労働者派遣事業高齢者雇用推進セミナー 「こうすれば成功する!モデルケースに学ぶ高齢者派遣」(名古屋会場) 日 時 : 2010年 11月 11日 ( 木 ) 13: 50~ 16: 30 場所:メルパルク名古屋 【 第 2 部 】 パ ネ ル デ ィ ス カ ッ シ ョ ン ( 14: 35~ 16: 05) 「高齢者派遣は今後どのような展開を見せるのか」 司会進行:社団法人日本人材派遣協会顧問/ドイツ・ブレーメン大学客員教授 佐藤 勝彦 パネラー:アデコ株式会社 今野 洋一 株式会社メイツ 人事本部 特命担当部長 プロフェッショナル事業部 事業部長 シニアセカンドキャリア推進協会セミナー・イベント運営委員長 高平ゆかり キャプラン株式会社人材ソリューション本部シニアマネージャー シニアセカンドキャリア推進協会 調査研究委員長 清水谷佳江 【司会】 それでは、佐藤先生、よろしくお願いいたします。 【佐藤】 それでは、後半のほう、ひとつよろしくお願いいたします。 3人のパネラーに登壇をしてもらっていますが、後ほど皆さんそれぞれに自己紹介を していただきたいと思っております。 後半は、主に3つのポイント、高齢者派遣の事業性をどう考えるか、高齢者派遣の営 業手法としてどういうことを考えるのか、高齢者派遣でなかなか難しいマッチングのポ イントは何かという3つの点から、皆さんそれぞれのご経験、お立場から、お話をいた だきたいと思っております。 早速、皆さんから見て左の株式会社メイツの高平さんから、よろしくお願いいたしま す。 【高平】 皆さん初めまして。株式会社メイツの高平でございます。簡単に自己紹介をさせてい ただきます。 私 は 、 メ イ ツ 社 に 入 社 し 派 遣 業 界 で 仕 事 を さ せ て い た だ い て 約 2 0年 余 り に な り ま す 。 そ の う ち の 10年 間 位 は い わ ゆ る 一 般 派 遣 の 営 業 と し て 仕 事 を し て お り ま し た 。 1 9 95年 の 高齢特例が施行されたときに当時エム・シー・メイツという社名でしたが、新規事業と いうことで60歳以上の高齢特例派遣免許を取得し、高齢者派遣に取り組んだのが最初 のきっかけでございます。その後、当社の紹介事業や再就職支援事業などを通じて、中 高年齢層の求職者の方々と長くかかわっております。今日は、よろしくお願い致します。 - 1 - 【清水谷】 皆さん、こんにちは。キャプランの清水谷でございます。よろしくお願いいたします。 私 も 20年 間 派 遣 業 界 に か か わ っ て ま い り ま し た 。 最 初 は や は り 一 般 派 遣 か ら お 仕 事 を させて頂いていたのですが、高齢特例派遣という高齢者に特化した派遣法ができた時点 から、私もこの事業にかかわってきております。後ほど今までやってきた事業性につい てお話をさせていただければと思っておりますので、よろしくお願いいたします。 【今野】 こんにちは。アデコ株式会社の今野と申します。よろしくお願いいたします。 私 自 身 は 、 実 は 50歳 ま で ク ラ イ ア ン ト の ほ う の 人 事 と い う 立 場 に お り ま し て 、 長 年 メ ー カ ー の ほ う で 、 1983年 に 初 め て 、 派 遣 と い う ス タ イ ル を 当 社 で 導 入 し て み よ う と い う ことで、まさに日本でもまだ派遣というスタイルが余り認知されていない時代でござい ま し た け れ ど も 、 そ の こ ろ か ら の お つ き 合 い と い う こ と で 、 5 0歳 を 過 ぎ て か ら 縁 が あ り まして、今のアデコ、当時アデコキャリアスタッフという会社でございました。今はア デコ株式会社となりましたけれども、そちらのほうにお世話になっています。 私自身は、きょうのテーマでございますけれども、間もなくシニアといいますか、還 暦を迎えるという状況でございまして、2年前にこちらの委員会に参加をさせていただ いて、私自身が大変勉強になっていると実感しています。 簡単に、アデコ株式会社では実際に高齢者の派遣についてどのようにとらえているか ということでございますが、実は会社の中にまだ高齢者の派遣の方々に特化した部門と いうものはございません。ただ会社として中長期の展望の中の一つに、高齢者派遣とい うものを非常に重要視しようということで、プロジェクトを立ち上げて、どういった形 で今後展開していくか、推進していくかということで、今現在取り組んでいるという状 況でございます。よろしくお願いいたします。 【佐藤】 どうもありがとうございます。 それでは、最初のテーマ、高齢者派遣の事業性をどう考えるか、高平さんからお願い いたします。 【高平】 第1のテーマ、高齢者派遣の事業性をどう考えるかという非常に難しい演題ですが、 私の考えを述べさせていただきます。 冒 頭 、 佐 藤 先 生 が 、 10年 度 4 月 - 6 月 の 派 遣 労 働 者 年 齢 別 構 成 で 、 4 5歳 以 上 の 比 率 が 既 に 3 分 の 1 に な っ て い る と い う ご 案 内 が あ り ま し た 。 ま た 、 55 歳 か ら 64歳 ま で の 比 率 は 約 9 % 、 6 5 歳 以 上 で も 6 万 人 6 . 7 % で 両 方 足 し て も 約 1 6% と い う こ と で 、 す で に 相当な比率になっているわけです。他方で、昨今言われています派遣法の規制強化や、 景気の低迷による環境要因から、派遣業界をとりまく商況は非常に厳しくなっておりま す。 また人口動態的に少子高齢化による就労人口の将来的な減少も数値にはっきりしてい - 2 - ますので、結果的に、高齢者派遣事業の取組みは自ずと避けられないのではと思います。 我 々 人 材 派 遣 業 界 全 体 に 言 え る こ と で す が 、 今 ま で の よ う に 若 年 層 中 心 の 2 0代 か ら 30代 前半までの年齢層をターゲットにした派遣では将来の先細りは目に見えております。し た が い ま し て 、 我 々 は い ず れ 中 高 年 層 、 具 体 的 に は 4 0歳 以 上 の 女 性 や リ タ イ ヤ 前 後 の 中 高年層の男性であったりとか、そういう今まであまり積極的ではなかった中高年のシニ ア層というセグメントを取り込まざるを得ないのではないかと感じております。 では、具体的にどうしたらいいのか、事業として展開するには様々な課題もあり、判 断が難しいところですが、ヒントとして考えられるのは、先ほどのスライドでもご案内 がありましたように、4つの傾向、パターンの中にKEY WORDがあるのではない かと思っています。 1つには、高齢者派遣の自然増をどう捉えるか、次に継続雇用施策としての高齢者派 遣のあり方、三つ目は専門性を前面に出し業界特化型で事業を進める高齢者派遣、最後 とは2つ目と3つ目の中間的な展開でございました。これら4つのパターンに共通しま すのは、派遣元各社が個々の経営資源や会社の特徴を活かす形で、つまり何かしらの軸 足を持って事業を展開しているという点ではなかろうかと思います。そうすることで、 少なくも大きな失敗のない事業展開に繋がるのではないかと思います。後々に議論を深 めたいと思っていますが、何かしらの軸足をしっかり持ちながら展開することが、事業 の実行性を高め、新たな市場創造へつながっていくのではないかと私は思っております。 【佐藤】 ありがとうございます。続いて、清水谷さん、どうぞ。 【清水谷】 私は、弊社で今までどのような高齢者派遣をやってきたかというお話をさせて頂きま す。 先ほどもお話がございましたように、平成6年に高齢特例労働者派遣事業制度ができ、 高齢者の雇用の安定に関する法律が設けられました。弊社もこの年に、団塊の世代の定 年退職、また継続雇用に向けて事業を始めました。当時は、定年退職者ご自身も派遣で お仕事をすることに非常に抵抗があり、派遣というのは女性がやるものだという認識が ありました。また企業側も、派遣というのは若い人が中心と考えており、どちらかとい えば、高齢者よりも若い人材を受け入れる。そういう意味では、なかなか高齢者の受け 入れというのはまだまだ認められていないという状況の中、弊社の場合は商社系でもあ り業務は財務とか経理の事務系を中心に行っており、あとは簡単な軽作業や技術営業の よ う な 派 遣 も ご ざ い ま し た 。 当 時 は 一 般 派 遣 は 1 6業 種 、 も ち ろ ん 高 齢 特 例 も そ う な の で すが、その他は自由化業務ということで、かなり多方面でのご紹介ができたのですが、 期 間 が 1 年 間 だ っ た た め 、 長 期 的 な お 仕 事 の 紹 介 が 難 し い 中 行 っ て お り ま し た が ,平 成 1 1年 に 改 正 労 働 派 遣 法 施 行 に 伴 い ま し て 、 高 齢 特 例 労 働 者 派 遣 事 業 は 廃 止 と な り ま し た 。 業 種 も 2年 後 に は 16業 種 か ら 26業 種 と な り 、 そ れ 以 外 は 原 則 自 由 化 と い う 形 で 、 派 遣 期 間も1年間を制限をされましたので、結果、高齢特例派遣の存続の意義がなくなり、弊 社も継続していくことができませんでした。但しシニアの方も当時数名の方が派遣をや - 3 - っていらっしゃいましたので、一般派遣の中で部署も縮小しながら細々やってまいりま した。 その後も高齢者派遣というものに特化できないかと、試行錯誤をしていているなか、 2007年 に 団 塊 の 世 代 が 世 に 溢 れ る と 事 を 前 提 に 新 た に 「 ア ク テ ィ ブ シ ニ ア 事 業 部 」 、 元気なシニアの方にお仕事をご紹介しましょうというと言う事で部を立ち上げました。 こ れ が 2004年 で ご ざ い ま す 。 し か し な が ら 、 行 政 か ら 、 団 塊 の 世 代 の 方 た ち に つ い て は 継 続 雇 用 60歳 か ら 62歳 ・ 65歳 へ と 雇 用 が 延 長 す る よ う 企 業 へ の 要 請 が あ り 、 思 っ た 以 上 に退職者の方が世にあふれ出るということがありませんでした。そうは言っても全員が 継続雇用ができるということではありませんので、企業には高齢者派遣についての優良 人 材 や 専 門 性 に つ い て ご 説 明 を し な が ら 営 業 を 続 け て ま い り ま し た 。 1 0年 前 に 比 べ て 、 企業の受け入れも、「高齢者は…」という認識から、「高齢者の受け入れも今後は必要 だ」というご理解もあり、今現在もまだまだ試行錯誤の中、やっております。 現在も特に大きな売り上げにはなかなか結びつかない現状ですが、私は、このシニア 事業を「すき間産業」という言い方をさせて頂いております。やはりなかなかシニア派 遣に特化できないですが、かといって、今後多方面での高齢者の活用、高齢者の即戦力 というのは絶対に必要だという確信のもとで、今も継続しております。 簡単ですけれども、一応今までの経緯と弊社のやってきたことをお話しさせていただ きました。 【佐藤】 ありがとうございました。私のほうで全く説明しなかった法制上の問題、法制化の過 程というお話をいただきまして、ありがとうございました。 それでは、今野さん、よろしくお願いいたします。 【今野】 最初のテーマが事業性をどう考えるかということでございます。皆さんご存じのよう に、事業ということになりますと、一概にもうかるとか、あるいはもうからないという ふうには言えないと思います。もちろん、事業規模というのがございますし、どれだけ の取り組み方、高齢者派遣というものをある限られた部分だけに特化をして、例えば少 数精鋭で行うという方法もあるでしょう。それから、一番いい方法というか、それがで きればいいわけですけれども、多数精鋭という方法、事業規模によって、お金のかけ方 によって、採算性というのは変わりますので、一概には言えないですが、少なくとも今 言えることは、「今すぐ採算オーケーですよ、皆さんすぐ始めたほうがいいですよ」と いうふうには、残念ながら、今のままでは断言できない。ただし、近い将来、かなり有 望な事業として高齢者派遣というものが脚光を浴びるというとちょっと大げさかもしれ ませんけれども、そういった時代が来るのではないかなと。 きょう冒頭に、高齢・障害者雇用支援機構のほうからもお話がございましたけれども、 7 0歳 に な っ て も 働 け る 時 代 、 そ う い っ た も の を 一 つ の 目 標 値 と し て 厚 生 労 働 省 あ る い は 機構のほうで、そういう考え方をお持ちである。一体これはどういうことかというと、 ちょっとデータの話をさせていただきます。 - 4 - 日 本 人 が 65歳 か ら 一 体 何 年 生 き ら れ る か と い う の が ご ざ い ま す 。 平 均 余 命 的 な も の で ご ざ い ま す が 、 65歳 か ら 男 性 が 18.6年 、 女 性 が 23 . 6年 だ そ う で す 。 た だ 、 こ の 平 均 余 命 まで働き続けられるかというと、そうはいきません。健康寿命というのがあるそうで、 通 常 の 寿 命 と は 別 に 、 ほ ぼ 健 康 で あ る 寿 命 が 、 男 性 が 73 歳 、 女 性 は そ れ よ り も 約 5 歳 上 で 78歳 。 こ の 健 康 寿 命 と い う の は 世 界 で 類 を 見 な い 年 齢 で す 。 い わ ゆ る 日 本 と い う の は 、 単に非常に寿命の長い世界一の高齢国家というだけではなくて、ある意味、健康大国で あるということも言えるそうです。 高齢・障害者雇用支援機構さんが昨年度調査した団塊の世代の意識、「一体何歳まで 働きたいですか?」というアンケート調査がございました。「健康なうちは働きたい」 と 、 よ く 言 う わ け で す が 、 こ の 働 き た い 年 齢 が 、 何 と 70 歳 以 上 に な っ て も 働 き た い と 思 っ て い ら っ し ゃ る 方 が 29.5% い る そ う で す 。 70 歳 く ら い ま で は 働 き た い と い う 方 が 27.9 % い る そ う で す 。 要 は 、 70歳 く ら い 、 あ る い は 7 0歳 以 上 、 両 方 合 わ せ て 60 % 近 く の 方 々 が健康であれば働きたいんだと、実際にアンケートの結果が出ているということでござ います。 一番いいのはというか、理想は、定年制の廃止というのが一つあります。定年はなく してしまって、働けるうちは皆さん働いてくださいと。これは残念ながら、そう簡単に は い か な い と 思 い ま す 。 そ れ か ら 、 も う 一 つ の 方 法 と し て 、 6 5歳 の 定 年 制 と い う の が ご ざ い ま す 。 私 と 同 じ ぐ ら い の 年 代 の 方 々 の 、 我 々 の 親 の 世 代 、 定 年 制 は 大 体 55 歳 で ご ざ い ま し た 。 今 主 流 は 60歳 、 す べ て の 企 業 が 6 0歳 と 言 え な い か も し れ ま せ ん が 、 ほ と ん ど の 企 業 が 60歳 。 あ っ と い う 間 に 、 55歳 か ら 6 0歳 に な っ た な と 思 う ん で す が 、 こ れ か ら 簡 単 に 65歳 に 定 年 が 延 長 で き る ん だ ろ う か と い う と 、 ち ょ っ と あ の 当 時 と 今 と 比 較 を し ま すと、残念ながら経済状態が違うということが言えると思うんです。非常に右肩上がり で高度成長期であった時代から、安定経済あるいは低成長経済と言われる現代、これを 考 え ま す と 、 そ う 簡 単 に ど こ の 企 業 も 、 今 6 0歳 だ け れ ど も 、 6 5歳 ま で 定 年 を 延 長 し ま し ょうと簡単にはいかないんじゃないか。そうなると、出てくるのは、先ほど佐藤先生の ほうからもお話が出てまいりました継続雇用制度という方法です。こちらの制度をどう 取り組んでいくかということになると思うんです。そういう意味では、いわゆる働き手 はたくさんいる。しかし、需要サイドといいますか、クライアントサイドの意識を変え てもらわないと、なかなか難しいのかなと。この辺につきましては、後ほど次のテーマ に移ってお話をさせていただきたいと思います。 【佐藤】 どうもありがとうございました。 皆さんのお話をお伺いしますと、時代背景として少子高齢化、さらには高齢者が元気 であるというような状況からすると、もしかすると事業性はあるのかもしれないけれど も、そうは言っても、すぐに事業性が出てくるかどうか。清水谷さんのキャプランでは、 特定なセクションを設けて高齢者派遣というのをやられていらっしゃいます。メイツも そ う だ と い う こ と で す 。 や は り 65歳 定 年 と い う も の が 定 着 す る と 、 結 局 70 歳 が 見 え て く る と い う こ と じ ゃ な い か と 思 う ん で す 。 65歳 か ら 70歳 の 間 の 人 た ち が 生 き 生 き と 働 き 始 める。働くためには、どうなんですかね、やはり健康管理というのが非常に大事である。 - 5 - 加齢に対するサポートをどういうふうにしていくんだ、それによって戦力といいますか、 派遣労働の戦力が培われていく。 これは一つの例ですけれども、いろんな方法を企業がとりながら、高齢者の健康を維 持しているというお話がございます。一つは、川口の鋳物工場では、高齢者は1時間半 に 10分 間 休 憩 を と れ る と い う 制 度 を と っ て い る 。 な ぜ か と い う と 、 何 か 甘 い も の を 食 べ る。元気をつけるために、アイスクリームの時間だそうです。アイスクリームを食べる た め に は 大 体 10分 か か る 。 10分 か け て ア イ ス ク リ ー ム を 食 べ て 、 ま た 働 き 始 め る と い う よ う な 、 実 際 食 べ て い る の か ど う か よ く わ か り ま せ ん け れ ど も 、 1 0分 間 休 み を と る と 、 かなり疲労が回復する。 今のお話の中に、そういう時代背景から、ぼちぼちと細々と事業として成り立ってい くかもしれないなと。だけど、まだ「すき間産業」であろうと。ただ、何となく見え隠 れするのは、社会性、社会のためには当然やっておかなきゃいけない。結局、企業とし てのプライドというんでしょうか、イメージというんでしょうか、今から手がけておく 必要があるなと。 私 は 70歳 に 近 づ い て お り ま す け れ ど も 、 も っ と 若 け れ ば 、 き ょ う の お 話 を 聞 い て 、 高 齢者派遣を自分でやっちゃおうと、そういう何となくここにおもしろい事業の息吹きが あるんじゃないかというような感じを受けました。 雑駁なまとめですが、引き続き2つ目のテーマ、高齢者派遣の営業手法をどういうふ うに考えるのかというお話を、メイツの高平さんから、お願いしたいと思います。 【高平】 先ほどは、シニア派遣の事業性についてということで、なかなかひとくくりでは言え ないけれども、今野さんもおっしゃってましたように、定年後も新たな職を望むシニア の求職者の方は非常に多いので、求職者ニーズは明らかにある、ただ、受け皿がすごく 少ないねとい点が合致したお話でした。 では、シニアの受け皿をどのように我々は開拓していったらいいのかというテーマに なるわけですが、結論から先に申し上げると、クライアントのシニア採用に対する心理 的な抵抗を我々がいかに払拭するかに尽きるのではないかと思います。 また、少し大きなお話をすると、やはり日本の雇用慣行そのものが実際に変わってい かないと、なかなかここは厳しいのかなというのが日々の実感です。 ただ、日ごろクライアントさんのところに行って、人事の方とかに、シニア派遣の活 用についていろいろな成功事例などを織り交ぜお話させて頂いているのですが、反応と しては悪くなく、「それはいい話だね、そうなったら素晴らしいね」ということは言っ ていただけます。ただ、「うちではどうかなぁ、やっぱり厳しいじゃないかな」という 反応です。総論賛成、各論反対ではないが現実的ではないというのが実感です。ただ、 不思議に「僕もそのうち登録するから、よろしく頼むね」などということも言われます。 このような現実を前に、そうは言ってもそれでは営業活動が終わってしまいますから、 なんとか優秀なシニアを活用することによって、今クライアントが抱えているさまざま な課題、生産性なのか、効率性なのか、あるいは専門性の不足なのか、そういったこと がらについて、どのような状態になれば、それらの問題が改善され、課題解決となるの - 6 - か、そんなことを具体的にクライアントへお示しする。派遣先様でおきている人にかか わる様々なお悩みにご提案できる人材は、結果的にシニアでしたと。このような対話型 の営業スタイルがシニア派遣の営業活動には有効だと思っております。 【佐藤】 ありがとうございます。それでは、清水谷さん、お願いいたします。 【清水谷】 一番簡単な営業という意味では、高齢者を必要としている企業さんのところに行って 営業ができれば、こんな簡単なことはないかと思います。ただ、非常に難しい事です。 弊社は一般の派遣案件に基づいて、若手の営業マンと一緒に企業さんに行き、内容によ って提案営業をしてまいります。例えば財務、経理ができて、入力や社会保険もできて、 他にも色々できる方という、複雑な案件が最近非に多くありませんか?以前でしたら、 経理の補助で入力だけできる方だったのが、プラスアルファの案件が多い中、弊社の場 合は、「それでしたら、この金額ではちょっと厳しいですし、また人材も即ご紹介が難 しいので、高齢者でご定年された方で非常に優秀な方がいらっしゃいます。その方はご 自分で事務処理もできますし、入力も一人でやれますので」というようなお話をさせて 頂きます。企業側からは、「そういうシニア人材は大丈夫?」というお話もありますが、 営業マンとクライアントが非常に密な関係であれば、高齢者の方をご提案し、そこで優 良人材をご紹介するにあたり、もちろ人選によるマッチングが一番大事となりますが、 非常に優秀で対応力のある方を入れることによって、次の案件にもつながるというのが 今までやってきた経験でございます。 同時に、逆に、そういう中で、若い人材が紹介できない場合。例えば、シニアの方で、 週2日とか3日だったら、そういうお仕事ができるという方もいらっしゃいます。そう し ま す と 、 シ フ ト で の ご 提 案 が で き る わ け で す 。 例 え ば 請 求 金 額 が 2 ,2 0 0円 で 、 週 2.3日 のシフトなら社会保険がかからない為、利益もプラスアルファになるのではないでしょ うか。シニアの方でも一般の若い人のお仕事も含め、ご提案をしながら、今も継続して いる状況でございます。 【佐藤】 ありがとうございます。今野さん、お願いいたします。 【今野】 営業手法ということでございますが、私自身は、営業部門ではないのですが、営業が 大好きでございまして、お客様のところに行くというのが非常に大事というか、好きで、 実は一昨日も営業部門の方々と一緒に大手のクライアントさんのところに行って、いろ んな提案をさせていただいたという状況でございます。 営業手法、言いかえますと、何をクライアントさんにお伝えするかということだと思 うんです。先ほどから再三お話が出ていますけれども、クライアントの意識をどのよう に変えていくか。ちょっと大それた言い方かもしれませんけれども、この高齢者派遣に - 7 - 関しては、今までどおりではなかなか難しい。高齢者の派遣という今まで余りなかった スタイルを推進していくためには、クライアントの意識を変えていかなければいけない。 もう一つ、高齢者の方々の意識というものも、派遣という仕事の仕方はいかがですかと いうことを認識をしていただく必要があるんじゃないかと思います。 一つには、一企業さんに説明をして提案をしてというのはもちろん大事なんですが、 社会全体をそういうふうに変えていかなきゃいけない。コミュニティをそういうふうに 変えていかなきゃいけない。そういう働きかけというのが、例えば厚生労働省さん、あ るいは支援機構さんも含めて、あるいはきょう主催をしていただいております人材派遣 協会さんも中心になって、そういう仕掛けといいますか、働きかけをしていかなきゃい けないんじゃないか。いわゆる先入観がどうしてもあると思います。派遣というと、ど ちらかというと若い方が中心、女性の方々が中心で、男性の方で派遣というと、そんな にまだポピュラーではないんじゃないか。実際にデータで先ほども先生のほうからご紹 介がありましたけれども、実際は男性の方々の派遣というのも結構な数がある。それか ら、高齢者に関しては、今現在も派遣のスタイルで男性のほうが結構多くなってきてい るという状況がございますが、まだまだちょっと先入観として、若い人向け、女性向け、 こういうイメージがありますので、これを変えていかなきゃいけないんじゃないか。 もう一つは、先ほども出ていましたが、雇用形態、働き方の多様性というんでしょう か 、 ガ イ ド ラ イ ン の 48ペ ー ジ に あ る ん で す が 、 パ ー ト タ イ ム 派 遣 の 推 奨 、 短 期 派 遣 の 推 奨。どうしても長い間、正社員であるとか、そういったスタイルで働いてきた高齢者の 方々、しかし、今度は月曜日から金曜日まで働くんじゃなくて、パートタイムで、例え ば 通 勤 ラ ッ シ ュ は ち ょ っ と し ん ど い ね と 、 今 後 は 6 0歳 を 過 ぎ て 、 あ る い は 6 5歳 を 過 ぎ て 、 ま だ 働 き た い ん だ け れ ど も 、 例 え ば 10時 か ら 4 時 、 そ う い う ス タ イ ル も あ る ん じ ゃ な い か。逆に若い方々は、そういうスタイルではなくて、やはり朝から夜まで、残業してで も仕事をしたい、フルタイムで仕事をしたい。短期ではちょっと困るんですと。逆に高 齢 者 の 方 は 、 そ う じ ゃ な く て 、 10時 か ら 4 時 ぐ ら い ま で 働 か せ て も ら え な い だ ろ う か と か、あるいは短期の3カ月とか6カ月とか、そういうスタイルでやらせてもらえないだ ろうか。こういうことで、実際にそういう仕事だったら逆にあるんですよというケース もあると思うんです。 それから、週3日以下の派遣の推奨。例えば、月・水・金であったり、あるいは週2 日ぐらい、仕事の中身によっては、フルにはないんです、だけど週に2日あるいは3日、 そういった仕事だったら実はやっていただきたい仕事があるんですと、こういうスタイ ルがむしろ高齢者の方々に向いているのではないか。こういったことをもっともっと提 案としてクライアントさんとご相談する。 それから、これは勝手に名前をつけたのですが、ウイークエンド社員の提案。月曜日 から金曜日まで、旅行をしたり、レジャー等々、むしろ安い。しかし、土日は若い人は 休みたい。主婦の方であるとか、若い方がちょっと休んで仕事をしたくないと思ってい らっしゃる土曜日、日曜日を中心に、高齢者の方に働いていただく。こういうようなや り方があるんじゃないか。 それから、実は今、私どもの会社にもご相談があるんですけれども、継続雇用の問題 で、例えば大きな会社であると、その資本系の子会社ということで人材派遣の会社をお - 8 - 持 ち に な っ て い る 。 そ こ を 中 心 に 、 60歳 で 定 年 に な ら れ た 、 そ の 後 の 継 続 雇 用 を 子 会 社 の人材派遣の会社に任せてやっているという会社があると思うんです。じゃ、どこの会 社もみんなそういう子会社を持っていらっしゃるかというと、そうはなかなか持ってい らっしゃらない。あるいは持っているんだけれども、逆にそれをそっくり専門的な人材 派遣をやっている会社に任せてお願いをしたいと、こういうケースが今ふえてきつつあ る。 したがって、一つの営業手法として、シニアの派遣の請負、あるいは派遣そのものを 実際に当社にやらせていただけないですかと、おたくの会社の定年退職者の方々の再雇 用、継続雇用制度、これを当社にやらせていただけませんでしょうかと、こういうやり 方がこれからふえてくるんじゃないか。そういう意味では、「少子高齢化」あるいは 「無年金・無報酬」、こういうキーワードから、先生のほうからもお話がありましたよ うに、「継続雇用対策」「専門性の活用」、そういった形で高齢者の方々を活用という のが新たなキーワードになるのかなと思います。 【佐藤】 どうもありがとうございます。 単に営業を、ある意味では今まで通常やっておりますような御用聞きに行くという形 ではなくて、むしろ、いろいろ提案営業をしていくというお話がございました。今野さ んからは、ウイークエンド社員というご提案もありました。実際に、ご存じかと思いま すが、栃木県に加藤製作所というメーカーがありますけれども、そこは高齢者のウイー クエンド社員というのがおって、その人たちが休日出勤をしている。お話がありました ように、若い人たちは休日は家族と過ごすということで、働きたくない上に、休日出勤 手当を出さなきゃいけないということがあります。高齢者は比較的その辺は自由ですか ら、かなり安くというか、比較的経済的な金額で働いてくれる。そういう多様な雇用形 態をとっている会社も、私は数多く知りませんけれども、多分いろいろなところにある のではないか。すなわち、最初に人ありきというんでしょうか、最初に高齢者ありきと いうことで、いろんな形のクライアントのニーズをつくるために、高齢者を売り込んで いくことができるのではないかというご提案があったかと思います。 それでは、最後のテーマになりますが、最後のテーマを終えた上で、皆様からのご質 問を受けたいと思いますので、ひとつご質問をご用意いただきたいと思います。 最後のテーマ、高齢者派遣のマッチングのポイントについて、非常に難しい問題です が、高平さんから、お願いいたします。 【高平】 3つ目のテーマ、マッチングのポイントですが、大変な苦労をして貴重なオーダーを とってきた。何としてでもこれを成約しなければならないということですけれども、こ の段階になると、やぱりおのずと力が入ってきますよね。スタッフも我々も。幸いなこ とに、シニア層の仕入れ、つまり登録者集めは若年層に比べたら比較的集めやすいと思 います。どちらかというと、いわゆる求人スペック、リクアイアメントに対してのマッ チングというのは比較的やりやすいのではないかと思います。むしろ、どちらかという - 9 - とオーバースペックになりがちな傾向にあると思います。そこで大事になってくるのが、 シニアスタッフのヒューマンスキル、マインドセットのマッチングのほうだと思います。 具 体 的 に ど う い う こ と か と 申 し 上 げ る と 、 今 我 々 が 日 常 対 面 し て い る 60 歳 以 上 の シ ニ アの方々というのは、比較的幸せな時代といいますか、最後のほうはちょっときつかっ たかもしれませんが、恵まれたサラリーマン生活を送っていらっしゃいます。それぞれ の会社人生を通じて仕事に対する常識感が異なります。その方々が、あらたに派遣社員 として仕事をするわけですから、基本的な立ち位置の違いや、派遣の仕事に求められる 要件、そういった細々なことをかみ砕いて、スタッフさんにきちっとお伝えし、ご本人 に納得して頂く。そして、求人の内容も、ただ何の仕事をどうしますというだけではな くて、こちら側もオーダー内容をしっかり読み解いて、相手に伝える力が必要だと思う んです。そしてその読み解く力を持つためには、オーダーを頂くときの取材力が大変重 要かと思います。 クライアントさんが何を求めて、どういうところをベネフィットとして感じていただ けるのかと。当然、先ほどの流れですと、こういう効果を期待されてますね、そういう ことができる人材調達はシニアなら比較的ご要望に近い人材をご提案できます。と、そ んなロジックを組み立てますから、当然、提供された情報と事実が違っているとお客様 は怒ってしまいます。 そうしたマッチングの精度を高め齟齬がないよう運ぶためにも、スタッフさんの納得 性ですとか、なぜこのスタッフを選んだのかという人選の説得力をクライアントに伝え ることも大事です。基本は一般派遣と同じですが、会社訪問なり、次なるアクションを スムーズにする為には、丁寧さは非常に大事かと思います。 先ほどちょっと言い忘れたことが1点ありまして、シニア派遣の営業は一般派遣と同 じように展開していては非常に苦労します。戦略をしっかり立てて、その上でパワーや 情熱が必要だと思います。ただ我々が強い意思で、足元を固めながら地道にやっても、 個々の努力や会社毎の取組みにも限界があります。 やはり日本の雇用慣行やシニア雇用の心理的な抵抗をなくすためには、例えばですが、 業界横横断的な取組みや官民連携などでムーブメントを起こす、そんな仕掛けも必要じ ゃないかと思います。テーマに戻ってシニア派遣のマッチングのポイントですが、スキ ルセットよりマインドセットじゃないかと感じています。 【佐藤】 ありがとうございます。 【清水谷】 もちろん弊社も、基本はマインド、この一言に尽きるのですが、ご登録こられた方の 最近の傾向と過去の傾向ということでお話をさせていただければと思っております。 10年 以 上 前 で の 、 60歳 ご 定 年 の 方 が 弊 社 に ご 登 録 に 来 ら れ た 時 は 、 年 金 が 直 ぐ 貰 え た ため、ほとんどの方が週2日とか3日の仕事を希望してご登録に来るというのが一般的 で ご ざ い ま し た 。 現 在 は 、 定 年 時 の 年 齢 に も よ り ま す が 、 最 終 的 に は 6 5歳 に な ら な い と 年金が貰えなくなり、最近のご登録の方は、家のローンもまだ残っているし、子どもの - 10 - 教 育 費 も か か る の で 、 65歳 か ら で な い と 年 金 が 貰 え な い の で 、 フ ル で の お 仕 事 を 希 望 す る方が多くなりました。先ほど営業手法についてのお話と違うんじゃないの、週2日、 3日でどうですかというお話もしましたが、もちろん、早期退職で退職金をたくさんい ただいて老後はある程度優雅に暮らせるが、やっぱり社会と関わっていきたので、2. 日・3日でもいいからお仕事をお願いしますという方も中にはいらっしゃいます。そう いう登録者を上手く併用しながらの、マッチングというのも一つの手法ではないかと思 っております。 また、高齢特例派遣を行っていた時のご登録の方たちは、まだまだご自分が派遣でお 仕事をするという意識がありませんでした。派遣は女性がするもので、何で自分が派遣 でというような気持ちがある中でご登録にこられる為、派遣でのお仕事にについてきち んとお話をするのですが、当時の方はまだ上から目線となり、「今までどういうお仕事 をされていましたか? どういう職種でやられていましたか?」とお聞きしますと、そ の方たちは、「私は部長職をやっておりました。ですので、部長だったら何でもできま す。特に営業なんかは得意です」というようなお話をされる方がいらっしゃいました。 このような返答が返ってきた時は、本当に申しわけございませんが、肩書だけは外して くださいとお話をさせていただいております。 派遣は、実務が主となりますので、過去の役職は全部取り外していただいて、先ほどパ ワーポイントにもありましたように、初心に戻って頂き、さらの気持ちでお仕事をして いただく事を前提に、お話をさせていただいております。そうは言っても、まだ納得い かないという方につきましては、現在はやっておりませんが、経理や貿易のテストをさ せていただいたりとか、簡単な適性テストのようなこともさせていただいた事もありま した。もちろんご本人にフィードバックをし、きちんと結果を分析しご説明いたしまし た。そこでご自身が「あっ、そうなんだ」と気づき、納得をする事がまず第一でした。 最近はそのようなテストもしませんが、最近の高齢者の方のお仕事に対する意識も随分 変わっていらっしゃいましたので、そういう意味では我々もお話しする中で、高齢者の 方も前向きに派遣でのお仕事を希望されていると思います。 最後は、ご自分の中で意識改革、あとはマインドコントロール含め、先ほどお話があ りましたように、企業にご提案するときには、一般の若い方も含めてですが、やはり人 柄、人間性ということになると思いますので、特に高齢者の方については、そこを一番 重視させて頂いています あと、やはり健康面ですね。これは若い方はもちろんですが、逆に、いろいろお話を聞 きますと、毎朝1時間2時間歩いていますとか、ゴルフは週1回欠かさない、それもカ ートに乗らずに歩いていますと、そういうアクティブな方々がたくさんいらっしゃいま す。そういう方たちは社会で、自分が今までやってきた経験を役立たせたい意識が非常 にありますので、そのようなお話もお聞きしながら、そして企業側にもきちんとお伝え しながら、マッチングをしているという状況です。 【佐藤】ありがとうございます。 それでは、今野さん、よろしくお願いいたします。 - 11 - 【今野】 3つ目のテーマがマッチングということでございます。マッチングのお話をさせてい ただく前に、パネルディスカッションということでお話をさせていただいているわけで すけれども、なかなかここでお話をする中身というか、時間的にも限られております。 ぜひヒントとして、ガイドラインにモデルケースがたくさん入っています。委員会の中 でどういったことを聞こうかということをいろいろ話し合ったわけですが、アンケート 調査をした後、日本人材派遣協会さんのほうで実際に足を運んでいただいて、高齢者派 遣に一生懸命取り組んでいらっしゃる会社さんに対して、アンケートのやり取りではな くて、実際にヒアリングをした中身がこの中に入っております。もしかすると、実はそ のモデルケース、うちの会社なんだよという、きょうお見えになっている方の中にもし かするといらっしゃるかもしれませんけれども、実はある意味企業秘密というと大げさ かもしれませんが、いろんな手法がこの中に入っている。こういうやり方があるんだな と、これは営業手法もあれば、3つ目のテーマであるマッチングのことであるとか、登 録の仕方であるとか、いろんなことが入っていますので、そこまできょうじっくりお話 ができないですけれども、ぜひ時間を見つけて見ていただければと思います。 マッチングというのは一体何ですかということですが、これは皆さんのほうが詳しい のかもしれませんけれども、求職者である高齢者の方々と実際に求人サイドであるクラ イアントさん、この折り合い点というか、そこをどう見つけていくかということだと思 うんです。言いかえると、懸念点をクリアするというのがマッチングの基本なんじゃな いか。じゃ、そのためにはどうしたらいいのというと、やっぱりヒアリングしかないで すね。何だ、高齢者の方だからといって、一般の人と同じじゃないの。ちょっと違うん ですね。というのは、高齢者の方は、私も間もなく還暦ですけれども、いろいろ話した んですよね。いろいろ聞いてもらいたいんです。そういう思いが強いんです。じっくり 聞いてほしいんです。若い方以上に、話をしたい、聞いてほしい、そういう気持ちが強 いんです。したがって、時間をかける必要が、ちょっと手間暇をかける必要が一般の若 い方々よりもあるのかなと思います。 アンケートの中にもあったんですけれども、実際に高齢者を受け入れている企業の状 況がございます。ちょっと読みますと、「実際に高齢者を受け入れている企業によると、 概してその経験や知識、見識といったものが派遣先に評価され、皆生き生きとして活動 的であることに驚くとともに、スムーズに受け入れられていることが多い」と、こうい うふうになっています。 高齢者の方々は、ちょっとイメージ的に、きょう先生の冒頭のお話にもありましたけ れども、何か使いにくいんじゃないか、指揮命令とかやりづらいんじゃないか、年とっ ているから健康的ではないんじゃないかとか、OA・IT関係はちょっと使えないんじ ゃないのとか、意外とそうじゃないんですね。思ったよりも健康だし、結構ITに明る い人たちもたくさんいます。ちょっとイメージと違いますので、じっくりお話を聞いて あげると、いろんな能力が見えてくるということがございます。 実は、マッチングの精度を上げるというところにちょっと若い方と違う部分として、 趣味とか特技、そういったものも聞くというのが重要なポイントかもしれません。実は 経 理 と か 財 務 と か ず っ と 長 年 や っ て き た ん だ け れ ど も 、 今 度 6 0歳 に な っ た 後 は 、 週 に 3 - 12 - 日でいいから、趣味を生かした仕事をしたいんだよねと、こういう人もいらっしゃるん ですね。 一つの例ですが、剪定というのがあります。剪定って、ご存じでしょうか。植木の職 人さんっていますよね。木をきれいに整えて、植木をきれいにする。見ばえをよくする といいますか、剪定技術というのがございます。こういったことが大好きで、これを老 後 と い う か 、 60歳 以 降 、 一 つ の 会 社 を 終 え て 、 こ れ か ら は そ う い う 趣 味 を 生 か し て 仕 事 をしたいとか、あとは、車が大好きで、今までは事務的な仕事をしてきたけれども、あ るいは営業の仕事をしてきたけれども、今後は好きな車に何か携われないだろうかと。 じゃタクシーの運転手さんでもやればいいじゃないか。それはなかなか、みんながみん なタクシーの運転手さんになるかというと、やっぱりハードだし、いきなりタクシーの 運転手さんにはなかなか難しい。実は、今非常に人が足りなくて困っている介護タクシ ーというのがあるんです。介護タクシーというのは、タクシー会社でやっているわけで はなくて、そういったところでもやっていますけれども、介護ヘルパーさんの会社がた くさんございます。こういったところで介護のためのタクシーというか、介護の運転手 さん、これが非常に足りなくて困っているんです。こういうような仕事、考えるといろ ん な 資 格 を 持 っ て 、 そ の 資 格 を 生 か し て 今 後 60 歳 過 ぎ て 仕 事 を し た い と い う 方 々 も い ら っしゃいますので、ぜひ特技あるいは趣味、そういったものまで新たなヒアリングの項 目に加えていただければと思います。 それから、アドバイスも必要です。先ほど清水谷さんからも話がありました。「何し てたの?」と聞くと、誰でも知っているような大企業で「私は部長をやっていました」 と。職種を聞くんですけれども、日本人はどうしても、営業部長をやっていたとか、人 事部長をやっていたとか、そういうふうに言ってしまう。正直言って、逆にそういう人 は難しい。そうなると、このままではこの人難しいなという人に対しては、やっぱりア ドバイスをしてあげなきゃいけない。これもマッチングのときの重要なポイントだと思 います。そういう意味では、みんながみんなそういう専門のアドバイザーをというわけ にはいかないかもしれませんが、高齢者の方々を対象とする登録あるいはマッチング、 そういった担当者の方々には、新たな教育も必要でしょうし、あるいは逆に、高齢者の 方々をうまくアドバイザーとして活用する。専任のアドバイザー、高齢者対高齢者、そ ういうアドバイザー制度も一つ考えていく必要があるのかなと思います。 【佐藤】 どうもありがとうございます。 いろんなお話が出たかと思います。いずれにせよ、マッチングというのは大変難しい 問題でございます。だからというんでしょうか、皆さんご存じの今年のノーベル経済学 賞というのは、労働マーケットにおける求人・求職者のマッチングをうまくやるという ことで、サーチ理論を極めた3人の学者がノーベル経済学賞をとりました。 そこで考えますのは、いろんな立場でいろんな論理がある。派遣元は派遣元の論理が ある。スタッフはスタッフの論理がある。しかし、求人・求職側を直接結びつけるとい うのはなかなか難しいことですし、求職側が1件1件ニーズに当たっていくというのは 至難ですから、そこにおける派遣会社の派遣元との接点力というのは非常に大事だと思 - 13 - います。マッチングの力というんでしょうか、そういう意味合いからしますと、いろい ろお話がありましたけれども、オーダーをどういうふうに読むのか。それから、派遣高 齢者について、どういうお願いをしていくのか。先ほどございましたけれども、派遣高 齢者自身もマインドを変えていかなきゃいけない。そして、特に一言で言えるのは、会 社人間というのは、余り売れないんだということです。結局、会社、会社、本部長だ、 部長だ、管理職だということじゃなくて、むしろ本当の仕事人間、自分はこういうこと をやった、こういうことが好きなんだ、または自分がやったことを超えて、趣味の世界 というお話がありました。女性は1日の時間をどうやって埋めるかというときに、すっ と 24時 間 埋 ま る ん で す 。 と こ ろ が 、 退 職 し た 高 齢 者 と い う の は 、 1 日 何 を や る か と い う のは、なかなか埋まらない。私も心してやっておりますけれども、標語としては、「寝 たきり老人よりも出たきり老人」ということで、朝9時には何がなくても家を出ちゃう。 ある意味では、高齢者としての心がけ、できるだけそれまでに趣味を持っておこうよと いうようなことも含めて、その中で健康生活を実現していくことが必要ではなかろうか と思います。 皆さんからいろんなお話が出ましたけれども、派遣高齢者のいわゆる仕入れは比較的 簡単である。スキルを持った高齢者が結構いるではないか。こういう人たちをどうやっ て派遣先に結びつけていくのか。そういうマッチング機能が問われているわけです。幾 つかのヒントが具体的にあったかと思います。 ここでしばらく時間がございますので、ご遠慮なく皆様のほうからパネラーのほうに ご質問をいただければと思います。手を挙げていただければ、協会の者がマイクを持っ てまいりますので、所属を言っていただかなくても、そのまま質問を言っていただいて も結構でございます。どうぞ活発なご質問をお願いしたいと思います。 【発言者1】 前提として高齢者の派遣というのは、現実問題としまして、自由化業務というくくり に入る可能性が高いんじゃないか。そうしたときに、派遣法上、個人を特定するとか、 例えば自由化業務ということであれば、最長3年というくくりがあると思いますが、そ う い う 部 分 で い き ま す と 、 今 ど き 年 金 問 題 か ら い き ま す と 、 や っ ぱ り 6 0歳 か ら 6 5歳 ま で という意味からいきますと、5年間何とか雇用をしたいと、そういう双方の思いがある と思うんですが、実は3年でどこかに転職をするかどうするかという決断をしなくては いけないわけです。そういう問題がございますので、例えば、派遣会社にしろ、クライ アントにしろ、高齢者の継続雇用を優先するのか、派遣法を重視して法律を守るのかみ たいな、そういう悩みがあると思いますので、その辺は今後どうなっていくのかという 質問です。 【佐藤】 キャプランの清水谷さん、先ほどその辺のお話もありましたし、まず口火を切ってい ただけますか。 【清水谷】 - 14 - これについては、現在も行政のほうにもお願いしている状況です。高齢者に関しては、 自 由 化 の 業 務 が 殆 ど と な っ て い ま す 。 も ち ろ ん 2 6業 種 の 中 で の お 仕 事 で あ れ ば 、 あ る 程 度長くお願いできますが、高齢者については行政に対して自由化業務で長期的にお願い したいと言っております。 同時に、最初にお話ししましたように、特例派遣ができた時は、60歳以上の方が対 象で自由化業務も1年間しかお仕事ができなかった事もあり、我々も長期的なご紹介が できなかったという苦い思いもありますので、長期的にシニアにお仕事をご紹介すると いう意味で、一番悩むところです。 【佐藤】 ありがとうございます。どうですか、高平さん、今野さん、何か補足ございましたら お願いします。 【高平】 私どもの会社は、先ほどの4パターンからいうと、継続雇用施策を背景にするシニア 派遣の部分と、それから専門性を生かしてという複合的なタイプに入るんですけれども、 必ずしも出身会社の継続雇用を望まないホワイトカラーの方もいらっしゃるんですね。 ですから、行政のほうで希望すれば全員再雇用される法整備という方向性は年金行政と と の 整 合 性 の 点 で と て も 大 事 な 観 点 だ と 思 い ま す が 、 60 歳 以 上 の 方 に つ い て い え ば 、 個 人の経済的な事情であるとか、あるいは職業観やセカンドライフに対する考え方などで、 本当に個人差があるんです。ですからシニアにとって一番望ましいのは、仕事の質量の 向上と共に、働き方の選択肢が広がることではないかと思うんです。そういう意味でシ ニア派遣は高齢者にとって柔軟な働き方を実現するよいシステムだと思っています。 それから、60歳以上の派遣であっても、フルタイムであれば70歳まで社会保険の 加入義務もあり我々現行法の中でたとえスタッフが望まなくても対応していかなければ なりませんが、派遣法については現在非常に流動的であり、高齢者についての除外が認 められるのか、ないのか、ここは今本当に瀬戸際だと思うんです。 ただ一つ言えることは、シニアの場合、自由化業務で3年たったら直雇用しなきゃい け な い の を 雇 用 の リ ス ク と い う 意 味 合 い に 捉 え る で し ょ う か 。 64 歳 や 6 5歳 か ら 正 社 員 と いうのは明らかに現実的とは思いませんし、ご本人も正社員にあまり固執しないのでは ないでしょうか。シニア派遣については派遣法の3年縛りより、そもそもの期間制限を 撤廃する方が、雇用の安定に繋がると個人的には思います。 派遣先から自由化職種だから3年で派遣終了とされてしまうのは、高齢者の場合どん な意味があるのか、非常に残念です。派遣に限らず、高齢者の活用には、いろんな方法 論があるかと思うんですが、一般派遣で言うところの自由化業務への企業の抵抗感は、 シニア派遣ではむしろあまりないんじゃないかなとも思っております。 【佐藤】 ありがとうございます。今野さん、いかがですか。 - 15 - 【今野】 非常に難しい問題というか、今のままの法律であると、先ほど言いましたように、例 えば、3日であるとか、あるいは短期であるとか、丸々1年2年3年と、こういった継 続ではないスタイルをとるしか方法はない。専ら派遣、いわゆるグループの中だけの専 ら派遣というのが法的にだめですよと。ただこれはシニアに関しては、適用除外になっ て い ま す 。 同 じ よ う に 、 や は り シ ニ ア の 方 、 60 歳 以 上 の 高 齢 者 の 雇 用 を 促 進 し た い ん だ と。でも一方で、自由化業務に関しては3年たったら正社員、直雇用と、これはやっぱ りおかしいわけです。一度直雇用でおやめになって、それを今度は派遣というスタイル でスタートして、また3年たったら直雇用に戻せと、これは非常に矛盾した考え方にな りますので、やはりそういうことを考えると、法律的なものももう一度見直しをしてい ただくと。この辺のところは、きょう、高齢・障害者雇用支援機構さんもお見えになっ ていますので、ぜひそういったことも意識をしていただければありがたいなと思います。 今のままではちょっと厳しいということを言わざるを得ないと思います。 【佐藤】 ありがとうございました。いかがでございますか。 【発言者1】 ありがとうございました。細かい話ですが、個人を特定するということについて問題 ありかなと僕個人は思いますので、またご検討をお願いしたいと思います。 【佐藤】 どうもありがとうございます。 そのほか、いかがでしょうか。ご遠慮なくどうぞ。 【発言者2】 タクト経済研究所の大塚と申します。きょうは、ありがとうございました。 早速、質問なんですけれども、マッチングは物すごく大切だというお話がありまして、 そうすると、その中でオーダーを読み解いて、それにうまくマッチングする方を、スタ ッフの方にも納得いただいてマッチングさせるということでした。そうすると、スタッ フ登録のところでかなり力を注いでいかなきゃいけないのかなということで、先ほど今 野さんからもヒアリングを大切にするとか、趣味とか特技を聞くというお話がありまし たが、その前段階で、スタッフの数をふやして、登録の数をふやしていくためには、具 体的にどのようにしていったらいいのかなと。通常であれば、インターネットを使った りとかいろいろあると思うんですが、能力のある方でもインターネットを利用されない 方もいらっしゃるでしょうし、ちょっと若い方とは違う部分があると思いますので、そ の辺を教えていただきたい。 あと、登録時の注意点、病気のこととかいろいろあると思うんですけれども、その点 や、登録後についても、もしかして一般の若い方との違いがあるのであれば、そのあた りを教えていただいて、もしコストがかかるのであれば、そのあたりも教えていただき - 16 - たいと思います。 【佐藤】 ありがとうございます。今野さん、いかがでしょうか。タレントのある高齢者の募集 を含めた問題です。 【今野】 幾つかご質問があったんですが、私のほうからは、高齢者の募集方法をお話しさせて いただきます。 正直言いまして、私も実は同年代あるいはもうちょっと先輩方から、よく相談を受け るんです。どこに行ったらいいのかがわからないというのが結構多いんです。もちろん、 「今、何しているの」と聞くと、「きょうもハローワーク行っていた」と。ハローワー クというのは誰でも気がつくわけです。それから、東京のケースですけれども、名古屋 の場合どういった形になっているか私存じ上げません。同じスタイルではないかと思う んですが、特にマネージャー職をやっていらっしゃった方向けの、ハローワークとはち ょっと違うんですが、正式な名前はわかりませんけれども、そういった公的な紹介機関 があるんですけれども、どこに行ったらいいのかがわからないと。 もう一つは、きょうのテーマである高齢者の派遣促進、推進、これはまだ余りなじみ がないわけです。そうなりますと、これからは、高齢者の方々も、派遣というスタイル があるんだなということをかなり業界としてもアピールしていかなければいけないし、 企業としても、弊社は高齢者派遣というものに積極的に取り組んでいます、お仕事をお 探しの方はぜひご相談くださいと。いきなり登録くださいというのもなかなか難しいか もしれませんので、ぜひご相談くださいと。そういうスタイルを、例えばホームページ であるとか、時には広告も必要かもしれません。皆さん新聞をご覧になると、障がい者 の方については、よく新聞に出ています。障がい者の方のための登録会であるとか。時 代的には、そういうふうな時代が来ると思うんです。障がい者の方というのは、実は年 々ふえているという時代背景があるわけではないわけです。ところが、高齢者の場合は 自然増というのがどんどんふえてくるわけですから、間違いなく高齢者の方がどこに行 ったら仕事が見つかるのか、あるいは見つけていただける可能性があるのか、こういう のはこれからどんどん出てくると思います。これはやっぱり業界も含めてPRをしてい く必要があるんじゃないかと思います。 【佐藤】 ありがとうございます。 【高平】 今いただいたご質問に少しお答えさせていただきます。 まず、1つ目ですが、登録をふやすにはどうしたらいいかというご質問がありました。 これは数の問題なのか質の問題なのかという点がまずあると思いますが、高齢者の場合、 一般の若年層の登録引き寄せよりも、かなり手ごたえはいいと思います。新聞なんかの - 17 - 紙 媒 体 で も 、 結 構 う ち あ た り で す と 、 1 回 出 し た だ け で 5 0人 ぐ ら い は 、 ば っ と 来 る ん で す。もちろんネット媒体でも仕事の内容によっては、ものすごい勢いで数来てしまうと いうのが実際で、それを現場でさばくほうがむしろ大変というのが実感なんです。なの で、一般的にどのようなやり方をしているかというと、鶏が先か卵が先かの議論になる んですが、求人があって、その求人のスペックに合わせた人材を採りたいときは、やは りピンポイントで求人募集を行い、掲載内容を工夫します。応募者の中から、誰が一番 可能性が高いのかを見るときは、すべての人に同じオペレーションで時間をかけて登録 をしていたのでは、登録コストが高くなり、それだけで仕事が終わってしまうというこ とになりかねませんので、事業の採算性、合理化という観点から、登録コストをかけす ぎないようにといつも念頭に入れています。いろんな手法はあると思うんですが、一つ に は 、 登 録 説 明 会 と い う よ う な 形 式 で 、 10人 な り 20人 な り を 集 め て 、 そ の 中 で あ る 程 度 絞り込んでいく、レジュメなどを回収して、要件の合いそうな人を再度呼び出すという ようなやり方をしています。どちらかというと感覚的に紹介事業に近いかもしれません。 2つ目の質問ですが、通常の一般登録との違いや高齢者の登録で大事な点は何ですか ということですが、多分各社様それぞれに登録のオペレーションについては、標準化さ れているものがおありかと思うんです。それで賄えて、それで回せるものであれば、一 番それが社内での効率はよろしいと思うわけです。 ただ、高齢者の場合は、例えば健康問題ですとか、あるいは家族の状況であるとか、 就業理由の本音であったりとか、仕事上のスキルだけじゃない情報の中に、重要なこと も多くあるので、その点に気をつけられたらよろしいかと思います。 例えば、就業動機などは本当に個人差があり、また程度もまちまちですから、それを 派遣元の情報として、どう取り扱うか、こちらの手控えのメモには書けても、データに は入れられない情報も多いと思います。口頭でやり取りすることが多いですが、実はそ ういうところがすごく大事なんです。案件が来ても、競合するようなところにはアサイ ンできませんし、そういうマッチングに直結する貴重な情報をどのように扱い、それを どのように共有するかというのは、各社社内でお話し合いをしてお決め頂くことが大事 なのかなと思います。 ですから、現在の登録フローを使いつつ、アサインの可能性の高い方については、も う一度呼び込んで、しっかり余白の情報を取材すること。それが一番効率的にはよろし いのかなと思います。 【佐藤】 ありがとうございます。清水谷さん、いかがですか。 【清水谷】 案 件 あ り き の ご 登 録 と い う こ と に な り ま す と 、 1 件 の 案 件 に 50 人 ぐ ら い 殺 到 い た し ま す 。 弊 社 の 場 合 は 案 件 を 載 せ な く て も 、 ホ ー ム ペ ー ジ か ら の 登 録 者 が 1 ヶ 月 で 約 50名 ぐ らいの方がご登録をされています。その方たち全員をアサインしますと大変なことにな りますので、もちろんこの方は重要で、今後の案件について必要だなという方は呼び込 んでいます。人材に関しては全く心配は要らない思いますが、ご紹介できる案件が少な - 18 - いのが実情です。 また、登録時には、お仕事の紹介はなかなか厳し事と、人材によっては、状況によっ ては、お仕事のご紹介は難しいとお断りということも大事なことではないかと思ってお ります。 【佐藤】 ありがとうございます。いかがでございますか、何か。 【発言者2】 ありがとうございました。登録は一般の方と変わらずやって問題ないということです けれども、実際にスタッフを派遣した後のスタッフケアについても通常と変わらずやる 形で問題ないということですね。 【佐藤】 いかがですか。 【高平】 問題ないと思います。むしろ、最初のマッチングがしっかりできていれば、いわゆる 若い方たちよりもその後は楽です。初日にドタキャンとか、そういうことはほとんどな いです。 【清水谷】 定着率も非常によいです。最初の人選のときにミスマッチさえなければ、非常に良い 結果が出ると思います。 【佐藤】 もう1問いかがでしょうか、どなたかご質問ございませんでしょうか。 【発言者3】 資本系の派遣会社に勤務しているんですけれども、実際に高齢者の方の派遣というの は今行っております。今お話があったように、確かに高齢者の方はほとんど問題なく順 調 に 就 業 し て い た だ い て い る と こ ろ な ん で す け れ ど も 、 反 対 に 、 同 じ 職 場 に 2 0 代 、 30代 という若年層のスタッフも派遣しているんですが、高齢者の方が休憩時間等に雑談の中 で、「年金があるから余り一生懸命働けないんだよね」というようなことをポロッと言 うことによって、若年層のスタッフがやる気をなくしてしまっている。高齢者の方は生 き生きと働いているんですが、若年層のスタッフのモチベーションが下がってしまって、 そちらのフォローに手間がかかるというとあれですけれども、そちらのほうにかなりと られてしまうというのが実際あるんですけれども、もしそういった対応の中で具体的に されていらっしゃるようなことがありましたら教えていただければと思います。 - 19 - 【佐藤】 ありがとうございます。なかなか具体的なご質問ですが、よろしくお願いいたします。 【高平】 一般派遣とシニア派遣が混在している派遣先に派遣をするときは、やはり事前にスタ ッフさんにそうした派遣先の環境を事前に伝えます。若いスタッフさんは自社のスタッ フなのか、あるいは他社のスタッフなのかということも含めて、先ほど申し上げました ように、派遣で働くということについて、派遣先の環境や求められている仕事内容や仕 事振りなどしっかりお話をしてスターとしてもらいます。 高齢者なので気楽な立場で仕事をしているなどと目の前で言われたら、誰でも気分は 悪くなります。そういう失言がないように、こんな事例がありましたという具体的ない い方で、それが結果的にスタッフさんの契約更新にも影響するということを、率直に伝 えるようにしています。 また、若い方が、あのおじさんちょっと、若い人なりに言うと、ちょっとキモイとか、 セクハラ的なとか、パワハラ的なとか、そういう印象を与えない人をそもそも人選する ことも大事です。若い派遣社員の多い派遣先では、派遣社員同士の相性が大事ですが、 高齢者も同じだと思い増す。 もしも、それでも問題がおきたらやはり呼び出して、はっきりしたクレームにならな いうちに先手をうつことが営業に求められてると思います。派遣社員のマネジメントと いう感じですね。 【佐藤】 その他、いかがでしょうか。 【今野】 ピンポイントでアドバイスをする、あるいは注意をする、もちろん大事ですよね。非 常に難しいのは、そこでせっかく、そんなに問題なくいっていた人間関係、誰が言って いたんだとか、そんなふうになるとうまくないので、そういういろんな問題は、高齢者 に限らずあると思うんです。それは一つの事例というか、マニュアルみたいなものにし て、お渡しして、こういう問題が実際にあるので、気をつけましょうねというような方 法論が一つあると思います。これは一般論だけど、自分にも当てはまるなということを 気づいてもらうために、なおかつ、その中の人間関係を崩さない方法として、そういう やり方が一つあると思います。 【清水谷】 何人かいらっしゃるのであれば、お一人だけではなく、皆さんにマニュアルをお配り するとか、皆さんの前でお話をするのが良いかと思います。高齢者の方はプライドを傷 つけられるのが一番嫌なことですし、肩書も捨てて、新たな気持ちで入られてお仕事を されているので、その辺はやんわりとお話をされたほうがよいかと思います。 - 20 - 【佐藤】 今のお話ですけれども、むしろ、心当たりがない人が周りにいて、そうやって何人か の人が一緒のほうが刺激が弱まるということはあるんですか。 【清水谷】 自分だけ言われている感じがするので。 【佐藤】 いかがでございますか。よろしいですか。 【発言者3】 ありがとうございます。参考にさせていただきます。 【佐藤】 あと、いかがでございましょうか。特に質問ございませんでしょうか。 【司会】 長い時間、大変皆様お疲れさまでございました。ただいまをもちまして労働者派遣事 業高齢者雇用推進セミナーを終わらせていただきます。 佐藤先生、パネラーの皆様、どうも今日はありがとうございました。(拍手) 〔了〕 - 21 -
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