校内の植物 [タンポポ] 2013 年 5 月 2 日 タンポポといえば春の花で したが、今はそうとは限りま せん。外来種のセイヨウタン ポポやアカミタンポポは年中 花を付けます。単為生殖(受 粉せずに種子を作る=たった 1株でも種を付けて増えてい けるということ)をするから 一定の期間にみんなで一斉に 咲かなくてもいいのだそうで す。校内では在来種の黄色い タンポポ(カンサイタンポポ) アカミタンポポ は見つかりませんでした。 タンポポの花の色といえば黄色に決まって いるとお思いでしょうが、そうとばかりはい えません。シロバナタンポポという白い花の タンポポもあります。シロバナタンポポは在 来種で、墓地のように昔からあまり手の入ら ない、やや湿った土地でよく見かけます。同 じ在来種でありながら校内にカンサイタンポ ポがなくシロバナタンポポだけがあるのはな ぜか推理してみると、シロバナタンポポの見 られるグランドの南側には昔の土が残ってい る(北から北から土を被せていった)、グラ ンドの南側は水はけが悪くかなり湿っぽい、 というようなことが考えられます。 外来種が侵入した今は日本中どこに行って も「タンポポは黄色」で通りますが、それ以 前は西日本(岡山市から広島市に至る瀬戸内 沿岸の一部の地域を除く)のタンポポはむし ろ白色が普通だったようです 〈 岡山理科大学 (波田研)のホームページなど 〉。 シロバナタンポポ タンポポ調査は小学校でもよくやるのでご存じでしょうが、次にタンポポの区別方法をまとめてみ ました。ご近所のタンポポを観察してご自分の住んでいる地域の成り立ちを想像してみてください。 表.いろいろなタンポポの区別 花の色 黄色 総苞片 反り返る 白色 反り返らない やや反る 実の色 灰色 赤味がかる - - 名 前 セイヨウタンポポ アカミタンポポ カンサイタンポポ シロバナタンポポ 外来種(帰化植物) 外来種のタンポポは総苞片(↑)が反り返る 在来種 アカミタンポポの綿帽子 タンポポは花が終わるといったん 花の柄が寝て、しばらくしてもう一 度立ち上がります。虫を呼んで受粉 するときと成熟した種(正確には果 実)を少しでも遠くに飛ばしたいと きに柄をしっかり伸ばして立ち上が る、それ以外の時は折れたりしない ようにはじめから寝て待っている。 もう一度立ち上がるときのエネルギ ーが無駄に見えますが、立ちっぱな しで折られてしまうリスクの方が大 綿帽子になる前に一度地面に寝るタンポポの花 きいのでしょう。
© Copyright 2024 Paperzz