色も色いろ 第15話 構造色その1

色も色いろ 第15話 構造色その1
「自然はいろいろな色で満ち溢れています。私たちは色の組合せよりも、なぜ宝石
のような輝きに興味を引かれるのでしょう。実はこの輝きこそが構造色の特色なの
です。構造色はそれ自体は色のないものですが、光の波長あるいはそれ以下の細か
な構造をもつことで色を持つ現象で、光の干渉や回折、散乱が関係した現象です。
現代物理学は光の波長以下の規則構造を人工的につくることで、光を自由に扱うこ
とを考えています。これまでの電子を中心としたエレクトロニクスが、光を中心と
したフォトニクスに変遷していく過程なのかも知れません。多くの生物がこのよう
な最先端の技術を内に秘めているとは驚くことではありませんか。」(構造色研究会
HP より)
アンドリュー・パーカーは「眼の誕生」(渡辺政隆/今西康子訳 草思社)の中で、
カンブリア紀に生物はなぜ、突然、爆発的に進化したのか?を目の誕生との関係で
モルフォ蝶の構造色と色素色(右下)
解き明かしている。その中でカンブリア紀の浅い海の中は構造色による極彩色に輝
いていたと記している。色素は分解してその存在を証明する手段はないが、構造色
は化石に痕跡を残していたのだ。「何か特定の目的を果たすために体色が変化してい
る場合には必ず、直接的ないし間接的な防御か、雌雄間での誘因のためであると、
考えられる」とチャールズ・ダーウィンは「種の起源」で述べている。そうした体
色変化をカンブリア紀に既に生物は身につけていたのだ。
現在の構造色の代表格と云えば、モルフォ蝶やタマムシ、孔雀の羽などだろうか。
タマムシは多層薄膜干渉、孔雀は回折干渉、モルフォ蝶は櫛葉状の少し複雑な構造
色による発色である。現在の工業製品にも色素による色だけでなく車やケータイに
代表されるパール塗装やオーロラフィルムといった包装紙、転写シートによる印刷
多層薄膜干渉観察キット
など色票では表せない構造色が多用されるようになっている。