有機過酸化物事業について

有機過酸化物事業について
2005年11月25日
日本油脂株式会社
有機過酸化物とは
• 分子内に過酸化結合(ーOーOー)を有する有機化合物です。
• 分解して非常に反応性の高いフリーラジカルを発生します。
O-O
有機過酸化物
熱
O・
・O
ラジカル
• ラジカルがビニルモノマーの重合を開始し、プラスチックがで
•
きます。
プラスチック産業の多くの分野で必要不可欠な化学薬品です。
その意味から「重合触媒」「硬化触媒」とも呼ばれます。
有機過酸化物-2
合成樹脂の重合開始剤および硬化剤
合成樹脂
重合・硬化
成形品
有機過酸化物 + モノマ-
有機過酸化物-3
有機過酸化物事業の沿革
• 1957年 MEKPOの生産開始(国内初の有機過酸化物メーカー)
有機合成化学
協会賞受賞
(1965年)
日本化学会
技術賞受賞
(1967年)
• 危険物取扱いknow how
をベースにした安定供給
• 国内有数の高い安全性評価技術
• 顧客満足度の高い製品開発と品質
過去48年間の実績により、
国内シェア 55%の総合有機過酸化物メーカーに
有機過酸化物-4
多種多様な有機過酸化物群
有機過酸化物のタイプと分解温度
180
10時間半減期温度(℃)
160
ABS
SBR
PP, LDPE
塗料
合成ゴム
140
120
100
80
60
40
20
ROOH
ROOR'
PS, 塗料
硬化剤
合成ゴム
PS, LDPE
塗料, 硬化剤
合成ゴム
O
R1
RO C OOR'
ROO C OOR
R2
PS,
LDPE
PVC
アクリル
塗料
硬化剤
PS, PVC
アクリル
硬化剤
LDPE
PVC
レンズ
O
O
O
O
O
RO C OO C OR
R C OOR' R C OO C R
有機過酸化物-5
用途別代表的製品群
•
ポリ塩化ビニル用重合開始剤
– パーブチル® ND, パークミル® ND, パーオクタ® ND, パーヘキシル® PV
•
ポリスチレン用重合開始剤
– パーヘキサ® C, パーブチル I, パーテトラ® A
•
ポリエチレン用重合開始剤
– パーブチル ND, PV, O, A, I, Z, D
•
ポリプロピレン用改質剤
– パーヘキサ 25B、パーブチル P
•
塗料樹脂用重合開始剤
– パーブチル O, Z, D, ナイパー® BW, BMT, パーロイル® L
•
不飽和ポリエステル樹脂用硬化剤
– パーメック® シリーズ、パーキュアー® シリーズ、ナイパー シリーズ
•
合成ゴム用架橋剤
– パークミル D, パーブチル P, C, パーヘキサ25B, C
有機過酸化物-6
身の回りを支え、未来を開く石油化学
(日本石油工業協会HPより)
有機過酸化物-7
国内の樹脂生産量(2005~07は推定)
(×1,000t/年)
10,000
9,000
8,000
7,000
6,000
PP
PVC
LDPE
PS
5,000
4,000
3,000
2,000
1,000
0
1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007
有機過酸化物-8
世界の樹脂生産量(2005~07は推定)
(×1,000t/年)
140,000
120,000
100,000
PP
PVC
LDPE
PS
80,000
60,000
40,000
20,000
0
1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007
有機過酸化物-9
有機過酸化物を使った身近な合成樹脂製品
ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン
食品用フィルム
各種プラスチック製品
有機過酸化物-10
不飽和ポリエステル樹脂硬化物
有機過酸化物-11
アクリル樹脂、各種ゴム架橋製品
液晶用導光板
ゴム架橋製品
光ファイバー
自動車部品
有機過酸化物-12
弛まぬ新製品開発
• 優れた成形性
高品質ポリスチレン用重合開始剤
– パーテトラ® A
• 高い透明性と生産性
メタクリル樹脂用重合開始剤
– パーヘキシル® PV
• 高濃度かつ低粘度な塗料用ベース樹脂
ハイソリッド塗料用重合開始剤
– パーヘキシル® D
• 残存スチレン量(VOC)の低減
低VOC用不飽和ポリエステル硬化剤
– パーキュアー® U, パーキュアー® AZ
有機過酸化物-13
有機過酸化物事業の国際化
• 1990年 韓国への技術輸出
• 1995年 インドネシアに
PT. NOF MAS CHEMICAL INDUSTRIESを設立し、
有機過酸化物の製造を開始
• 2004年 常熟日油化工有限公司を中国に設立
• 2007年 常熟日油化工有限公司での製造開始予定
日本、インドネシア、中国での製造・販売体制を確立
世界シェア 15%
有機過酸化物-14
韓国
常熟
衣浦
中国
パキスタン
台湾
インド
タイ
フィリピン
欧米
ベトナム
マレーシア
SINGAPORE
JAKARTA
有機過酸化物-15
製品開発のキーワード
• グローバル化
– 安定供給の継続と世界に通じる品質の維持
• 安全性向上
– 水系エマルションタイプ、サスペンションタイプの開発
• 環境対応
– 非溶剤タイプの開発、低VOC化対応製品の開発
• オリジナル製品の拡充
– パーヘキシル® シリーズのラインナップ
• 有機過酸化物合成技術の展開
– 特殊有機過酸化物を用いた機能性ポリマーの開発
有機過酸化物-16
特殊有機過酸化物を用いた機能性ポリマー開発
(
OO
)n
C C
OOR
ポリマーパーオキサイド
モノマーパーオキサイド
ブロックポリマー
グラフトポリマー
表面改質剤、樹脂改質剤、エラストマー
有機過酸化物-17
モディパー®、ノフアロイ®シリーズ
ブロック モディパーS
ポリマー モディパーF
モディパーFS
モディパーH
グラフト モディパーA
ポリマー モディパーC
ノフアロイ
PS/PVAcブロックポリマー
フッ素含有ブロックポリマー
Si含有ブロックポリマー
親水/疎水ブロックポリマー
PO系グラフトポリマー
PC系グラフトポリマー
TPE系グラフトポリマー
1992年 日本化学会 化学技術賞受賞
「ブロックおよびグラフトポリマーの新しい合成法の開発」
有機過酸化物-18
機能性ポリマーの利用分野
モディパーH
防曇性付与
モディパーA
摩耗性改良
ノフアロイシリーズ
耐油性エラストマー
モディパーS
低収縮化
有機過酸化物-19
有機過酸化物事業の展開
川下
機能性フィルム
電子材料
最終製品
部品メーカー
機能性ポリマー
樹脂メーカー
川上
有機過酸化物,石油製品
年
代
有機過酸化物-20
世界のプラスチック産業に貢献する
日本油脂の有機過酸化物事業
有機過酸化物-21