楽室につながる渡り廊下
に屋根がなかったため補修工事をを行っ
た。
⑥
玄関用照明修繕
2月
玄関の照明が暗く,夜間の来校者に不
便をかけていたので,増設工事を行っ
た。
⑦
玄関インターホン修繕
2月
玄関を施錠しているときの来校者に対
応するために玄関にインターホンを設置
した。
7台
2台
1台
1台
1台
1台
1台
1台
学校予算による購入備品
・丸椅子
40台
教材備品による購入備品
・トランペット
・アルトホルン
・トロンボーン
・雑誌架
2本
1本
1本
1台
学区会寄付物品
・アルミ製フラワースタンド
・学習用ソフト
・ラジカセ
・貸し出し用傘
3台
1式
3台
50本
厄歳寄付物品
・アルミ製フラワースタンド
・パレット
7台
12台
- 45 -
工事・修繕の記録