23. 禁酒の日 日本にはない決まり事に、「禁酒の日」があります。 王様や王妃の誕生日とか、仏教関係の重要な祝日の時です。王様や王妃の誕生日は会社も休みですのでわかり易 いのですが、仏教関係の祝日となると忘れてしまいがちです。タイのカレンダーを見ると日曜日以外の祝日は 15 日位あ るようです。「位」としたのは、どれが本当の休みなのか未だにはっきりしないからです。 カレンダーが赤くなっていても普通に仕事があったり、銀行から貰った卓上カレンダーには、銀行だけの休みが赤くな っていたりします。お役所関係だけがお休みだったりとタイ人ではない私にとっては、複雑怪奇なのであります。 その祝 日の内、何日かは「禁酒の日」です。 スーパーや酒屋ではお酒を売る事は出来ませんし、レストランや屋台でもお酒を飲む事はできません。日本人御用達 のカラオケスナックでもお休みにしている所が多いようです。 日によっては、外人さん(私達の事)にはうるさい事は言わないので見えなければ飲める時もあり、どういう風になって いるのかは定かではありません。 タイは Loose Society ですから、今の話は全て「基本的には」と云う但し書きがつきます。 日本人向けの飲み屋街タニヤの近くにパッポンと云う夜の繁華街があります。ギッシリと小間物の屋台が並び偽物の時 計やカバン、ブランド品などを観光客相手に売っています。その両脇には、ゴーゴーバーがあって水着姿のオネーチャ ン達が入れ替わりダンスを披露しています。ゴーゴーバーの 2 階では、オネーチャン達が水着を着けないでダンスをして いたりします。偽物のブランド品や 2 階のゴーゴーバーは「基本的には」違法です。 パッポン通りの出入り口には、制服の警察官が立っていて取り敢えず「法治国家」の対面を保っています。 日本から友人が遊びに来たので、パッポンの 2 階に行きました。運悪く「禁酒の日」で酒は出せないとの事。 もともと違法な裸踊りは O.K.で、お酒は順法精神とは、さすがタイと感心しました。ビールも無しでゴーゴーバーはつら いので(つらけりゃ止めればいいのですが….)お願いモードで粘ってみたら、コーヒーカップにスプーンを挿してビール を持って来てくれました。よそ目には、コーヒーを飲んでいるように見せかけるのでしょうか、パッポンの 2 階には、通りが かりの人はいないはずで、警察が来ても、裸踊りの方が問題だと思うのです。 さすが Loose Society の国です。 もう 1 つ、選挙の時も禁酒です。酔っ払って正しい判断が出来ない事を恐れている訳ではないようで、選挙に勝った方 負けた方が酒の勢いで暴れ出さない為の予防策のようです。 禁酒の日には、スーパーのお酒売り場にロープを張ったり、お酒売り場を清涼飲料水に入れ替えたり結構手間をかけ て対応しています。 偶然にもその日にめぐり合った旅行者は気の毒ですが、部屋の中で静かに買い置きのビールでも飲むしかありませ ん。 選挙と云えば、日本でもポスターですが、タイでは殆ど無制限にポスターが貼られます。電信柱の穴には何人もの候 補者の写真と番号が書かれたポスターがぶら下がります。道路の分離帯には数m間隔でポスターがさしてあります。街宣 車での大声での宣伝もありますが、日本よりは秩序が保たれているようです。 膨大な量のポスターは選挙の翌日朝早くゴミ回収車が廻って回収して行きます。私達が出勤する頃にはほとんど片付 いています。 話は戻りますが、タイでは、カレンダーの休みの他に、中国正月のように民族や宗教による休みを取る会社もあります。 イスラム教徒の作業者がいる所では、ラマダンの月の作業効率が落ちるので、外注管理には注意が必要です。 断食の月でお腹が空くのかと思っていたら、夜だけしか食べられないので、夜遅くまで食事をしながら遊んでいるので、 昼間は、空腹と寝不足のダブルで効率が悪いとの事。 以前、勤めていた会社にいたガリガリに痩せたモスリムの作業者は、断食の月になると太っていました。普段よりご馳走 を食べるので太ってしまうと言っていました。 日本では、5 月に連休があり、4 月の中頃は、新年度と連休の準備であわただしくなるようです。タイのお正月は 4 月の 中頃で、連休になります。日本の会社からは、「この忙しいのに連休とは…」と文句を言われます。 運の悪い気の毒な日本人駐在員は、タイ正月に日本に出張し、5 月の連休はタイで働かされるとの事、出張ベースの 人は大変です。
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