猛禽類調査へのビデオカメラの導入

猛禽類調査へのビデオカメラの導入
精度が高く、効率的な調査実施のために
●調査時にはビデオ撮影を行って個体を識別する
図中の猛禽類:①ハチクマ、②イヌワシ、③クマタカ、④ミサゴ、⑤サシバ
ポイント1:高い調査精度
猛禽類調査における観察の際に、最も重要でありな
がら、非常に高い技能が要求されるのが個体識別です。
映像があれば識別できる数が飛躍的に多くなり、間違
いもほぼなくなります。
・羽の欠損や損傷はズームして確認します
・動画だから多角度から総合的に判断します
【機材の工夫】
撮影においては、拡大すればするほど解像度が低く
なるとともに、ブレやすくなることから飛翔する個体
をなめらかに追従することは難しくなっていきます。
しかし、少しでも大きく、きれいな映像を得るため、
接眼レンズの工夫や、ビデオ用三脚・雲台、解像度の
高い光学機器、双眼望遠鏡等の導入を行っています。
なお、これらの工夫はより遠方の個体の発見にも結び
つき、一人の調査員の観察範囲が広くなります。
お問合せは、支店営業担当者または、本社水域環境部(電話 03-5959-2507 FAX03-5959-2506)までお願いいたします。
●とりまとめ時には個体識別が結果に反映される
【色の付いた飛翔図】
つがい1の♂
つがい1の♀
つがい1の幼鳥
つがい2の♂
つがい2の♀
不明個体
つがい3の♂
つがい3の♀
不明若鳥
下の図面に対して、左の図の
ように多くの飛翔に色が付く
と、何羽いて、各つがいはどの
あたりを行動範囲にしていて、
行動の中心はどこにあるか等が
よくわかる様になります。なお、
注意すべきは、比較的狭い範囲
に3つがいもいて、さらに図の
右下付近には、2つがい、つま
り4羽の飛翔が見られることで
す。観察だけで4羽のうちどの
個体であるかを見極めることは
困難ですが、ビデオで撮影した
映像があれば、自信を持って色
を付けることができます。
識別できていないと真っ黒
何つがいがいる???
ポイント2:効率的な調査の進行と正確な結果
出現の観察時に、いつ、どこで、だれ(個体)が、何をしたかについて正
確に把握されると、その出現時の行動の種類(繁殖に係わる行動、ハンティ
ングに係わる行動等)がわかります。特に猛禽類は1年を繁殖周期として生
活しており、繁殖ステージ毎に見られる各種の繁殖に係わる行動を確認する
ことは、繁殖生息分布調査の段階では早期の営巣地の発見、内部構造調査段
階では解析に必要なデータの蓄積につながります。さらに、正確かつ十分な
結果をもとに内部構造図を描くことから、事業への影響予測、保全対策の立
案についても適切に行うことができます。
●猛禽類調査での実績等
・CCDカメラを用いたビデオモニタリング調査
(事例数:4,繁殖周期毎の行動および餌動物について解析を行ってい
ます)
・事業予定地と営巣木の距離が近い事例における保全対策の検討
(クマタカの繁殖周期を考慮して決定した施工工程によって事業を実施
するとともに、工事中は目視およびビデオモニタリング調査を行って、
既往の結果よりあらかじめ設定した異常行動の有無をモニタリングし
ています。現在のところ、巣の位置は変えず、繁殖行動も行うのが確
認されています。)
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