定期演奏会

定期演奏会
神戸新聞 松方ホール
音楽史を織りなす才人たちの軌跡 人に出会い、作品に出会った
パリ、18 世紀、20 世紀
時代を越えて交差した綺羅星
神戸市室内合奏団
指揮・ピアノ:野平 一郎
© 相田憲克
F.J.ゴセック:交響曲 ハ短調 Op.6-3
Franҁois-Joseph Gossec : Sinfonie con oboe e corni op.6-3
W.A.モーツァルト:ピアノ協奏曲 第14番 変ホ長調 K.449
Wolfgang Amadeus Mozart : Konzert für Klavier und Orchester Nr.14,Es-Dur,K.449
M.ラヴェル:亡き王女のためのパヴァーヌ
Maurice Ravel : Pavane pour une infante défunte
F.プーランク:シンフォ二エッタ FP141
Francis Poulenc : Sinfonietta FP141
58385
助成:平成 27 年度 文化庁文化芸術振興費補助金
(トップレベルの舞台芸術創造事業)
野平 一郎
Ichiro Nodaira
東京芸藝術大学、
同大学院修士課程作曲科
を修了後、パリ国立高等音楽院に学ぶ。作曲、
ピアノ、指揮、プロデュース、教育などの多方面
にわたる活動を行う。ピアニストとして、内外の
主要オーケストラにソリストとして出演する一
方、名手と数多く共演し、室内楽奏者としても活
躍。80曲以上に及ぶ作品の中には、フランス文
化省、
アンサンブル・アンテルコンタンポラン、IRCAM、ベルリンドイツ交響
楽団、国立劇場、NHKその他からの委嘱作品がある。2005年ドイツでオペ
ラ
「マドルガーダ」をケント・ナガノ指揮で初演。2006年チェロとオーケス
トラのための「響きの連鎖」が堤剛のソロで初演された。2013年9月には
モスクワで開催された「ザ・シーズンズ国際音楽祭」、2014年10月には台
北国際現代音楽祭に招聘され多くの作品が演奏された。
第13回中島健蔵音楽賞(1995)、芸術選奨文部大臣新人賞、第11回京都
音楽賞実践部門賞(1996)第35回サントリー音楽賞(2004)、第55回芸術
選奨文部科学大臣賞(2005)、第44回、第61回尾高賞(1996・2013)を受
賞。2012年には紫綬褒章を受章。現在、静岡音楽館AOI芸術監督。東京藝
術大学作曲科教授。
神戸市室内合奏団
Kobe City
Chamber Orchestra
1981年、神戸市によって設立された神戸市室内合奏団は、実力派の弦
パリ、18 世紀、20 世紀
時代を越えて交差した綺羅星
ベルギー出身のゴセックは若くしてパリへ行き、ラモーに見出さ
れた。フランスで最初の交響曲を書き、「フランス交響曲の父」と呼
ばれたゴセックは、30 曲近くの交響曲を残している。公開演奏会組
織「コンセール・スピリテュエル」の指揮者として、自作の曲以外にも、
同時代人ハイドンの作品を数多くとり上げたことから、ハイドン作
品がパリで有名になった。
ゴセックの「レクイエム」を聴いたモーツァルトはこれを高く評
価し、1778 年のパリ旅行の際にゴセックを訪ね、親しく交わってい
る。この旅は、母の死や失恋、失敗に終わった就職活動など、次々
と辛い経験をモーツァルトに課し、やがて、新しい可能性を求めて
ウィーンへ出てゆくきっかけとなった。「ピアノ協奏曲 K.449」は、
演奏家、作曲家としての人気が頂点に達した 1784 年の作品で、弟
子のバルバラ・フォン・プロイヤーの為に書かれた。モーツァルト
のウィーンでの予約演奏会の呼び物は、自作自演のピアノ協奏曲だっ
たという。作曲家でピアニストの野平一郎が、自らピアノに向かい、
弾きながら指揮をする K.449 は、当時のモーツァルトの姿を彷彿と
させることだろう。
「亡き王女のためのパヴァーヌ」は、ラヴェルが、1899 年の自作
のピアノ曲を、1910 年に小管弦楽用に編曲したものである。「オー
ケストレーションの天才」といわれるラヴェルだが、モーツァルト
やクープランの強い影響を自ら語っていたことから、彼の作品の持
つ古典的な明快さの出自が窺える。
そのラヴェルを、若いころに影響を受けた作曲家のひとりとして
挙げるプーランクもまた、モーツァルトへの並々ならぬ傾倒につい
て、たびたび語っている。1946 年、カルヴェ弦楽四重奏団にかねて
より依頼されていた弦楽四重奏曲の試奏を聴いていたプーランクの
頭の中で、突如として管楽器の音として響いた数か所があった。愕
然とした彼は外に走り出て、スコアを下水道に捨ててしまったとい
う。2 年後、
「管楽器にした方がより良く響くはず」、の件の3つのテー
マは、小編成のオーケストラの為の作品、「シンフォ二エッタ」の中
に再登場することとなった。それ以外にも、プーランクが多用する
手法「過去の作品の自己引用」が数多く現れる曲である。
18 世紀後半と 20 世紀初頭のパリで、幾多の才能が出会い、交流
したか、想像するだけでも胸が躍る。そんな昂揚感を内在するプロ
グラムの終盤、プーランクが軽快に駆け抜けてゆく。
楽器奏者たちによって組織され、神戸、大阪、東京などを中心に、質の高
いアンサンブル活動を30数年に亘って展開している。弦楽合奏を主体と
しながらも、管楽器群を加えた室内管弦楽団としての活動も活発で、バロ
ックから近現代までの幅広い演奏レパートリーのほか、埋もれた興味深
い作品も意欲的に取り上げてきた。
また、定期演奏会以外にもクラシック
音楽普及のための様々な公演活動を精力的に行っている。
1998年、巨匠故ゲルハルト・ボッセを音楽監督に迎えてからの14年間
で、演奏能力並びに芸術的水準は飛躍的な発展を遂げ、
日本を代表する
室内合奏団へと成長した。毎年のシーズンプログラムは充実した内容の
魅力あふれる選曲で各方面からの注目を集め、説得力ある演奏は高い
評価を受けている。
内外の第一線で活躍するソリストたちとの共演も多く、2011年3月の定
期演奏会でのボッセ指揮によるJ.S.バッハ「ブランデンブルク協奏曲
全6曲」の名演はCDとしてリリースされている。また、2011年9月にはド
<神戸新聞松方ホール>
●JR「神戸」駅、市営地下鉄海岸線「ハーバーランド」駅より徒歩約10分
●「高速神戸」駅より徒歩約15分
次回定期演奏会のお知らせ
イツのヴェストファーレンクラシックスからの招聘を受けてドイツ公演を
2016年3月19日
(木) 19:00開演 神戸文化ホール 中ホール
3月20日
(日) 14:00開演 紀尾井ホール(東京)
牽引する岡山潔が音楽監督に就任し、ボッセ前音楽監督の高い理念を
「ベートーヴェンとシューマン 巨星が切り拓いた新時代へ」
行い、大成功を収めている。2013年度からは、日本のアンサンブル界を
引き継ぎ、合奏団のさらなる音楽的発展を目指して、新たな活動を展開
している。
プレ・トークのご案内
神戸市室内合奏団の定期演奏会では開演30分前より会場のホワイ
エに於いて、ミュージック・アドヴァイザーの菅野ボッセ美智子さ
んによる曲目解説を行っております。申し込みは不要です。是非ご
参加ください。
指揮:石川 星太郎/チェロ:石坂 団十郎
■L.v.ベートーヴェン
序曲 「コリオラン」 Op.62
■R.シューマン
チェロ協奏曲 イ短調 Op.129
■L.v.ベートーヴェン
交響曲 第7番 イ長調 Op.92
携帯電話でQRコードを読み取るとローソンチケットのサイトから
直接チケットをご購入いただけます。
各種受付手数料、発券手数料がかかりますのでご了承ください。