日刊工業新聞 2015年2月23日付 - JEMA 一般社団法人 日本電機工業会

 私たちが築くエネルギー社会について考えさせられた東日本大震災からまもなく4年が経過
する。エネルギー使用の在り方や使い方は一時しのぎだけでなく、恒常的に見直し続けていく
ことが求められている。こうした中で、インバーターはあらゆる産業機器の動力となるモータ
ー出力を制御し、節電や省エネ対策に直接、効果を発揮するものとして活躍している。持続あ
ターの回転数を変化させ
気の周波数を変えてモー
ーとの間に設置して、電
バーターは電源とモータ
ているとみられる。イン
ーターを通して消費され
力使用量のうち %がモ
一般的な工場では総電
り、一定回転数で回り続
数によって回転数が決ま
モーターは基本的に周波
といったように一定だ。
本は
交流電源の周波数は西日
工場や家庭で使われる
1 。
を自在に変化させる
図
することで周波数や電圧
が、工場や産業機器で汎
で最も分かりやすいの
省エネ効果という意味
省エネ効果が見込める。
に制御することで大きな
ター出力を適正なレベル
をなくす。こうしてモー
回る必要がない時の回転
などモーターがそんなに
り変速運転が必要な箇所
することで、使用環境よ
に、風量や流量が少ない
せる。特に図2のよう
約 %の省エネがもたら
量や流量の削減により、
る原理が働く。 %の風
の3乗に比例して減少す
ると、使用電力は回転数
より風量や流量を調整す
ーター制御方式の採用に
どの始動時にソフトに動
は、例えばコンベヤーな
ー制御の利用において
この他にもインバータ
くなる。
場合は省エネ効果が大き
ギーユニットと組み合わ
た近年では、回生エネル
る用途でも使われる。ま
した荷動きをやさしくす
いったことが可能。こう
かし、ソフトに止めると
インバーターへ電気エネ
くなると、モーターから
ターの実速度の方が大き
ーの出力周波数よりモー
されている。インバータ
せた省エネの実現も注目
は広がっている。
置でインバーターの用途
など、さまざまな産業装
だ。搬送機器やロボット
みを有効利用したもの
ルギーが戻ってくる仕組
インバーターで周波数を変えて
モーター回転数を制御する
る装置。具体的にはイン
ける。インバーターはこ
て風量や流量を下げても
採用される。ただこうし
制御する方式が一般的に
るバルブなど、機械的に
体が流れる配管に接続す
付けるダンパ、液体や気
は、空調のダクトに取り
酸化炭素排出を減らす取
基調にある
図3 。二
での需要拡大などで回復
輸出関連の伸び、アジア
の、最近では円安による
気減速で落ち込んだもの
に欧州や中国などでの景
向をみると、2012年
インバーターの需要動
﹁モータ・インバータに
工業会の2012年度
値をみてみる。日本電機
われているのか調べた数
では実際にどれだけ使
びてゆくと考えられる。
器として堅調に需要が伸
ーは節電や省エネ対応機
在的に高く、インバータ
れているファン、ポン
言える。特に最も出荷さ
ており、装着率は低いと
は %という結果になっ
対しインバーターの台数
モーターの普及台数に
機械と続く 図4 。
どの輸送機械、金属工作
上を占め、コンベヤーな
プと圧縮機向けが3割以
気標準会議 IEC の
でいる。新基準は国際電
ーからの切り替えが進ん
のに合わせ、従来モータ
ーモーターに規制される
ら新基準のトップランナ
が省エネ法により4月か
ター 三相誘導電動機
では、汎用的に使うモー
現在、ユーザーサイド
イスを採用した高効率イ
素 SiC パワーデバ
化を目指して、炭化ケイ
カーではさらなる省エネ
またインバーターメー
い﹂と呼びかけている。
する機会にぜひしてほし
り大きな省エネにトライ
制御を組み合わせて、よ
ーに加えてインバーター
﹁高効率なIE3モータ
「汎用インバータ定期点検のおすすめ」
「伸びゆくインバータ」
る企業活動のためその有効利用について今一度、考えてみよう。
バーター本体の中で交流
、東日本は
電力を一度直流にし、そ
使用電力そのものは変わ
関するユーザ調査﹂で
ンバーターの開発やドラ
る。日本電機工業会では
高まっている時期であ
含め 省エネ への関心が
用するエンドユーザーも
がセットされた機器を使
用的に使われているファ
ンやポンプの駆動にイン
れを任意の周波数に変換
インバーター
の直流を再度交流に変換
バーター制御を加えた場
合だ。ファンの風量やポ
らない。
り組みが世界的に重要と
定める﹁IE3﹂レベル
ンプの流量調整において
風量や流量はモーター
で、モーター駆動時の損
イブシステムにおける高
プ、圧縮機向けでは %
効率化なども進めてい
に留まっており、インバ
失を徹底的に減らすよう
は、インバーターの業種
設計されたものだ。
別出荷先はファン、ポン
ーターの既存設備への装
る。
なる中、産業用エネルギ
着により、省エネ化がは
モーターを組み込むセ
ーの消費抑制ニーズは潜
かれる分野はまだまだ広
ットメーカー、モーター
の回転速度に比例する。
がっている。
ファンやポンプでインバ
世
界
的
に
高
ま
る
ニ
ー
ズ
判治理事
どは経験則に頼って手作
バーターメーカーが、遠
も重要だ。近年ではイン
っかりと行うことはとて
材が故障した後、改修な
う。インバーター構成部
にいるところもあるとい
でチューニングが出来ず
ても100%設定のまま
特に中小企業の現場で
業で風量や流量調整が行
隔監視できるリモートメ
どの対応を行っていない
は、導入時の回転数設定
われるが、きめ細かな制
ンテナンスサービスなど
現場も課題だ。
場の稼働がストップして
御はなかなか難しい。イ
も出している。こうした
﹁適切な使い方やチュ
しまうこともあり得る。
ンバーターは簡単操作で
サービスの活用も有用
ーニングの指導、アフタ
インバーターは周波数
細かく調整可能であり、
だ。
ーフォロー支援などによ
を0・001 ごとに設
つまり流量や風量調整は
﹁導入後のチューニン
り、運用管理の仕組みを
では、インバーターを
楽に行えるようになる。
グとメンテナンスにぜひ
現場に根付かせていくこ
導入した場合の基本的な
ただインバーターは消
気を遣ってほしい﹂と強
とが、インバーターによ
のままで見直しがなされ
耗品で構成されており、
調するのは、産業界向け
る省エネ効果を最大限に
負荷特性に合った装置
長く使えば寿命がやって
省エネ支援事業を手がけ
引き出していく重要な要
定可能。非常に細かくモ
くる。特に構成する電解
る省エネルギーセンター
素﹂ 同 と、今後のソ
な活用法とはどうあるべ
コンデンサー、素子や冷
の判治洋一理事。同セン
ていなかったり、せっか
却用ファンなどは使った
ターでは毎年、主に中小
くインバーターを設置し
分消耗する。寿命が来る
リューションサービスの
の選定、適切な制御方
とインバーター内の保護
企業の工場などを対象に
普及にも期待している。
法、導入後の管理までし
装置が働いてモーターに
約1000件の省エネ無
ーターの回転数を変えら
電気を送らなくなり、工
れる。ダンパやバルブな
と指摘する。
けられる﹂
出来ていない現場が見受
ーターの適切な使い方が
が、この中でも﹁インバ
料診断を実施している
日本電機工業会ウェブサイトで紹介しているインバーターに関する資料
きだろうか。
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ュ
ー
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ン
グ
と
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「JEMAオンラインストア」
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月曜日
2015年 平成27年 2月23日
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さらなる省エネ対策の決め手に