#3331 経営のヒントとなる言葉 カーネル・サンダース 「何を始めるにしても、ゼロからのスタ…」 Index カーネル・サンダース (ケンタッキー・フライド・チキン創業者) Business Report カーネル・サンダース(ケンタッキー・フライド・チキン創業者) ■「何を始めるにしても、ゼロからのスタートではない」(*) 出所:「カーネル・サンダース 6 5 歳から世界的企業を興した伝説の男」 (産能大学出版部) 冒頭の言葉は、 「たとえ失敗や無駄だと思われるものであっても、経験したことは、何かをなす場 合において必ず役に立つ」 ということを表しています。 1 9 2 0 年代後半、サンダース氏はケンタッキー州にガソリンスタンドを開業しました。 モータリゼーションの進展に加え、顧客への徹底したサービスを実践することで、サン ダース氏のガソリンスタンドは繁盛しました。しかし、1 9 2 9 年に発生した世界恐慌の影 響によって経営は壊滅的な危機に陥り、その結果、サンダース氏はガソリンスタンドを 手放すこととなりました。 しかし、サンダース氏は挫折を悲観する間もなく、翌年には再びガソリンスタンドを 開業しました。サンダース氏は、旅行者の多くが空腹でガソリンスタンドにやってくる ことに目をつけ、ガソリンスタンドに簡単な料理を提供する小さなレストラン「サンダー ス・カフェ」を併設しました。サンダース・カフェは清潔さと料理の美味しさで旅行者 の人気を集めました。 ところが、その後、サンダース・カフェは不慮の火災により焼失してしまいました。 サンダース氏は1 0 年近くの年月をかけてつくり上げてきた財産を一夜にして失いました が、この逆境の中で「自身には、サンダース・カフェの味と、それを慕ってくれる顧客 がいる」ということに気づき、1 9 4 1 年にサンダース・カフェを再建しました。 その後、サンダース・カフェは以前にもまして繁盛しましたが、やがてサンダース・ カフェから離れた場所に新しくハイウェーが建設されたことに伴い、人や車の流れが大 きく変化し、サンダース・カフェの客数は激減してしまいました。その結果、サンダー ス氏はサンダース・カフェを手放すことを余儀なくされます。すなわち、サンダース氏 は、6 5 歳を過ぎてこれまで築き上げてきた財産のほとんどすべてを失ってしまったので す。 しかし、サンダース氏はそれでも希望を捨てませんでした。サンダース氏は、次のよ うに述べています。 「たとえどんな困難が待っていようとも、私はあきらめない。今までがそうであっ たように、これからも何度でも立ち上がる」(*) 2 Business Report この言葉の通り、6 5 歳のサンダース氏は、中古の自動車にスパイスと圧力釜を積み、 車の中で寝泊まりしながら米国中のレストランを訪ねて回りました。そして、行く先々 のレストランでフライドチキンを揚げてみせ、フランチャイズ契約を結んでくれるレス トランを一軒ずつ獲得していきました。やがて、サンダース氏のフライドチキンの美味 しさはレストランオーナーの間でも評判となり、契約レストランは1 9 6 0 年には米国で2 0 0 軒となり、やがて世界中へと店舗を展開することとなります。 サンダース氏は、人生において数々の挫折を経験してきました。しかし、挫折するた びに必ずそこから何かを学んで立ち上がりました。数々の挫折の経験は、サンダース氏 にとって貴重な財産として大いに役立ったのです。 挫折は確かに厳しいものです。しかし、そこには次の成功をつかむためのエッセンス が込められています。挫折の経験を生かし、それをバネとして次の挑戦に飛躍できるか どうかが、経営者にとってさらに大きく成長する上での重要なポイントといえるでしょ う。 【本文脚注】 本稿は、注記の各種参考文献などを参考に作成しています。本稿で記載している内容は 作成および更新時点で明らかになっている情報を基にしており、将来にわたって内容の 不変性や妥当性を担保するものではありません。また、本文中では内容に即した肩書を 使用しています。加えて、経歴についても、代表的と思われるもののみを記載し、全て を網羅したものではありません。 【経歴】 カーネル・サンダース(本名:ハーランド・サンダース)(1 8 9 0 ∼1 9 8 0 )。米国生まれ。 中学校中退。1 9 3 0 年、「サンダース・カフェ」をオープン。1 9 5 2 年、「ケンタッキー・ フライド・チキン」のブランドでフランチャイズ展開開始。 【参考文献】 (*)「カーネル・サンダース 6 5 歳から世界的企業を興した伝説の男」 (藤本隆一、産能大学出版部、1 9 9 8 年9 月) 「ケンタッキーフライドチキンウェブサイト」(日本K F C ホールディングス株式会社) 以上(2 0 1 4 年1 2 月更新) ※上記内容は、本文中に特別なことわりがない限り、2 0 1 4 年1 1 月時点のものであり、将 来変更される可能性があります。 3 ■本リポートは、当方の情報サービスの一環として、情報提供を目的として信頼のおける外部機 関により作成・編集されたものです。 ■本リポートは、情報提供のみを目的とするものであり、本リポートにおいて提供されるいかな る情報も、本リポート利用者の皆様に対し、取引の申し込みや勧誘、あっせん、推奨、助言、 金融商品を含む商品やサービスの販売等を目的として提供されるものではありません。 ■本リポートに記載された情報を利用または参考として行われた経営上の判断や行為・結果等に ついて、当方および外部機関は一切責任を負いません。本リポートに記載された情報を利用ま たは参考として行われる経営上の決定については、本リポート利用者ご自身の責任の下でのご 判断によって行われますようお願い申し上げます。 ■本リポートを通じて提供される情報は、執筆時点の法令および社会情勢等に基づいて記載され ていますが、その正確性・完全性を保証するものではなく、今後予告なく本リポートの内容の 更新、追加、変更等がなされることがあります。 ■本リポートは著作物であり、著作権法により保護されております。本リポートを無断で複写、 複製することを禁じます。
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