欄間(らんま) 懐石料理(かいせきりょうり) 採 光 や 通 風 、装 飾 のために、壁 本 来は、茶 の湯において、茶 事を催 す 際 、茶をふるまう前に、お や室 内 の間 仕 切りの上 部から天 井 茶をおいしく味わうために供 する料 理で、茶 懐 石とも言います 。主 の間に取り付けられたもので、格 子 は茶ですから、料 理は質 素を旨として一 汁 三 菜が基 本です 。一 汁 や透 彫 の彫 刻などが施されています 。平 安 時 代から用いられた日 は汁 椀 、三 菜は向 付 、煮 物 椀 、焼き物となります 。懐 石 の名は、禅 本 建 築の伝 統 様 式を象 徴する意 匠が見 所です 。隣 接する部 屋や 僧が修 行 中 の寒さと空 腹を耐え凌げるよう、火 で温めた石を懐 中 外 光を閉 鎖しないようにする場 合によく用 いられます 。旅 館 の和 に入れたことに由 来 するとされています 。現 在 、自 在にアレンジを 室にも重 用され 、筬 欄 間 、竹 の 節 欄 間 、板 欄 間 、障 子 欄 間 、彫 刻 加えた懐 石 風を名 乗る料 理はたくさんありますが、厳 密には、あくま 欄間などの種 類があります 。 で茶事の料 理です 。 障子(しょうじ) 会席料理(かいせきりょうり) 日本の伝統的な建築物は、木と紙で出来ていると海外の方々に 日 本 語 の発 音が「 懐 石 」と同 音であるため、 しばしば日 本 人でさ 評されることがよくあります 。事実、障子は襖と同じく、木と紙と一部 え混 同してしまいますが、 「会 席 料 理」は、一 般 的に、料 理 店や旅 館 の金具で作られた昔からある内装建具です 。素材となる木も紙も豊 などで供される献立料理を言います 。飲酒が前提となりますから、酒 富な種類があり、デザインもじつに多彩です。障子も襖も木の枠組み 菜で構 成されることが多く、最 後に食 事(ご飯 物 )が供されるのが通 に紙を張ったもので、障子は光が透過できるようになっています 。そ 常です 。懐石料理と会席料理の決定的な違いは、懐石が特定の招 のため、障子紙は日焼けしやすいので、時々張り替えが必要です 。 待 客を対 象とした定 型 の膳 組であるのに対し、会 席 料 理は不 特 定 障子や襖に用いられる和紙は、空気中の汚れを吸着し、 また吸湿作 多 数 のお客 様を対 象とした不 定 型 の膳 組という点にあります 。おお 用により湿度の調整を果たします。さらには断熱効果や照明効果を むね、先附(お通し、突き出しとも言う)、前菜に始まり、椀物、お造り、 高める機能があり、日本の気候風土に適しています。障子や襖は日 焼き物、煮物、酢の物と続き、最後に食事となる流れが基本的です 。 本旅館の和室にもさまざまな形で採用されています。 献 立によっては、お通し、鍋 物または炉 物、蒸し物、揚げ物、和え物、 香 の物 、水 菓 子などが加わります 。五 菜 以 上 の献 立になると、汁 物 心付け(こころづけ) も二 汁、三 汁と増え、料 理は七 菜、九 菜と奇 数で追 加されます 。 旅 館で出される料 理は、実 際には、 さらに自 由で多 種 多 彩な場 合が少 なくありません。古 典 的な日 本 料 理には見られなかった献 立や料 理 欧米のホテルに見られる「チップ」という習慣が日本人に定着してな く、 また、旅館の宿泊料金にはサービス料が含まれているため、本来は 人 の創 作もあり、また、肉 料 理をはじめとする欧 米 のメニューも和 風 にアレンジされて供されることも多くあります 。 必要ありません。 しかし、一般的に、感謝の気持ちを表す意味合いから、 冠婚葬祭や引越しなどの際に心付けを渡す習慣はあり、旅館でも、心 付けをお渡しになるお客様がいらっしゃいます。 その場合は、 祝儀、 寸志、 板場(いたば) 茶代として、紙に包んだり、 ポチ袋に入れたりして、主に客室係にお渡し されることが多いようです。時機は、到着後であったり、夕食時であった 旅 館や料 亭、割 烹などの日 本 料 理の料 理 人を「板 前」と呼ぶよ り、出発時であったり、 まちまちです。金額は宿泊料金の1割程度が目 うに、 「板 場」は日 本 料 理の調 理 場( 厨 房 )の古 風な呼び方です 。 安のようですが、 あくまでも任意の気持ちの問題ですから、決まりはあり かつて、日 本 料 理 の板 場は、厳 格かつ 絶 対 的な階 級 序 列が守れ ません。旅館の中には、心付けを固辞するところもあります。 た縦 社 会でした。近 年は、かなり緩 和されましたが、その役 割 分 担 8 7
© Copyright 2024 Paperzz