7 8 採光や通風、装飾のために、壁 や室内の間仕切りの上部から天井 の

欄間(らんま)
懐石料理(かいせきりょうり)
採 光 や 通 風 、装 飾 のために、壁
本 来は、茶 の湯において、茶 事を催 す 際 、茶をふるまう前に、お
や室 内 の間 仕 切りの上 部から天 井
茶をおいしく味わうために供 する料 理で、茶 懐 石とも言います 。主
の間に取り付けられたもので、格 子
は茶ですから、料 理は質 素を旨として一 汁 三 菜が基 本です 。一 汁
や透 彫 の彫 刻などが施されています 。平 安 時 代から用いられた日
は汁 椀 、三 菜は向 付 、煮 物 椀 、焼き物となります 。懐 石 の名は、禅
本 建 築の伝 統 様 式を象 徴する意 匠が見 所です 。隣 接する部 屋や
僧が修 行 中 の寒さと空 腹を耐え凌げるよう、火 で温めた石を懐 中
外 光を閉 鎖しないようにする場 合によく用 いられます 。旅 館 の和
に入れたことに由 来 するとされています 。現 在 、自 在にアレンジを
室にも重 用され 、筬 欄 間 、竹 の 節 欄 間 、板 欄 間 、障 子 欄 間 、彫 刻
加えた懐 石 風を名 乗る料 理はたくさんありますが、厳 密には、あくま
欄間などの種 類があります 。
で茶事の料 理です 。
障子(しょうじ)
会席料理(かいせきりょうり)
日本の伝統的な建築物は、木と紙で出来ていると海外の方々に
日 本 語 の発 音が「 懐 石 」と同 音であるため、
しばしば日 本 人でさ
評されることがよくあります 。事実、障子は襖と同じく、木と紙と一部
え混 同してしまいますが、
「会 席 料 理」は、一 般 的に、料 理 店や旅 館
の金具で作られた昔からある内装建具です 。素材となる木も紙も豊
などで供される献立料理を言います 。飲酒が前提となりますから、酒
富な種類があり、デザインもじつに多彩です。障子も襖も木の枠組み
菜で構 成されることが多く、最 後に食 事(ご飯 物 )が供されるのが通
に紙を張ったもので、障子は光が透過できるようになっています 。そ
常です 。懐石料理と会席料理の決定的な違いは、懐石が特定の招
のため、障子紙は日焼けしやすいので、時々張り替えが必要です 。
待 客を対 象とした定 型 の膳 組であるのに対し、会 席 料 理は不 特 定
障子や襖に用いられる和紙は、空気中の汚れを吸着し、
また吸湿作
多 数 のお客 様を対 象とした不 定 型 の膳 組という点にあります 。おお
用により湿度の調整を果たします。さらには断熱効果や照明効果を
むね、先附(お通し、突き出しとも言う)、前菜に始まり、椀物、お造り、
高める機能があり、日本の気候風土に適しています。障子や襖は日
焼き物、煮物、酢の物と続き、最後に食事となる流れが基本的です 。
本旅館の和室にもさまざまな形で採用されています。
献 立によっては、お通し、鍋 物または炉 物、蒸し物、揚げ物、和え物、
香 の物 、水 菓 子などが加わります 。五 菜 以 上 の献 立になると、汁 物
心付け(こころづけ)
も二 汁、三 汁と増え、料 理は七 菜、九 菜と奇 数で追 加されます 。 旅
館で出される料 理は、実 際には、
さらに自 由で多 種 多 彩な場 合が少
なくありません。古 典 的な日 本 料 理には見られなかった献 立や料 理
欧米のホテルに見られる「チップ」という習慣が日本人に定着してな
く、
また、旅館の宿泊料金にはサービス料が含まれているため、本来は
人 の創 作もあり、また、肉 料 理をはじめとする欧 米 のメニューも和 風
にアレンジされて供されることも多くあります 。
必要ありません。
しかし、一般的に、感謝の気持ちを表す意味合いから、
冠婚葬祭や引越しなどの際に心付けを渡す習慣はあり、旅館でも、心
付けをお渡しになるお客様がいらっしゃいます。
その場合は、
祝儀、
寸志、
板場(いたば)
茶代として、紙に包んだり、
ポチ袋に入れたりして、主に客室係にお渡し
されることが多いようです。時機は、到着後であったり、夕食時であった
旅 館や料 亭、割 烹などの日 本 料 理の料 理 人を「板 前」と呼ぶよ
り、出発時であったり、
まちまちです。金額は宿泊料金の1割程度が目
うに、
「板 場」は日 本 料 理の調 理 場( 厨 房 )の古 風な呼び方です 。
安のようですが、
あくまでも任意の気持ちの問題ですから、決まりはあり
かつて、日 本 料 理 の板 場は、厳 格かつ 絶 対 的な階 級 序 列が守れ
ません。旅館の中には、心付けを固辞するところもあります。
た縦 社 会でした。近 年は、かなり緩 和されましたが、その役 割 分 担
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