話題の会社の経営状況を「見える化」! 今回のテーマは世界に誇る日本の編み機メーカー㈱島精機製作所 当り売上高指標に無頓着な会社はありません。一部上場企業では、 です。同社は現社長島正博氏が、24 歳の頃手袋編機用半自動装置の 1 人当り売上高の変動が毎期プラスマイナス 3%という会社もある 製造販売を開始したことに始まり 52 年社長を務める中でコンピュ くらいです。 ータ横編機の分野で世界トップシェアにまで成長しました。 (図1) 企業力総合評価は、165.09→141.07→161.82 →137.44→163.20 と推移しています。(図1) (図1) かなりの乱高下を繰り返していることがわかり うか。今すぐ確認しましょう。 ㈱島精機製作所の場合過去の蓄積がしっかりとされていたため売 地に市場がありますが、そのため為替の動きに 上が下がり、生産効率が下がってもすぐに資金繰りに困ることはな 大きな影響を受けます。円高が進むと海外市場 く、自己資本比率も 78.0%と高い数値を保っています。 だけでなく、為替差損が発生し営業外費用が増 える為ダブルパンチで利益が減少してしまいま す。そのような外部環境の中で、どのような人 事対応を行ったのでしょうか。生産効率を見てみましょう。 (図2) (図2) 以上に人員が増え生産効率が下がっているということがないでしょ ます。コアビジネスである横編機事業は世界各 における売価が上がってしまい競争力が落ちる (図2) 貴社の 1 人当り売上高はいくらですか?売上高が増えても、それ しかしながら、財務体質(過去の蓄積)に反し、最近の利益率は 悪化しています。長年世界のトップを独走してこられたカリスマ社 長の失調といえるかもしれません。 近年では円安によって、世界各地の市場において価格面での競争 生産効率(人の利用度)は悪化トレンドです。 力が回復。高品質・高機能な同社製品へのニーズが増大し、販売拡 これは減収(売上の減少) 、減益(利益の減少) 大につながっているそうです。外部環境の改善を待てたのは、やは とは無関係に従業員数を決めている為です。 り過去の利益の積み上げと言えます。貴社は過去の自分が助けてく 2009 年と 2013 年の指標を比較すると、売上 高が 48,970 百万円から 34,970 百万円に減少し れるような蓄えをしてきましたか?また、その蓄えで何年耐えられ ますか? たにもかかわらず従業員数が 1707 人から 1736 コンサル部では専用ソフトを使い、企業力の総合評価をご報告し 人に増えています。その為 1 人当り売上高が ています。 「自社も評価してほしい」というご要望はコンサル 1 課・ 28,670 千円から 20,144 千円に悪化しています。 2 課までお気軽にどうぞ!電話:03-6266-2545 超優良企業で高い技術を蓄えてきた㈱島精機製作所にとって、経営 の失調時の人事対応は想定外だったのでしょうか。上場企業で 1 人 コンサル1課・2 課 井関・今井・山岸・上野・五島
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